オリロワ天国と地獄@wiki
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オリロワ天国と地獄@wiki
ja
2013-10-19T22:13:36+09:00
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ナイトメアのハジマリ
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/185.html
**ナイトメアのハジマリ
草花がそよ風で揺れている。
そよ風といっても、生暖かいので到底心地良いとは言えない。
生暖かいのは、島の周りで煮え滾るマグマのせいだろう。
ここに来たばかりのときに、マグマの海を覗き込んでみたが、五秒も我慢できなかった。
もともと、熱い場所は好きではない。肌がちりちりと焼ける感覚に、どうしても慣れないのだ。
俺、イリス・ハンニバルは、人生に退屈し、刺激を探求する男だ。
こう書くと、夢を追っているような印象を受けるかもしれないが、そんなことはない。
寧ろ夢も希望も、とうの昔に失っていた。
昔のことを思い返そうとすると、身体中が疼く。
まるで俺の全てが、細胞に至るまで、過去を思い出すまいとしているかのように。
思い出せなくても、別段支障をきたすことはないから、いいのだが。
話が逸れた。俺が求めているのは、刺激だけだ。
そこに夢や目標を定めることはせず、ただひたすらに探求し続ける。
刺激によって得られる快楽は一瞬だろう。だがそれでも構わない。
ファックユー、と罵られても、クレイジー、と蔑まれても、俺は自分を曲げない。
ふと、サングラスを外して、近くの花壇を眺める。
風に揺られる草花は、ここが地獄であるにも関わらず、しゃんとしている。
それらを眺めていると、蹴散らしたくなる衝動に駆られる。
俺は、花壇に植わったままの草花に、価値を見出すことはできない。
自らの足で踏み潰すことで、ようやく快感を覚えることができる。
「…………」
俺が欲しいのは、心を落ち着かせるものではなく、心を昂らせるものだ。
例えば死体。四肢を切断された人間を見ようものなら、垂涎が止まらなくなる。
例えば拷問。五寸釘と蝋燭を見ただけでも、舌なめずりを抑えられない性質だ。
それは、およそ他人には理解されないであろう嗜好。
異常な趣味だと重々承知した上で、俺はそういったモノに刺激を求めていた。
「おいおい、Mr.ホワイトマン。ぼうっと物思いに耽るのも結構だが、作業の手は止めないでおくれよ」
ふと、後ろから声をかけられた。
緩慢な動作で振り返ると、そこには顔を白く塗った、道化師のような女がいた。
パンクファッションに身を包んでおり、背は
2013-10-19T22:13:36+09:00
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死亡者情報
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/184.html
** 死亡者情報
◆第一放送までの死亡者
|名前|殺害者|死亡話|死因|
|名無しさん|本表体人|001:[[骨の看護婦と標本の医者の歪んだ目的]]|解剖される|
|虎丸|ガイル・バッグウェル|009:[[「クワイエット・ハンティング」]]|銃殺|
|吉原美奈子|赤目のデュオ|027:[[「いただきます」]]|食べられる|
//|死亡者|殺害者|00X:[[]]|死因|
//|死亡者|殺害者|00X:[[]]|死因|
//◆第二放送までの死亡者
//◆第三放送までの死亡者
2013-10-05T01:45:19+09:00
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ネタバレ名簿
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/183.html
ネタバレ名簿
リンクをクリックで死亡話へ飛びます
◆人 15/17
○アイボタル/○赤川菊人/○飯綱景人/○ガイル・バッグウェル
○クラウン/○佐藤勇/○サリー・レスター/○ジャスティン・ショット
○高山信哉/●[[名無しさん>骨の看護婦と標本の医者の歪んだ目的]]/○パン食いガール/○姫園炎間
○ボー・エンザー/○宮野陽子/○村雨葵/●[[吉原美奈子>「いただきます」]]/○ロージ
◆異能 10/10
○アイレア・オッド/○イリス・ハンニバル/○斉藤花子
