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アフロ時々リーゼント」(2013/08/24 (土) 16:41:09) の最新版変更点

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**アフロ時々リーゼント 天才と呼ばれる人間は、実は変人が多かったりする。 たとえば、文明社会の基礎を築いたエジソンとて、幼い頃は教師などに、『リンゴはなぜ青いか?』など答えの難関な質問をしたり、 万有引力を発見したあのニュートンも、例外なく変人。 変人じゃないなら、なぜ散歩中にそこらの木から落ちたリンゴをみて、万有引力という途方もない理論 いついたのか 思いついたのか? 普通なら、 『ああ、リンゴが落ちたな。』 という思考で終わるはずである。 それを、 『リンゴは地面に引っ張られたのではないか?』 ……なぜこうなったのか? それは、彼が変人だったから……そうではないのか? 逆に思えば、変人だからこそ、誰も思いつかない閃きを、起こすことが可能だと推測する。 しかし、『誰も思いつかない閃き』が、一般に受け入れられるとは限らない。 優秀すぎる者は、異端として弾かれるのが世のルール。 『それでも地球は回っている。』 上記の有名な台詞を発した、初めて地動説を学会に発表した学者、ガリレオが例としては良い。 彼が地動説を主張した時、宗教的な理由もあり、天動説が当然の常識だった。 社会はガリレオの学説を受け入れず、強制的に学説を否定させようとした時、ガリレオは主張を曲げなかった。 信念を曲げないことは良いことだが、社会を敵にまわすと解っていても、自分を曲げなかった彼は、十分変人だと思う。 さて、ある学者の話をしよう。 ひみつ道具をご存知だろうか? 未来から来た猫型ロボットが、腹のポケットからとりだす、摩訶不思議な道具。 有名な物なら、瞬間?ワープ移動装置ともいえる『どこ○もドア』など。 子供に夢を与えるような道具だが、それらは空想の産物。現実に作られることはありえない。 ところがどっこい、この道具を作れちゃうんじゃないか?ていうか作れるよね?……そんな学者が存在する。 あまりにも奇抜すぎる論理を唱え、オーバーテクノロジー丸出しの技術を持ち。 魔法としか呼べないような、悪い冗談としか思えない発明力を持った男。 変人王…学者の異端児…Mr.奇抜…現代のマッドサイエンティスト… 様々な呼び名を持つアフロな彼……そのナイスガイの名はーー 「Mr.田中博士さ」 さ☆わ☆や☆か…そんなスマイルを浮かべ、妙にハイテンション気味な男。 ナレーションを先取りし、頭のアフロ(かつら)を揺らし、黒光りするサングラスをかけたこの男こそ、 キング・オブ・変人として学会を追われたマッドサイエンティスト。 田中博士その人である。 「誰に喋ってんだ、博士?」 赤茶けた景色の広がる、だだっ広い荒野。 突如虚空に向け、ポージングを行った博士に、冷静に疑問の声をかける男が一人。 『喧嘩上等』と刺繍された、ど派手な特攻服を着込み、これまた派手なリーゼントヘアーの青年。 暴走族みたい?外見のまんま暴走族です、はい。 彼の名は『佐藤勇』。 昼はバイクの整備士として働き、夜は自慢の愛車を道で転がすという、現代のローリング族(暴走族と呼ばれるのは嫌いらしい)。 「いやね、私の頭脳が急に閃いて。衝動に任せるのもよいと思ったのだよ。」 答えになっていないような答えを話す博士を尻目に、まあ彼の奇行は今に始まった事ではないと、達観したようにため息をつく佐藤。 このやりとりでわかるだろうが、彼ら二人は顔見知りである。 博士は勇の住む街の、外れにある廃校に住み着く有名人。 『廃校に住む毛玉男』『真夜中の廃校に響く奇声』 廃校に噂される怪談のほぼすべての正体が彼である。 