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娘の人形


あるところに裕福な男がおりました。男には妻がおりました。
彼女は白い肌に金色の髪と瑠璃色の瞳の映える、とても美しい人でした。
夫婦仲もよく、とても幸福な日々を過ごしておりました。

そんなある時、二人の間に待望の子供が産まれました。
妻と同じ、美しい金色の髪と瑠璃色の瞳の女の子でした。
二人は大いに喜び、今まで以上の幸福な日々がはじまろうとしていました。

しかし、はじまるはずの幸福な日々は、赤ん坊の命と共に、ぷつりと途絶えてしまいました。

二人はとてもとても嘆き悲しみ、それはそれは涙も涸れる程に泣いたものでした。
特に妻は酷く落ち込み、心が空っぽになったようでした。

そんな妻になんとか立ち直って貰おうと、男は妻に『人形』をプレゼントしました。

それは、白い肌に金色の髪と瑠璃色の瞳の、美しい小さな女の子の人形でした。
本当に小さな子供程の大きさもある、非常に精巧にできた人形でした。

亡くなった娘が少し成長した姿を想像し、男が国で一番の人形師に頼みこみ作らせたものでした。

男の妻はその人形を本物の娘のように可愛がりました。
娘の名前で呼び、優しく語りかけ、服を着せ替え、いつも人形と一緒におりました。

心が弱った妻にとって、『人形』を『実の娘』だと思い込むのにも、さほど時間はかかりませんでした。