北海道新聞


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北海道新聞(社説)
「 世の中が急速に右に傾いている。

 かつて保守的だと批判された評論家が、今は「左寄りだ」と糾弾される。書店には中国や韓国を敵視して排外的な機運をあおったり、国家を礼賛したりする書物が並ぶ。


 しばらく前には常識と思われた自由、平和、人権という価値は疑わしいもののように扱われている。若い世代にもこの傾向は広がる。 」

「国民の祝日は年に十五日ある。あまり意識されないが、半分以上が実は皇室の祭祀(さいし)などにちなむ戦前の国家祭日の名残を引きずっている。

▼昭和の日制定運動を熱心に進めてきた人たちは、この日を昭和天皇をしのぶ日にしたいようだ。衣替えした推進団体が、さきに東京で開いたシンポジウムでは「占領政策の是正措置の一つが昭和の日」と制定意義が強調されたという。

▼この国の首相と同じように、戦後体制は間違っていたと言いたいらしい。もちろん、一般には単なる休日の一つとしてしか意識されないかもしれない。逆に、昭和という戦争の時代を記憶にとどめる日とすることも可能だが。 」

「オバマ氏は就任以来、医療保険改革や対アフガニスタン政策、核軍縮など内政・外交の重要課題に忙殺され、
在日米軍基地問題に十分な注意を払ってきたとは到底思えない。

大統領選で「チェンジ」を掲げたのは米国の変化を通じて世界に貢献する道を思い描いたからだ。
普天間問題も軍や国防総省の官僚任せにせず、変革の光を当ててほしいと期待するのは無理難題だろうか。

注文したいのは、これ以上の基地負担には耐えられないという沖縄の切実な民意と向き合うことだ。

沖縄の負担軽減に加え、海兵隊のあり方を見直す中で、ぎりぎりどういう案で歩み寄れるか。
鳩山首相と真剣に話し合う必要がある。

オバマ氏は日米同盟をアジア・太平洋地域の安定と繁栄の基軸と位置づけてきた。
普天間問題で大切な両国の信頼関係が傷つく恐れが指摘されている。一方の当事者として責任を果たしていくべきだ。

期限まで1カ月半の短期間で双方が納得できる解決策を見いだすには首脳同士が指導力を発揮することが不可欠だ。
そのために首相ももっと働きかけを強めねばならない。」

「▼菅首相は朝鮮学校への高校無償化の適用見送りを示唆した。筋が違う。日本で暮らす高校生にどんな責任があるというのか。こんなときにこそ冷静に理非を判断して節を曲げないのが、大人の国の対応だろう。」

「▼大修館書店が全国の中高生から募集した「『もっと明鏡』大賞 みんなで作ろう国語辞典!」の今年の作品に教わった

▼政治家にかかわる新語では、民主党の鳩山由紀夫さんと小沢一郎さんに関するものがたくさん寄せられた。【鳩(はと)る】は《1》考えや行動がぶれる《2》親離れできなくなる-という意味。【小沢(おざわ)る】は《1》裏で牛耳る《2》子分をたくさん持つ-などの場合に使うそうだ。しがらみのない若者たちの目に、いまの政治がどう映っているか知ることができる

▼かねてより首相経験者は影響力を残すべきではないとの政治信念を語り、首相辞任の際に「次の総選挙には出馬しない」と明言した鳩山さんが、週末に地元後援会の会合で正式に引退を撤回するという