学者と暴走族、接点のない二人の初対面は、駐車していた勇の愛バイクを博士が熱心に観察していたことが始まりである。 もっとも、勇のバイクを実験材料にするため、廃校に持ち帰ろうとした所を発見されるという、最悪な出会いだったが。 バイク泥棒と叫びながら、木刀で博士のアフロを一刀両断したことも、 木刀の一撃で、アフロヘアーのかつらがぬげたことも、 顔を真っ赤にし、怒鳴り散らす博士に呆然としながらも、負けず劣らず怒鳴り返したことも、今となっては良い思い出である。 お互い初印象は最悪だった物の、なぜか怒鳴り合いの末、意気投合したふたりは、それ以来良い友として過ごしている。 突如拉致された状況下、このふたりは偶然にも、二人一組でこの場に飛ばされた。 「博士、とりあえずこの状況をどうにかしないか?」 「どうにか?例えば何だね?」 佐藤の問に、ふと真剣な声色で聞き返す博士。 「例えば?……まあ、殺し合いとかもあるけどよぉ、俺としちゃあこの首輪だろ?」 そう、この状況下、殺し合いを強制させる上で重要なキーパーソンとなる爆弾入りの首輪。 今現在、博士と勇の首にもしっかりとはめられている。 こんな代物を付けられていたら、あまり考えたくもないが、殺し合いに乗る…そんな輩が出てくるだろう。 誰だって自分の命がかかっていれば、とんでもない事をやらかすかもしれない。 しかし、逆の意味で考えれば、首輪さえ外すことが可能なら、もしかしたら…… 勇自身はそこまで深く考えたわけではないが、首輪の対処は良い線行っている。 「首輪ねぇ…なかなか良い所をつくね。確かに今はこの首輪をどうにかすることが一番なのだよ。」 勇の応答は、博士にとっては概ね正解だったようだ。 「博士、あんたなら外せるんじゃね?」 何気ない口調で尋ねる勇だが、割と本気だったりする。 ある時、勇が巷で流行っているスマートホンの話題を博士に出した時、 『なに?スマートホンが欲しいのか?よし、待っていろ』 そんな事を言った博士は、なんとそこらのガラクタから、あっという間にスマートホンを発明し、勇に渡したのだ。 その時勇が大口を開け、呆然とした事は言うまでもない。 その後、電波法関連により、ふたりは然るべき所でこってり絞られたが…… 「ノンノン、勇。天才である私とて、道具も何もない所では、流石に無理だよ」 残念ながら、勇と博士に支給された道具には、工具になりそうな物は無かった。 「じゃあ、道具を探せば外せそうか?博士」 「餅の論さ、流石に自分の首輪を自分で外すのはどうかと思うが、君の首輪はできるかもしれんのだよ」 デイバックから地図を取り出し、勇に見せながら、博士はある場所を指差す。 「私達の現在位置がここだとすると、この青の街とやらが、我々が向かうべき場所だと私は考えるんだよ」 「その心は?」 尋ねる勇に、不敵に笑う博士。 「この目で見ていないため、軽率な事は言えないが……街と言うからには、首輪を外すための工具を入手できる可能性があるだろう」 「可能性?確実じゃないのか?」 勇は、少しばかり確実性が無さそうな博士の言葉に気づき、指摘する。 「私が主催者なら、首輪を外せるような代物を、会場に置いておくとは考えにくいからね」 ああ……確かにな。と、勇は内心納得する。 自分も主催者の立場なら、みすみす参加者を殺し合いという状況に縛れる道具を、解除できる可能性は残さないと考えるのが自然。 しかし、そういう結論に至っても、博士と勇は特に焦った様子を見せない。 「あんたなら、外せるよな?」 口元を笑わせながら、しかし、ある種信頼に満ちた視線を向ける勇。 「フッフッフッ……私を誰だと思っている?我が頭脳に不可能は無いわ!」 勇の問に、頭のアフロを揺らしながら、自信満々に答える博士。 心無しか、サングラスの奥の目が、キラリと光った気がする。 「よし!!時は金なり!そうと決まったら、青の街に出向き、首輪を外すぞ!