JASRACと著作権侵害


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JASRACが他者を著作権侵害だと言い立てることは日常茶飯事ですが、他者がJASRACを著作権侵害だとした事例や、他者が他者を著作権侵害だとしたのにJASRACがどう関わったのかをここでは見ていきましょう。

記念樹事件

小林亜星氏と服部克久氏

小林亜星氏が服部克久氏の「記念樹」は「どこまでも行こう」の盗作であると訴えた事件です。
JASRACにとって他者同士、と言ってもともにJASRAC評議員で服部氏は理事に選任されてもいます。
両者ともにJASRACと深く関わるとは言え他者同士、あるいは身内同士の争いにJASRACは深くは介入しませんでした。当時JASRAC評議員でもあった玉木氏はその点について2000年9月24日の記録で次のように記しています。
2●盗作の範囲

 質問者はこの部分の見解も欲しいようだが、現在、アナログ上では、単なる常識論でしか進まない。小林亜星氏と服部克久氏の問題に関しても、結局はズブの素人の裁判官が判断せざるを得ないという状況は今後も変わるはずはない。JASRACがA曲、B曲がどこまで似ているかということを判定する機関ではないということを、一般 の人は知らなさすぎる。

 JASRACは、歌詞の管理はしているが、メロディの管理はできていない。これ以上は立場上書かないが、JASRACが盗作の判断はできないし、してはいけない。多くの人は、JASRACの横暴さを非難しながら、片一方で、JASRACはそういう盗作判定の権限や義務を負っていると勘違いされているが、JASRACは、そんな判断をしてはいけないのである。だから盗作か否かについては、現在のところ、解決の方法がない。
もっともな意見だと思います。また小林氏側は控訴審からは問題を著作者人格権に絞っています。
「著作者人格権」は、著作者だけが持っている権利(一身専属性)ですので、JASRACも著作者人格権の問題には関与できません。
著作者人格権はJASRACのあずかり知らぬことであり、なるほど玉木氏が「JASRACが盗作の判断はできないし、してはいけない」と書かれたことはますますもってその通りだと言えるでしょう。

金井音楽出版とJASRAC

JASRACは「記念樹」について使用料分配を保留する措置をとりましたが、判決が確定した二日後まで利用許諾は続けていました。小林氏が「どこまでも行こう」の著作権を預けていた金井音楽出版はそれについてJASRACを訴えました。そのこともまた玉木氏の2003年6月6日の記録に記されています。
最後に、亜星さんの「どこまでも行こう」の楽曲管理会社が、JASRACを訴えたそうで、JASRACも対処に苦しんでるようだ。
一審では金井音楽出版の訴えが認められましたが、JASRACが控訴した控訴審では一審判決を取り消し、金井音楽出版の請求は棄却されました。
東京高等裁判所知的財産第4部(高裁)は、協会が利用許諾行為を継続した行為は、協会の措置としてやむを得ないものと評価しえるのであり、過失はない、すなわち、協会は違法著作物の利用許諾が許されるとした。理由は極めて解りにくいが、(1)「記念樹」は著作権侵害かの判断が困難であった。(2)利用許諾を継続して著作物使用料を分配保留する措置が、より穏当で、かつ、合理的な措置である。すなわち、分配保留をしているなら、著作権を侵害されている者の損害はすべて確実に賠償されるのであるから、これ以上の利用許諾の停止は必要がない。(3)協会は、損害賠償責任を果たすことが金銭的に不可能な団体である。
お金をとって使わせてはいても、実際にお金を服部氏側に渡していなければ後で小林氏側に全部渡せるからよいではないかという理屈ですね。そもそもJASRACに「記念樹」がどれくらい使われたのかを知ることができ得たのかという根本的な疑問は湧きますがそれはおいておきましょう。

