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はじめに... 2

背景... 2

調査方法... 2

量子コンピュータ... 3

量子力学... 3

量子コンピュータ... 3

方式... 3

課題... 5

活用分野と既存技術への影響... 5

製品事例... 5

考察... 6

参考文献... 6

 

 

 

はじめに

背景

量子コンピュータは従来のコンピュータと比較して圧倒的に高速な演算処理が可能であり、現在のスーパーコンピュータが現実的な時間で解くことができないような計算でさえ瞬時に実行してしまう技術として注目されている。このことからさまざまな分野での活用が期待されているが、少し前までは実用化まで数十年、百年はかかると目されていた。

 

そのような状況の中、2011年にカナダの新興企業であるD-Wave Systems社が突如として世界初の商用量子コンピュータを発表した。当初は本当に量子力学の原理を用いたものなのか、その真偽が疑問視されていたが、2013年にGoogleやNASAが導入を決定し、活用に向けて調査研究を開始している。

 

本レポートでは、現実味を帯びつつある量子コンピュータの実用化について、現状及び今後の活用について調査する。

 

調査方法

 本レポートでは、主に書籍、ベンダー各社より公開されている資料、雑誌、インターネットからの情報をベースに調査を行う。

 

 

 

量子コンピュータ

量子力学

量子力学は、現代物理学の根幹を成す理論として知られ、主として分子や原子、あるいはそれを構成する電子など、ミクロな物理現象を扱う。量子力学自身は前述のミクロな系における力学を記述する理論だが、取り扱う系をそうしたミクロな系の集まりとして解析することによって、ニュートン力学に代表される古典論では説明が困難であったマクロな現象についても扱うことができる。[wikipedia]

 

量子コンピュータ

量子とは全ての物理的な存在の最小単位であり、波動性と粒子性という二つの性質、いわゆる波動と粒子の二重性を持つ。量子コンピュータは、この量子の特性である「量子の重ね合わせ」を利用して実現されている。

 

既存のコンピュータでは、計算機の中の電子の状態として1ビットが「0」または「1」の2値で扱われていた。それに対して量子コンピュータでは、「量子の重ね合わせ」により1ビットが「0であり1である」状態を共存できる。これを1量子ビット (qubit:キュービット) と呼ぶ。この複数の状態を同時に扱うことができるqubitを利用して演算を行うことで既存のコンピュータでは成しえなかった超並列処理が可能となる。

 

既存のコンピュータが苦手とし、量子コンピュータに期待される代表的な計算の一つに、巡回セールスマン問題がある。いくつかの都市を巡るセールスマンが費用や移動距離のコストを最小にする最も効率の良いパターンを計算するという問題である。こうした種類の問題を組み合わせ最適化問題という。例えば、30都市を巡る場合、総当たり方式で最短経路を探すと、1秒間に1京回の計算ができる理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」をもってしても1400万年もかかってしまう。このような計算を短時間で完了してしまうポテンシャルを量子コンピュータは保持している。

 

 

 

 

 

方式

量子コンピュータの主な方式を以下図に示す。1980年代から量子コンピュータの研究は主に量子ゲート方式で行われてきたが、最近では量子イジングマシン方式での研究も進められている。例えば後述のD-Waveの量子コンピュータは量子アニーリング方式で実装されている。また日本独自の方式として国立情報学研究所(NII)山本喜久教授の研究チームによりレーザーネットワーク方式が開発されている。2019年までに「2の5000乗回の繰り返し計算」を10マイクロ秒で完了できることを目標としている。2の5000乗は、10進数で約1500桁の数になるが、1秒間に1京回の計算ができる理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」を1京台集めて100億年計算し続けたとしても完了しない回数の計算を一瞬で完了できることになる。

また、従来の量子ゲート方式と、量子イジングマシン方式との差を以下表にまとめる。

 

