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「ほぅ、お前はそこのリーゼントバカより少しは出来るな」

手刀を繰り出したモー商生がニヤリ、と笑った。

「誰がバカだコラ!りなぷー!そいつはめいの獲物だ、手ぇ出さないでくれるか?」

背後で喚き続けるめいを無視してモー商生は言葉を続ける

「刺客風情にしておくのは勿体ない。で、道重は殺ったのか?」

・・・!!このモー商生、総長を、道重さんを呼び捨てにした?
しかも道重さんがやられてもいいような口ぶり。何なのコイツは・・・

「おい!りなぷー!資格って何だ!?簿記の勉強でもしてたのか!?」

・・・めいめい
ばくわらしそうなのを抑えて私は偉そうなモー商生を睨みつける

「ふふ、だがお飾りの総長を倒したところで何も変わらない。この私が居る限りモー商は墜ちない!」

コイツが道重さんの言ってたスポットライト浴びてる凄い奴かな?
私は自然に構えを取った・・・何でかって?なんかイキってて超ムカつくから
いや、こんな奴が天下獲るのとかってなんか見たくないっていうか、上手く言えないけど

「おいりなぷー!そいつはめいが・・・」
「めいは引っ込んでて!!!」
「ええっ!?あ、え?ええと・・・?」

こういう時、私は今までタケちゃんやめいに譲って自分はハイハイと引っ込んでた。
でも今回は違う。絶対譲らない。そんな私にめいも驚いてうろたえてる。
自分でもちょっと驚いてる・・・なんか初めて、自分の心の底から湧きあがってくるような何かに突き動かされてる

「じゃあ貴方を倒せばモー商はスマ高のものですね?」

 

大の字になった譜久村聖はさり気に懐から携帯を取り出し、ある電話番号をアドレス帳から呼びだした。

「譜久村さん、意識戻ったんスか?何してるんスか?」

あ~、下々のモー商民ども、うるさい。聖は救急車を呼ぶとか言ってテキトーに誤魔化した。

「いや、救急車ならウチらが・・・」
「大丈夫ですわ。かかりつけの病院から呼びますので。それと傷に響くので少し離れて静かにして頂けますか?」

聖は愚民達を遠ざけると緊張しながら発信ボタンを押した。
間に合うといいけど・・・


一方、スマ高側

聖に投げられた後、ピンチケ精鋭部隊の『竹内軍団』によって救出され自陣へと戻った竹内朱莉。
彼女もまた、何気に懐から携帯を取り出した。

「竹内さん、大丈夫スか?どこに電話を?」
「あ?うっせーな!家にだよ、巨人戦録画すんの忘れたんだよ!」
「あ、そうっスか・・・」
「あーお前ら、朱莉のことはいいから前線でモー商どもを1人でも多くやっつけてこい!朱莉の分までな!」
「押忍!行くぞお前ら!」
「おう!」

アイツら単純で助かった・・・朱莉もまた、アドレス帳ショートカットから発信ボタンを押した。
さて、間に合うかなぁ・・・

 

モー商、校門から数十メートル離れた道路

「どうする?どっちの味方する?」

比較的がっしりとした体格の屈強そうな派手顔の生徒が長身色黒の生徒に話し掛ける。

「スマ高と連合してモー商を潰す。悪い話じゃないけど・・・」

リーダー格と思われる色黒の生徒は方針を決めかねているようだ

「モー商とやるんだったらウチは抜ける。田中さんに弓引くなんてできない。それに福田とか信用できないよ?」

猿顔の生徒がきっぱりと言い放った

「ウチどうしたらええんやろ?鞘師と戦う?鞘師の味方する?あぁ、鞘師にはよ会いたいわぁ~、鞘師鞘師・・・」

関西弁の生徒は言ってることはよくわからないがとにかく鞘師のことしか言わない

「鞘師鞘師うっさい!アタシは別にどっちでも喧嘩れればいいよ」

おかっぱの生徒はとにかく戦えればいい好戦派のようだ

「鞘師?ぶっ殺すりんっ♪」

透き通るような白い肌の黒髪細身の生徒は軽い調子ながらも、その黒目がちの瞳に昏い炎を宿して拳を握り締めた。

 

「まーにもくれよぅ!」
「なんだテメー!放せ!」

ぶんっ!

