5スレ目>>360~>>369

360 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga] 投稿日:2013/08/05(月) 00:14:32.86 ID:TAab4d6+0 [2/12]
一時休憩を終えたネバーディスペアは、ある地点へ行くように命令を下された。

「この情報はある信頼できる情報提供者から入手したのだが…あの浄化効果を持つ雨を降らせている能力者達がこの地点にいるそうだ。」

LPの言う情報提供者が少し気になるが、あまり口を挟む状況でもないので黙って聞く。

「しかし、その能力者は雨を降らせる事に集中しすぎて雨を降らせる装置のようになり、動けなくなってしまっているそうだ。」

「街の事件解決の生命線とも言える…彼女達の護衛を頼みたい。すでに数名が護衛に来ているようだが、数が多いらしい。…頼んだぞ。」

「了解!」

すぐさま夏樹が穴を生み出し、その地点へと移動した。

361 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga] 投稿日:2013/08/05(月) 00:15:17.76 ID:TAab4d6+0 [3/12]
移動して目に映るのは波のようなカースの軍体。

…雨を降らせているのだろう、眠るように動かない3人の少女にカースが向かっている。

その少女たちを守ろうと…変身ヒロインのような衣装の女性が二人、金属の足の少女と、電撃を放つ棒の様な物を持つ男性が戦っていた。

「…予想以上だな」

「きらりんビーム、やっちゃうやっちゃう?」

「…いや、先に戦っている人達に影響がない可能性も否定できないし、温存しておこうな。」

「りょーかーい!」

「…よし、だりー!頼んだぞ!」

「わかった…!」

362 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga] 投稿日:2013/08/05(月) 00:15:53.55 ID:TAab4d6+0 [4/12]
防戦を続ける琴歌達。人数が増えたことにより、先ほどのように一方的に攻撃される事は無くなったが、圧倒的というわけでもなかった。

背後に守る対象を置きつつ、無数の不定形の化け物を倒し続ける。…終わりも見えず休憩も無い。よっぽどの手慣れでもかなりキツイ条件だ。

誰もが何度か不覚をとり、その度に助けられている。視界に映る『黒色』は途絶えることがない。まだカースの量には終わりが見えない。

「琴歌ちゃん、大丈夫?」

「まだまだ戦えますっ!」

「しかし、キリがないな!」

「皆さん、無理だけはしないでくださいね!」

お互いに励まし合いながら防戦を続ける。

その時、視界の向こうに電撃がはじけ、先に重りが付いたワイヤーのようなもので扇状にカースが薙ぎ払われた。

363 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga] 投稿日:2013/08/05(月) 00:16:56.15 ID:TAab4d6+0 [5/12]
「うっきゃー!李衣菜ちゃんすごーい!」

カースが払われた先には4人の少女。

一人は頭に先ほどの攻撃に使われたワイヤーを頭に収納している眼帯を付けた『李衣菜』と呼ばれた少女。

一人はかなり身長の高い少女。先ほどのテンションの高い声は彼女の声の様だ。

一人は獣の耳と手の…獣人らしき少女。しかし、背中には黒い羽根のようなものが見える。

最後の一人…この中では髪形以外は一見普通に見える少女を先頭にしてカースを倒しながらこちらへ駆け寄ってきた。

「アタシ達はネバーディスペア。増援だ!」

彼女の周辺を丸い機械が浮遊している。喋りながらも近寄るカースはそれから発せられるビームによって貫かれていた。

「ありがたい!」

ネバーディスペア。それなりに名が通っているチームではあるが、テレビに出たりするような目立った行動は全くない。

避難を手伝ってもらった市民からの目撃情報からも、4人の女性チームと言う事しか判明していないチームだ。

もちろんシビルマスクも名は知っていたが、こんな状況で会うとは思っていなかった。しかし、そんな事より今は増援がとてもありがたい。

364 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga] 投稿日:2013/08/05(月) 00:18:02.06 ID:TAab4d6+0 [6/12]
「俺はシビルマスク。女性二人はカインドとグレイス。あの女の子は琴歌ちゃんだ。よろしく頼む。」

「きらりはきらりだよー!」

「私は李衣菜です。…いいのかな?」

「な、名乗っていいのか…?…あたしは奈緒だ。」

「まあ連携しやすくなるからいいだろ…アタシは夏樹。よろしく。」

お互いに軽い自己紹介を済ませる。

「そっちの戦法とかよく分かんないけど、あのユニット…浮いている機械は攻撃しないでくれ!あれはアタシの目だからさ!」

良く見ればすでに彼女の周り以外にも空中の数カ所に丸い機械が浮いていた。

「わかりました!」

カインドが返事をする。矢で誤って打ち抜かないように。

365 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga] 投稿日:2013/08/05(月) 00:20:34.09 ID:TAab4d6+0 [7/12]
人数が単純に倍になったことで、戦況は一気に楽になった。

