4スレ目>>448~>>459


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448 名前: ◆Nb6gZWlAdvRp[saga sage] 投稿日:2013/07/19(金) 02:50:58.30 ID:NXH3qdzxo [2/14]
烈風「どうすりゃいいんだよこれ……」

美世「さ、さあ……」

どこか優しい雨が降り注ぐ中、カースひしめく街を駆け、二人は避難民の元へと辿り着いた……が、
――そこは氷の壁に覆われて出入りができる状態ではなかった。

烈風「どう見てもカースの仕業じゃねえし、下手にぶち破るわけにもいかないよな」

ガンガンとノックの要領で叩いてみると、分厚い壁はしっかりとした手ごたえを返してくる。
これを力ずくで除けようとすれば、中の人が危険だろう。

??「あら、ヒーローの方ですかぁ~?」

二人が手をこまねいていると、背後から間延びした声が上がる。
振り返るとそこには少女が二人。
宙に浮いているから、恐らく魔法使いとかだろう。

烈風「ああ、救出に来たんだけどな、この壁をどうしようか迷ってたとこだ。
これはあんたらがやったのか?」

??「そうです、私たちはそれの張り直しに来たんですよ。
一旦魔法を解くので少々お待ちくださいね」

そう言って二人が壁に向かい一緒に呪文を唱えると、頑丈で分厚かった壁が煙のように消えてしまう。

烈風「はあー、魔法ってのはすげえな」

??「貴女みたいに拳でカースに立ち向かうのもすごいと思いますけどね」

烈風「ん? なんだアタシのこと知ってたのか?」

裕美「貴女は割と有名ですからね……と、名乗りが遅れましたね。
私は関裕美、魔法使いをやってます。
こちらが私の師匠の……」

イブ「イブ・サンタクロースです~♪
イブ非日常相談事務所を経営してます~♪」

烈風「もう知ってるみたいだけど、アタシはカミカゼやってる向井拓海だ」

美世「専属メカニックの原田美世でーす」

簡単に名乗ると、美世の装甲車に怪我人や無能力者を優先で乗せる。

裕美「今回は貼り直しとタイミングが合ったようで幸いでしたが、私たちは主に病院に居ますので救助を続けてくださるならそちらへいらしてくださいね」

美世「りょーかい」

裕美「では、ご武運を」

イブ「お気をつけて~」

壁を貼り直す二人と別れ、カミカゼと美世は来た道を戻る。
カミカゼによって一度倒された分数はまだ少ないが、それでも再び湧き出したカースによって道はすでに塞がっている。

烈風「キリがねえなあ、全くよお!」

美世「時間かけるだけ不利だよ、一気に駆け抜けよう!」

烈風「よし、こじ開ける! リストツイスト!」

風を生み、道をこじ開け突き進む。

幾度かそれを繰り返し、そろそろ半ばも過ぎようかという頃。

??「随分騒がしいので見に来てみれば、好き勝手に暴れまわってくれているみたいですね」

角を曲がった先は既に拓けていて、ぽつりと佇む少女が一人。
大人しく路地の隙間を塞ぐカースの群れは、頭を垂れているようにも見える。

烈風「……美世、先に行け」

美世「え、でも」

烈風「いいから行け!」

言うが早いか、カースの一団を消し飛ばす。
美世は納得のいかない表情を浮かべてはいたが、黙ってそこに向かう。

??「すんなり通すと思いますか?」

烈風「邪魔立てすんな!」

美世へ向かおうとした少女をカミカゼが弾き、美世が消えた路地はカースによって塞がる。


??「……自己犠牲で友情ごっこですか。さすがヒーロー、反吐が出ます」

烈風「犠牲になるつもりなんてねえし、何より『ごっこ』じゃねえんだよ!」

叫び、殴りかかる。
単調なそれは防がれてしまうが、衝撃で少女は大きく後退する。

驚愕の表情を浮かべる相手に肉薄し、追撃。
今度はしっかりと受け止められ、少女が後ずさる代わりにアスファルトに亀裂が走った。

??「この、馬鹿力!」

少女はカミカゼの腕を掴むと、力任せに放り投げた。
投げ飛ばされたカミカゼは、ビルの壁に脚を突きさして着地する。

烈風「人のこと言えた口か!」

壁を蹴って跳び、再び接近を試みる。
少女は標識を引き抜くと、振りかぶって空中のカミカゼに叩きつける。

カミカゼが手刀で標識を切断し、少女は鋭利になった先端で突く。

掴んで止めると、カミカゼごとフルスイングして投げ捨てる。

最接近、今度は車が飛んでくる。

跳んでかわすと、少女もそこに居た。

烈風「っ!」

同時に放たれた拳は互いの頬を捕え、三度距離が開く。

??「……分かりませんね。
貴方の闘志には怒りが多分に含まれる、なのにどうして飲まれないのですか」

烈風「んなもん知るか」

??「まあ良いです。理由はどうあれ、そこに怒りがある限り私の力になるんですから。
せいぜい足掻いて、怒りを振りまいてから死んでください」

烈風「そうかい。生憎、相手が強いほど燃える性質なんでな、そっちの力が増す限り、アタシの力も湧き続けるんだよ!
いくらでもやってやるさ!」

??「減らず口を!」

少女の周囲に核が生まれ、そこから黒い泥が湧く。

カミカゼが生んだ風が核を吹き飛ばすと、少女は足を地に埋めて踏み止まる。

今度は吹き飛ばされないよう手の中に核を生むと、カースを武器のように振るう。

カミカゼは少女がそうしたように足を地に突き刺し、泥の体を受け止める。

そのまましばし綱引きのような状態が続き、カースの体が千切れる。

二人は足を引き抜くと、相手の元へ駆けながら拳を構え――

 

