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「うー…」可愛らしいうめき声をあげて、あかりは眠りから覚めた。
いつのまにか、朝日がやさしくあかりの顔をなぶっている。
軽く手をあげてその光を遮りながら、あかりはうっすらとまぶたを開けた。

ブラインド越しに射し込む朝の光が、部屋の中を白黒のだんだら模様に染めていた。
「うーん…」まぶしげに目を細め、あかりはベッドの中で大きく伸びをした。
ジワーッという快感が、身体の中心を通り抜けていく。
しばらくその余韻を楽しんでから、あかりはゆっくりと上半身を起こした。

フワッと長い黒髪が揺れる。淡いブルーのシーツがクタクタッとあかりの身体からすべり落ち、
ベッドの上に小さな山を作った。
パジャマの上だけを身につけたあかりは、けだるそうに窓辺に近づいた。
むきだしの太ももが、パジャマのすそからスラリとのびている。
脚の柔らかなうぶ毛が、朝日でキラキラと輝いていた。

いかにも写真集の1ページを飾りそうなポーズであった。
だがしかし――。写真集ごっこはそこまでだった。
「あーりー!学校行くよー!」窓の外、宮本佳林の声が、あかりの耳を直撃した。


ヒェ?カリンちゃん!?
たちまち顔がひきつり、あかりは立ちすくんだ。
ガシャガシャッと目の前のブラインドを押し下げると、
佳林が玄関の前に立っている。もちろん登校スタイルで。

ゲエッ!い、いま何時やねん!?
あかりは反射的に壁にかかった時計に目を走らせた。
予想通りの時間を指し示している。すなわち登校時間の10分前――。

ヤバい。あかりは焦った。焦り狂いながら、ボタンをちぎらんばかりにして、パジャマを脱ぎ捨てた。
ドタバタと部屋の中を走り回る。
ショーツ1枚のみのはしたない格好で、
チェストをあわただしく引っかき回し、ブラジャーを取り出し、
たてつづけに頭からスリップをかぶりながら、洋服タンスに突進する。
制服!制服!スカートをはき、ブラウスを着込み、ストッキングをはいて…。

「あーりー!まだー?」そんなあかりの必死さなど、全然気にかけているとは思えない声が、
なおのこと、あかりを急かしたてた。
とりあえず登校スタイルは完成した。
あかりはキッと部屋の中を見渡した。忘れ物は――なさそうだ。

「カリンちゃーん!いま行くでー!」
そう叫びながら机の上のカバンをひっさらい、廊下へ飛び出した。