色鮮やかな結末若しくはマンイーターちゃんのパーフェクト誘惑教室

ゆう‐わく〔イウ‐〕【誘惑】
[名](スル)心を迷わせて、さそい込むこと。よくないことにおびきだすこと。「―に負ける」「悪女に―される」



「ば……バカぁ!!」
ハムライガーの治療を行いながらホイミスライムは叫んだ。
トンベリは敵だった、とホイミスライムは判断している。
実際、マンイーターは襲われているし、このまま行けば自分も襲われていただろう。
しかし、こういうものは理屈ではないのだ。
トンベリのためにハムライガーが泣き、ハムライガーのためにトンベリは願った。
それだけで、ホイミスライムが叫ぶには十分だった。

「この大馬鹿野郎!!バカ・オブ・ザ・イヤー2013 主演女優級のクソ野郎!!」

「アタシを勝手に変な賞にノミネートさせるんじゃない!
 くだらないこと言わないでよね、これはいわゆるところの正当防衛って奴よ!
. むさい上に視力0.1のオッサンが見たって、正当防衛だよマンイーターちゃんって言ってくれるわよ」

「そんなことしないで、お姉ちゃんは冬のナマズみたいにガタガタ震えて横たわってればよかったんだ!!そうすれば全部丸く収まってたんだ!!」
「じゃあ、私のやり場のない2/3の純情な殺意と1/3の憎悪はドコにやれっていうのよ!!」
「大人なんだから、そんなもの飲み込んでよ」
「るっせー!そもそもあいつどう見ても危険な悪魔だったでしょうが!」

「落ち着け」
ギリメカラの言葉も、二人を止めるには至らない。

「だって……殺す必要は無かったじゃないか!」
あそこで銃が撃たれていなければどうなっていたか、それはホイミスライムにはわからない。
だが、ギリメカラがトンベリを殺そうとしなかった以上、
自分の時と同じように、考えなおすことが出来たのではないかとホイミスライムは思う。

「私だって殺したくはなかったわよ!!でも涙を呑んで…………」
「嘘つけ!!」

もちろん、マンイーターの発言は真っ赤を通り越してクリムゾン……いやキングクリムゾンの嘘である。
前話で満面の笑みを浮かべて「快、感……ビクンビクン」みたいなことを言っている。
だが、感情の発散のみを理由にして殺したわけではない。
少なくとも、自分の身を守るための行動であったし、殺さなければどうなっていたかわからなかった以上、予防措置とも言える。

歪んではいるが、この言い分がある以上。
ホイミスライムの発言はマンイーターにとっては、理不尽な感情の押し付けにすぎない。会話は燃え上る。

「黙れ!!」
ならば燃え上がった会話の炎は爆発的な叫びによって、強制的に鎮火に至る。

「ここで争ってどうなるというのだ」
「でも……」
「どうにもならん」

死者にできる事など弔うことくらいである。
少なくとも無駄な会話は何の得にもなりはしない。

「ホイミスライム、おヌシはそのまま治療を続けろ」
ホイミスライムに手早く命じると、マンイーターの方へと向き直る。

「おヌシは埋葬を手伝え」
「ヤだ」
返答に0.5秒。拒否時間世界記録を狙える逸材だろう。

「ワシといれば安全じゃぞ」
「それでもヤだ」
0.4秒。記録更新である。

「というわけで、ワシ達は埋葬のために……ほんの少しだけ離れる」
そう言って、ギリメカラはトンベリの亡骸を抱き、マンイーターを引き摺って歩く。

「は~な~せ~」

「ところで、おヌシ……名前は?」
「俺はハム、寝てる方はハムライガーだ」
「ホイミスライム達を見ていてもらえるか?」
「まかしといてくれ、あと……トンベリを頼むよ、なにか間違えちまっただけなんだ」
「うむ」

正直なことを言えば、この判断は最善ではない。
埋葬ならばホイミスライムの近くで行えば良いし、マンイーターが殺した死体の埋葬の手伝いをマンイーターにさせるというのも冗談染みている、
さらに出会ったばかりで何もわからないハムにホイミスライム達を任せるというのも決して良いとは言えない。

だが、この状況のマンイーターとホイミスライムを共にしてはおけない、不和の種は芽を出す前に摘まなければならない。
それに、離れると言っても視界に入らない程度の距離である。何かがあればすぐに駆けつけられる。
更に言えば、ハムに下心があるとしてもこの状況下で直接的な行動は取らないだろう。
これは、悪魔としての経験上の判断である。