結論として、小林氏と服部氏との裁判ではJASRACは中立を保ちました。小林氏側からはJASRAC自体が訴えられもしましたが、認められませんでした。

HIGHWAY61「サヨナラの名場面」問題

 株式会社ワーナーミュージック・ジャパンは、同社が発売していたHIGHWAY61の作品「サヨナラの名場面」に関し、同作品が中島みゆき氏作詞・作曲の作品「ファイト!」に類似する部分があり、著作権者である財団法人ヤマハ音楽振興会の著作権を侵害している、または少なくとも侵害する疑いが強いと判断し、CDの出荷を停止し、販売を停止した旨12月23日付けで同社のホームページに公表しました。
 また、HIGHWAY61および同アーティストが所属する株式会社シェイクハンドは連名で、メンバー、スタッフで検討を重ねた結果、類似作品と判断されてもやむをえないとの結論に達したのでワーナーミュージック・ジャパンがCDの発売を中止したことと、中島みゆき氏並びに関係者への謝罪をHIGHWAY61のホームページに12月23日付で掲載しました。
 JASRACは、これらのことから、「サヨナラの名場面」は「ファイト!」の著作権を侵害する可能性が極めて高いと判断し、著作権信託契約約款の定めに基づき、本日以降、「サヨナラの名場面」の利用許諾を停止いたしますのでお知らせします。
レコード会社、アーティスト、所属会社すべて侵害を認め謝罪していることを受けて、JASRACが利用許諾を停止していますので、玉木氏が「JASRACが盗作の判断はできないし、してはいけない」とした通り、JASRACが勝手に盗作を判断するようなことはしていないものと思われます。これも他者同士、かつどちらの曲もJASRACの管理対象という事例でした。

ただし、Yahoo!ミュージックがなぜ2012年2月現在に至ってもなお歌詞を掲載し続けていられるのかは謎ですね。JASRACのデータベースからは削除されているようですが、本当に利用許諾は停止されているのでしょうか。リリースも削除されていますし、謎が謎を呼びますね。ブランケット方式の弊害辺りが真相なのかもしれませんが、弱きをくじき強きをたすくいつものJASRACだなあとしみじみ思ってしまいます。

おふくろさん騒動

JASRAC広報

歌手の森進一氏が「おふくろさん」の冒頭に勝手にセリフを付けて歌っているとして、作詞した川内康範氏が2007年2月に非難した一件も、JASRACにとっては他者同士の問題です。ところが、森氏がまだ平謝りに転ずる以前の2月21日、J-CASTニュースはこのように記しています。
さて、完成してヒットした歌の冒頭に、違う作詞家のセリフを付け歌うと著作権違反になるのだろうか。弁護士によって違反、違反とはいえない、など2つに分かれているが、ジャスラック広報はJ-CASTニュースの取材に対し、著作権法20条に「同一性保持権」があり、著作者人格権侵害にあたるのだという。
「川内先生が作品を改変することに同意していないため、著作権法違反にあたります」 
なのだそうだ。
おかしいですね。JASRACが盗作かどうかの判断をくだすべきではなかったはずではありませんでしたか。メロディとは異なり、歌詞は管理できるので、盗作かどうかの判断もできるかもしれません。しかし盗作かどうかを判断する権限はいつ得たのでしょうか。弁護士でも意見が分かれたというのに不思議ですね。
そもそもJASRACは著作者人格権についてはあずかり知らぬ立場のはずです。なぜ著作者人格権侵害にあたるなどと自ら主張しているのでしょうか。著作者人格権の問題なので関与せず、とするのが正しい対応だったのではないのでしょうか。

JASRAC困惑

さて、3月3日には森氏側が曲を封印するとして、態度を変え始めます。
一方、6日に記事にされる段階でJASRACが困惑しているとされています。
役員に対して歌唱禁止を訴える私信は2通届いているが、正式な申告ではなく協会内で議論できない状態になっている。
つまり、現在は森の歌唱を許諾しているが、川内氏から正式な申し入れがあれば、訴えが正当かどうかを、判断することになる。
しかも、前例のない事態に、協会内でもどう手順を踏むべきか、手探り状態にあるようだ。
JASRACが困惑しているのは「森氏に歌わせるな」という前代未聞の主張についてであって、広報の対応からも明らかなように侵害にあたることについて迷いはないようです。侵害かどうかということでしたら、前例はありますものね。

