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この世界が“うまれる”前のこと。

老いた竜がおりました。竜はながいながい旅をしていました。
うまれて。育まれて。巣立って。何もない夜空を飛びました。
瞬く星のように、たくさんの“たまご”を夜空にちりばめながら。
 
―そんな旅ももうすぐ終わる。
 
「きっとこれが、さいごのたまご。」
朽ちゆく腕でたまごを抱いて。遠い記憶に想いを馳せる。
愛と情熱。謎と探求。燃えるような闘い。そして胸が躍る冒険の思い出。
 
「このこにも。いとおしさを。くるおしさを。よろこびを。かなしみを。ゆうきを。」
遺してゆくたまごに幾多の物語を。“うまれる”世界に愛と命を。
さいごの祈りをのこして竜は永遠の夢をみます。
 
一匹の竜のおわり。
竜の骸は空間に浮かぶ巨大な浮き島となり。
竜がさいごの眠りのまどろみにみた夢は、小さな浮島の群れに。
それは思い出の残骸。色褪せた記憶の断片。
 
色をつけるのは、はじまりを司るたまご。そしてうまれる四匹の竜達。
四匹から七匹が。七匹から十と三の竜が。
二十四の竜の吐息は、空と雲海をつくり、浮島の群れは命を育む揺りかごとなった。
 
二十四匹のどの竜でもない、おわりとはじまりの一匹。
その竜の骸は今も世界の何処で夢をみつづけているといいます。
 
その竜の――世界の名は、コマフィ二ール。
 
古の竜がのこしたこの世界で、人々は旅にでるのです。