kakisによる概要


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ヴォラピュク(Volapük(/ˈvɒləpʊk/ [volaˈpyk])とは、1879年から1880年、ドイツ、バーデンのカトリック神父ヨハン・マルティン・シュライヤー(1831/07/18~1912/08/16)によって作られた英語・ドイツ語・フランス語等を参照言語にした多言語参照アポステリオリ言語である国際補助語である。
大衆に普及した世界初の人工言語であり、1884年フリードリヒスハーフェン、1887年ミュンヘン、1889年パリで世界大会が開かれた。
283のクラブ、25の雑誌、25の言語で316の教科書が存在した。
しかし、1887年にラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフが公開したエスペラントが出てから、各クラブのエスペラントへの転向が相次ぎ、衰退した。
その要因には、屈折などの英仏人になじみの薄い仕様や、アポステリオリ性の薄い、原形をとどめない語形、文字・発音など、全分野にわたる難度の高さもあるが、創作者であるシュライヤーが、造語権を手放さなかったこと、教えていいのはシュライヤーが免許を与えた者だけというような閉鎖的な体制により、使用者から反発を買ったことも大きい。
2000年段階での話者は20人程度と推測されている。


テンプレート


ヴォラピュク
Volapük
発音 IPA: [volaˈpyk]
発案者/作成者 ヨハン・マルティン・シュライヤー
創案時期 1879年から1880年
設定と使用 国際補助語
母語話者数 約20名?(2000年現在)
表記体系 ドイツ語用ラテン文字
目的による分類 人工言語
・国際補助語
参考言語による分類 英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語

名称

「世界」を意味するvolの属格と「話す」pükを合成したもの。
「世界の言葉」という意味であり、参照言語を元に語形を作ればWorld Speakである。

音声

母音

ドイツ語のように8種類あり、aeiouäöüである。
ドイツ語をやったことがない人は、ここで早々に躓きやすい。

前舌 中舌 後舌
i [i] ü[y] u [u]
中高 e [e] ö [ø] o [o]
中低 ä [ɛ] or [æ]
a [a]

子音

音素としては18、音声は20ある。
rは1929年、アーリ・ドゥ:ヨンク(Arie de Jong)によって追加された。

エスペラントと比較した場合、zの単独音、s^の単独音、g^, c^, h^, u^の6音が存在せず、
アルカと比較した場合、z[z]の単独音、x[ʃ]の単独音、j[ʒ]、ts[ts]とtx[ʧ], r[歯茎接近音]とw[w]の6音が存在しない。
日本語で言うと、ザ、シャ、ジャ、ツァ、チャ、とクホーまたは、歯茎の位置でヤまたはワというような音がない。

唇音 歯唇音 歯茎音 後部歯茎音 硬口蓋 軟口蓋 声門
破裂音 p[p] b[b] t[t] d[d] k[k] g[g]
鼻音 m[m] n[n]
ふるえ音 r[r]
摩擦音 f[f] v[v] s[s] or [z] j[ʃ] or [ʒ] h[h]
接近音 y[j]
側面接近音 l[l]

破擦音
z[ts]
c[tʃ] or [dʒ]

合成
x[ks] or [gz]

アクセント

最終音節が強く発音される。

音節構造

CCVCC音節が見られる。
flors 花たち(主格)

文字

ドイツ語風ラテン文字を使用
äöüなどのウムラウトを使う他、フランス語や英語の子音を表示するための特殊な文字が存在する。

語彙

主に英語、少量のドイツ語とフランス語の語彙を参照としてる。
ただし、原形をとどめない程度に、文法的に重要でない、非法則的簡略化を経て造語されているため、アポステリオリ性は薄く、英語話者がみて分かるということはない程度である。
このあたりが、ほとんど、英語フランス語、ラテン語等の語彙を無修正のまま採用したエスペラントなどのユーロクローンに差をつけられる要員の一つになったものと思われる。

また、少数分析的言語のような、分析的な語彙構成が試みられており、このあたりで、シュライヤー以外の人物は彼の恣意的な造語を解釈することが困難であったと考えられる。
florüp ("flower-time" = 春)
hitüp ("heat-time" = 夏)
fluküp ("fruit-time" = 秋)
nifüp ("snow-time" = 冬)