それ故に、ギリメカラは離れたのだ。

そして、ハムも死んだトンベリを憐れむことでさり気なくギリメカラに対して自分の善性をアピールしていた。
少なくとも、悪印象は与えてはいない。
むしろ、刺され女よりは大切にされるだろうとハムは打算している。

「…………あんまり趣味じゃないけど」
混沌のスープに悪意という名の隠し味。

「いっちょ、やってみたぜ」

様々な思考が渦巻いている。



「ハムライガーは大丈夫か」
「うん、大丈夫……命に別状はないよ」
回復呪文によって、既に出血は止まっている。
うなされるように呼気を荒くしながらも、ハムライガーの心臓ははっきりと命を刻んでいた。

「良かった……」
胸を撫で下ろしたハムは、演技8割本心2割である。
ハムは他者に取り入るために、なるべく他人の気に入りそうな行動を演じる。
といってもスライムに対して暴行を働いたように、何もかも演じきる程に感情というものを捨て去ってはいない。
多少の縁があった仲間が生きていれば嬉しいし、それが盾になってくれそうならば尚更である。
更に言えば、トンベリの死で不確定要素は消えた上に、敵意が無いということはハムライガーが身を持って証明してくれた。

様々な感情が入り混じった「良かった」である。

そんな、ハムを見てホイミスライムは言葉を掛けあぐねていた。
トンベリを殺したのは自分ではない。
だが、共にいたマンイーターがそれはもう言い訳のしようがないほどに、清々しさすら感じる勢いでぶっ殺した。
目の前のハムに対して、ホイミスライムは少なくとも善獣であると思っている。
ならば、仲間の死に対してなんと思うだろうか。そうホイミスライムが思っていた時である。

「……しょうがねぇよ」
重々しくハムが口を開いた。

「あいつがああなら……遅かれ早かれ、ああなってたと思う」
目線は下に向ける、こういう話を面と向かって言うのはヘタをすればボロが出る。

「でも、あいつは最期……満足して逝けたはずだ、だからいいんだ」
本当ならば、マンイーターまで死んでもらえるように誘導したいが、それは最善ではないだろう。
なるべく善性を全面に押し出して、チームに入り込むべきだ。
それに、許されるというものは中々に心に染みこむ。

「ハムライガーも助かったしな」
「ハムさん……」
「ハムでいいよ」

ゲルもどきと似ているが性格は大違いだ。
いい具合にちょろい、しかも回復を使える。
不安要素はあるが、結構いい感じだな俺。

「う、う~ん……」
気絶していた、ハムライガーが声を上げた。

「そろそろ、ハムライガーも目を覚ます。仲良くやってくれよ」
「うん!」


日々のトレーニングに励み、大会にも何度も出場している。
トンベリの攻撃で即死しなかったように、愛らしい見た目とは裏腹にハムライガーは強い。

「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」

不意を打てば、野生のハムですらその鋭い牙で一撃で仕留められる。

【ハム@モンスターファームシリーズ 死亡】

「えっ……」
「ボクは」
目覚めたハムライガーの虚無の瞳には、ホイミスライムはただの獲物としか映らない。

「帰るよ」

. ワン  ツー
一撃、二撃。
正確な攻撃は、狂いなくホイミスライムの急所を穿つ。

ハムライガーの瞳から零れた雫は恐ろしいほどに、冷たかった。



【ホイミスライム@ドラゴンクエストシリーズ 死亡】



ギリメカラは何も求めず、マンイーターも何もしない。
ただ、ギリメカラは穴を掘っていた。

「……殺すべきだったと思うわ」
マンイーターは悪びれることもなく、言葉を発する。
発する意味は、自らの正当性。

「奴は救えたぞ」
「そんなこと、アタシにわかるわけないじゃない」
「全く正論だな……」
くつくつと自嘲の笑いがこみ上げる。
気づけば、マンイーターも艶やかに笑っていた。
桃色の舌が軽く舐めた唇に官能的な湿り気を与える。

「アタシを殺したい?」
「殺しておくべきだったな、出会ったその時に……やれやれ、欲をかいて悪魔手を増やそうとすると碌な事がない」

「あら、気づいてたの?アタシが殺し合いに乗ってるってこと」
「確証は無かったが……まぁ、少なくとも死んでも心を痛めることは無いだろうとは思った」

「酷いことを言うのね」
「事実そうなる」

「アタシを殺して平気なの?」
「面白い冗談だ」

「……先に、その緑野郎を埋めて上げた方がいいわ」
何が楽しいのか、マンイーターは笑い続けている。

「しばらく埋葬する暇もなヴァ!!」

ギリメカラの拳が、マンイーターを吹き飛ばす。
本来は剣士であるため徒手空拳は得意としないのだが、それでも、ヒット級である。
いい勢いでマンイーターを木に叩きつける。

