5スレ目>>80~>>88

80 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/07/28(日) 13:54:02.44 ID:oBmSi01M0 [4/15]
【魔法少女ラブリーチカ】
十数年前に放送され、5シリーズ約200話放送され続けた魔法少女アニメ。
横山千佳という少女が愛の力でラブリーチカに変身し、仲間たちと共に悪の魔物を倒すストーリー。
杖と魔法以外にも剣や弓や槍を使う他、挙句の果てには格闘戦まで行い、「迷走しすぎて逆にカッコいい」魔法少女と言われる。
社会現象的なブームを起こし、現在も魔法少女アニメと言えばこれをあげる人も多い。
決め台詞は「正義の味方ラブリーチカが、愛の力でオシオキしちゃう!」

81 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/07/28(日) 13:54:30.25 ID:oBmSi01M0 [5/15]
憤怒の街。そこはありとあらゆる人間が怒りに飲まれていった街。

しかし、人間以外の憤怒の力によってとある力が目覚めようとしていた。

『あたし…なんで捨てられたの…?』

ごみ捨て場に捨てられたフィギュアから、悲しみの声がわずかに漏れる。

そのフィギアは『魔法少女ラブリーチカ・ラブリーフォーム☆限定復活生産版』。

昔作られたフィギュアの再生産版で、かなりの数のオタクたちが予約戦争を起こしたとか起こしていないとか言われる代物である。

とある隠れオタクだった男性が哀れにもオタク嫌いの妻にばれて捨てられた物の一つが、そのフィギュアだった。

かなり大切に扱って貰っていたそのフィギュアには魂のようなものが宿っていた。

けれど付喪神になれるほど年期が入ってるわけでもなく、意識も消滅しかけていた…はずだった。

82 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/07/28(日) 13:55:04.82 ID:oBmSi01M0 [6/15]
街が怒りに飲まれたのだ。

それに伴ってフィギュアの魂の怒りも共鳴するように膨らんでゆく。

周りにあった様々なごみ捨て場の玩具達もフィギュアに共鳴するように動き出した。

『捨てられた』『悲しい』『許せない』

魂とは言えない虚ろなものが、フィギュアの魂に縋り付く様に集まってくる。

消えかけていた魂がその感情を拾い集めて、やがてそれは大きくなった。

そこに、精霊の癒しの雨が降り注ぐ。

癒しの力と怒りの力が反発しお互いに打ち消そうとする。

…そして強いエネルギーが発生した。

激しい真っ赤な光を放って、捨てられた玩具とフィギュアの集合体が生まれた。

「あたしは横山千佳…ラブリーチカ…」

フィギュアのように硬質ではない衣装。自由に動く関節。風に吹かれて揺れる髪。

『原作の設定通り』127cmの少女がそこにいた。

83 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/07/28(日) 13:57:02.51 ID:oBmSi01M0 [7/15]
『憎たらしい憎たらしい!自分を捨てた人間が憎たらしい!』

「でも千佳は正義の味方だよ、みんなを守らないと…」

ブローチの宝石が黒と赤、交互に光り、そのたびに声が若干変化する。

『正義ぃ?じゃあこの怒りを誰にぶつければいいの!?』

「悪い魔物をやっつければいいよ…」

『ムリだよ!魔物なんているわけがない!』

「いるよ、あたし今までいっぱい倒してきたもん…」

「魔法少女ラブリーチカ」と『フィギュアとしてのラブリーチカ』が、混ざり合うことなく微妙なバランスで混在していたのだ。

魔法少女は現実を知らない。自分が創作上の存在だと知らない。

けれどフィギュアは知っている。自分が捨てられた物だと知っている。

ごみ捨て場から、カースが暴れまわっているのが見えた。

「あ、魔物…退治しないと!」

『…じゃあ戦えば?あたしは引っ込んでるから。』

声が一つ消え、意識がはっきりしてくる。

「わかった!ラブリーステッキ!フライングモード!」

ハートのついた杖から翼が生え、それに跨る。そのままカースのすぐそばまで飛び、旋回する。

「悪い魔物め!正義の味方ラブリーチカが、愛の力でオシオキしちゃう!」

『ウルセエエエエエエ!』

カースが殴り掛かるも速いスピードで飛ぶ彼女を捕えることはできない。

「ラブリースマッシュ!」

杖から飛び降りるとカースに殴りかかる。そのまま宙返りをして距離を取る。

「ラブリーチカ必殺!ラブスプラッシュ!」

杖を構えると、赤い液体がもの凄い勢いでカースに向かって飛んでいった。

84 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/07/28(日) 13:57:38.25 ID:oBmSi01M0 [8/15]
『設定通り』ならば、その液体は愛の力が凝縮された浄化の水。

…けれど現実は違う。その赤は愛の色ではなく怒りという負の感情の色。

だから浄化などできるわけがない。その力はただ破壊する事しか出来ない。

『ギャアアアアアアア!!』

しかし水という形をとっているからか、カースに吸収されることはなかった。核を砕き、カースは消滅する。

しかし、憤怒の街であるこの場所ではカースはどんどん湧いてくる。

千佳を敵だと認識したようで、少し遠くにいたカースもこっちにやって来た。

「こ、こんなにいっぱい!?」

杖に跨り一旦離脱しようとするが、飛んできた蝙蝠型のカースに叩き落とされてしまう。

地面に叩き付けられた彼女に一斉にカースが襲い掛かる。

「…あ、たし…」

しかし、ブローチが黒く輝いたと思うと、真っ赤な光が千佳を包み込んだ。

その光でカースたちは弾かれてしまう。

85 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/07/28(日) 13:58:25.54 ID:oBmSi01M0 [9/15]
『なんでこんな理不尽な目に合わないといけないの!イラつく!』