また、数詞や代名詞などは、アプリオリな造語であると考えられる。

接辞など

男性接頭辞 hi-
女性接頭辞 ji-

gok 鶏
higok 雄鶏
jigok 雌鶏

~する人 -an

lärnan 学ぶ人


文法

統語

SVO NA語順と思われる。
主語は、動詞に人称と数の情報が入るため原則省略される。形容詞は後ろにつく。
格変化や人称や数の表示に気を付けるなどすれば、たいてい語順に関してはアルカ勘で運用可能である。

名詞

数と格によって屈折する。場合によっては呼格、始点格、終点格を含め7格である
ラテン語と違ってパターンは一種類である。
エスペラントでは、対格と属格、あと複数で見られ、
アルカの場合は、代名詞では属格と複数、通常名詞では見られない現象である。
ドイツ語を知らない、ラテン語もやったことがない英語圏・フランス語圏の人には難解であった物と思われる。

単数 複数
主格 fat 父が fats 父たちが
属格 fata 父の fatas 父たちの
与格 fate 父に fates 父たちに
対格 fati 父を fatis 父たちを
呼格 fat! 父よ o fats! 父たちよ
始点格 fatao 父から fataos 父たちから
終点格 fatio 父へ fatios 父たちへ
Del binon jönik 日は美しい
Mem dela jönik 美しい日の思い出
Sagob dele jönik 私は美しい日に言う
Löfob deli jönik 私は美しい日を愛す
o del jönik! 美しい日よ。

代名詞

ドイツ語のように三人称まであり、男性、女性、中性の区別があり、単数と複数がある。
皆全てoから始まるため、音声チェックを伴う使用実験を行った形跡は見られない。
エスペラントのようにチェック済みのアポステリオリで用いるか、アルカのようにアプリオリを使用実験して、語形調整を重ねておくか、どちらかしなければ、エンナさんが間違える。
または、動詞の後ろに人称語尾として利用されることが多いため、単独で使うことがあまり想定されていないのかもしれない。
例文によるとフランス語のoniに当たるような四人称も存在する。

単数 複数
一人称 ob 私 obs 私たち
二人称 ol 貴方 ols 貴方達
三人称男 om 彼 oms 彼ら
三人称女 of 彼女 ofs 彼女ら
三人称中 on それ ons それら
四人称 oy ある者 oys ある者たち

これらの単語もob(私が), obik/oba(私の), obe(私に), obi(私を) ob!(私よ)と名詞同様の変化をする。

ok ~自身
Lavom oki 彼は彼自身を洗う
Lavom omi 彼は(別の)彼を洗う

at これ
et あれ
os それ

前置詞

格語尾で表しきれない所は前置詞を用いる。
このあたりの無節操な多さは、アルカに近い

in 場格 ~で
ini ~の中へ
ün 時格 ~の時に
bü 時格 ~の時に
me 具格 ~を用いて
ko 随伴格、共格 ~と共に
nen 不随伴格 ~を除いて、~を伴わずに
Demü 関係格 ~に関して
Gönü 賛成格 ~に賛成して、~を指示して
Nemü 名目格 ~の名目で、~の名において
Binü 原料格 ~で作られて
Labü 構成格 ~で構成されて

fa ~によって(by)。受動態で使う
ma ~によると

de ~の、~から
fa ~の前で
dis ~の下に
Nilü ~の近くで
Domü ~の家で


冠詞

定冠詞

スペイン語に由来するelで定冠詞を表す。
冠詞の変化で格を表すことがある。冠詞がつく場合、格標識語尾がつかない。

単数 複数
主格 el buk 本が els buk 本たちが
属格 ela buk 本の elas buk 本たちの
与格 ele buk 本に eles buk 本たちに
対格 eli buk 本を elis buk 本たちを
呼格 el buk! 本よ els fats! 本たちよ

○男性定冠詞・女性定冠詞の表し方
ドイツ語にある男性定冠詞と女性定冠詞も表せる。
男性接頭辞hi-、女性接頭辞ji-を付けて表示する

hiel 男性定冠詞
jiel 女性定冠詞

不定冠詞

ヴォラピュクに不定冠詞は存在しない。ただ、一を意味するbalを後置して、そのニュアンスを表すこともある。

del bal 一つの日

動詞

ドイツ語のように性と数で語尾が変化する。
語尾に人称・数の情報がつくため、スペイン語のように主格に当たる部分が省略されるのが原則である。

löfob 私は愛する
sagob 私は言う
vilob lärnön 私は学びたい。

コピュラ

ドイツ語のbin(一人称現在の繋辞)に由来するbinönを用いる。
以下の如く屈折する。

単数 複数
一人称 binob binobs
二人称 binol binols
三人称男 binom binoms
三人称女 binof binofs
三人称中 binon binons

