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そこは、さながら動物園の檻だった。
高校生のクラスとは到底思えない混乱ぶりである。
成長してそれなりに生じてくる落ち着きなどは皆無で、
まるきり小学生の幼稚さと大差ないように見えた。

好き勝手な細工をして、種々のサイズを着用しているブレザー。
色とりどりの髪の毛。スズメバチの巣のようなアフロ、
ツインテール、ロングからショート、あげくはスキンヘッドまで。
ヘアスタイルはひとつとして同じものがない。
耳や鼻、はては舌や眉毛でも光る金属類。
携帯ゲームや化粧道具が宙を飛び交い、
教室の後ろのほうではガンを飛ばし合う2人の周囲を数人が取り巻いて囃し立てていた。
携帯電話でおしゃべりに夢中な者もいれば、
耳のイヤフォンに聴き入り、どっぷり自分の世界に浸っている者もある。

「はい、これで一学期はおしまいです。明日からは夏休み。みなさん、二学期までごきげんよう」
誰ひとり反応する者はなかったが、中年のくたびれた男性教師は事務的に告げると、
まるで逃げるように教室から急いで出ていった。