「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
その時である、ホイミスライム達がいた場所から悲鳴を聞いたのは。

「このタイミングで襲撃だと!?」
それ以上の問題は、ギリメカラに移動の際に必ず鳴るであろう音を聞かなかったことである。
ギリメカラの耳は大きい、つまり耳が良いものと解釈しても問題はない。

そのため、少し離れた距離でも何者かが近づいてくれば音を聞き取れる。
これもまた、ホイミスライム達と別行動を取った理由である。

しかし、ギリメカラは移動の際の音を聞かなかった。
これはつまり暗殺者の技術、あるいは。

「何を仕込んだッ!?」
「助けに行った方がいいんじゃな~い?アタシは全力で逃げま~す」
マンイーターは踵を返して走りだす。
ギリメカラならば追えぬこともないが、追っていてはホイミスライム達の命の保証はない。

「クソッ!」
ギリメカラもまた、駆ける。
近いはずの距離がこれほどまでに遠く感じるとは。


「作戦!大・成・功!!イェーイ!!」
狂気じみて嗤いながら、マンイーターは逃げる。
ホイミスライムが回復を持っており、あの緑色を獣が庇ってくれたからこそ、
この作戦を思いつき、トンベリをぶち殺し、実際ギリメカラから逃げることに成功している。

「いや~ラッキー!ラッキー!ざまぁ!ざまぁ!」
最も作戦と言っても、マンイーターのノリと調子にのった物であるので、
失敗及び、それ故の死亡の可能性は高かった。
だが、誰もそれに文句などはつけはしない。
実際に逃げているのだから。

「今度こそ、手駒ゲット!ガンバルゾー!」

バックベアードのふくろの奥底で、銀色の円盤がぎらりと光った。
第二世代わざマシン 50 あくむ

眠った相手に悪夢を見せる技が、誘惑者との相性が良くないわけがない。



「おヌシ……ハムライガーか?」
「……うん」

横たわる二匹の死体と血塗れのハムライガー。
この状況を見れば、余程の者で無い限りは状況を察せられる。

「何があった?」
返答は言葉ではなく、牙だった。
バネのように後ろ足を縮め、一気にギリメカラへと跳ねる。
突進の打撃力に加え、状態を崩してからの噛み付きは他者を殺すには十分すぎる。

不幸というのならば、それはハムライガーがギリメカラの性質を知らなかったことであるし、
また、ギリメカラがハムライガーの想像を超えて強かったことである。

先程のトンベリとの戦いにおいて、ギリメカラが回避し続けたように、
この戦いにおいても、ギリメカラは回避を行う。

そして、それを己の優位と見てハムライガーは攻撃を重ねる。

ならば、最早ハムライガーに勝利はありえない。

だが、ギリメカラはその勝利を良しとはしない。
ハムライガーの瞳に映る深い絶望、その正体を探らなければならない。

ならば、ギリメカラは挑む。
勝利以外ありえない戦いに引き分けるために。

「すまない……」
ギリメカラの謝罪の言葉を聞く者は、最早いない。



「ア   タシを勝手に変な賞にノミネートさせるんじゃない!
 く   だらないこと言わないでよね、これはいわゆるところの正当防衛って奴よ!
. む   さい上に視力0.1のオッサンが見たって、正当防衛だよマンイーターちゃんって言ってくれるわよ」

マンイーターはチャッキー襲撃前に、ふくろの中身を確認していた。
ブイモンが特に聞くこともしなかったため、誰にも触れられることがなく終わったが、
しかしマンイーター本人は、しっかりとわざマシンの使用により、その技を習得していた。

世界が変われば、コトワリも変わる。
ポケモン世界ではダメージ技である悪夢も、メガテン世界に於いてはその性質を変える。
いや、マンイーターがねじ曲げた。

かくして、ハムライガーは悪夢を見ることとなる。



気絶の中、ハムライガーは夢を見ている。

「ここはドコだろう?」
暗黒の中、ハムライガーはただ浮いているような感覚を味わった。
地面に足は付いている、だが地面は見えない。
何もかも見えるものは無い、ただ暗黒だけが無限であるかのように広がっている。
黒く、暗く、どうしようもない。