琴歌もさらに増えた仲間に目を輝かせた。

「きらりさんっ!」

「おにゃーしゃー☆」

いつの間に仲良くなったのか、きらりの攻撃で吹き飛んだカースを琴歌が蹴る。そんなコンビネーションができている。

「私!不謹慎ですけどこの状況がとてもスリリングでたのしいんです!」

さっきまで絶体絶命だったのに、どんどん仲間ができて、戦況がひっくり返されようとしている。それは今までにない感覚だった。

「きらりも、みんなと戦えてとってもはぴはぴしてるー!」

幸福をエネルギーにするきらりも、それが心地よかった。

「それでは一緒に参りましょう!」

「きらりも一緒にいくー!」

高速の足技と、容赦のない無邪気な攻撃がカースに襲い掛かる。

まさに千切っては投げ、千切っては投げだ。

二人による乱舞は、かなりの数のカースを消していった。

366 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga] 投稿日:2013/08/05(月) 00:23:29.34 ID:TAab4d6+0 [8/12]
その様子を少し離れたところからグレイスは見ていた。

「…ふふっ、あの子たちのダンスに負けないようにしなくちゃね!」

そう言ってグレイスは剣でカースを真っ二つにする。しかし核には当たらなかったようで、再生を始める。

再び切り裂こうとするが、背後にカースが迫っていた。

「ダンスなら、音楽がいりますよねっ…!」

しかし、そう言ってその背後のカースを李衣菜がギターで叩き潰した。

「…ヒュー♪ダンサーの次はギタリスト?でもその使い方は感心しないわねっ!」

「そうかな…このギターはこう使うためのギターでもあるんですよっ。」

電気をギターに集中させ、スパークを放ちながら別のカースを叩き潰す。

「そ、それはなかなか面白い音が出そうね!」

予想外の開き直った答えに少し笑いそうになりながらグレイスも剣で切り裂いていった。

「なら、さっさと片付けて、演奏会とダンスパーティにしましょう…!」

李衣菜も一瞬笑みを浮かべ、別のカースにギターでホームランするように振りきった。

367 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga] 投稿日:2013/08/05(月) 00:24:57.48 ID:TAab4d6+0 [9/12]
「はあっ!」

シビルマスクも、雷を放つ角を惜しみなく振り回し、カースを倒していく。

この中で一番戦闘能力に不安があるのは彼が一番わかっていた。それでも、攻撃の手を止めることはない。

その彼の背を守っているのは虎の手と耳の少女。

「お兄さん、大丈夫かよっ!」

爪で切り裂きつつ奈緒が問う。

「問題ない!俺が休める状況でもないだろ…!」

「そうだけど……っ!?」

襲い掛かってきたカースを倒し、もう一度彼を見ると、ふらついた足を掬われ、今にも飲まれようとしていた。

シビルマスクが衝撃に耐えるべく覚悟を決めると、別の…何かに捕まれた衝撃が襲った。

「お…おおっ!?」

意識をはっきり戻して状況を確認する。…虎の背に乗っていた。

しかも普通の虎ではない。翼がついているし尻尾が蛇だ。

「…奈緒ちゃん…君か!?」

見た目から獣人らしいとは思っていたから少し驚いただけで済んだが…まさか乗せられるとは思っていなかった。

「足疲れてるならしばらく休んでくれって事!ちょっとだけだからな!こういうの初めてなんだからな!」

少し恥ずかしそうな声で奈緒が答える。

「…乗馬はしたことないのにトナカイの次は虎か…」

「何言ってるんだよ!来るぞ!落とされるなよ!」

「お、おう!」

背に乗せたまま、カースに飛び掛かる。爪で切り裂き突き進む。荒々しいが、落とされるほどではない。…二度目だからだろうか。

シビルマスクも角を構え、カースを攻撃する。

「鬼に金棒、虎に翼か…!負ける気がしないな!」

思わずニヤリと笑ってしまったのはきっと誰にもばれていないだろう。…多分。

368 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga] 投稿日:2013/08/05(月) 00:26:24.04 ID:TAab4d6+0 [10/12]
「すごい…」

カインドからは思わずそんな感想が漏れていた。…人数が増えたことにより、前衛後衛がはっきりと分けやすくなっている。

そして遠距離攻撃中心のカインドと夏樹は、後衛としてナチュルスターの傍で援護射撃を行っていた。

「単純に人数が増えれば楽になるさ。それよりもアタシ達が来る前からずっと戦っていたそっちの方がすごいと思う。…本当は休んでもらいたい。」

夏樹の目…ユニットが、カースの動きを見る。

「…いつ終わるかもわからないし。」

そう夏樹が言った瞬間、向こうの方でまるで天を貫くような光が発生した。

「!?」

「な、何!?」

夏樹のユニットが忙しく動きその光の根本を限界までズームして映し出す。

それと同時にその周辺も確認する。

「…カースが途切れた…終わりが、見えた!」

絶えることなく続いていた黒が、もう生まれなくなったのだ。

「本当!?」

カインドが喜びの声を上げる。

「ああ、誰かが根本をやってくれた!」

…まだ、かなりの数がいる…それでも終わりが見えたことは希望になった。

「終わりは見えた!でも油断しないで行こうか!」

夏樹の声に帰ってきた返事は、しっかり前向きな声だった。

369 名前: ◆zvY2y1UzWw[saga sage] 投稿日:2013/08/05(月) 00:27:55.62 ID:TAab4d6+0 [11/12]
以上です
…今sagaだけだった事に気付いた…バカだなぁ

イベント情報
・ネバーディスペアが魔法少女達と琴歌に合流しました。

 

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最終更新:2019年04月24日 23:35