方式

量子ゲート方式

量子イジングマシン方式

コンピュータか否か

コンピュータ(チューリングマシン)である

コンピュータ(チューリングマシン)でなく、物理現象を再現する実験装置である

アルゴリズム開発要否

必要

不要。ハードウェアにアルゴリズムが内蔵されている

解決出来る問題

アルゴリズムがあれば何でも解決可能(ただし現時点では因数分解などのわずかなアルゴリズムのみ)

組み合わせ最適化問題

活用範囲

現時点では暗号解読のみ

機械学習、組み合わせ最適化など幅広い範囲

実現可能性

不明。研究者によっては数十年後、百年後など意見が分かれる

既にD-Wave社により商用化されており、数年後にはレーザーネットワーク方式の実現も見込まれる。

 

 

 

課題

・デコヒーレンス問題

量子コンピュータは「量子の重ね合わせ」の状態を利用することで超並列計算を行えるということが強みとなっている。しかし、この「量子の重ね合わせ」の状態は、維持するために絶対零度に近い極低温が必要となり、また、外部からの電子や光子などとの相互作用により失われてしまう。(この現象をデコヒーレンスという)安定的に維持するためのハードウェアが必要とされている。

 

・量子アルゴリズムの不足

量子コンピュータ上で動作可能なアルゴリズムはいくつか考えられているが、それほど多く発見されいない。研究の歴史が浅く、従来のアルゴリズムを上回るものを目指す必要があるということから発見が困難であると考えられる。現時点で存在する代表的なアルゴリズムとしては、ショアの素因数分解アルゴリズム、グローバーのデータベース探索アルゴリズム、量子積分アルゴリズムなどがある。

 

活用分野と既存技術への影響

高速にかつ効率的に計算処理が可能なことから、ビッグデータ分析、データベース検索やシミュレーションに時間のかかる気象予測、地震予測、など自然環境分野での予測精度を向上できると考えられている。また、自動車の移動ルート最適化による交通渋滞解消、新薬開発、機械学習など、組み合わせ最適化問題がベースにある分野での活用も見込まれる。

 

一方、既存技術に対する影響もある。現在幅広く利用されているRSA暗号は因数分解に基づいており、既存のコンピュータが現実的な時間で因数分解を解くことができないことを、暗号の安全性の根拠としている。ところが、既存のコンピュータでは解読に天文学的な時間がかかる因数分解を、量子コンピュータではものの数分で解読してしまうことがショアの素因数分解アルゴリズムにより示された。量子コンピュータが実現された場合、従来の暗号化とは異なる暗号方式が必要になる可能性がある。

 

 

 

 

 

製品事例

 

 

 

考察

ガートナーによると、量子コンピュータは汎用的な用途よりも特定の用途に向けた開発が進むであろうと目されている。実際に、組み合わせ最適化問題に特化したD-WaveのマシンがGoogleやNASAでも導入され、1000qubit以上の最新モデルが発表されていることからも、その方向性で研究開発が進むのではないかと考えられる。

 

当行での活用エリアとしては、ビッグデータ分析、リスク分析、データベース検索やシミュレーションの高速化などが想定される。しかし、いまだ研究開発段階であり本格的にエンタープライズ用途で導入が進むにはかなりの時間を要するであろうことから、現時点において当行での採用は現実的ではない。

 

ただし、冒頭にも記したように、実用化まで百年はかかると言われていたが量子コンピュータではあるが、D-Waveの登場により活気づいているのも事実であり、今後のさらなる実用化に向けた動向を継続的に調査すべき領域と考える。

 

 

参考文献

 

・30分でわかる量子力学

http://www.ryoushi-rikigaku.com/quantum.html

 

・Quantum Computing

http://www.s-graphics.co.jp/nanoelectronics/kaitai/quantumcom/4.htm

 

・超並列計算を実行する量子コンピュータはビッグデータ時代を生き抜くためのツールになる!?

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/493082/060800023/

 

・方式

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140314/543707/