「で?ICBMって何だ?食えるのか?」

「火イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!」
「崩オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」

199X年!!7の月!!
その日、東京は滅亡する!!

ICBM着弾10分前!!
だが、そんなことはここで殴りあう二人の漢には一切関係はなかった!!

「99勝ッ!!99敗ッ!!今日こそは決着をつけてやるホ!!」
「それはこっちの台詞だホ!!」

炎を纏った拳で殴るのはジャックランタン!!
冷気を纏った拳で殴るのはジャックフロスト!!

熱と冷がぶつかり合い、その余波で東京の面積が削られていく!!
だが、ICBMですら止められない二人の闘いを誰が止められるというのだ!!

二人は強敵と書いて、ともと呼ぶような野暮な間柄ではない。
ただ、どっちが強いか、それを決めるためだけの間柄だ。
だが、拳だけの繋がりだからこそ、二人は相手のことをお互いに自分のことのように理解していた。

「爆 砕 ケェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェン!!!!!!!!!!!!!」
「鉄 拳 制 サァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァイ!!!!!!!!!!!!!」

互いに、魔法スキルは用いなかった。
相手を殴った感触が無いと満足できない、なんと暴力的な衝動か!!

だが、彼らを見よ!!
彼らの顔を見よ!!

「なんて……清々しい顔をしているんだホ!!」
ビルの屋上から、二人を見守るメスのジャックフロストは思わず呟く。
「止めなくて良いのか?」
メスのジャックフロストはジャックフロストに好意を抱いていた、
しかし……

「アイツは……あのバカは、殴り合いが一番スキなんだホ……そしてワタシはそんなアイツが大好きなんだホ!!」
漢の道に彼女の恋心を挟む余地が無いことなど、彼と出会っていた時からわかっていた。
「……そうか」
同じ妖精族として、トロールは彼女の恋心を応援してやりたかった。
だが、彼女の物憂げで……そして誰よりも楽しそうな微笑みを見て、トロールは何も言えなくなっていた。
「……ちっ、バカだよアイツは…………こんなにいい女を泣かせやがって。
ジャックフロストォォォォォ!!!!絶対勝てよ!!!!!!!」
彼に出来るのは、ただ声を張り上げて応援することだけ。
せめて、100勝を飾って彼が堂々とジャックフロス子に自慢してやることを祈ることだけ。


「崩オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
ジャックフロストの攻撃がジャックランタンをぶっ飛ばす。
弾き飛ばされたジャックランタンはビルを突き抜けて、屋上まで吹っ飛んで、そしてヘリポートに着地する。

「火ィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
だが、すぐに状態を立て戻し、彼はジャックフロストをぶん殴る。
ジャックフロストの体は、ビルを2軒を突き抜けて、そして東京タワーの鉄筋に衝突する寸前でギリギリ止まる。

「おい!!ジャック共ッ!!あと5分でICBMが着弾するぞ!!逃げねーのか!?」
声を張り上げて叫ぶのは、二人のサマナー。
そう、このSSを読んでいる皆様も承知の通り、あの六本木地獄殲滅戦線で魔王と互角の殴り合いを繰り広げたアイツだ。

