第一章 発音綴字

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第一章 発音綴字 世界語の字母は羅馬字を用ふ。而して欧語文法は其の字母なる者一字異種の音なりといえども、世界語の字母は一字に一音を法とす。 世界語の字母は二十七字を用ふ。即ち母韻a, ä, e, i, o, ö, u, üの八字と子韻b, c, d, f, g, h, j, k, l, m, n, p, r, s, t, v, x, y, zの十九字なり。母韻は次例に示す如く長音にて発音すべし。 例 a アー e エー i イー  o オー u ウー ä,ö,üの三音は日本に於いて同音とし、因って次例に示す英独佛の語音にて発音すべし。 ä アエ hat (帽子)の(a)の音響  英語 ハット   ö オヰ schön (綺麗=きれい)の(ö)の音響 独語 スコオン ü ウヰ cüve (樽)の(ü)の音響 佛語 キウヴ (アエ)は(ア)と(エ)の中間音にて発音すべし。 (オヰ)は (1頁) (オ)と(ヰ)を別々に言はず、(オヰ)を一時に早く発音すべし。(ウヰ)も同じく一時に早く一時に早く発音すべし。 子韻は次例の如く発音すべし。 b ベェ c ジェ d デェ f エフ g ゲェ h ハ  j ジェ k カ  m エム n エン p ペェ r エル s エス t テ  v ヴェ y ヤ  x ツェット [是は一時に早く発音すべし] 上に記す細字の(ェ)は、総て軽き響にて発音すべし。 l x の二音は日本に於て同音なし。因って次例に示す欧語の音響にて発音すべし。 l エル lamp (洋燈)の(l)の音響 x エックス examination (試験)の(x)の音響 英語 ここに日本仮名と以って字母の音と記し置くと雖もとても日本仮名にては其の正音写し得られず故に洋学者或は洋人に就て発音を習ふべし。 xの音は言い難き音なるに因て世界語にては稀に之を用ふ。 q w の二字は省いて用ひず而るに各国の人名地名に是の二字ある者あると以って下に記し置き其の用に充つ。 (二頁) q キュウ quack (庸医)(q)の音響 英語 (注)庸医とはヤブ医者の意 w ウヰ William (英皇帝の名)の(w)の音響 英語 次例に示す如く終りの連字には強音にて発音すべし。 例 tikelē チケレー 智者 literāt リテラート 学問 penedī ペネジー 手紙 人名地名 次例に示す如く各国の人名地名は其の国の綴字の儘を用ふるを法とす。 例 Okubo オウクボ John ジョン Rotchild ロチイルド 世界語の音綴は母韻一個を以て一音綴とするを法とす。故に母韻一個に子韻一個二個三個相合するも、一音綴となし、重母韻は二音綴となす。 ○欧語文法は、その母韻子韻なる者連綴の地位に因て長音短音無音の区別をたてしものありと雖も、世界語に於ては前にも述べたる如く其 (三頁) 母韻子韻なる者は連綴の如何に拘らず何れの所にても発音同一にして且、無音なきを以て法とす。 例 ki | üp キイウヰプ  二音綴 o | ka | nol オカノール 三音綴 me | kön メカオヰン 二音綴 pü | ka | ti プウヰカチー 三音綴 読音法 読音法 一   二  三    四   五  六  七   八    九 十    十一 Ploded de literat äliladom vöno in klad funapükati fa Flechier su 十二   十三  十四 十五 十六  十七  十八   十九  二十  廿一 Turenne Mayed stüla e  subim tikas älegäloms julelis valik e   廿二 廿三 廿四 廿五  廿六   廿七  廿八 bal  de oms  äsagom kofiko nilele amik : 廿九 三十  卅一  卅二  卅三   卅四 卅五  卅六   卅七  卅八 "Küp okanol mekön pükati sümik? ""Von  obinol Turenne" votik ägesagom. 譯文 或日(五) 文学(二)博士(三)が 講習室(七)に 於て(六) フレスェーが(十) 書きたる ツヰレン(十二) の 死に就ての演説を(八) 読み聞かしたるところ(四) 生徒は(十九) 皆(二十) 其の 巧妙なる(十三)  文章と(十四) 高尚なる(十六) 説(十七) とに 感心せり(十八) 独の(廿二)  生徒(廿三 廿四) 冷笑して(廿五) 隣人(廿七) に 向ひ 汝に(三十) 何時(廿九) 彼の様な(卅三) 演説を(卅二) 書き 能ふやと(卅一) 問しに  汝が(卅五) フレシェーに 爲りしならば 我亦 ツヰレン に 爲ると 答ふ(卅八)。 フレシェーは、雄弁にして学識ある僧 ツヰレンは、文武兼備の武将 是の譯文は稽古問題の譯文にあらず。只、読音法の原文を意訳せしものなり。 故に原語の訳を省きし所あり。或は補筆せし所あり。即ち訳文び無記番号の所は補筆なり。 (第壱章 終り)