▼やっぱり鳩ってしまうのか。わずかだが、まだ考え直す時間はある。鳩るのを鳩れば、鳩らずに済む。本当に鳩るのであれば、誰もが納得できる説明が欠かせない。」

「国内在住の外国人が人権委員に就任できない点も変わっていない。

 特定勢力の影響を受けないことは必要だとしても、これで外国人の人権がきちんと守られるのかどうか。そうした論議も欠かせない。 」

「このたび、菅内閣から野田内閣へ変わった。激動の国難の中で政権運営を続けてきた管さんには「本当にご苦労様でした」と、ねぎらいの言葉を贈りたい。
 この数か月、菅前首相はマスコミからは誹謗中傷の集中砲火を受け、野党、与党の双方からは退陣を迫られるなど、まさに満身創痍の状態だった。
 しかし、3月11日の大震災では、千年に一度と言われる大津波が襲来し、日本が初めて経験する原発事故が起きたのである。
この非常事態の打破に、誰が首相であったら、国民皆が望むような解決が出来たであろうか。自・公政権ならできたであろうか。
 菅前首相は、過去にどの内閣も経験したことのない原発事故への対応を途中で投げ出すことなく続けたのだ。これは誠に立派だった。
 それに、考えてもみてほしい。日本の原発推進政策を担ってきたのは自民党である。今回の原発事故で対応をとやかく言う資格など自民党にはないはずだ。」



「卒業式や入学式を整然と祝いたいのはわかる。しかし、君が代の強制には、戦中の挙国体制の記憶から抵抗を覚える人が今なお多い。

教職員が内心の自由に反して服従を余儀なくされる環境で、伸び伸びした学びが保証されるだろうか。

知事選、市長選のダブル選挙で圧勝した維新の会は「自分たちが民意である」と主張しているが、有権者が、自分や子どもたちの内心に踏み込まれることまで認めたわけではないだろう。」

「 ▼大阪府立高校で、卒業式の君が代斉唱の際、校長や教頭らが教職員の口元を監視し、歌っているかどうかをチェックしていた。約60人の教職員中3人の口が動いていないと割り出したというから、腹話術師も恐れる集中力。君が代の曲が流れている間、巣立ちゆく生徒一人一人の表情に温かく目を向ける暇などなかっただろう

 ▼「ルールを守らせるということは、こういうことですよ」。橋下徹大阪市長は監視を絶賛した。弁護士の資格を持つ校長は、学生時代からの友人だそうだ

 ▼もし、「口が動いていなかった」と校長室に呼ばれた人が、「腹話術だった」と主張したら、認められるか。弁護士さんに相談したい。」

「ネットの世界では、いまこの時も、あからさまに他者を非難し、中傷する言葉が飛び交っている
▼相手が傷つくさまや評価が下がることに快感を覚え、その感覚の虜(とりこ)になっている人々の群れ―。
思想家内田樹(たつる)さんが近著「呪いの時代」(新潮社)で、<肥大化した自尊感情>を抑えきれずに「呪いの言葉」を吐く社会の病理について説いている
▼「ほんとうの自分はこんなところで、こんな連中と、こんな仕事をしているようなレベルの人間ではない」。
そんな、妄想的な自己評価を平然と公言する人が増えた。「呪い」の流布は自尊感情の充足を過剰に求め始めたことによるというのが、同書の見立てだ
▼おととい一審死刑判決となった「連続不審死事件」。被告は無罪を主張しており、3人の男性殺害事実の有無は上級審で争われることになろう。
が、公判で被告自らが語った「虚飾の生活」は、ネット環境のこれほどの発達なしにはあり得なかったのではなかろうか
▼40~80代の男性たちは「婚活サイト」で、30代の被告とつながった。道内から上京した被告のブログにはブランド品が彩る“セレブな日常”がつづられた。
「呪い」の源泉と同質の「肥大化した自己」を見る▼では、「呪い」を解除する方法は―。ぱっとしない「正味の自分」を受け入れて、他者にも「祝福」の言葉を贈ろう。
内田さんの提言をかみしめる。2012・4・15 」

「転居した場合に「正当な理由」なく90日以内に届け出ないと在留資格が取り消される。
日本人の配偶者として在留資格を得ている人が6カ月以上、結婚しているとは言えない状態が続いた場合も同様だ。

杓子(しゃくし)定規な適用は慎むべきだ。

新制度開始に際し法務省は、資格取り消しを免れる「正当な理由」の具体例を公表した。配偶者の暴力からの避難―などだ。
外国人の不安解消のため、こうした対応は積極的に進めてほしい。

これまで市町村は人道的見地から外国人登録制度を活用し、不法滞在者にも母子手帳の交付、子供の就学などのサービスを提供してきた。
新制度でこれらの提供が難しくなるとの懸念が出ている。

