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【おはなし・短編】くもひつじのおはなし


むかしむかしあるところに、かわったひつじがいました。
ほかのひつじたちは、みんなひつじからうまれるものでしたが。
そのひつじは、じめんからうまれたものでした。

ひつじからうまれたひつじは、くさをたべて、ねむって、おきてはおおきくなります。
じめんからうまれたひつじも、くさをたべて、ねむって、おきてはおおきくなります。
しかし、じめんからうまれたひつじはほかのひつじたちより、ちいさいからだでした。

というのも、じめんからうまれたひつじは、うまれたときにはずれる「へそのお」がまだつながったままだったのです。
ひつじからうまれたひつじは、かあさんひつじからうまれれば、ひとりでいきれるように「へそのお」ははずれます。

だけども、じめんからうまれたひつじのかあさんであるじめんは、ひつじをはなしてはくれませんでした。
じめんにつながれたひつじは、ひとりでとおくにいくことができません。
あのやまのあおいはっぱも、あのおかのみどりのくさも、たべにいくことはできないのでした。

ひつじからうまれたひつじたちは、みんなでいっしょにあちらのやまにいったりこちらのかわにいったりします。
だけども、じめんからうまれたひつじはいつもおなじところでひとりぼっちでした。

あるひつじはふしぎそうにたずねます。
「どうしてぼくらといっしょにやまにあそびにいかないの?」
じめんからうまれたひつじは、かなしそうにこたえます。
「いきたくても、ここからうごけないんだ」

あるひつじはあわれんではなします。
「あのおかのくさをひとつもってきたよ、いつかいけたらいいのにね」
じめんからうまれたひつじは、なみだながらにこたえます。
「ありがとう、ぼくもいつかいってみたいな」

あるひつじはいじわるでこういいます。
「むこうかわはきらきらきれいでみずもおいしいのにきみはいけないんだね」
じめんからうまれたひつじは、なきながらこたえます。
「ぼくもじゆうにあちこちをみてまわりたいのに」

それをきいたかみさまは、じめんからうまれたひつじをかわいそうにおもいました。
そこでかみさまは、ひとつおおきくいきをふきかけると。
それはそれはつよいかぜとなって、じめんからうまれたひつじをふきとばしました。

ふきとばされたしょうげきで、じめんとつながる「へそのお」はついにはずれました。
それだけではなく、じめんからうまれたひつじは、ぐんぐんとそらたかくまでとびあがりました。

そらからみるせかいはひろく、いままでいきたかったあのやまもあのおかもちいさくみえます。
ひつじからうまれたひつじたちもいったことのないばしょさえみえるようです。
「せかいはこんなにひろかったんだ」
じめんからうまれたひつじはおおよろこびです。

じめんからうまれたひつじは、そらとぶくものひつじになり、いまもせかいじゅうをとびまわっているのでした。

めでたしめでたし