衣装の白い部分が真っ黒に染まり、見た目からして悪の魔法少女の外見になる。

『出てきて!オコダーヨ!あたしの怒りをぶつけて!』

すぐにごみ捨て場に走り、適当な品を手に取る。

『オコダヨー!』

手に取ったのはプラスチックの箱のオルゴール。そこに怒りの力が注がれ、巨大化して魔物になった。

『オコー!』

オルゴールの魔物が叫ぶと、ハンドルが回り、音楽が流れ始める。

『グギャ!?』『キキィ!?』

カースが苦しみ出す。そういうイメージで作ったのだから当たり前だと千佳はフフンと笑った。

『グギィィィィ!』

しかし苦しみの中でも飛び掛かってくる狼型カース。

『ブロック!』

しかし千佳の目の前にカラフルなブロックが現れ、防御する。

こんな技、原作にははない。自分の存在を理解している千佳は、自分が生まれる過程で協力してくれた玩具の力によって、玩具も武器としても使えるのだ。

『ラースチカ必殺!ラースインパクト!』

空中に真っ赤なエネルギー弾が大量に浮かび上がり、カース達の体を無慈悲に打ち抜いてゆく。

『トドメだよ!』

千佳の頭上にさらに巨大なエネルギー弾が浮かび上がり、そのままカースを一網打尽にした。

86 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/07/28(日) 13:59:00.29 ID:oBmSi01M0 [10/15]
「…!」

煙が晴れると黒い衣装は白に戻っていた。

『オコダーヨ!』

「別の魔物…!」

『オッコ!』

カースがいなくなっている理由は分からないが、目の前の魔物を倒さないといけないと判断した。

「ラブリーソード!」

杖が光り、剣の形になる。

「ラブリーチカ必殺!ラブ一文字切り!」

そのままオコダーヨに向かって走り、切り捨てた。

『オーコー…』

「これが愛の力!」

剣が杖に戻ると同時に、オコダーヨは爆散した。

87 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/07/28(日) 14:00:19.46 ID:oBmSi01M0 [11/15]
「…あたしの中に誰かいる…」

虚ろな意識の中、会話した記憶がある。自分の中に誰かがいる。それも悪い子がいる。

「どうしよう…おうちに帰らなきゃ…」

ここは千佳の知らない街。

家に帰りたい。どうしようもなく怖いから。

…でも中の子は『帰る場所なんてない』って言っている。

否定したいけど何故かできない。その言葉の理由を知ってしまえば泣いてしまいそうだから。

「ラブリーステッキ、フライングモード…」

杖に跨ると、逃げるようにその街から去って行った。

その日を境に、各地でラブリーチカが目撃され主にネットで『二次元キター!』『俺の嫁が画面から出てこない不具合』等と大騒ぎになっている。

…そしてそれと同時に各地でオコダーヨという魔物も現れている。…現在関連性は不明。

88 名前: ◆zvY2y1UzWw[sage] 投稿日:2013/07/28(日) 14:02:13.69 ID:oBmSi01M0 [12/15]
横山千佳(ラブリーチカ・ラースチカ)
職業:正義の魔法少女・悪の魔法少女
属性:元フィギュアの魔法少女
能力:怒りのエネルギーによるマジカル攻撃(ラースチカのみオコダーヨの使役とおもちゃの現実化)

昔の大人気アニメのヒロインのフィギュアが憤怒の街の怒りのエネルギーと、精霊の癒しのエネルギーを同時に浴びて生まれた存在。
正義の心と怒りの心を持っており、ある程度の怒りを抱えるとラースチカに変身してしまう。
ラブリーチカの心は自覚していないが全ての攻撃は怒りのエネルギーで行われており、ラースチカも能力を使い続けているとラブリーチカに戻る。
ラブリーチカは自分がフィギュアという自覚はなく、自分の心の中に悪い自分がいるとなんとなく察しているものの、どうすることもできずにいる。
ラースチカは捨てられたフィギュアとしての意思が強く、人間に強い恨みを抱いている。
おもちゃの現実化は召喚的能力。ブロックを召喚したり、相手を樽に閉じ込めて剣を刺したり、戦隊ヒーローの技を再現出来たり割とシャレにならない威力。
しかし強い能力を使うとラブリーチカに戻ってしまうのでラースチカはそこまで積極的ではない。

オコダーヨ
ラースチカが何か捨てられた物に怒りのエネルギーを注いで生まれる巨大な魔物。
…○リキュアの雑魚敵的な存在。
ラースチカの命令は聞くが、ラブリーチカは敵とみなす。
大きさも能力も個体によってバラバラである。
普段はラースチカに生み出されては護衛をしたり、別行動で人を襲撃したりする。

 

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最終更新:2019年03月18日 02:43