市町村が正規滞在者しか把握できなくなったためだ。札幌市は「従来通り対応したいが、就学案内などは出しようがない」と困惑する。

この問題で住民基本台帳法付則は、政府が「必要な措置」を講じる、と定めている。政府は市町村の意見を聞き、対応を急ぐべきだ。

昨年末の外国人登録者は道内約2万人を含む全国約208万人、不法滞在は全国約7万人だ。
新制度は不法滞在者の潜行を招き、治安に悪影響を及ぼすとの指摘もある。

不法滞在は好ましくない。だからといって在留期間の超過のみを理由とする国外退去が適切だろうか。
わが国には高齢化を背景に外国人労働力に依存している現実がある。何よりも多文化共生の視点が重要だ。

法務省は、在留特別許可制度の弾力的運用などで不法滞在者を減らすことこそ積極的に考えるべきだ。力ずくでは何も変わらない。」

「日本側も韓国の主張に耳を傾けることを心がけたい。大統領の極端な言動の背景には、従軍慰安婦問題の解決を求めたのに野田政権が冷淡だとの思いもあるようだ。

政府は9月の首脳会談見送りを検討しているが、パイプを閉ざすべきではない。

崩れた石をもう一度積むような作業だが、「韓流ブーム」などで今世紀に入り大きく進んだ友好関係を後戻りさせることは避けたい。」

「民間所有の島をめぐる日中間の対立に日本政府が一歩踏み込むことになる。中国の挑発に乗った石原慎太郎東京都知事の挑発に、日本政府が乗った形だ。中国側は強く反発している。これ以上問題をエスカレートさせるべきではない。冷静な話し合いで沈静化を図る外交努力が欠かせない。

尖閣諸島は日本固有の領土だ。中国政府は、自国の漁船による日本の領海侵犯や船員らの不法上陸を取り締まる責任を果たしていない。
石原知事は現状に憤慨し、尖閣諸島購入に動いた。中国批判で知られる知事の行動は、中国国内の反日感情を刺激し、問題の複雑化は必至だった。日本政府は「平穏かつ安定的に維持・管理するため」と、国有化がやむを得ない措置だと強調する。

国際関係に配慮する観点から、知事に購入を断念させる道もあっただろう。国が地権者から賃借を続けながら、島周辺の管理を強化することもできたはずだ。国有化が問題解決の決め手とは言えない。

日中両政府は尖閣問題を棚上げすることで対立が先鋭化するのを避けてきた。解決困難な二国間の問題では現実的な選択肢の一つといえる。

先に揺さぶりをかけたのは中国だが、国有化となれば日本も「現状変更」に動いたことになる。中国に尖閣問題を国レベルの問題として国際社会に訴える口実を 与えかねない。3島の購入価格は20億5千万円だ。2012年度予算の予備費から支出される。評価額はもっと低いとの見方もある。税金を使う以上、算定根 拠をきちんと説明すべきだ。

尖閣購入には、民主党代表選を控えた野田佳彦首相が、毅然(きぜん)とした外交姿勢を訴える意図も指摘される。自らの再選のために外交を利用するのであればあまりに無責任だ。 」

「▼自民党総裁の安倍晋三さんが先日、東京都内の講演でこう述べた。「キラキラネームをつけられた多く(の子供)はいじめられている。ペットではないのだから、そういう親も指導しなければいけない」(16日読売新聞)

▼まるで「いじめられるような名前は付けるな」と言わんばかり。違うだろう。「いじめる側」が悪いに決まっている。
“異質”を理由にいじめるような者をいさめるのが教育だ。これが政権を奪回し、得意と自負する“教育改革”に再び乗りだそうかという人の見識とは、あきれる

▼「於菟(おと)」(オットー)「茉莉(まり)」(マリー)「不律(ふりつ)」(フリッツ)「杏奴(あんぬ)」(アンヌ)「類(るい)」(ルイ)。あの森鴎外が3男2女に付けた名だ。明治時代にしては「キラキラ度」はかなりのものといえそう