右のスピンバトンをキャッチされた小川紗季は左のスピンバトンをいきなり出てきたわけのわからない
バカの頭にフルスイングした。死ねっ!池沼

それは、刹那の差であった

佐藤優樹が宙を駆けるように放った華麗な一閃、サマーソルトキック
フルスイングしたスピンバトンのインパクトより先に優樹の宙返り蹴りが小川の顎を捉えた

どさっ

すたっ、と優樹が着地すると同時に小川が地に倒れる

「やったー!くるくる棒げっとー!」

早速、優樹が手に入れた玩具をくるくると振り回す

「ふふふ・・・ははは・・・あっはっはっはっはっ!」

小川紗季が立ち上がった。しかしそれは生田のような根性でではない

「あぶねー、ちょっと掠ったじゃねーか。いいねぇ!欲しい物は奪い取るってその姿勢」

小川はギリギリでサマーソルトに反応し、最大限にスウェーしたのだ
蹴りの威力で倒れた、というよりはスウェーし過ぎで倒れたに過ぎない

「でもコイツはそんなに易々と扱えるものじゃないぜ」

ヒュヒュヒュヒュ!と小川が奪われなかった左のバトンを華麗に回して優樹に襲い掛かる

「安安と明日買えるものじゃないんですか?いつになったら買えるんですか?」

優樹も器用にバトンを回して小川のバトン攻撃を弾き返す

「いや、もうブームは過ぎたから割とすぐ買えるぞ。今はハッピーチュチュチュリボンが・・・ってオイ!」

ロール!バトンを放して身体の背面を滑らせて逆方向からの一撃
キンッ!優樹は何とか反応しバトンで受ける

「ハッピー!まーはそっちの方が好きかもしれません!」
「悪りぃけどそれは持ってねぇわ!つーかお前スジがいいな。少し齧ってたか?」

エアリアル!バトンを宙に放り投げて虚を突いての前転踵落とし
ガスッ!優樹は頭への直撃は反射的に避けたものの肩口に踵落としを食らう
更に小川はバトンをキャッチしフェイント気味に廻した後、フェンシングのような連続突きを繰り出す
ドスドスとバトンの突きをボディのあらゆる箇所に食らい、為す術のない優樹

「んぎぃっ!んぎぎぎぎ!」
「ハハハっ!どうしたっ?もっと楽しませてくれよっ!と」

フィニッシュ!再びバトンを宙に放り投げての飛び膝蹴り
どうっ、と優樹の身体が吹っ飛ぶ

「まーちゃん!」

はうぅ・・・私のせいでまーちゃんまで。この戦いを早く止めないとっ!
まーちゃん・・・ごめんっ!


飯窪春菜はあっさり優樹を見捨てて全力で逃げ・・・じゃなくスマ高総大将和田の元へ走り始めた

 

「ん・・・あれは?」

全力で走ってくる細いシルエット。マズい!アイツを和田の元に行かせるわけにはいかない!
福田花音は飯窪春菜を阻止すべく自らも前へ出ようとした。なるべく和田から見えない遠くで始末せねば・・・

がしっ!
ん・・・?

「おーかーめー!」

石田ナントカ・・・縋りつくように後ろから腰に纏わりついてくる
もうボロボロで立てないくせにっ!ゲシっ!ゲシっ!踵で足蹴にするが離れない

「お前っ・・・離せっ!」

これ以上飯窪を近付けたら和田が気付いてしまう!
福田は焦って石田を引き剥がそうと無理矢理そのままダッシュした

しかし、その焦りが悲劇を生む

ずるっ・・・やっと離れた!これで行けるっ!
ん、なんかいやにすーすー・・・更に5、6歩、駆けたところで福田は気付いた

「嫌あぁああああああああああっ!」

絶叫してその場にしゃがみ込む福田
その横を悠々と飯窪が走っていく

「可愛い子供パンツですね」

ぼそっ、と福田にそう言い放った後飯窪はビシッ!と親指を石田に向けて立てる
ビシッ!、親指を立てて満足げに微笑む石田・・・その手には福田花音のスカートがしっかり握られていた。

 

あの手刀、アレをまともに食らいたくない。まずは様子見で行くか・・・
里奈はスッ、と間合いを詰め細かいコンビネーションジャブを繰り出した
パシッパシッ、パシパシパシッ、パシッ
崩れない・・・どぅーとはやはり全然違う。余裕で全て捌かれている
最後の一撃を弾いた後、カッ!とモー商生が目を見開いた。ヤバいっ!