 

 


――少女は濡れた路面で足を滑らせた。

 

 

 



_____________

杏はイヤな雨の降りしきる中、ようやく街へと侵入に成功した。
GDFや報道機関などに囲まれたここへの侵入に手間取ってしまい正直うんざりしているが、まだ目的は半分も果たされていない。
怒りっぽい同居人を連れ戻すために、この街をまだ駆けずりまわらなくてはならないのだ。

杏「あぁもう、杏にここまでさせたんだから、泰葉には何としても返ってきてもらうよ……
にしても、なんかこうNTみたいにピーンと居場所分かったりしないかな」

ぼやきながらも足は止まらない。こんなに動いているのはいつ以来だろうか。
カースの無駄な巨体で見通しが悪い道を駆け、僅かな隙間から周囲を伺う。
そうしてしばらく探索していると、不意に目の前を装甲車が走り抜けていった。

別に撥ねられたとて死にはしないだろうが、思わず尻もちをついた杏は立ち上がり、車の去った方を眺める。
そしてふと予感めいたものを感じ取り、車が来た方へと向かう。
気持ちカースの少ない方を選んで進んだ先に、果たして目的の人物は居た。

どうやらヒーローと戦っているようだ、加勢してあげないと。
しかし二人の居る通りに駆け付けようとした矢先、泰葉は足を滑らせた。

杏「ーーっ!」

ほぼ無意識の行動だった。
生みだしたカースに自分を投げさせ、泰葉を突き飛ばす。
驚いた泰葉と目が合い――痛烈な打撃が背中にめり込んだ。


_____________

泰葉「どうして……」

自分は彼女たちに何も言わず、半ば捨てるようにして出ていったはずだ。
だというのにどうして、よりによって怠け者の彼女がここに来て、しかも自分を庇うような真似をしたのだろう。
さっきまで戦っていたヒーローは彼女の乱入に戸惑っていたけど、結局仲間を追って行ってしまった。

自分は何をしているのだろう。
捨てた仲間に助けられて、邪魔者の排除にも失敗して……

杏「泰葉……」

泰葉「あ、杏さん! 大丈夫ですか!」

杏「杏の能力知ってるでしょ? このぐらいすぐ治るって。
それよりもさ、泰葉……帰ろう?
泰葉が何をしたくてここに来て、こんなことまでしてるのかは知らないけどさ、全部終わってからでいいから帰ろうよ。

幸子も待ってるんだよ?
あの場所を守るって言って、ここには来なかったけどさ。
何より……げほっ」

杏「何より、杏にここまでさせたんだから、嫌って言っても首に縄付けてでも連れて帰るけどね」

泰葉「分かりましたから、帰りますから! 無理に喋らないでください!」

杏「よーし言質取った。
で、駆け付けといてなんだけどさ、珍しく走り回ったもんだから疲れちゃったよ。
だから、ちょっと、寝かせ、て……」

泰葉「あ、杏さん!? 杏さん!?」

思わず杏の体を揺する。
杏は呼びかけには答えず、代わりに寝息を返してきた。
とりあえず生きていたことにほっと一息。

泰葉「よかった……生きてる。
……とりあえず、あのヒーローは絶対に許せませんね」

眠る杏を起こさないよう、静かに怒りを燃やした。

_____________

あと少しで街の外、というところまで来て、美世は完全に立ち往生してしまった。
周囲を取り囲むカースに絶えず車を叩かれ、車内が揺れる。
今はまだ車体に傷一つついていないが、乗せている市民たちは皆不安になっている。

さてどうしたものかと考えていると、

菜々「ウサミンスラッシュ!」

カースが真っ二つになり、

夕美「咲け!」

アスファルトを割って生えてきた植物が核を噛み砕いた。

美世「ナナちゃん! 夕美ちゃん!」

菜々「正式な指令が下りたので加勢に来ましたよ!」

夕美「片づけるからちょっと待ってて!」

加勢に来た二人によってカースが倒され、再び車が進みだす。
しかし細かな蛇たちが攻撃の隙間を縫って車に這い寄る。

美世「わー! 何これ、何これ!」

菜々「うう、車体に張り付かれると下手に手出しが……」

烈風「真空唐竹割り!」

そこへ追いついたカミカゼが手刀を振るうと、発生した風の刃が蛇を切り裂く。
刃は車にも襲いかかるが、傷を付けるには至らない。

烈風「悪い、待たせた!」

美世「ちょっと! 助かったけど乱暴過ぎるよ!」

菜々「拓海さんも無事だったんですね……ってあれー!? カミカゼもなんか変わってません!?
こうなったらナナも装備を新調するしか……」

夕美「ナナちゃん、それは帰ってからにしようね。
拓海ちゃん、新たに手に入った攻略マップとやらがあるから、騒動の原因を退治するよう指令が下りたわ」

烈風「マジか! じゃあすぐに再突入だな!」

合流を果たし、攻略が本格化し始めた。

 

 

――次回予告――

美世「ナナちゃん夕美ちゃんが加わって、街での戦いも本格化!
攻略の拠点とするためイブさんたちのいる病院に向かう道中、新たな敵が現れる!
正気を失い暴力を振りまく少女を、止めることはできるのか!?

次回の特攻戦士カミカゼは、
『狂戦士』!
覚悟、完了!」

この番組は、株式会社DeNAとアイドルヒーロー同盟、ゴランノスポンサーの提供でお送りしました。