▼世が世なら安倍さんの指導対象?天上の文豪も「ぜひ、ご指導をいただきたかった」と残念がっているかも。2012・11・20」

「▼きのうの衆院選公示後、複数の政党党首が福島県内で第一声を上げた。震災と原発災害からの復興をアピールしたかったのだろう。
が、かりそめの姿勢ではいけない
▼福島第1原発事故で、役場ごと埼玉県への避難を強いられている双葉町の町長が先日、
本紙の取材に「国と東電(の責任者)こそ避難所で生活すべきだ」と語っていた。事故現場では、多くの作業員が放射線にさらされている
▼原発を動かしたい政党は、せめて「事故時は議員自ら収束作業に当たり、議員宿舎または自宅を被災者に提供する」といった法案を示してはいかがか。
憲法をいじってもっと戦争しやすい国にしたいなら、「戦争絶滅受合法案」もぜひ参考に。2012・12・5」

「▼不況の昨今は収入の目減りでますます縁遠い。あす首相に返り咲く安倍晋三さんはそんな時代の救世主になれるのか。選挙前の街頭演説で、デフレ対策について「(日銀の)輪転機をぐるぐる回してお札を刷るということです」と威勢よく語っていた

▼実はお札の印刷は日銀ではなく国立印刷局の仕「日銀の輪転機」は言葉のあやとして、2%のインフレ実現を目標に日銀に金融緩和させ、出回るお札を増やす。併せて公共事業も積極的に進め、景気を回復させる考えのようだ

▼安倍さんの経済政策「アベノミクス」を好感し株式市場は活気づく。でも眉につばを付けることもお忘れなく。物価が2%上がり消費税増税も重なる。収入が増える保証はない。生活がどうなるかは明らかだろう

▼そもそもこの国には今、80兆円を超えるお札が出回っている。それでも景気が悪いのは、庶民や中小企業にお金が十分行き渡っていないからではないか。いくらお札を刷っても、そこが変わらない限り効果は乏しい

▼「日本を、取り戻す」と訴え、政権を取り戻した安倍さん。聞こえませんか。「普通の暮らしを取り戻したい」という国民の声なき声が。2012・12・25」

「核実験を受けて、朝鮮学校への補助を打ち切る動きが一部の自治体に出ている。存続が危ぶまれる学校もある。これでは子どもたちの学ぶ権利が失われかねない。 国内になぜ朝鮮学校が存在するのか。その歴史的経緯に思いを致すことを忘れてはなるまい。

無償化から除外する動きに対し、10年には国連の人種差別撤廃委員会が「子どもの教育に差別的な影響を与える」と懸念を表明している。 今年1月、全国から政府に寄せられたパブリックコメント(意見公募)は、除外を支持する意見が約1万6千件だったのに対し、反対も約1万4千件あった。反対の多さを重く受け止める必要がある。

高校に当たる朝鮮高級学校は、札幌も含めて全国に10校あり、約1800人が学ぶ。北朝鮮籍に限らず、韓国籍の生徒も多い。 卒業生は日本のほとんどの大学で受験資格が認められており、大学卒業後、大半が国内で就職する。将来、日本社会に貢献する人材といっていい。

政府は高校無償化の実際の効果として、高校中退の減少を挙げている。無償化が、学校教育に欠かせない重要施策であることは明らかだ。 こうした現状を踏まえ、政府には朝鮮学校の除外を見直すことを、あらためて求めたい。」

「▼安倍晋三首相はこの言葉がお好きらしい。「責任あるエネルギー政策」として原発は再稼働させ、TPPは「政府の責任において判断」するという。
一方で、民主党前政権の政策を「無責任」と次々切り捨てる
▼そういえば、自民党が政権を失った2009年の衆院選マニフェストでは、「責任力」という珍妙な造語が使われていた。首相に限らず自民党のお気に入りと見える
▼首相はこの言葉を、多くの場合《1》の意味で使っている。しかしどうだろう。自民党には清算されるべき《2》の責任があるはずだ。
もちろん、首相はそのことにもしばしば触れてはいるけれど、いかにも通り一遍の表現にとどまっている
▼もうひとつ、日銀に対して「雇用の最大化に責任をもってもらう」とも述べた。
これも《1》の意味ではあるが「もし不首尾に終わったら《2》が待っているぞ」という意味合いがこもっていよう
▼そうなら、原発再稼働もTPPも大胆な経済政策も、取り組むには同様の責任が求められる。心配される事故や副作用は避けられるものか。
影響は責任をとれる範囲に収まるのか。首相は「政治は結果責任」とも言った。言葉が軽すぎやしないか。2013・3・9 」