JASRAC判断

さて、翌7日までに正式な申告があり議論も行われ判断がくだされでもしたのでしょうか。JASRACが発表文をWebサイトに掲載するという珍事に及びます。
 「おふくろさん」(作詞:川内康範氏、作曲:猪俣公章氏)の歌詞の冒頭に保富庚午氏の作とされる歌詞を付加したバージョンについては、著作者である川内氏から意に反する改変に当たる旨の通知がなされており、同氏が有する同一性保持権(著作権法第20条1項)を侵害して作成されたものであるとの疑義が生じております。
 このため、改変されたバージョンをご利用になりますと、川内氏の有する同一性保持権の侵害その他の法的責任が生じるおそれがありますので、ご留意ください。また、あらかじめ、改変されたバージョンが利用されることが判明した場合には、利用許諾をできませんので、ご了承ください。
 なお、オリジナルバージョンの「おふくろさん」は、従来どおりご利用になれます。
「疑義が生じております」「おそれがあります」は適切ですね。「ご留意ください」は親切です。しかしながら、記念樹事件のときにそうすべきだったと楽曲管理会社に訴えられた際、JASRACは抗弁しませんでしたか?
そして「あらかじめ、改変されたバージョンが利用されることが判明した場合には、利用許諾をできません、ご了承ください」と訴訟にもなっていないのに許諾を中止します。疑義だ、おそれだっていましがた自分で書いたばかりですよね。訴訟になったら分配を保留し、判決が確定して二日経つまで利用許諾を続けないのはどうしてなの? 森氏が対決姿勢を崩したから? 冒頭に付加された歌詞を作詞された保富庚午氏が既に亡くなられているから?

保富庚午氏

保富氏は「大きな古時計」の訳詩者としても知られています。2002年にこの「大きな古時計」を歌手の平井堅氏がリバイバルヒットさせました。
ところが、その作者は1884年に亡くなり、保護期間である50年を過ぎた今では、著作権はすでに消滅しているというのだという。ということは、作者に「著作権使用料」を払わずに済んだ、出版元であるレーベルの丸儲け状態なのであろうか?調べてみると、前述したように、その著作権はすでになくなっているため、「原盤権」としてNHKと平井堅の所属事務所が保有することになるようだ。

このように、作詞・作曲をしなくてもヒット曲を生み出すことはできる。ということは、ちょっと歌の上手いアナタは、今すぐ平井堅になれるということだ!早速、著作権切れの楽曲を調査してみることにした。すると、でるわでるわ、いまさら歌詞を見なくても歌える名曲の数々!弊社イチオシの名曲を、クライアントさまへのレポートにまとめました。弊社のマーケティングデータを元に、ビッグチャンスを掴んでください。
ひどいマーケティングリサーチもあったものです。訳詩者や編曲者の権利はどこへ行ったのでしょうか。
実はこの「大きな古時計」について、2004年頃に調べまくったことがあったりします。何の因果かそのきっかけもJASRACでした。その際、訳詩の保富氏だったと思うのですが、今の権利者がわからなくなっていて、平井氏が探して見つかったんだったか、見つからなかったんだかという話があったはずなのですが、現時点で思い出せません。何が言いたいかと言うと、保富氏の権利を引き継がれた方が見つからなかったのだとすると、おふくろさん騒動で氏の権利がまるで省みられていないのはそのためなのではないかと思ったからです。
どうだったか判明したときのために、この節を記しておきますね。

まさしく異例ですね。
著作権者が歌唱禁止を突きつけ、JASRACも認めるという異例の事態にまで発展してしまった。
こちらも異例。

JASRAC全力で支援

さらにJASRACの一方的な肩入れはエスカレートします。翌8日のプレスリリースでは川内氏を迎え、対応を報告して満足させています。。
「要請があった場合は、その内容等を慎重に検討して対処」とありますが、本当は?
JASRACも森の活動を把握したいとしている。
要請されるまでもなく、自ら監視までするんですね。監視は十八番ですものね。

他の件とはあからさまに違うこの騒動へのJASRACの積極的関与はいったいなんなのでしょう。森氏が態度を変える前から既に侵害と断定しているのが謎です。川内氏は作詞家、森氏は歌手で、JASRACからの扱いが違うのかとも思いましたが、森氏が作詞した、あるいは作曲した作品がJASRACに登録されており、権利者として登録されています。森氏もまたJASRACにとって大事な権利者となれば、著作者人格権というJASRACが関与できないと自ら認める問題にこうまで一方の肩を持って介入した理由がますますもってわかりません。暇だったんでしょうか?

銀河鉄道999裁判

他者同士の裁判。JASRACに登録された詞や曲の問題でもありませんし、JASRACがどうこう言ったという話も聞きませんので深くは言及しません。こと音楽ということで槇原敬之氏寄りということもなく、松本零士氏にも作詞があり、それがなくともJASRACには著作権保護期間延長派の大事な盟友。口出しなどできませんでしょうとも。ちなみに作曲が大量にあるのは別人らしいです。
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