プロローグ

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序章「プロローグ」(刻まれた傷と古の血族) 雷雲吹き荒れる天候の中、一頭の馬車が古の街道を駆け抜けていく……森の中を通ずる道はこの悪天候でぬかるみ、上から流れる雨水が馬のひずめを濡らし馬車の速度を落としている。 「急いでくれ!時間がないんだっ!」 馬車の後ろにいた男が手綱を握っている操車に叫ぶ 「これ以上速くしたら命が飛びますよっ!」 操車も男に負けないぐらい大声で叫ぶ、その瞬間轟音と共に大きな落雷が馬車の進行方向のずっと先へ落ちた ―――――― 「キャっ!」 メイド服を来た女性が突然の落雷に驚き素っ頓狂な声をあげる。その拍子に手に持っていた大きなタオルを下に落としてしまう 「何をしているんですか、あなたは?」 メイドよりいくらか年をとった女性がメイドの情けない姿を呆れ眼で注意をする 「す、すみません……」 慌てて、落としたタオルを拾い上げ慣れた手つきで畳んでいく 「まったく……」 女性はそんなメイドのことなどお構いなしで廊下を歩いていくメイドも慌てて女性の後ろへと続く しばらくすると頑丈な鉄の扉の前にたどり着く、女性は扉に指を立てて2回、2回、3回と間をあけて叩く。すると扉が大きな音を立てて開き始める。 メイドはその様子を物珍しそうに眺めている。女性はメイドの姿にまた呆れ眼になりながら 「くれぐれも無駄な音を立てないこと。それと中にあるものは触れては行けませんよ」 女性のとげのある注意にメイドは背筋をピンと張り「は、はい。大丈夫です」と情けない言葉で返す。その様子を見てから女性は開ききった扉を通り抜ける、メイドもどれに続いていく 暗くすこし湿った通路を少し進むと明るく照明輝く大広間へと抜けた。それと同時に赤子の大きな鳴き声が響き渡る メイドは少し腰が引けたが女性はなんでも内容にその声のする方へと歩いていく 「替えのタオルをお持ちしました。奥様」 女性は赤子のとなりに座っている女性にそう伝えると顎でメイドに指図する。メイドは手に持っていたタオルをもう1人の女性に渡す 「ありがとう。もう下がっていいわよ」 女性はそう告げるとすぐに赤子の方へと視線を戻した。メイドは興味本位で赤子の姿を覗き見る。 「ひうっ!?」 赤子の姿を見たとたんメイドは素っ頓狂な声を上げて尻餅をつく。 「何をしているんですか!?」 女性はそんなメイドを無理やり引き上げ一礼を入れるとそそくさとその場を立ち去る。 そんな中メイドはさっきの悲惨な赤子の姿を脳裏に浮かべる。背中にと肩に刻まれた見たこともない紋様を……

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