「「燃えてんのは核の炎じゃねぇホ!!オイラ達の闘いだホ!!」」
「だよなぁ!!」

5分で全てが消滅する、その発言にも動じず殴り合いを続ける彼ら、
そんな彼らにサマナーは満面の笑みを浮かべてみせた。

「そうだよなぁ!それでこそお前らだ!!存分にやりあいな!!」

絶対致死的状況を前に殴り合いを続ける、
そんな彼らだからこそ読者の方が御存知の通り、血の朱に染まった東京タワー地獄を生き延びたのだ。

「なんだよ……まだあいつら、闘ってたのか」
ICBM着弾を前に、観客はむしろ増えていた。
皆様にとって懐かしく感じる者もいるだろう。
ココに集まってきた皆がかつてジャックフロストや、ジャックランタンと殴りあった者達だ。
「ランタァン!!俺はテメーの勝ちに全財産ぶっ込んだんだゼェ!!」
血塗れのギャンブラー、吉田・ランスロット・次郎がいる。
「フロストォ!!次は俺ともっかい喧嘩だッ!」
2500戦2499勝1敗の格闘王、デンジャラス武彦がいる。
「兄貴ィ!!オイラともいつかやりあって下さい!!」
全身機械の吉田・ランスロット・三郎がいる。
「「「「隊長オオオオ!!!!!!ぶん殴れええええええええええ!!!!!!」」」」
学ラン姿の彼らは、超悶絶地獄と化したいんへるの吉祥寺を生き延びた特攻隊だ。
「ふん……くだらん闘いだ」
口ではくだらないと言いながらも微笑を浮かべているのは、
あの伝説の喧嘩師、電車の屋根に乗って電車賃を浮かせている吉田・ランスロット・一郎だ。

今まで戦ってきた全ての人間達、そして……

「「「「「「「「行けッ!!」」」」」」」」

悪魔達。

東京タワーで生首バージョンのだんご3兄弟を作った、平成の串刺公ヴァンパイアがいる。
その類稀に見る氷結能力から様付で呼ばれる、ジャアクフロスト様がいる。
ぶっとくて硬い物で殴りあったマーラ様がいる。
女子高生にぶん殴られたスサノオがいる。
第一話から登場して、ルキアを助けたり、愛染を倒したり、要所要所で活躍していた月島さんがいる。
そしてマンソン!

「どいつもこいつも好き勝手言ってくれるホ!!」
「観客がうるさくて全力を出せなかった……なんて言い訳はしてくれるなホ!?」
「あったりまえだホ!!」

崩壊直前にも関わらず上がっていく観客たちのボルテージ、
それは決して、やけくそではない。
この闘いを見て、心を燃やさないものがいるか!?いやいない!!

頭上を見れば、ICBMが目前に迫っているのが見える。
だが!!


「火イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!」

「崩オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」

漢達は!!止まらないのだ!!!!!
















拳と拳がぶつかり、ICBMが着弾し、
全ては白に包まれた。

そして……漢は!!ジャックフロストは今!!
このバトルロワイアルの会場に居た!!

「…………殺し合い、かホ?」
もちろん読者の皆様は承知だが結果的に死なせた奴はいる、
だがジャックフロストは命を奪おうなどとは思わなかった。

「殺したら……再戦の楽しみが無くなっちまうホ!!」
そうジャックフロストは喧嘩が大好きなのだ、殴るのが殴られるのが、
拳に乗せて己を飛ばすのが大好きなのだ。

「……それに、まだジャックランタンとは決着が着いてないホ!!
こんなところでもたもたしている場合じゃないホ!!」
普通の悪魔ならば、ICBMでくたばってしまっているだろう。
だが、皆様も御存知の通り、ジャックランタンは数々の激戦を生き延びた猛者である。
そんな彼が死んだとはとても思えない。

だったらどうするか、そう決まっている。

「帰るホ!!東京に!!」

手段などわからない、解呪などわからない、
しかし、ジャックフロストは帰らねばならない。
相手に不戦敗など与えてやるわけにはいかないのだ。

いざ行かん!!
支給されたGAKU-RAN(ガク-ラン)を纏い、新たな戦いの旅へ!!




【E-7/森林/一日目/昼】
【妖精ジャックフロスト@女神転生シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:GAKU-RAN(ガク-ラン)@デジモンシリーズ
[所持]:ふくろ(空)
[思考・状況]
基本:東京に帰る
 1:頑張る
 2:喧嘩を売られたら殴る
 3:殴って勝てなかったら蹴る

[備考]
オス。皆様も御存知の通り、数々の激戦を繰り広げた猛者。
一人称はオイラで、語尾はホ。
あと、ヒーホー。

《支給品紹介》
【GAKU-RAN(ガク-ラン)@デジモンシリーズ】
バンチョーレオモンが纏っている学ラン。
敵の物理攻撃を89.9%無効化する防御機能が備わっているが、
このロワでどうなっているのかはわからない。


No.23:ポケットモンスター~逆襲のルカリオ~ 時系列順 No.25:フィッシュゴールド/ハグレシルバー
No.23:ポケットモンスター~逆襲のルカリオ~ 投下順 No.25:フィッシュゴールド/ハグレシルバー
妖精ジャックフロスト No.43:絡繰考察

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最終更新:2017年08月31日 20:19
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