○ビアー・バーンズ/○ペルオ・ラッセル/○無代ミテイ(仮)/○蟲之黒玄
○ラファエル・キルシュタイン/○bullet・collector/○Mr.田中博士
◆妖 13/14
○赤目のデュオ/○暴れん坊/○あんぱん犬/○怒りん坊
○カーミラ・フランケンシュタイン/○隠れん坊/○首無しライダー
○黒田喰院/●[[虎丸>「クワイエット・ハンティング」]]/○ブラッディー・バレンタイン/○亡狐
○本表体人/○レプラコーン
◆機 4/4
○イサギヨWB-07/〇AK-47/○Many_arms(M-A023)/○PicoPico.2008
41/44
2013-10-05T01:36:23+09:00
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参加者名簿
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/182.html
**参加者一覧
-01・空想に生きる作家 [[アイボタル]]
-02・魔人ハンターの少女 [[アイレア・オッド]]
-03・純粋マフィア少年 [[赤川菊人]]
-04・暴走ヒト食イガール [[赤目のデュオ]]
-05・鬼の三兄弟・長男 [[暴れん坊]]
-06・パンであり犬である [[あんぱん犬]]
-07・鬼の三兄弟・次男 [[怒りん坊]]
-08・不意打ち暗殺剣士 [[飯綱景人]]
-09・ウイルスバスター侍 [[イサギヨWB-07]]
-10・不死身だから無感動 [[イリス・ハンニバル]]
-11・神の座を犯す毒蛇 [[カーミラ・フランケンシュタイン]]
-12・信じられない殺人鬼 [[ガイル・バッグウェル]]
-13・鬼の三兄弟・三男 [[隠れん坊]]
-14・死してなお風になる [[首無しライダー]]
-15・愉快犯なテロリスト [[クラウン]]
-16・人になれない人食い [[黒田喰院]]
-17・女子高生に黒魔術 [[斉藤花子]]
-18・リーゼント兄ちゃん [[佐藤勇]]
-19・罪と男は許せない [[サリー・レスター]]
-20・負けるとは失うこと [[ジャスティン・ショット]]
-21・平凡なゲーム実況者 [[高山信哉]]
-22・人語を解す猛き虎 [[虎丸]]
-23・デフォルトネーム [[名無しさん]]
-24・パン食い競争全一 [[パン食いガール]]
-25・頼れるオンナ用心棒 [[ビアー・バーンズ]]
-26・殺炎のアーティスト [[姫園炎間]]
-27・吸血貴族のお嬢様 [[ブラッディー・バレンタイン]]
-28・歩くパンデミック [[ペルオ・ラッセル]]
-29・ニュースキャスター [[ボー・エンザー]]
-30・浮世を楽しむ化け狐 [[亡狐]]
-31・解剖大好き人体標本 [[本表体人]]
-32・幸せに逃げられた女 [[宮野陽子]]
-33・黒い悪魔とお友達 [[蟲之黒玄]]
-34・新設定を書き込める [[無代ミテイ(仮)]]
-35・才色過備の女教師 [[村雨葵]]
-36・自己中な女子中学生 [[吉原美奈子]]
-37・バケモノは死すべし [[ラファエル・キルシュタイン]]
-38・妖精は財宝が大切 [[レプラコ
2013-10-05T01:09:31+09:00
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用心棒はお人よし
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/181.html
**用心棒はお人よし
ビアーが陽子を助け出した後、まず最初に行ったのは水場を探す事だった。
陽子を手錠で拘束し、ガソリンをかけて生きたたま燃やそうとした異常者(姫園炎間)はそのまま放置した。
経験的に裏に所属する殺し屋やマフィアと面識があるビアーだったが、彼女は悪党には大体二種類のタイプがあると考えている。
少しばかりお仕置きが必要な小悪党か、たちの悪い犯罪を嬉々としてやらかそうとするイカれ野朗。この2つだ。
人間バーベキューを行おうとしたあの男は後者。完全に頭がイカれているクソッタレだ。
少々手を抜いたとはいえ、近くは歩き回ることはできないほどは殴った。
もし気絶している間にあの男が"乗った"参加者に殺されても、自業自得。少しも心は傷まない。因果応報ってやつだろう。
もちろんしっかりとデイバックは回収しておいた。奴に支給されたガソリンは、奴を殴った時ポリタンクが倒れちまって殆ど零れちまった。
残った分は助けたヨウコって名前のジャップの服にぶっかけられた分しか無い。勿論絞って集めて使う……なんて事はできないだろう。
