【おはなし・短編】三本の「お友達」


三本「なんか変なヤツに懐かれたんだけど」
ロロ「変なヤツとは?」
三本「君とか」
ロロ「私とかか」

ロロ「類は友を呼ぶと言うからな」
三本「好きで呼んでる訳でもないし、友でもない」
ロロ「友でもない…ほーぉ?」
三本「因みに君もだからね」

ロロ「それはそれは…残念だな」ニヤニヤ
三本「…何だよその表情」
ロロ「生まれつきだ」
三本「…不愉快だなー」

ロロ「そんな事より、話を進めよう」
ロロ「その"変なヤツ"とは?」
三本「…簡単に言うとスライムなんだけど」
ロロ「簡単だな」

三本「以前何だかんだあって、献体要求した個体で」
ロロ「すぐ体を求めるのはお前の悪い癖だな」
三本「…実際、僕も被害が出てたからいーぶん」
ロロ「…ふーん」

三本「でもなかなか面白い成分組成をしていてね、この星には有り得ないような物質もh
ロロ「その辺、長くなるなら省略してくれ」
三本「……まあ、ソイツがそれ以降呼んでもないのに来るんだよ」
ロロ「なるほどなるほど」

ロロ「お前が何か餌付けしたとかじゃないのか?」
三本「餌付けしたって言うか…勝手に食べられたんだけど…」
三本「あ、水で制限受けるようだったから、雨合羽と長靴プレゼントしたや」
ロロ「お前は無意識に親切だな」

三本「別に…珍妙な生き物から制限抑えた行動に興味があっただけだし」
ロロ「ほーぉ?」ニヤニヤ
三本「兎に角、それが原因かは知らないけど、懐かれて困ってるんだよ!」
ロロ「困ってるのか」

三本「用もないのに来るし!」
三本「勝手に研究所に入り浸ってるし!」
三本「頼んでもないのに何か持ち込んでくるし!」
三本「散らかしたり壊したりで余計な事ばっかするし!」

ロロ「ほーほーなるほどなるほど…」
三本「迷惑してるんだよ!」
ロロ「恐らく、それは懐かれたではなく……」
ロロ「お前と仲良くなりたいんじゃないのだろうか?」

三本「…ほぁ?」
ロロ「と言うより、もう友達と認識されてるな」
三本「……」
ロロ「いやいや、物好きもいたものだな。…私だが」

三本「…別に、僕は…」
ロロ「まあまあ、こちらがどう思おうと相手がどう思うのかには関係は無い」
ロロ「ただ相手が自分にとって面白く価値が有るものなら、自分の利になるよう活用するだけだな」
三本「……君が言うと説得力があるね、嫌に」

ロロ「面白いか面白くないかは特に重要だな」
三本「確かに面白いとは思ったけどさ…」
三本「あ、そうだ発信機付けてたんだ」ガサガサ
ロロ「度々、抜け目ないなお前は」

ロロ「さてさて"お友達"はどこかな」
三本「友達じゃないけど」
三本「えーと…あれ?ここは……」

   「こんにちはー!」

おしまい

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最終更新:2014年02月02日 13:13