「▼砂漠や浅い海底など、吸いやすい部位にはあらかた刺し尽くしたようだ。最近は頁岩(けつがん)層に閉じ込められていた天然ガス(シェールガス)を搾り取ったり、深海の地層深く潜む「燃える氷」(メタンハイドレート)に目を付けたり、と手口は進化している

▼探査船「ちきゅう」が、愛知県沖海底のメタンハイドレートからメタンガスの採取に成功した。「世界初」「待望の国産燃料」「近海に眠る100年分の資源」と期待は高まる

▼が、それも取り尽くした先には何が待っているのだろう。<血をわけしものと思はず蚊の憎さ>(丈草)。地球は、人間を疎ましく思っていないか。」

「子どもの安全に分け隔てがあってはならない。当然の施策だろう
▼ところがこの春、朝鮮学校の児童への配布をやめる決定をした。北朝鮮との関係が緊張していることを考慮した結果という。
市教委の職員から「市民の理解が得られない」「今はまずい」との声が上がった(朝日新聞)そう
▼勝手に“空気”を読み、「見守り策」を剥ぎ取る行為は人間の尊厳を奪うのに等しい。気付かない行政には人権感覚を監視する警報ブザーが必携だ。2013・4・6」

「▼日米政府が合意した沖縄県の嘉手納基地より南の「基地返還計画」。6施設・区域の返還時期について「○○年度」のあとに「またはその後」が付け加えられた
▼借金を返せと迫った際、「来年、またはその後に返す」といわれ、「よかった」と納得する人はいない。
来年まで返済されず、それ以降いくら遅れても違約したことにはならないと受け取るのが常識だ
▼安倍晋三首相は「時期を明記した」と胸を張ってみせた。その言語感覚を疑う。
沖縄の地元紙が「何も言っていないのと同じではないか」(沖縄タイムス6日社説)と憤るのも当然だろう。
「その後」の付け足しは、<しけていて、ずるくて、いやらしい>。2013・4・9 」

「私たちは、現在の日本国憲法は擁護すべきもので、今ただちに改正する必要はないと考えている。

仮に改憲を行う場合でも、自らの意向を通しやすくするために前もってハードルを下げる手法は、明らかに「禁じ手」と言うほかない。

96条改正は筋が通らない。首相は方針を撤回すべきだ。 」

「報道や政府に責任を転嫁しても理解されまい。

従軍慰安婦問題をめぐる発言で批判を浴びた日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が、
日本外国特派員協会で会見し「本意と正反対に受け止められ、報道された」と釈明した。

沖縄の在日米軍に風俗業利用を勧めた発言は撤回し、米軍と米国民に謝罪した。だが「従軍慰安婦制度は必要だった」との発言は撤回も謝罪もしない姿勢だ。

発言は明らかに女性の尊厳を傷つけた。弁明の言葉を費やすよりも、率直に誤りを認め、わびるべきだ。

維新の会からはその後も元慰安婦らに追い打ちをかける発言が相次いでおり、反省はうかがえない。女性の人権を軽視する姿勢では、党としての存在が問われよう。

橋下氏は自身の発言について「戦時においては」「世界各国の軍が」女性を必要としたとの趣旨なのに、自らが「必要と考える」「容認している」と誤報された、と主張した。

「必要なのは誰だって分かる」と発言すれば「自らも必要と考える」としか受け取れまい。誤報だとの主張は苦し紛れにしか聞こえない。

戦時に軍が必要としたとの主張だとしても、戦争や軍は今も存在する。だからこそ橋下氏は在日米軍に風俗業利用を勧めたのだろう。

会見では「女性の尊厳のじゅうりんは許されない。過去の過ちを徹底して反省しなければならない」と述べた。
それが真意なら「必要だった」との発言にはならなかったはずだ。

