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 紗友希、佳林、そしてあかりは息を切らしながら、体育館のレクリエーション室にたどり着いた。
「ハァハァ…もう追ってこないよね…」
「怖かった~…あれがベリ工“山のスドウ”なのね…ハァ」
「あんなのに捕まったら殺されちゃう…ハァハァ…」

息が整ってくると、3人の脳裏に白くなった嗣永桃子のキョトンとした顔が思い出され、
一行はくっくっと笑いはじめ、次第にゲラゲラと高い笑い声をあげた。

「あれ?」あかりが笑うのを止めて、不安げな声を出す。
「どうしたの、あーりー?」佳林が訊いた。
「イヤリングがないねん…落としてしもうた…」
「…う~ん、戻るわけにもいかないし…諦めよう」紗友希がいう。

その時、部屋の隅に据えつけられたバスケットボールのネットがバサリッと揺れた。
細身で背が高く、ショートカットの茶色の髪の女がひとりいた。
「見かけない顔だね。うん?…その制服…」
3人は身体がこわばるのを感じた。
「さっきスマ高の連中がウロチョロしてたけど」女がすぐ近くまで寄ってきた。

「あんたたち、ウチとひと勝負でもしにきたのかな?」
女が楽しそうにニコリとするが、その声には甘さの欠片もなかった。
佳林が覚悟を決めた。みんないい顔はしないだろうが、かといって逃げるのもプライドが許さない。
「J農の獸巣獸巣ブドウ担当宮本佳林、参上!いざ勝負!」その時、部屋の隅に据えつけられたバスケットボールのネットがバサリッと揺れた。

細身で背が高く、ショートカットの茶色の髪の女がひとりいた。
「見かけない顔だね。うん?…その制服…」
3人は身体がこわばるのを感じた。
「さっきスマ高の連中がウロチョロしてたけど」女がすぐ近くまで寄ってきた。

「あんたたち、ウチとひと勝負でもしにきたのかな?」
女が楽しそうにニコリとするが、その声には甘さの欠片もなかった。
佳林が覚悟を決めた。みんないい顔はしないだろうが、かといって逃げるのもプライドが許さない。
「J農の獸巣獸巣ブドウ担当宮本佳林、参上!いざ勝負!」

飛びかかった佳林をフワリと優雅に避けると、
その茶髪の女、徳永千奈美は佳林のみぞおちに強烈な肘鉄を食らわせた。
素早く身体を半回転させ、ひるんだ佳林の不意をついて、
今度は拳で顔を思いきり殴りつけた。

あかりはその間じゅう、千奈美が片手でバスケットボールをもてあそんでいるのに気づいて呆然とした。
佳林は一瞬宙を飛び、ツルツルした床に落ちて滑った。
そのまま床の上を滑ってペデスタル・スタイルのパンチングバッグの山にぶつかる。
あかりは、佳林の上にバッグがドサッと落ちてくるのを、
目をぱちくりさせながら見つめていた。

あかりが自分の目の前で起きたことを理解する前に、
紗友希が怒りの叫び声をあげて千奈美に飛びかかった。
千奈美はふたたび身体を回転させ、紗友希の勢いを利用するように投げ飛ばした。
紗友希は床に落ちて、その運動量の分だけ身体に衝撃を受けた。
ふと思いついたように、千奈美がバスケットボールを投げると、
紗友希がみぞおちでそれを受けとめた。
あっという間の出来事に面食らい、紗友希の口はあんぐりと開いたままだった。

仰天してぽかんと口を開けていたあかりが我に返った。
「このおッ!」腕の筋肉をレリーフのように浮き立たせ、
渾身の力を込めてパンチを繰り出す。

重量感のあるパンチがどうにか顔に当たりはしたが、
千奈美の表情は全く変化していない。
あかりは唖然として、もう一度、さっきよりもできるだけ強く殴りつけた。
千奈美はそれを片手でさえぎり、襲撃半ばで食いとめた。

「なかなかいいパンチだけど…」いいながらあかりに襲いかかる。
片手をあかりの髪の毛のなかにうずめ、もう片方の手でアゴをつかむ。
あかりはふりほどこうとして抵抗するが無駄だった。
必死に押しのけようとするあかり。
アゴの骨が砕かれる!あかりは泣きじゃくった。

突然、佳林が立ち上がって、格闘する2人の方へ突進した。
千奈美の無防備な背中に、がっしりと拳をめり込ませる。
千奈美が振り返った。その顔は苦痛にではなく、怒りにゆがんでいた。

泣いているあかりから手を離すと、その身体は人形のように床に倒れた。
そして一瞬身をかがめ、一連の滑らかな動きで
佳林のみぞおちを千奈美の正拳が突いた。
「ぐッ!」苦悶の悲鳴をあげ、佳林が膝をつく。

悲鳴とうめき声が交錯するなかに、突然はっきりした力強い声が響きわたった。
「ちぃ!やめなさい!」