ビアーはおずおずとついて来る陽子を見る。なぜか目をそらされた。
Japanは平和な国だって聞いた事がある。あたしの住んでたスラムとは違って、治安もかなり良い国らしい。
ヨウコは顔にもけっこう殴られた跡があった。多分、いや殆どあの男にやられたんだろうが、そんなことは今まで経験したこともないのかもしれないし、ショックだろう。
ましてや危うく火だるまにされそうになったんだし、ショックもそれなりに受けただろう。
……でも、あたしを見て顔を逸らすってのは少し傷つくね。
やっぱり怖いのかね?あたしはかっこいいと思うけど。
裏じゃあ女ってだけでかなりナメられるから、外見の印象ってのは大事だ。
あたしは別にどーでも良いんだけどね、一応タトゥとかしてみようかって手を出したのが始まり。
これが意外と楽しくて、ついついこんな風になっちゃったけど……
好きなものこそハマるって言うけど、やり過ぎた感はあるね。別にかっこいいから良いんだけど。
顔にボディーピアスも、けっこう脅かしには効くんだよね。
タトゥとピアスを全部入れてからサリーにあった時、腰を抜かしてたわ。
でも最後には『ビアーにはな
2013-10-19T21:48:05+09:00
1382186885
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死後も好きなものは好き
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/180.html
**死後も好きなものは好き
生前の首無しライダーは、生まれながらの走り屋だった。
子供の頃、三輪車で坂を下ることが好きだったし、小学生になると、三輪車から自転車になり、高校からは原チャリに変わった。
地元でも難問と呼ばれるコースを走り、かっ飛ばし、爆走する。
暴走族に所属し、よく賭けレースもやっていた。
パトロールの白バイに追われることも数え切れないほどあった。
危ない橋はいくつか渡ったが、ボロを出して捕まったことは一回もなく、逆に最高のスリルを味わえた。
「狂走男」他の走り屋から称されたあだ名だ。
他の誰よりも、群を抜いて、走り好きだったことがわかる。
地元の白バイ警官たちも、彼の走りテクのあまりの技術に舌を巻いていた。
地元では知らないものは居ない。
そんな彼の最後は、意外なほど呆気なかった。
「うおおおおおおおお!?」
「馬鹿!前見ろ!?」
「救急車呼ぶッぺ!!」
仲間たちの叫び声と怒声が、彼が聞いた最後の声。
賭けで行われたチキンレース。近所でも最難関と恐れられる急カーブありの、山中で行われたそれ。
彼は万に一つもないと考えていたミスを犯した。
凄まじいスピードで地面に投げ出され、首がもげた。
伝説になりかけていた走り屋は、走りで死んだ。
そして、生まれ変わった。
彼が次に目覚めた時、最初に思ったのは疑問だった。
ここは何処だ?俺はどうなった?あれは夢だったのか?
なぜか肩から上が軽い気がした。
おぞましい死の瞬間の記憶はあった。あれで生きているはずはない。
なんともお決まりなセリフを喋ろうとした。
彼は喋れなかった。
異常なほど頭が軽い?当然な事だった。
首から上がなかったのだ。
自分が本当に死んだ事に気づき、認めたのはかなり後になってからのこと。
これが有名な都市伝説『首無しライダー』の始まりだった。
夜な夜な道を走り、夜明けとともに何処かに消える黒いライダー。
当初混乱した物の、彼は走り続けることを選んだ。
幽霊?になってしまったものの、死んだことはこれが初めて。成仏の仕方などわからない。そして頭がない状態じゃああの世の爺ちゃんが腰を抜かすだろう。
2013-10-04T23:46:03+09:00
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「いただきます」
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/179.html
**「いただきます」
「ヌゥゥウ……ォオオオオオオオオオオ!!!!!!」
轟。
音。
と、ともに。雪の塔は根元から崩れ去ったのであった。
+++++++++
太陽は地獄にはない。
地獄が明るいのはマグマの熱光と、閻魔総王が太陽の代わりに置いた黒い太陽球が、
ほのかに赤い光で地表をある程度照らしているからである。
ちなみにこれは昼の間であり、夜である今は太陽の代わりに月に似たものが空に打ち上げられている。