ブンっ!先程と同じ居合斬りのような手刀が横薙ぎに里奈の顎先を掠めた
直感でスウェーしてなかったら首を狩られていたところだ

「慎重だな。だがそれではいつまで経っても私は倒せない」

挑発。明らかな挑発であることはわかってる。
こちらが大振りの打撃を繰り出せばその隙に必ず奴は手刀を叩き込んでくるだろう
ならば・・・

「慎重なのはそっちの方。待つだけじゃ私を倒せない」

向こうに攻めさせる。それが最善の策に思えた。
ただ、奴の攻撃スキルが『居合斬り』以外全く未知数だが・・・

「ふふっ、確かにお前達に構ってる暇は無いな。和田を倒して早く終わらせなければ」

こぉおおおおおお・・・何だ?モー商生が妙な呼吸をし始めた。空手?いや、それとも違う

「!?」

フッ!とモ―商生の姿が消えた。どこ?
なっ!?懐に入られた!なんて瞬発力・・・

ドンっ!

その衝撃で里奈の身体は後ろに数十cm吹っ飛んだ

掌打・・・ボディに放たれたそれを里奈はギリギリで腕ガードした、が
腕が痺れる・・・それに何か・・・ガードを貫いて腹に衝撃がキテる
そんな腕力は強そうに見えない。さっきの筋肉バカの方が余程強そうだ
でも実際衝撃はガードを貫いてボディまでキテる。何これ・・・

「ぐぼあっ!」
「りなぷー!」

胃液を吐いた。口の中が酸っぱい。
喧嘩でこんなの初めてだよ・・・めいの声が遠くに聞こえる
里奈はガクッ、と膝を突いた

「終わりだな。そのまま立たない方がいい。さて、次はリーゼントバカか・・・」

モー商生が私に背を向け、めいの方を向いた
ダメだ、めいの戦い方じゃコイツに翻弄されて終わる

里奈は歯を食い縛った
視界がぼやける
腕の痺れは取れない
腹の中から鈍い痛み・・・胃がムカつく
でも・・・まだ足が大丈夫

最後の賭け

里奈は地面に手をつき、クラウチングスタートのような構えを取った
足に、身体に力を込める・・・苦しい・・・でもやらなきゃ!
タイマンデビュー2戦目で負けとかカッコ悪いや~ん
・・・何より

私に背を向けたことを後悔させてやるっ!
里奈は全身のバネで全力で地面を蹴った

 

「りなぷー!テメェ、よくもりなぷーをっ!・・・!?」

んっ?なんだ?まさか・・・!

どごっ!

油断?この私が!?気配を感じなかった。さっきの地味顔か?
バカな、気を込めた一撃を食らっても立ってくる奴が居るだと?

背後からの腰への衝撃
ベターン!と里保は顔面から地面に突っ込んだ

ゆ、許さん!この鞘師里保に地を舐めさせるとわ!
鞘師里保は背後からタックルを仕掛けてきた不届き者を成敗すべく身体を反転させようとした

ビキイッ!

腰に激しい痛みが走る。しまった、古傷が・・・

「ぐおぉぉぉぉっ!!!」

それでも気合いで身体を反転させ、起こす
ガッ!里保は地味顔の襟首を掴み、一撃を食らわそうとした

が、やめた

気絶している。
・・・腹が立つ、どこか満足気な笑顔のまま気絶している

「りなぷー・・・立てテメー!りなぷーの仇取ってやる!」

リーゼントバカが涙目になりながら吠えている
しょうがないなぁ、相手してやるか・・・イテテテテ

 

「あれ?スマ高押し返してきてる?」

校門の外から見ていた一団の体格のいい生徒が呟いた

「鞘師・・・鞘師が・・・」

背の高いモデルのような生徒は泣きそうになっている

「決まりだねっ!スマ高に付いてモー商ぶっ潰そ!」

そして色白の生徒が嬉しそうに跳ねる(但し殺気混じりで)

「ならウチは帰るわ。勝手にやんな」

猿顔の生徒が呆れたようなジャスチャーをしながら去ろうとする
しかし、猿顔の生徒の肩をスッとリーダー格の色黒の生徒が掴む

「じゃあこうしない?スマ高とモー商両方ぶっ潰すっていうはどう?
 ウチらは好きな方に加勢する、但しウチら同士の戦いは無し。スマ高もモー商も勝たせない方向で」

「いいねそれ!両方ブッ潰してやんよ!獣巣獣巣、行くぜーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

パシっ
オカッパの生徒が勇んで飛び出そうとする肩をつかむ手があった

「やめときなよ、もうすぐ終わりだよ」

その汗まみれの人物の姿を見て、全員に戦慄が走った。

「「「「「あ、貴方はっ!?」」」」」

 

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