質疑でも、慰安婦制度の強制性を認めた河野洋平官房長官談話があいまいだと問題点をすり替え、政府を批判した。
国家の意思だったか証明されていないとの主張に寄りかかっていては、反省は伝わらない。 」

「安倍首相は中東などでも原発輸出のトップセールスをしてきた。だが事故の解明が終わっていない中での原発輸出は、あまりにも問題だ。

さらにインドは核拡散防止条約(NPT)未加盟の事実上の核兵器保有国でもある。協定は原子力技術の平和利用の取り決めとはいえ、核兵器開発に転用されないか懸念の声が上がるのも当然だ。

核不拡散を世界に呼びかけてきた唯一の被爆国として、NPT体制の形骸化を進めるような行為は慎まねばならない。新幹線技術の提供など経済協力拡大は歓迎するが、原子力協定交渉は再考すべきである。

安倍首相は原発事故について「まだ検討が必要な項目もある」と国会答弁するなど原因究明継続を強調してきた。一方、海外には「世界一安全な原発技術を提供できる」と述べ、熱心な売り込みを続けている。

それ自体が矛盾している。 」

「▼ところが、安倍晋三首相は成長戦略の目玉の一つとして市販薬のインターネット販売の原則解禁に踏み切るという。近所に薬店のないお年寄りなど便利になる人もいるだろう

▼が、拙速な解禁は、同時服用すると危険な薬の「飲み合わせ事故」につながりかねない。薬害被害者団体が反対するのも当然だ。それに薬のネット販売がどれほどの経済効果を生むというのか。“薬効”は疑わしい

▼あれこれ「興奮剤」ばかり処方する「アベノミクス」。円安の副作用に苦しむ人もいる。「鎮痛剤」はどこで買えますか、安倍さん。」



「デフレ脱却に向けた経済政策を積み重ねてきたが、タカ派的な政治路線には危うさが見える。

選挙の焦点は自民、公明の連立与党が衆院に続き参院でも過半数を獲得するのか、野党が阻止するかだ。

一方で首相は、与野党を超えて憲法改正発議に必要な3分の2の勢力結集を目指す。選挙結果次第では日本の針路が大きく変わりかねない。

各党は理念、政策を明確に示し、国民に信を問うてもらいたい。

異論切り捨てる姿勢


「日本を取り戻す」。そう訴えて首相は再登板した。

経済政策では大胆な金融政策、積極的な財政出動、成長戦略の「3本の矢」を提示した。
株価や為替などの指標を見る限り景気は上向いているかのようだが、生活が良くなったという実感は持てない。

景気対策は相変わらず公共事業主導型だ。「アベノミクス」と言えば新鮮に聞こえるが、かつての自民党政治を再起動させた部分が多い。

首相は1期目でやり残した仕事にも意欲を燃やす。集団的自衛権行使を禁じた憲法解釈見直しを検討する懇談会を再開した。

昨年12月の衆院選で有権者が期待したのはこんな政治だったのだろうか。安倍政権には「自民党は変わった」と言える実績が乏しい。

「ねじれ国会」を意識して、首相は答弁で「安全運転」を心がけた。だが「巨大与党」の力を背景にしたおごりは随所に表れた。」

「北海道新聞(札幌市)の記者が、日本維新の会関係者に取材したオフレコ情報を、みんなの党から参院選道選挙区に出馬する候補者の陣営幹部にメールし、
流出させたことが12日分かった。
メールには参院選に関する情報も含まれていた。同社経営企画局は「誤って送信した。事実関係を調査中」とコメントしている。 」

