585 名前: ◆yIMyWm13ls[saga] 投稿日:2013/08/08(木) 14:53:26.62 ID:jq8tkOme0
[2/10]
雪菜が箒へと『部分変身』させた雷のワンドで空を飛ぶ練習をしていた時だった。
雪菜「…な、なんですかこれは…?」
穿たれた建物。
砕かれた道路。
雪菜「…一体どうなって…」
雪菜の真下に建っていた建物に光線の様な物が直撃する。
雪菜「なっ!?」
爆音。
巻き上がる瓦礫。
586 名前: ◆yIMyWm13ls[saga] 投稿日:2013/08/08(木) 14:54:15.99 ID:jq8tkOme0
[3/10]
Cイワッシャー『イワッシャァァァ!』
目の前には見たこともないロボットが。
雪菜「…あなたが『これ』をやったんですか?」
Cイワッシャー『シャッシャッシャー!』
ロボットは答えの変わりに再び光線を吐き出す。
雪菜「そうですかぁ…」
雪菜はぎゅっと箒を握りしめると地上に降り立つ。
雪菜「あなたの中から真っ黒なものを感じます……」
かつて雪菜の中にあったものほどではないが目の前のロボットからは似たようなものを感じた。
587 名前: ◆yIMyWm13ls[saga] 投稿日:2013/08/08(木) 14:55:34.07 ID:jq8tkOme0
[4/10]
雪菜「…これ以上被害を出す前にあなたを破壊しますねぇ♪」
雪菜の初めての戦い。
悪魔であった時に戦ったあらゆる敵よりも格下だと自分に言い聞かせる。
雪菜「さぁ…行きますよぉ…!」
雪菜の箒がみるみるうちに姿を変えていく。
イヴ愛用の箒から死神の鎌へと。
『付与!雷の加護よ!』
鎌は普段纏っている雷に加えて付与の雷を浴びて、より激しくスパークする。
Cイワッシャー『シャ!?』
588 名前: ◆yIMyWm13ls[saga] 投稿日:2013/08/08(木) 14:56:16.66 ID:jq8tkOme0
[5/10]
『風よっ!』
雪菜の足元から猛烈な風が吹き出し雪菜を弾き飛ばす。
雪菜「え、えいっ!」
風の勢いそのままに鎌を大きく振りかぶる。
Cイワッシャー『シャシャー!』
ロボットは大きくバックステップする。
雪菜「…あうっ!?」
振りかぶった鎌が上手く振れずにつまずき、よろめく。
雪菜「だ、駄目ですねぇ…裕美ちゃんはよくこんな器用なこと出来ますねぇ…」
裕美ちゃんが風魔法に乗って飛び回っていたのを思い出して苦笑いを浮かべる。
589 名前: ◆yIMyWm13ls[saga] 投稿日:2013/08/08(木) 14:57:59.02 ID:jq8tkOme0
[6/10]
Cイワッシャー「シャッシャッシァー!」
私の情けない姿を見て魚型のロボットも若干調子に乗っているように見えます。
雪菜「もうちょっと使いやすい武器のほうがいいんでしょうか?」
雪菜がそんなことを考えていた時だった。
『ファイアズムサイズ』
瞳子「どんな武器だって使いこなすのに時間が掛かるものよ?」
目の前のロボットの横スレスレを炎の鎌が通り過ぎ爆音を上げる。
590 名前: ◆yIMyWm13ls[saga] 投稿日:2013/08/08(木) 14:59:49.46 ID:jq8tkOme0
[7/10]
瞳子「でも、貴女は不思議な武器を使ってるのね?」
まさか箒を鎌に変えたあたりから見ていたのでしょうか。
瞳子「それなら貴女にあった戦闘スタイルを考えた方がいいと思うわよ?」
雪菜「…自分にあった戦闘スタイルですか…」
瞳子「えぇ、さぁ、やってみるといいわ」
彼女が一歩横にずれると怒りの感情を露わにしたロボット。
Cイワッシャー『シャァァァァァ!』
雪菜「…」
両手で構えていた死神の鎌を裕美ちゃんのボールペンへと変える。
『雷よ!穿って!』
とても杖には見えない物から放たれた雷の閃光が不意打ち気味に真っ直ぐロボットへと向かっていく。
591 名前: ◆yIMyWm13ls[saga] 投稿日:2013/08/08(木) 15:01:40.24 ID:jq8tkOme0
[8/10]
Cイワッシャー『シャァァァァァァ!』
雷の閃光とロボットの光線がぶつかり合い、猛烈な光が弾ける。
雪菜「…行きますっ!」
今度はボールペンを箒へと変え、私はそれにまたがる。
箒は人一人分の高さを維持しながらロボットに向かって飛んでいく。
魔力の放出をやめた雷が撃ち負け、ロボットの光線が既に誰もいない空間を貫く。
Cイワッシャー『シャ!?』
その時私は、驚愕するロボットの真上に居た。
その時既に箒は死神の鎌へと姿を変えていた。
死神の鎌は重力に従って刃を下にして落ちていく。
『付与!雷の加護よ!』
雷を纏った鎌がロボットを貫いた。
592 名前: ◆yIMyWm13ls[saga] 投稿日:2013/08/08(木) 15:02:26.93 ID:jq8tkOme0
[9/10]
―
瞳子「そう、大鎌は重心の調節と杖術みたいに扱うことも出来ることを覚えておいて?」
雪菜「こうでしょうか?」
半円状に鎌を振ったり、鎌の重さに逆らわずに振る練習をしてみる。
瞳子「ふふ、やれば出来るじゃない、雪菜ちゃん…だったかしら?」
雪菜「あ、ありがとうございます…瞳子さん…」
自己紹介を終えた雪菜は大鎌の扱いを瞳子に教わっていた。
瞳子「…さて、私はこれから憤怒の街に行かなくちゃだからこれで失礼するわね?」
雪菜「…憤怒の街…ですかぁ…」
雪菜「もしも二人組の魔法使いに出会ったら、宜しく伝えてください」
瞳子「魔法使い?」
雪菜「私がお世話になってる方たちなんです♪」
瞳子「そう、会ったら伝えておくわ。」
雪菜「さて、私はそろそろ帰りますね♪」
雪菜「…帰らないとブリッツェンに心配掛けちゃいますから♪」
死神の鎌を箒へと変えた新米魔法使いは微笑みを浮かべ飛んでいった。