「ボク……死んじゃったのかな」
だとしたら、とても哀しい。
そう、他人ごとのようにハムライガーは思った。

だが、すぐに気づいた。

「もう、二度とブリーダーさんに…………」
言葉は最後まで言えず、代わりに嗚咽だけが漏れだした。

「……ッ……ヒッグ…………」
現状を言葉にすることなど、とても出来ない。
認めてしまえば、何もかもが終わってしまう。
誕生日だったのに、こんな場所に連れて来られて、モンスターが目の前で死んで、
優しかったトンベリさんが急に怖くなって、でもトンベリさんはトンベリさんで、それでボクは……ボクは…………

「ねぇ……」
背中に感じる、冷たい掌の感触。
その手は冷たかったけど、ブリーダーさんのもののように暖かく感じられた。
振り向いたハムライガーを、マンイーターは優しい笑みで見つめていた。

「ッグ……お姉ちゃん…………?」
「アタシはマンイーター、ねぇあなたが守った緑色の奴なんて言うの?」
「トンベリさんのこと…………」
「そう、トンベリ……アタシ、トンベリに殺されちゃった」
「えっ……」

「もう二度と、会いたかった人には会えないのアタシ」
「お姉ちゃ……」

「でも、良かったぁ……キミが来てくれたから、アタシ退屈しそうにないなぁ」
「ボク……やっぱり死んじゃったの?」

「うん、死んだの……キミももう二度と会いたい人に会えないね」
「……ボク」

「ダイジョーブ、ダイジョーブ、キミの会いたい人はすぐに死んだキミのことなんて忘れちゃうから」
「えっ……」
「最初は死んで哀しいと思うよ、でも一ヶ月もすれば哀しみも消え失せて…………2ヶ月もすれば、完全に忘れて新しいペットを買うんじゃないかなぁ?」
「ブリーダーさんはそんなことをしないよ!!」
「うん、そうだね……キミの大切な人はそんなことをしないよ…………ずうっと、ずうっと、キミのことを忘れない」
「そうだよ!」

「それでさ、ずうっと哀しみ続ける」
「え?」

「哀しい時って、ご飯が食べられなくなるじゃない?」
「う、うん」
「キミを亡くした人は、毎日毎日哀しい……ご飯が食べられなくなる、ご飯が食べられなくなると、お腹が空くわねぇ……
でも、それでも哀しみでご飯が食べられなくて、お腹が空いて空いて空いて、苦しくてたまらない」
「…………」

「周りは心配するけど、そんな言葉はキミを失った哀しみで届かない…………最終的に死ぬよ、キミの大切な人。
キミも酷いねぇ、忘れられるのが嫌だって言うけど、忘れられないままだと、キミは大切な人の死を願っちゃうんだもんねぇ」
「そんなこと……」
「言ってないよねぇ、言ってない言ってない」

「そう、キミは全く悪くない…………悪いのは、キミの言うブリーダーさんだよねぇ」
「えっ?」

「ところでさっきやっていた誕生日パーティーってキミの?」
「ボクのだけど…………」
「そう、誕生日おめでとう、きっと忘れられない誕生日パーティーでしょうねぇ、
誕生日と同時に死んだんだもんねぇ……ねぇ、なんで誕生日と同時にこんなトコロに連れて来られたと思う?」
「それは……あのヒゲの…………」
「キミの大切な人が、キミを連れてきたんじゃないの?」
「ブリーダーさんはそんなこと……」

「そう、しないしない。ブリーダーさんはわざわざキミの誕生日に、誕生日ケーキを持たせて、殺し合いに放り出すことなんてしない。
あのヒゲの親父が全部悪い、ところでなんでヒゲの親父はキミの誕生日を知っていたの?」
「…………」

「もしかして、ブリーダーさんが教えてあげたのかなぁ?それとも拷問で聞き出されたとか?
アタシ、ちっともブリーダーさんが悪いだなんて思ってないから、きっとブリーダーさんは拷問にあってキミの誕生日を聞き出されたんだと思うなぁ」
「………………」

「痛いだろうなぁ、苦しいだろうなぁ、最後までキミのことを思ってただろうなぁ、大切なブリーダーさんだもんねぇ」
「そんなこと…………」
「無いとは言い切れないよ?だって、キミが死んだ以上、確認出来ないじゃない」

「ねぇ、帰りたい?ブリーダーさんのトコロに」
「……帰れるの?」
言葉でいたぶられていたハムライガー、その瞳に久方ぶりの光が宿った。

「今からキミは目を覚ます、目を覚ましたら周りのモンスターを殺す、周りのモンスターを殺したら、他のモンスターも殺して、
最後の一匹になれば、おうちに帰れるよ、きっと」
「そんなこと…………」