Nem omik binon "Robert"(名 彼の である ロベルト) 彼の名前はロベルトです。

否定

noを頭に付ける

no sagob 私は言わない

時制

過去時制接頭辞 e-

Edeadom bü yels fol 彼は四日前に死んだ。

完了相と弁別性がないため、現在完了や過去完了を作るためにAdelo(今日)やädelo(昨日)という語を伴うことが多い。

完了相接頭辞 e-
日本語同様過去時制と弁別はない。

Elöfob 私は(今)愛した

過去未完了 ä-

älogob 私は見ていた(過去において、見るという動作の最中)

過去完了 i-

Pilogol 私は見た(過去において、見るという動作が完了した)

未来未完了 o-
ologob 私は見るだろう

未来完了 u-
ulogob 私は見られているだろう。

過去 現在 未来
未完了 ä- - o-
完了 i- e- u-

vilön 希望 ~したい

命令

命令 -öd
依頼 -ös

Logomöd! 彼が見よ
Logobsöd! 我らが見よ
Logonsöd! 彼らが見よ

Logomös! 彼が見てください
Logolös! 貴方が見てください
Logobsös! 私たちが見てください

受動態

過去 現在 未来
未完了 pä- pa- po-
完了 pi- pe- pu-

動詞に接頭辞pa-を付けて表す。
動作主は前置詞faを伴って表される

Mot obik löfof obi 私の母は私を愛する
Palöfob fa mot obik 私は私の母に愛される

Panemob "Samül" fa mat obik 私は私の母にサミュルと呼ばれる。

現在完了の場合は接頭辞pe-で表す。

Palöfob fa mot obik 私は私の母に愛された

過去未完了は接頭辞pä-で表す。
Pälogol 貴方は見られている

過去完了は接頭辞pi-で表す。
Pilogol 貴方は見られた(過去において動作完了)

使役


仮定形

反実仮想接尾辞 -övを使う
If stom binonöv koldikum, ba nifosöv もし気候がより寒くなるなら、雪が降るだろう
If ikömomöv, agivoböv ome givoti もし彼が来ていたら、私は彼にプレゼントを与えただろう。

敬語


形容詞

形容詞は接尾辞-ikを付けて表す。
gud(良いこと)
gudik(良い)

アルカやインドネシア語のように、後ろにつく

fat obik(父 私の) 私の父
del jönik(日 美しい) 美しい日

比較級と最上級

比較級は-um、最上級は-ünを付けて表す。
ウムとユンは似ているため、話者間の音声チェックをしたのかが非常に疑わしい。
gudik 良い
gudikum より良い
gudikün 最も良い

合成語

ドイツ語のように合成される事例がある。

püki 言語を
studan 生徒
pükistudan 言語を(学ぶ)生徒

副詞

オリジナルの副詞と、接尾辞-oを付けて作る副詞がある。

ai いつも、常に
ba 恐らく、多分、もしかすると
i ~もまた
is ここで
us あそこで
mu とても、極度に、極めて

no ない
plu さらに
te ~のみ、~だけ
ti ほとんど

ya 既に

ye しかしながら

gudiko 良く

接続詞

e AND ~と
u OR ~または~

üf ~でさえも
ni ... ni, ~でも~でもない

de ~の、~から

klu だから(so)
do だから(though)
ab しかし
ye しかしながら
i ~もまた
bi なぜならば
du ~の間
zu さらに
Güä 一方で
Kodä ~という理由で
Pasä ~の時だけ

ka ~よりも(than)

if もし
Bisä ~という条件で、~の場合
Büä ~の前に
Kodä ~という理由で

ad ~するために

間投詞

Ag! おお
fi! ナンセンスだ
ha! aha
he! hey
ö! wow
Nö! oh! no
Si! oh! yes
Sö! 言った
Yö! 万歳
Ekö! 見よ
Adyö! さようなら
Danö! ありがとう
Fumö! もちろん
Liedö! まあ!(女性の驚き)
Prüdö! 気を付けて
Seilö! 黙れ
Spidö! 急げ
Stopö! 止まれ
Zedö! 道を開けろ