第一章 発音綴字 世界語の字母は羅馬字を用ふ。而して欧語文法は其の字母なる者一字異種の音なりといえども、世界語の字母は一字に一音を法とす。 世界語の字母は二十七字を用ふ。即ち母韻a, ä, e, i, o, ö, u, üの八字と子韻b, c, d, f, g, h, j, k, l, m, n, p, r, s, t, v, x, y, zの十九字なり。母韻は次例に示す如く長音にて発音すべし。 例 a アー e エー i イー  o オー u ウー ä,ö,üの三音は日本に於いて同音とし、因って次例に示す英独佛の語音にて発音すべし。 ä アエ hat (帽子)の(a)の音響  英語 ハット   ö オヰ schön (綺麗=きれい)の(ö)の音響 独語 スコオン ü ウヰ cüve (樽)の(ü)の音響 佛語 キウヴ (アエ)は(ア)と(エ)の中間音にて発音すべし。 (オヰ)は (1頁) (オ)と(ヰ)を別々に言はず、(オヰ)を一時に早く発音すべし。(ウヰ)も同じく一時に早く一時に早く発音すべし。 子韻は次例の如く発音すべし。 b ベェ c ジェ d デェ f エフ g ゲェ h ハ  j ジェ k カ  m エム n エン p ペェ r エル s エス t テ  v ヴェ y ヤ  x ツェット [是は一時に早く発音すべし] 上に記す細字の(ェ)は、総て軽き響にて発音すべし。 l x の二音は日本に於て同音なし。因って次例に示す欧語の音響にて発音すべし。 l エル lamp (洋燈)の(l)の音響 x エックス examination (試験)の(x)の音響 英語 ここに日本仮名と以って字母の音と記し置くと雖もとても日本仮名にては其の正音写し得られず故に洋学者或は洋人に就て発音を習ふべし。 xの音は言い難き音なるに因て世界語にては稀に之を用ふ。 q w の二字は省いて用ひず而るに各国の人名地名に是の二字ある者あると以って下に記し置き其の用に充つ。 (二頁) q キュウ quack (庸医)(q)の音響 英語 (注)庸医とはヤブ医者の意 w ウヰ William (英皇帝の名)の(w)の音響 英語 次例に示す如く終りの連字には強音にて発音すべし。 例 tikelē チケレー 智者 literāt リテラート 学問 penedī ペネジー 手紙 人名地名 次例に示す如く各国の人名地名は其の国の綴字の儘を用ふるを法とす。 例 Okubo オウクボ John ジョン Rotchild ロチイルド 世界語の音綴は母韻一個を以て一音綴とするを法とす。故に母韻一個に子韻一個二個三個相合するも、一音綴となし、重母韻は二音綴となす。 ○欧語文法は、その母韻子韻なる者連綴の地位に因て長音短音無音の区別をたてしものありと雖も、世界語に於ては前にも述べたる如く其 (三頁) 母韻子韻なる者は連綴の如何に拘らず何れの所にても発音同一にして且、無音なきを以て法とす。 例 ki | üp キイウヰプ  二音綴 o | ka | nol オカノール 三音綴 me | kön メカオヰン 二音綴 pü | ka | ti プウヰカチー 三音綴 読音法 読音法 一   二  三    四   五  六  七   八    九 十    十一 Ploded de literat äliladom vöno in klad funapükati fa Flechier su 十二   十三  十四 十五 十六  十七  十八   十九  二十  廿一 Turenne Mayed stüla e  subim tikas älegäloms julelis valik e   廿二 廿三 廿四 廿五  廿六   廿七  廿八 bal  de oms  äsagom kofiko nilele amik : 廿九 三十  卅一  卅二  卅三   卅四 卅五  卅六   卅七  卅八 "Küp okanol mekön pükati sümik? ""Von  obinol Turenne" votik ägesagom. 譯文 或日(五) 文学(二)博士(三)が 講習室(七)に 於て(六) フレスェーが(十) 書きたる ツヰレン(十二) の 死に就ての演説を(八) 読み聞かしたるところ(四) 生徒は(十九) 皆(二十) 其の 巧妙なる(十三)  文章と(十四) 高尚なる(十六) 説(十七) とに 感心せり(十八) 独の(廿二)  生徒(廿三 廿四) 冷笑して(廿五) 隣人(廿七) に 向ひ 汝に(三十) 何時(廿九) 彼の様な(卅三) 演説を(卅二) 書き 能ふやと(卅一) 問しに  汝が(卅五) フレシェーに 爲りしならば 我亦 ツヰレン に 爲ると 答ふ(卅八)。 フレシェーは、雄弁にして学識ある僧 ツヰレンは、文武兼備の武将 是の譯文は稽古問題の譯文にあらず。只、読音法の原文を意訳せしものなり。 故に原語の訳を省きし所あり。或は補筆せし所あり。即ち訳文の無記番号の所は補筆なり。 (第壱章 終り)

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