「北東アジアで日本が孤立してしまうのではないか。

領土や安倍晋三首相の歴史認識をめぐる発言で日本と中韓両国の対立が長引く中、多くの国民がそんな危惧を強めている。

中国とは首脳はもとより外相レベルなどでも対話できない状態だ。韓国とは9カ月ぶりに外相会談が行われたが首脳会談のめどは立たない。

経済では相互依存が進み、重要な貿易パートナーである中韓両国との関係がこじれたままでは、経済面だけでなく安全保障面などでも大きなマイナスだ。

関係をどう改善、再構築するか。各党は具体的方策を示すべきだ。

安倍首相は尖閣諸島問題で緊張関係が続く中国に対し「日本のドアは常に開いている」とし、戦略的互恵関係の原点に戻るよう訴えている。

だが歴史認識をめぐる発言で対話のドアを閉ざしたのは首相だ。「村山談話」継承を積極的に表明するなどの行動がなければ説得力を欠く。

自民党公約は「日米同盟を強化しつつ中国、韓国との関係発展に努める」とした。要は米国の力を借りて問題を解決しようということだ。
これでは主体的な外交とはいえまい。

民主党は「東シナ海を『平和、友好、協力の海』とするため日中間の意思疎通を図る」とした。

そもそも日中関係がこれだけこじれたのは、民主党政権が昨年9月、尖閣諸島を国有化したのがきっかけだ。責任感を持って解決策を示すべきだ。
頬かむりは許されない。 」

「▼「わたしは悲惨な日々を決して恐れない。一日たりとも苦しまずに生きることもない」。サクランボの実を「血の滴」になぞらえた

▼古里から戦地に赴いた兵士たちも、出征の記憶をたぐり寄せ、帰郷の日を待ちわびたはずだ。「さくらんぼの実る頃」―。いまある豊かさと、幸せに思いをはせる季節にしたい。2013・7・28」

「首相は国会答弁で「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」と開き直り、関係の一層の悪化を招いた。

 憲法改正をめぐり戦前のドイツ・ナチス政権を引き合いに「手口を学んだらどうか」と発言した麻生氏は、靖国神社についても「静かに参拝すべきだ」と述べ、同じように中韓両国の批判を浴びている。

 首相が同盟を重視する米国も、日本とアジアの摩擦を懸念している。

 米議会調査局は日米関係に関する報告書で、首相らが参拝した場合、北東アジア地域の緊張が激化する可能性があると指摘し、「歴史認識の不一致が日米韓などの地域協力に影響する」と警告した。

 そもそも、参拝が批判されるのは、アジア諸国に多大な被害を与えた戦争を指導した末に日本を破滅に導いたA級戦犯が靖国神社に合祀(ごうし)されているからだ。

 閣僚らの参拝は、日本政府が戦争を反省していないとの疑念を抱かせる。アジア諸国だけでなく、日本国内にも批判があるのはそのためだ。

 公的な立場での参拝であれば、憲法の政教分離の原則に抵触する可能性も指摘されている。

 戦没者を悼む気持ちは大切だが、参拝を予定する閣僚らは自らの立場をわきまえ、広い視野に立って再考するよう強く求めたい。」

「閣僚の靖国参拝による日本への不信感を払拭(ふっしょく)しなければならない時に、逆に増幅させるかのような姿勢は理解に苦しむ。自らは参拝せず、玉串料奉納にとどめることで中韓に配慮したつもりなら認識が甘すぎる。

 古屋氏は参拝後、「よその国から批判とか干渉を受けるものではない」と述べた。

 だが靖国神社は先の戦争を正当化する歴史観を持ち、A級戦犯を合祀(ごうし)している。閣僚の参拝は侵略戦争の肯定と受け止められる。

 宗教施設である靖国神社への閣僚参拝は政教分離原則に抵触する可能性も指摘されている。

 新藤氏は「私的な行為」だと説明したが、そもそも閣僚の参拝を私的か公的かで線引きするのは難しい。

 新たな追悼のあり方を考える際、土台となるのは2002年、当時の福田康夫官房長官の私的懇談会がまとめた、「国立」「無宗教」の施設が必要だとする提言だ。

 日本遺族会や自民党が反発し、提言はその後たなざらしになっている。靖国参拝に強くこだわる首相も新追悼施設に否定的な見解を国会で示した。ならば代案を示すべきだ。

 戦没者追悼という大切な行為が政治的、法的に問題になるような状況をいつまでも放置してはならない。」