関係詞

誰にあたるkelを用いている事例がみられる。恐らく他の疑問詞でも用いるのだろう

疑問文

si はい
no いいえ

kel 誰
kis 何
kü/kiüp/ven 何時、いつ
kiöp/kiplad どこ
liko lio どのように
num いくつ

数詞

英語同様の、3桁区切りの十進法である。
ただし、十一などの数え方は、漢数詞体系に近い。

1 bal, 2 tel, 3 kil, 4 fol, 5 lul, 6 mäl, 7 vel, 8 jöl, 9 zül, 0 ser

10 deg, 100 tum, 1'000 mil,

10'000 degmil, 100'000 tummil, 1'000'000 balion

11 degbal, 22 teldegtel.

小数

日本語の割・分・毛のように小数点以下にも独自の単位がある。
0,1 dim 0,01 zim 0,001 mim,
0,000'1 dimmim, 0,000'01 zimmim, 0,000'001 balyim

分数

分数は「三分の二」方式。アルカのvu un ta方式に近い。
英語・エスペラント式とは逆順。

2/3 kildils tel, 1/5 luldil bal, 3/10または0,3 degdils kil と kildim(3つの0.1)

基数

名詞の後ろにつく。エスペラントやアルカや英語と比べても珍しい。日本語の「リンゴ3つ」みたいなものか。

bim bal 一本の木、木一つ
böds degtel 十二羽の鳥、鳥十二羽


序数

接尾辞-idで表す。
balid 一番目の、第一の
telid 二番目の、第二の
balido 一番目に、第一に
telido 二番目に、第二に


balna 一回 telna 二回
a bal 1% a tel 2%.
kilik 三倍 mälik 六倍
telön=duobligi, kilön=triobligi, ...

挨拶

Glidis ごきげんよう。helloのように全時間帯で使えるヴォラピュクの挨拶。
lügik ごめんなさい(自分が悪くないとき)
pöfädik ごめんなさい(謝罪するとき)

その他例文

No sevof, va okömom-la (来ることは疑わしいが)彼が来るかどうか、彼女は知らない
Sagoy, das elogoms-la sneki = 彼らが蛇を見たと誰かが言った(別のことを話してほしい)


語法

設定しなければ、参照言語に準ずるため、ドイツ語や英語、フランス語の影響が濃いと考えられる。

文化

設定しなければ、母語に準ずる法則により、ドイツ語的なのだろう。

文学作品

ヴォラピュク版wikipediaもあり、大量にあるようである。
シュライヤーによるオリジナルヴァージョンと、1931年のアーリ・デ・ヨンクによる改定版がある。

主の祈り

辞書があって読みやすい1930年のヨング版を用いる。上の文法もだいたいヨングのものに準拠している。

1930 de Jong Volapük

O Fat obas, kel binol in süls!
おお 父 我らの、誰 貴方は~である 場格 天国!

Nem olik pasalüdükonöd!
名前 貴方の 受動態-宗教的に捧げる-三人称中性-命令!

Regän ola kömonöd!
王国 貴方の 来る-三人称中性-命令!

Vil olik jenonöd, äsä in sül, i su tal!
意思 貴方の 起-三人称中性-命令, ように 場格 天, もまた 上 大地

Givolös obes adelo bodi aldelik obsik!
与-二人称-依頼 私たちに 今日 パンを 毎日の 私たちの

E pardolös obes döbotis obsik,
と 許-二人称-依頼 私たちに 罪 私たちの

äsä i obs pardobs utanes, kels edöbons kol obs.
ように もまた 私たち 許-一人称複数 ?? 誰たち 現在完了-罪を犯す-一人称複数 に対して 私たち

E no blufodolös obis,
と 不 誘惑-二人称-依頼 私たちを

ab livükolös obis de bad!
しかし 解放-二人称-依頼 私たちを から 悪

(Ibä dutons lü ol regän, e nämäd e glor jü ün laidüp.)
なぜなら 属す-三人称中性複数 へ あなた 王国、と 力 と 栄光 まで 時格 永遠

So binosös!
だから 繋辞-三人称中性-依頼

辞書サイト


参考文献


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