5スレ目>>329~>>334

329 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/08/03(土) 23:54:41.73 ID:CD5+h8LW0 [4/8]
キバは地下道を歩いていた。目立つことは避けるべきだし、何か『悪い物』がある気配を僅かながら地下から感じるのだ。

少し地上に顔を出した時に知ったが精霊の力による浄化の雨が降っていた。

そして…浄化の雨の影響が少ないからか、カースはおそらく地上の物より手強い。

…キバはこう考えた。自分がこの事件の犯人ならばどのような行動をするか。

少しでも手強い配下がいる方がいいだろうし、邪悪な者の使う魔術・呪術は雨の中では本来の威力にはならないだろう。

まともに思考できる者や、地上に固執する理由がない者なら…地下に移動した可能性の方が高い。

地上は人間の能力者たちが奮闘しているようだし、自分は自分の目的を達成するだけだ。

迷路のように複雑に入り組んだ地下をカースを倒しながら進む。

そして、少し広い場所に、異常なほどの量のカースと…

『誰ですか…あなたも私の邪魔をする偽善者なんですか!腹立たしい!』

この事件の元凶である岡崎泰葉…の偽物がいた。

330 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/08/03(土) 23:55:27.57 ID:CD5+h8LW0 [5/8]
「…偽善者か。残念ながら…私は偽善者すら名乗る資格はない。ただ一つ忠告しておこう…」

そう言いながら腕に竜の顔に似たデザインのバスターを生み出す。

「怒り程愚かな結果になりやすい感情はない。もっとも、感情の塊のようなコピー品に言ってもわからないだろうが。さて、やらせてもらおうかな。」

『~~~、~~』

すぐさま竜言語魔法を詠唱し、凍り付く冷気を纏った風が広範囲のカースに襲い掛かる。

偽泰葉は付近のカースで防ぐものの、カースはほぼ全滅していた。

331 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/08/03(土) 23:56:03.78 ID:CD5+h8LW0 [6/8]
『説教ですか?これだから大人は嫌いなんですよ!腹立たしい!』

そして怒りに流されるようにその数少ない生き残りをキバに仕向けた。

「説教のつもりはないのだが…」

そう言いながら装備を両手爪に替え、カースを切り裂いてゆく。核が見えれば翼で切り裂いた。

「まぁいい。君だけでこの状況を生み出したとは到底思えない。…協力者について吐いてもらおうか。それができる知能があるだろう?」

『私を…馬鹿にするなぁ!!』

既に半壊している地下道の瓦礫を掴んで投げる。キバは回避するが、後ろの壁が派手な音を出して砕けた。

332 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/08/03(土) 23:57:29.97 ID:CD5+h8LW0 [7/8]
「…力自慢か。面白い…!」

キバが武装を消し、お互いに地を蹴って接近する。

偽泰葉が思い切り殴り掛かるが、キバがしゃがみそれを回避する。それを見て偽泰葉はいったん距離を取り、いくつも瓦礫を投げた。

『[ピーーー][ピーーー][ピーーー]!その余裕ぶった態度も!何もかも!腹立たしいんですよ貴方!』

先程よりも大きな怒り。それによって力も上昇した瓦礫投げ攻撃。

キバが翼と鱗を生み出して防ぐが、展開が間に合わなかった肌に大小の傷ができていた。

「…いい攻撃だ。だがまだ甘い。力に頼りすぎていて筋肉を使えていないし、鍛錬も足りていないようだ。それでは能力の持ち腐れだよ。」

反撃と言わんばかりに今度は偽泰葉に行動させる間もなくキバが飛び掛かる。

拳で迎撃しようとしてきた偽泰葉だが、キバはそれを読んで翼を出し、浮くことでタイムラグを生み出しそれを回避。

「…しかし、君のおかげで一つ思い出せたことがある。」

蹴りで偽泰葉を宙に浮かせてキバは笑いながら言った。

「私は若い頃、力自慢を力でねじ伏せるのがとても大好きだったんだ…!」

竜の頭を模したパイルバンカーを右手に生み出す。そして地面を蹴って思い切りバチバチバチと音を立てるそれを叩き付けた。

電気を纏った鉄杭が偽泰葉の腹に穴を開け、さらに天井に叩き付けられる。

『ガ、ァァ…!?』

333 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/08/03(土) 23:59:44.54 ID:CD5+h8LW0 [8/8]
「…すまない、やりすぎてしまったようだ。」

天井から落ち、腹に穴の開いたままの偽泰葉に、油断することなく近づき、一応謝る。

『腹立たしい…貴方が言ってること、理解したくありません。』

「…ならいつか分かりたくなる時が来るだろう。まだ若いだけだ。」

『…ムカつきますね…絶対にあなたの知りたい事なんて教えてあげませんから。』

そう言うと、偽泰葉の体はみるみるうちに黒くなり、やがて自動的に核が壊れてしまった。

「失敗してしまったな…」

少しテンションが上がってしまったことを反省しつつ、これからどうするか考える。

…地下を中心に行動しているが、時折見かける蛇竜のようなカース。あれが気掛かりだ。

憤怒の街である筈なのに、核も無しに嫉妬の力で動くあのカース。…おそらく母体のようなカースがいる筈だ。

「…嫉妬の大罪…か」

脳裏によぎるのは平和な時代の『彼女』。

…取りあえず、あのカースの母体を倒すべきだろう。

回復魔術で傷を癒しつつ、無意識にそれを決定していた。

334 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/08/04(日) 00:02:16.36 ID:F4ELmCu50 [1/3]
以上です
先輩は怪力の能力者でも筋肉つけてなさそうだよね!

イベント情報
・地下の岡崎泰葉の偽物を撃破しました
・キバさんはまだ地下で行動するようです。今のところ目的は嫉妬の蛇竜です。

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最終更新:2019年04月22日 23:46