「だめだよねぇ、そんなことしたらダメダメ、わかってるって」
「そうだよ、だって……」
「ところで、いい筋肉の付き方してるわねぇ」
「う、うん……トレーニングとか修行とか大会とか頑張ってるから」
「へぇ、やっぱり頑張るとブリーダーさんは喜んでくれる?」
「うん」
「じゃあ、帰ってブリーダーさんを喜ばせるために戦おうとするのと、大会と、何が違うの?」
「それは……それは……えっと…………」
上手に言葉にできなくて、持て余していた感情だった。

「ほら、答えられない……結局、違わないんだよ」
「違うよ!」
「でも、答えられない、答えられないということは違わない」
「違う!違う!違う!違う!」
「でも何が違うか説明できない、それってただのワガママでしょ?」
「ワガママ……」

「ワガママでブリーダーさんを困らせるの?ワガママでブリーダーさんに忘れられるの?ワガママでブリーダーさん死んじゃうよ?
ワガママだからブリーダーさんに誕生日に売られたのかもよ?ワガママでブリーダーさん拷問にあってるのかもよ?」
「……………………」


「ごめんね、哀しませちゃったね。哀しませついでにプレゼントあげる」
暗闇に置かれた緑色の肉、銃痕まみれのボロボロの肉塊。
それは、ハムライガーがよく見知った…………

「トンベリさん!?」
「殺し合いやってるんだからさ、死ぬんだよ……誰も彼もが」
「そんな嘘だ……嘘だ!嘘だ!」
「本当に本当に本当に本当にトンベリだー」

笑いを堪え切れなくなったマンイーターが声を出して笑う。

「ね、無駄なんだよキミのやってることはさ、ただのワガママ」
「ボクの……」

「ていうか、止めるならもう少し早くしてくれれば良かったのに、そうすればアタシ死ななかったよ、もう一度大事な人に会えたかもしれないんだよ?ねぇ?
結局何一つ上手くいかないんだからさ、やるべきことをやるべきなんだよ、そうでしょ?ねぇ?ねぇ?」
「やるべきことは……」
「殺し合い」

「そう、殺すんだよ!どんどんどんどんどんどんどんどん、殺して殺して殺して殺そうよ!そして家に帰ろう?そうすればブリーダーさんだって暖かく出迎えてくれるよ、ねぇ」
「…………でも、ボクは……ボクハ…………」

マンイーターの誘惑は、あとほんの少しの切っ掛けで完成する。
故に、マンイーターは歌う。

「おめでとう おめでとう ハムライガー もっとおっきく つよく なあれー」
「それ……」

ハムライガーに差し出された誕生日ケーキ。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」

「ハッピーバースデー!ハムライガー!!」



かくして、悪夢は現実となった。

【F-5/山の麓/一日目/午後】

【ライガー(ハムライガー)@モンスターファームシリーズ】
[状態]:刺傷、狂気
[装備]:なし
[所持]:ふくろ(中身無し)
[思考・状況]
基本:家に帰る
 1:殺す

[備考]
オス。ブリーダーに育てられている。種族はハムライガー(ライガー×ハム)。一人称は「ボク」
マンイーターのあくむによって、精神を追い込まれました

【邪鬼ギリメカラ@女神転生シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持]:ふくろ(中身なし)
[思考・状況]
基本:この殺し合いに反抗する
 1:ハムライガーを止める
 2:みてろよあのハゲ
 3:金の子牛が気にかかる

[備考]
オス。真・女神転生2の仕様。

【幽鬼マンイーター@真・女神転生シリーズ】
[状態]:背中に裂傷(ダメージ中)腹部に刺傷、治療済み
[装備]:MPSマシンガン&ショットシェル(70/100)@真・女神転生  メダパニの杖@ドラゴンクエストシリーズ(4/5)
[所持]:ふくろ、外道バックベアードのふくろ(使用済みのわざマシン50『あくむ』)ブイモンのふくろ(中身は空っぽ)
[思考・状況]
基本:優勝狙い
 1:よっしゃ逃走するやで!

 ※メダパニの杖を強化系の杖と勘違いしています、回数制限も知りません
   山頂の景色から少しだけ地形を把握しました
  あくむを習得しました。


No.55:テレビのスイッチを切るように 投下順 No.57:我ハココニ在リ
No.48:無色透明の 邪鬼ギリメカラ No.62:勝者なき戦い
No.48:無色透明の 幽鬼マンイーター No.62:勝者なき戦い
No.48:無色透明の ホイミスライム 死亡
No.48:無色透明の ハム 死亡
No.48:無色透明の ハムライガー No.62:勝者なき戦い