(大迷宮バハムート:真成編3)

(大迷宮バハムート:真成編3)


(第一艦橋 地下8872ヤルム)
アリゼー
「蛮神「バハムート」・・・・・・!」
アルフィノ
「なんという大きさだ・・・・・・。
 お祖父様は、こんなものを相手に戦ったのか・・・・・・。」
アリゼー
「思った以上に再生が進んでいるわね・・・・・・。
 急いで拘束艦を停止させましょう。
 お祖父様・・・・・・!
 いいえ、違うわ・・・・・・お前は「バハムート」の信者・・・・・・。
 奴に生かされているだけの、お祖父様の幻影・・・・・・!
 優しくて、正しくて、大好きだった・・・・・・!
 私のルイゾワお祖父様じゃないッ!」
ルイゾワ
「警告を聞けぬ、愚かな孫娘よ・・・・・・。
 わしを否定するならば、おぬしらに正義があるというのか?」
アルフィノ
「正しいと信じたから、ここへ来たのです。
 エオルゼアを守るために、
 蛮神「バハムート」という脅威を見過ごすことはできない。
 5年前、お祖父様は命をかけて「バハムート」と戦った。
 ・・・・・・これはあなたの正義でもあったはずだ!」
ルイゾワ
「さような目先の争いが、わしの正義とな。
 ならば聞け、愚かな孫たちよ・・・・・・。
 第三星暦の終わり・・・・・・
 南方大陸メラシディアは、アラグ帝国の侵略を受けた。
 ヒトは暴虐のかぎりをつくし、尊き大地が奪われていく・・・・・・。
 かの地に住まうドラゴン族は、救いを求めて祈った。
 始祖たる七竜「バハムート」にな。
 祈りは始祖を神に変え、死の淵より呼び覚ました・・・・・・。
 だがヒトは、これをも利用した。
 ・・・・・・己の主我のために、さらなる非道を歩んだのじゃ。
 わしはかつて、第七霊災の到来を防がんと、
 救いを求めて十二神を降ろした。
 その心と、メラシディアのドラゴン族の心に、
 何の相違があろうか・・・・・・。
 選ばれた種であるというヒトの驕りこそが、
 主我を増長させ、他への理解を失わせる。
 ・・・・・・そして、自ら目を伏せて真実を閉ざすのじゃ。
 ヒトという存在があるかぎり、
 ドラゴン族の憎悪の因縁を断つことはできぬ。
 ならば、ヒトの根絶によって彼らを解き放つ。
 ・・・・・・これが、わしの正義よ!」
アリゼー
「そんなの、お祖父様の本当の望みじゃないわ!
 お祖父様なら、決して人を見捨てたりはしない!
 だって、人の強さを信じていたから・・・・・・。
 人が力を合わせれば、正しい道も拓けると信じたから、
 命を懸けて守ったんでしょう!?」
ルイゾワ
「戯言を・・・・・・。
 ヒトを信じることこそ、まこと愚かしい。
 ヒトは、ともに歩むどころか、解りあうことさえできぬ。
 他を理解できぬがゆえに、悪戯に戦火を広げ、
 惨劇を歴史に刻むのじゃ・・・・・・。
 現に血を分けたおぬしらですら、解りあえておらぬであろう。
 エオルゼアを救済するという大義名分を利用し、
 各々の主我で動く・・・・・・アラグ帝国のそれと何が違う。
 ともにあれと願って授けた魔道書も、
 無用の長物であったようじゃな・・・・・・。」
アルフィノ
「私たち兄妹については、おっしゃるとおりかもしれません。
 ・・・・・・ですが、お祖父様の口から、
 エオルゼアの人々を否定する言葉は聞きたくなかった。
 そこまでメラシディアのドラゴン族に肩入れするのは、
 「バハムート」のテンパードにされたからなのですか?
 それとも・・・・・・。
 お祖父様が「人を超えた存在」となったからなのですか。」
ルイゾワ
「ほう、その可能性に気付いておったか。
 わしが何を思い、何を為したか・・・・・・
 それはエオルゼア新生の真実へと続く、最後の答えじゃ。
 知りたくば、力ずくで暴くがいい。
 神と成りし我が身を屠り、真実を奪ってみせよ!」
アリゼー
「お祖父様、なの・・・・・・?
 嘘よ・・・・・・これじゃまるで「蛮神」じゃない・・・・・・ッ!」
アルフィノ
「見るんだ、あれは偽者でも幻影でもない。
 私たちの愛した、お祖父様だ。
 だからこそ・・・・・・!」
アリゼー
「お願い、お祖父様を・・・・・・
 ルイゾワを倒してッ!」
アリゼー
「今度こそ、お祖父様は消えてしまった・・・・・・。
 でも・・・・・・これで、よかったのよね・・・・・・。」
ルイゾワ
「ここにおるぞ、アリゼー。
 わしのかわいい、孫娘よ・・・・・・。」
アリゼー
「お祖父様・・・・・・?」
ルイゾワ
「見事じゃ、光の戦士たち。
 お前さんたちのおかげで「バハムート」の支配が解けた。
 ・・・・・・わしがルイゾワとして生きる、
 最後の時間を得られたようじゃ。」
アリゼー
「じゃあ本当に・・・・・・
 本当に、私の知るお祖父様なの?」
アルフィノ
「お祖父様・・・・・・。
 一度でも本心を疑うような真似をしたこと、
 どうかお許しください。」
ルイゾワ
「何を言うか、アルフィノ。
 ・・・・・・事実、わしは蛮神になりかけたのだ。
 むしろ、賢い孫たちを誇りたいくらいじゃよ。
 アルフィノ、アリゼー。
 ・・・・・・ふたりとも、世話をかけたな。」
アリゼー
「お祖父様、教えてください。
 さっきの姿はいったい・・・・・・。
 第七霊災で、何が起こったのですか?」
ルイゾワ
「ああ、今こそ語ろう。
 第七霊災の真実を・・・・・・。
 あれは、5年前・・・・・・。
 ガレマール帝国とエオルゼア同盟軍が争った、
 「カルテノーの戦い」でのこと・・・・・・。
 ネールの策略により落とされた、月の衛星「ダラガブ」から、
 蛮神「バハムート」が現れたのじゃ。
 わしは十二神を召喚してエーテルの檻を作り、
 奴を再び封印せんとした・・・・・・。
 しかし、あまりに強大な「バハムート」の力によって、
 檻は砕け散ってしまったのじゃ。
 ・・・・・・覚えているじゃろうか?