……勇くん、私はその、あまり手荒な真似は苦手なので、そこは頼むぞ。」 「わかってるよ、俺は空手習ってんだぜ、博士は首輪対策の後方支援、俺は前線で頑張るさ。(空手つっても通信教育だがよ)」 付き合いもそれなりに長いようで、ふたりはお互いの役割を明確にする。 「俺のじゃねえが、こいつがカバンに入ってたのはラッキーだな」 支給された道具の中で使えそうな物であり、それなりに使い込まれていた木刀を肩に当てる勇。 「うむ、なかなかサマになっているぞ。頼もしい限りだ」 その格好を見て、頼りになりそうだと褒める博士。 「うん、そうか?」 満更でも無さそうな勇。心無しか、顔が赤い。 「うむ……やはり君に開発したマシンの最初の乗り手を頼んで良かった」 「うん?……ああ、そんな事言ってたよな博士」 「本来なら、今頃君とマシンの試運転をしていたはずなのになぁ」 肩を落とす博士に、勇は軽い調子で語りかける。 「大丈夫よ!家に帰ったら、マシンの試運転なんざぁ幾らでもやってやるよ」 その言葉が終わるか終わらないか、博士は勇に抱きつく。 「うおお!ありがとう勇!それでこそ我が心の友だ!」 「分かった分かった!落ち着けよ博士……ぶふぅ!毛玉が!(少しくせえ!)」 顔面に押し付けられたアフロ(かつらです)が、勇の口に微量に入る。 「よし!そうと決まったら、お互いこの投し合いに立ち向かおうじゃないか!」 勇を話し、着ている白衣をはためかせ、歩き始めた博士。 「……なんか字が……まあ良いや、待ってくれよ博士」 しばし毛玉に咽ていた勇は、早足で歩き出した博士を追う。 このコンビに、今後どんな出来事が降りかかるか……それは、まだわからない。 「博士!自分のカバン持てよ!」 「おお!忘れていたよ。すまない」 頑張れ!二人共!幸運を祈る。 「そういやさ、博士の開発したマシンって何なんだ?……何?秘密?」 「因みに俺が乗る前によ、安全テストした?」 「はぁ?!そこらで捕まえたセミで確かめただと!」 「人体実験のステップ速すぎだろ!セミの次って!」 「動物愛護団体がうるさいから?!セミは動物じゃなく昆虫だろ?!そもそも人間も動物じゃねーか!!」 ーーーー先が思いやられる。 巨大なアフロを揺らす白衣の男と、リーゼントの特攻服男による、 『セミは動物か?』論争がしばし繰り広げられていたことは割合する。 論点が博士により、微妙にずらされているのは、勇の知らぬところである。 【F-4荒野@未明】 【Mr.田中博士】 【状態】健康、アフロ。サングラス。 【装備】少し臭い巨大アフロのかつら(支給品ではありません) 【所持品】 基本支給品×1、ランダム支給品×3 【思考・行動】 1:青の街(国)に出向き、首輪を外すための工具を探す。 2:佐藤勇と行動する 3:「早く帰り、研究を進めたいな」 【備考】 ※タイムマシンの試運転を勇に頼んだ後からの参戦 ※首輪を外す事を目的にしています。 ※博士の支給品には、工具の代わりに使えそうな道具は無いようです。 【佐藤勇】 【状態】健康、リーゼント、特攻服。 【装備】使い込まれた木刀。 【所持品】基本支給品×1、ランダム支給品×3 【思考・行動】 1:青の街(国)に向かう。 2:博士と行動し、守ってやる。 【備考】 ※殺し合いには否定的な様子。 ※首輪を博士が外せるのではないかと、考えています。 ※勇の支給品には、工具に使えそうな物は無いようです。 ---- **SSリンク |[[「クワイエット・ハンティング」]]|前話|次話|[[「標本の医者の歩幅は60センチ」]]| ---- **このSSの登場人物 -[[Mr.田中博士]] -[[佐藤勇]] ---- [[本編SS目次へもどる>本編SS目次]] [[トップページへ>トップページ]]

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