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【おはなし・短編】あくいちゃんのひとりごと


「愛情は"モノ"ではないわ」
こんこんと湧き出る水を見つめ、少女は語る。
「満たし、溢れ、零れ、渇き、涸れる…液体のような…」
水を両手ですくう。
「そんなモノではないの」
手を広げると、すくった水は足元に音を立て零れ落ちた。

硬質な路面に水はなかなか染み込まず、小さな水たまりを作った。
少女はしゃがみこむと、水たまり人差し指を浸す。
「愛情とは"方向性"」
静かに路面をなぞる少女の指、その指を追って水は流れる。
「心を向ける指針、道筋を示すもの」

「多方に向けるものもいれば、一つに絞るものもいるし。
 一方的に向けるものもいれば、相互に向き合う繋がりもあるわ」
「それに何を込め、どう受け取るかはそれこそ自由で多種多様よ」
少女は此方を視る。
「あなたはどこに向けているのかしら?」