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ボロボロの姿で倒れているあかりを見つけたのは、宮本佳林だった。
保健室から戻ってきた佳林に、高木紗友希が訊いた。
「あーりーはどんな様子?」

佳林の白い顔がいっそう蒼白になっている。
爆発寸前を示す兆候である。
「…意識が戻らない…苦しそうにうめいてたよ…」

大塚愛菜がゴルフクラブを手にして、実習室を出ようとした。
その背中に金澤朋子が声をかける。
「そんなもの持ってどこ行く気?」
振り返った愛菜の目は涙をたたえ、憤怒に煮えたぎっている。
「あーりーをやったのはポッシハイのやつらだよ!
このまま黙ってられるかよ!カチコミかけるんだ!」

「落ち着いて」朋子がピシャリといった。
「たとえそうだとしても、いまはベリ工まで噛ませて話し合ってる最中よ。
ゆかちゃんの顔も潰すことになる」

「あーりーはやられ損かよ?」佳林が愛菜に寄り添うように立ち、
朋子の目をにらみつけた。

やり取りを黙って聞いていた紗友希が割って入った。
「冷静になりなさい。とも、ゆかちゃんと連絡はとれたの?」
「…まだよ」朋子は首を振った。
「とにかく、ゆかちゃんが戻るまで待機よ。軽はずみに動かないでちょうだい」


「う…う…気持ち悪…」目を覚ましたあかりは自分がベッドの上にいることに気がついた。
「お、気がついたな」保健医の石井先生が生あくびを噛み殺しながらベッドの横に近づいてきた。

「ここ…うち…なんで…」焦点が定まらない目であかりが力なく尋ねた。
「拾い食いでもしたか?たいした毒素じゃなかったからいいが、食中毒には用心しなさい」

フラフラしたが、とりあえずあかりは上半身を起こしてベッドに座る格好になった。
「それに、あちこち打撲傷がある。転んだのかい?」
じっとあかりを見つめた。「それともケンカでもしたか?」

「ちょっとチャリンコとぶつかっただけや。たいしたことあらへん」
まだふらつく足取りで、あかりは保健室を出た。
「あかん!誰かが“あれ”を食べたら危ない!」

あかりは実習室へと急いだ。