 わしは、残された力でお前さんたちを未来に送り、
 自らの死を覚悟した・・・・・・。」
ルイゾワ
「あの時、十二神の檻が砕けたことで、
 周囲には大量のエーテルが漂っていた・・・・・・。
 そこに戦っていた人々と、わしの強い祈り・・・・・・
 滅びゆくエオルゼアの「再生」を願う祈りが呼応して、
 わし自身が、蛮神に等しい力を得たのじゃ。
 不死鳥フェニックス・・・・・・
 太古より再生の象徴として崇められてきた幻獣。
 フェニックスと化したわしは「バハムート」を討った。
 奴の身体は飛散し、エーテルは大地へと還元された・・・・・・。
 ・・・・・・そう、エオルゼアの新生が始まったのじゃ。
 わしは、すぐに己の力を手放した。
 すべてのエーテルを大地の再生に使うため・・・・・・
 自らが完全なる蛮神とならぬためにな。
 だが、蛮神「バハムート」の執念は、あまりに深かった。
 奴は消滅の間際で、わしを喰らった・・・・・・。
 わしは力を手放しきれず、
 半神ともいえる存在のまま取り込まれたのじゃ。」
アルフィノ
「そして、「バハムート」のテンパードと化した・・・・・・。」
アリゼー
「消滅寸前だった「バハムート」は、
 お祖父様が手放した力、すなわちエーテルを取り込み、
 寸でのところで活力を得た・・・・・・。
 それによって消滅が止まり、
 地中に身体の一部が残っていたのね。」
アルフィノ
「エオルゼアの大地が変わってしまったのは、
 再生の途中で、エーテルが還元されなくなったから・・・・・・?」
ルイゾワ
「さよう・・・・・・。
 活力を得た「バハムート」は、自己を修復するために、
 その時点で大気に残っていたエーテルを食い尽くした。」
アリゼー
「だから「バハムート」は生き延びた。
 それでも、完全には修復できなかったみたいだけど・・・・・・。」
ルイゾワ
「あの時、すでにエオルゼアの大部分は再生していた。
 残っていたエーテルだけでは、「バハムート」の巨体を、
 維持することはできなかったのじゃろう。
 だが、奴は・・・・・・
 アラグの仕掛けによって、生かされ続けてきた蛮神。
 「バハムート」が完全に消滅しないかぎり、
 その存在を維持してきた拘束艦が、
 奴の身体を探しあてて修復する・・・・・・。
 地上ではダラガブの破片が刺さっているだけに見えても、
 この5年、拘束艦は「バハムート」を探して地を掘り進んでいた。
 そして、この地中深くで奴の心核を見つけ、
 現在に至ったのじゃ。
 光の戦士よ。
 蛮神「バハムート」を完全復活させてはならん。
 人とドラゴン族、どちらの罪を問うかではない。
 この地に、お前さんの守りたいものがあるかぎり・・・・・・
 奴に勝たねばならんのじゃ。
 それが、わしからの最後の願い。
 ・・・・・・あの日託した未来を、どうか守り続けておくれ。
 最後の拘束艦への道を開いた。
 行くのじゃ・・・・・・「バハムート」と第七霊災を、
 真の過去にするために!
 アルフィノ、アリゼー。
 こちらに来なさい・・・・・・。
 これからは、わしに願ってはならない。
 それぞれの力で、かけがえのないものを見つけ、
 守っていきなさい。
 ・・・・・・できるかね?」
アルフィノ
「はい、お祖父様・・・・・・。
 私は新生したエオルゼアとともに、
 未来へ歩んでいこうと思います。」
ルイゾワ
「・・・・・・アリゼー。
 お前さんは、わしが人を信じていたと言った。
 心の底に閉じ込められていても、きちんと聞こえておったよ。
 あれは、お前さん自身の気持ちじゃろう?
 深い怒りと悲しみの先に、お前さんはもう、
 かけがえのないものを手にしている・・・・・・。
 彼らとともに、戦い抜きなさい。
 ・・・・・・わしは、お前さんの強さを信じているよ。」
アリゼー
「約束します・・・・・・。
 だからお祖父様も・・・・・・今度こそ安らかに・・・・・・。」
ルイゾワ
「・・・・・・かつて、蛮神が散る際のエーテルを浴びることで、
 その力を再現する術があったという。
 わしは完全なる蛮神ではないが、
 ふたりが守りたいものを守れるように・・・・・・
 おまじないをかけておこう。
 ・・・・・・アルフィノ、アリゼー。
 わしのかわいい孫たちよ・・・・・・。
 お前さんたちの未来に、光のあらんことを・・・・・・・・・・・・。」
アリゼー
「行きましょう、最後の拘束艦へ!」