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ラ・ピュセルのパワーアップイベント


「ねえラピちん、向こうで大会参加選手にお酒を配ってるみたいだよ? ……? 何やってるの?」
「………………ああ、雨衣」

大会四日目も終わり、いよいよ明日からは後半戦が始まるという今日この日。
ここのところ連日この部屋に遊びに来ている雨衣がそこで目にしたのは、直立不動で目を閉じるラ・ピュセルだった。
それまでかなり集中していたらしいラ・ピュセルは、雨衣の呼びかけに反応して、ようやく目を開き、姿勢を和らげた。

「この大会が始まってから、生身ではどうしても貧弱な私がどう闘っていくか考えていまして――」
「貧相とは程遠い身体してるのにねえ」
「あら、それはありがとうございます」
「ゴメンゴメン、話の腰を折っちゃって。続けてどーぞ」
「それで、ビームを撃つのに使っているコスモエナジーを全身に巡らせて、精神力以外も強化してみようと――ね」
「おぉーっ!? それってバトル漫画でお馴染みの気とか念とかそういうアレ!?」
「多分、そんな感じでしょう」

そう。この日、雨衣が目にしたのはラ・ピュセルの開発した肉体強化方法。コスモエナジーの循環用瞑想であったのだ。
ラ・ピュセルは元々、力も弱く、体力も格闘家と比べれば見劣りする平凡なものしか持っていない。
ビームを撃ちだしたり、宇宙アイテムの動力に使うコスモエナジーだけが人並み外れて高い体質だった。

だが、現在開催されている世界格闘大会は文字通り格闘、肉体をベースに闘う場である。
そのままのラ・ピュセルでは勝ち抜く事などできはしない。
そこで編み出したのが、コスモエナジーを肉体の動作に上乗せする技であった。

まず試合を全力で闘う。試合後、その闘いの経験を元に部屋で瞑想をして、コスモエナジーを身体に馴染ませる。
試合で行った動作、行うべきだった動作をイメージし、イメージ内の自分の動きを、コスモエナジーの推進力で補助する。
毎夜、ひとりきりになった際にラ・ピュセルはそうして瞑想を繰り返していた。

結果、4日足らずで確実にラ・ピュセルの格闘能力は上がっていた。
生粋の格闘家にはまだまだ及ばないものであるが、それでも着実に生身でも動きは向上している。
そして、そのわずかな向上が、弱者が強者を破る技術の粋であるアイキと、必殺のコスモビームを引き立たせる。

「大会中に少しでも強くなって、ファンに活躍を見せてあげたいですからね」
「ラピちん私に隠れてそんな事してたんだ」
「まだまだ力足りない私ですが、それでも応援してくれますか?」
「もっちろん! 頑張ってるヒーローの方が断然応援したくなるってもんでしょ!」

だから、ラ・ピュセルは大会を全力で勝ち抜くべく、今日この日もまた、肉体を練りあげる。
それが、肉体に高負荷をかける、危険な技であると理解していても。
それは、今まさに口にしたファンのためか。母星にいる姫のためか。それとも別の、何かのためか。

「明日は勝つために、しっかりとコスモエナジーを溜めていきますよ」
「ラピちんがんば!!」

そうして、ラ・ピュセルはまた、次の闘いの場に立つのであった。





<ラ・ピュセルのパワーアップイベント ~~完~~>