さて、サボっていることがバレたサボテンダーは主催からの伝達をうけて、東へ向かった。
戦闘をする覚悟もできていたし、戦略も練りに練っていた。
とにかく、走り続けること数分。
「おいおい……、どこにもいねえじゃねぇか……」
サボテンダーは誰にも出くわすことがなく、F-6の湖に辿り着いた。
誰にも出くわさなかった? そらそうよ。
だって、もう通り過ぎてるもん。
東側にいた三体のモンスターはサボテンダーが走っていた時に、同じエリアにいたものの、もう森にはいなかった。
サボテンダーが走っていたのは森だった為、運悪く誰とも遭遇しなかったワケである。
「どうすりゃいいんだよ……。戦って勝たないと……俺は、俺は……!」
このままでは強制的な脱落、つまり殺処分が待ち受けているだろう。
何としてでも、東側にいるという三体のモンスターを見つけなければならない。
だが少し自分は焦りすぎたのではないだろうか。
「一回休もう。さすがに今すぐ殺されるわけじゃないんだし……」
目の前に湖があるのだ。ちょうど喉も乾いていたところだし、少し休むとしよう。
とりあえずは水を飲む為に、顔を湖の中に突っ込む。
俺の手では水をすくうことはできないので、当然の動作だ。
水をゴクゴクと飲んでいく。ああ、体が潤っていく……
そういえば、視界になんかタコみたいなものが見えるのだが、気のせいだろうな。
「さて、どうしようか……そういや支給品を確認してなかったなぁ」
とりあえずは地面に座って、ふくろの中身を確認してみる。
中に入っていたのは赤い石。
これといって、役に立ちそうもなさそうだ。
「さーて、これからどうするか……って、なんであんなにブクブクしてるんだ?」
サボテンダーがそう言ったのも束の間、湖から何かが飛び出してきた。
「ワイの湖に勝手なことをしようとしてるなー! 成敗したる!」
「うおっ、タコ!? マジでいたのか!」
湖から出てきたのは紫色のタコ、オルトロスである。
彼は相当お怒りの様子だが、サボテンダーはただ単に水を飲んでいただけなので、なぜ怒っているのか皆目検討もつかなかった。
だがコチラへ向けて怒りを向けているのは分かった。
このままでは危ないと思ったサボテンダーは、先程確認した赤い石をオルトロスに向かって投げつけた。
すると、投げた石は突然炎を放ってタコを襲った。
サボテンダーに支給されていた物は、敵一体に火炎属性のダメージを与えることのできる石。アギラオストーンだったのである。
「アッチッチーー!! ゆでだこになるー!? ゆでだこにはなりたくないで!」
オルトロスはふくろを落としたことに気付かないまま、湖の中に潜ろうとする。
それを見逃すサボテンダーではない!
(何が起きたかは分からないが……これはチャンスだ! ここで殺さなければ!)
だが、追撃しようにも手元にはもう何も残っていない。
しかしまだある。
あのタコが落とした、あのふくろが!
「うおおおおお!!」
タコへ向けて走りつつ、あのふくろを拾って中にあるものを取り出す。
出てきたのはなにやらCDのようなもので、どうやら相手に向かって使うものではなく自分に使うもののようだ。
すぐさまそれを使った。
「なんだ……? 僕の知らない何かが僕の中に……!」
イケる、この知らない何かを使えば……イケる!
彼の気持ちは興奮で抑え切れなかった。
これで、これで、俺は……殺処分から逃れられる!
「うおおおお! これでお終いだああああ!!――――
「な、なんや! なにが起こるんや―――
彼はジャンプしてオルトロスへ近付き技を放つ―――
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大爆発! これがサボテンダーの魂だ!
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…………
……
オルトロスが持っていたわざマシンのナンバーは64、技の名は『だいばくはつ』だった。
その技は使えば敵に大ダメージを与えるものの、その技を使った後に自らは戦闘不能になる、いわば相打ちを狙う技。
哀れ、サボテンダーはそんなことは知る由もなくその技を使ってしまった。
結果的にどうなったかというと、オルトロスに大ダメージを与えたものの、サボテンダーは力尽き倒れてしまった。
その後、オルトロスは湖に潜っていった。
もう湖の中から出ないと決意を固めながら。
【サボテンダー@ファイナルファンタジーシリーズ 死亡】
【F-6/湖の中/一日目/夕方】
【オルトロス@ファイナルファンタジー】
[状態]:肉体損傷(大)
[装備]:
[所持]:なし
[思考・状況]
基本:戦いをできるだけ避ける
1:もう二度と湖からでえへん!
[支給品紹介]
【アギラオストーン@真・女神転生】
敵一体に火炎属性のダメージを与えることのできる石。
※辺りに爆発音が響きました。
最終更新:2017年08月31日 20:53