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【公園 開戦SS】魔技姫ラクティ☆パルプvsルガー


綺麗に手入れされた園道を離れ、パルプは生い茂る木々の中へ入っていった。
大納言先輩が襲われたのは妃芽薗の森の中。
謎の襲撃者は、森を主戦場とする可能性があると踏んだのだ。

「気い付けや。なんや邪悪な気配がしよるで」

横を歩く使い魔のリミラヴが、足元から警告する。
小さく頷いたパルプも、何者かの気配を感じ取っていた。
強大な、魔物の気配。
ラクティ☆ロッドを握り直し、戦闘に備える。
何が襲ってきても大丈夫、だって私はあの大海獣クラーケンだって倒したんだから。
いや、まあ、あれは天奈会長が倒したようなものだけど……。

「ブナ・ズィーワ(こんにちは)、可愛い魔法使いさん」

呼び掛けられて視線を上方に向けると、前方の枝から逆さまにぶらさがる妖しい影。
長い金色の髪と、赤黒二色のマフラーが風に揺れている。
口元はマフラーに隠され、黒いスーツに赤いラインが二筋、縦に走っている。
それは血のような、赤。

「ノスフェラトゥは日の当たる場所を避けるものだと存じておりましたが――なぜこのような大会に?」

手でリミラヴに離れるよう合図しながら、パルプは吸血鬼に問うた。
ロッドを構え、精神領域に呪文を展開。戦闘態勢。

「強き者の血。美しき者の血。私達が永遠であるためには、それが必要なのさ」

格闘家の血を求めてやって来たが、まさか魔法使いの血にありつけようとは。
吸血鬼ルガーは少女の姿を嘗めるように検分しながら目を細めた。
そして、パルプの発する魔力が常人とは異なることに気付いた。

「これは……? 貴女も人間ではないのか?」

パルプは(ひゃあ、それ言っちゃダメ!)という顔をしてうろたえる。
向こうではリミラヴが、胃のあたりを押さえながら渋い顔をしている。
正体がばれたら、パルプは魔法の国マジカニアに帰らなければならないのだ!

「まあいい……血はうまそうだからな!」

ルガーの足が木の枝を蹴り、マフラーをたなびかせながら宙を滑るように飛翔する!
大きく見開かれたルガーの目が貪婪に輝く!
口元を覆うマフラーをずらすと……そこには鋭い牙の並ぶ大きな口!

「ポ、ポマードっ!」

思わずパルプは魔除けの呪文を唱えるが、口裂け女じゃないので効果なし!
迫り来るルガー! 戦闘開始!