ほんのりと赤みのある光を反射して光るその月は、紅い月と呼ばれているものの、
その色はどちらかと言えば、桃色か、引き裂いた肉の色だ。
「…………」
靴でも足の冷たくなる雪原。まっしろな一面。
その景色に足跡を残しながら、虫の居所の悪そうな顔で、スキンヘッドの偉丈夫が空を見上げていた。
彼の名前は暴れん坊。鬼の三兄弟の長男坊。
妖怪と人間の共存する都市『東狂』にて、妖怪ヤクザとして日夜起きる争いを鎮める役を担っている者だ。
荒事になることも多い争いの調停を請け負っている彼らの腕っぷしは、とにかく強い。
それも三兄弟の中では彼が一番。
なにを隠そう、さっき雪の塔を破壊した轟音は、
彼のひとつ拳から放たれた音だったりする。
地上99階、地下44階。地下最奥には永久氷結した呪いの財宝があると言う巨大な塔であったが、
無残にも暴れん坊の一暴れによって雪の塔はがれきの山となった。
どこかのトレジャーハンターも知ったらめそりと泣くだろう。
そんな彼はおもむろに地図を開く。
行き先を冷静に検討するためだ。
――三男、隠れん坊は怒りより先に恐れが来る。仮に真に怒ったとしても、その怒りは「隠」して行動するだろう。
――次男、怒りん坊はふとして怒れば文字通り。ひとたび怒りを得たらそのまま、「怒」り続けるだろう。
――長男、暴れん坊はそのあたり強かであった。怒りを保管も定着もさせず、すぐに「暴」れて発散させるのが彼だ。
地獄の島に着いてすぐ雪の塔を暴れ倒した暴れん坊は、少し冷静になっていた。
「……む」
暴れん坊の脳に刻まれているのは、雪原の塔を倒したという情報。
その情報と与えられた地図を照らし合わせるこ
2013-10-04T23:50:11+09:00
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負けたら失う
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/178.html
**負けたら失う
++++++++++
鼻に感じる火薬の匂いが心地よい。
彼方此方で爆発が起き、顔のすぐ横に銃弾がかすめる。
頬が切れた、痛くはない。
寧ろ笑みが浮かんでくる。
お返しとばかりに鉛玉をくれてやることにする、グレネードはサービスだ。
あっという間に血が降り注ぐ。
汚い花火だ。
数メートルも離れていない距離にいた味方が、頭をふっ飛ばされた。
ああならないように注意しなければ。
「余裕だねぇ、笑っちゃって」
私とコンビを組んでいる男が、苦笑しながら呆れてる。
しっかりと愛用の機関銃を乱射しながら。
余裕?余裕などないぞ。この状況を生き抜くのに必死だ。
「長年コンビを組んでんだぞ、それぐらいわかるよ」
……ほんとかどうか疑わしいものだ。
こいつと私がコンビを組んで数年、今ではそれなりに戦場で名が知られている。
ちゃらちゃらと軽薄そうな印象の男だが、その戦闘技術は本物だ。
最初はモメることはあったが、今では安心して背中を任せることができる。
悔しいので本人には言わないがな。
「そんな顔をしかめるなよ、美人が台無しだぜ」
美ッ美人だと?この私が?
「はは、照れてんのか?顔が赤いぜ」
照れてない!!断じて照れてない!!
あの時は、自信があった。
だから、油断していたのかもしれない。
今まで、どんな戦場でも生き抜いてきたという慢心。
それが油断となり、"負け"に繋がった。
「避けろおぉぉぉ!?」
その言葉が、私が聞いたあの男の最後の声。
次の瞬間には、全身を襲う熱気と衝撃。
右手に焼きつくような熱を感じた。
私は意識を失った。
目が冷めたときは、全てが終わっていた。
基地の医療用の簡易テントのなか、私は満身創痍だった。
心が張り裂けそうな気持ち……その言葉の意味が初めてわかった。
右手を失ったことに対してではない。
あの時、至近距離に砲撃を受けた。
長年組んでいた相棒は、私をかばってひき肉になってしまった。
そう、ひき肉……原型がわからないほどに吹っ飛んでいたそうだ。
あいつとの思い出は、血の匂いと火薬があふれる戦場か、または共に安酒を飲んだ記憶しかない
2013-10-04T23:35:52+09:00
1380897352
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弾丸の収集家
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/177.html
**弾丸の収集家
++++++++++
まだガキの頃、世間で流行ってたカードにハマった。
自分が集めたカードを、周りに自慢したこともよくあった。
ある時、友達が珍しいレアカードを手に入れた。
俺は欲しいと思った。
何をしてでも欲しいと思った。
そいつが一人の時を見計らって、野球用のバットで襲った。
滅多打ちにした。
血まみれで動かないそいつから、カードを奪った。
俺は満足感を感じた。
朝学校に行くと、友達は来ていなかった。
死んでた。
通り魔に襲われて死んだ。
担任がホームルームでそう言った。
俺は罪悪感や罪の意識を感じなかった。
なぜか気持ちよかった。
俺はそれから、欲しいものを他人から奪うことの喜びを知った。
++++++++++
フィレンツェのアカデミア美術館、内装や外見がそれと同じ作りの美術館。
壁画や彫刻、それぞれの分野の芸術品が展示されている。
薄暗いその場所、ロビーにて置かれた男性の巨大な彫刻。
その前に、男が一人立っている。
「ダビデ像…… ピエタと並ぶミケランジェロの代表作であるばかりでなく、ルネサンス期を通じて最も卓越した作品の一つ。
人間の力強さや美しさの象徴ともみなされる作品であり、芸術の歴史における最も有名な作品のひとつと言える。
ダビデとは旧約聖書においてイスラエル王国の二代目の統治者。
大理石で身の丈5.17メートルにかたどられたこの像は、ダビデが巨人ゴリアテとの戦いに臨み、岩石を投げつけようと狙いを定めている場面を表現している。
そして、ルネサンスならではの表現として、瞳が割礼器具のようにハート型に象られていることや、イスラエルの民の証とされる割礼の痕がないことが挙げられる」
また奇抜な格好をした人物だった。
あちらこちらに髑髏のマークの施されたウエスタンファッションの格好をした男。
目の前に微動だにせず立ち尽くすダビデ像を見据え、こと細かに象のうんちくを語っている。
その独創的なファッションセンスとともに、顔にもそれが現れている。
素顔がわからないほどに顔を白く塗りたくり、その上から髑髏のメイクを施している。
傍から見たらコスプレか、ハロウィンの仮装に見えてし
2013-10-04T23:34:06+09:00
1380897246
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「折り鶴の檻は壊される。逃げても、無駄だ」
https://w.atwiki.jp/ori9tenti/pages/176.html
**「折り鶴の檻は壊される。逃げても、無駄だ」
それから、俺はなにもしなかった。
魔物ハンターの少女アイオア・レッドを追いかけることもせず、
他の誰かを探しに行ったり、殺し合いに生き残るために辺りを見まわったりもせず。
それはまるで夏休みの宿題を最後に回して一日中畳の上でごろごろしてた少年時代みたいに。
このあとどうなるかなんて考えもせずに、オアシスカフェにとどまり続けた。
壁際奥の席に座って、
さっき自分の淹れたおいしくないコーヒーの残りを時々カップに注いで、
すすって、飲んで、またカップに注いで、
気紛れにすすって――コーヒーが無くなったら、
適当にお手ふきの紙を取って、
紙と布の中間くらいの材質のそれを上手く四角くして折り紙みたいにして、
どうにか作り方を覚えている、鶴とか渡り船とか、
花とか箱とか、カエルとか……適当に、なんでもよかった。
暇をつぶすために、俺はひたすら折り紙を折って遊んで、
一時間、二時間。
エンターキーを、押せないままに。
++++++++++++
『わしはこのふざけた殺し合い、反対じゃ! 同意するものは――集え!』
ぼうっと鶴を折るだけになった数時間後、
拡声器で発せられたらしい、仲間を募る声がした。
俺はそれでも動かなかった。
だって七十六羽目の鶴を折っていて。
これを千羽折り終えるまで動けない。
そういう自分ルールをかけていた、いや、そんな呪いにかかっていたからだ。
ばかげてると自分でも思う。
でも、テーブルの上にはお手ふきの紙で作った折り紙の生き物が檻のようにして俺を囲んでいて、
いつのまにかもう自分の意思では、その檻から出られなくなっていた。
++++++++++++
山のように鶴が増える。
百十六。
百十七。
鶴たちは俺に地面から羽ばたくことを許さない。
++++++++++++
百四十二。
++++++++++++
百六十五。
花子ちゃんはどうしているだろうかと、ふと考える。
ちょっとトんでる思考を持っていた子だった。
でも死にたくないって気持ちは、普通の女の子だった。
人を殺
2013-10-04T23:29:23+09:00
1380896963