LORD OF THE SPEED

 一方、その頃、ピカチュウさんは……


「ハッハッハッハ!! 陸上での波乗りもたまんねぇなぁ!!」


 陸地でサーフボードに乗ったら、陸地でも波乗りが出来るという技を発見した。
 颯爽と陸地での波乗りを繰り出すピカチュウさん。
 どういう原理かは……アレだ。考えたら、負けである。

 というわけで、今、ピカチュウさんは木の実を探して移動している。
 彼は空腹だから仕方ないのだ。

 さて、ピカチュウさんは木の実をおいしく食べるには何が必要かを考えた。
 おいしい木の実を探すための洞察力や嗅覚。
 おいしい木の実にがっつくための健康な歯。
 おいしい木の実を沢山食べれらるような強靭な胃袋。 

 しかし、彼――ピカチュウさんは……



「――――でも、僕は最高速度(トップスピード)」



 そう、速さである。
 実はこのピカチュウさん、通常のピカチュウのよりも速く動ける。
 それはただ単純にレベルが高いのもあるが、他にも要因がある。


 ピカチュウさんにはレベルが上がると覚える技がある。
 それが『こうそくいどう』と『かげぶんしん』である。

 こうそくいどう……力を 抜いて 身体を 軽くして 高速で 動く。自分の 素早さを ぐーんと あげる。
 かげぶんしん……素早い 動きで 分身を つくり 相手を まどわせて 回避率を あげる。

 まず『こうそくいどう』を3回……つまり六段階積んだ。これで通常時のピカチュウさんの4倍の速度(当社比較)になった。
 これだけでも十分に速い。
 次に『かげぶんしん』は6回。これで大体『3回に2度、攻撃を避けられる』程度の回避率になった。
 分身が見えるほどの速さで動いてる。


 ここで、だ。

 4倍の速さになり、加えて影分身をしたらどうなるだろうか?
 答えは明確である。
 つまり……


「「「速さが足りてるッ!!!」」」


 ……ピカチュウさんは残像が見えるほど速く動いているのだ。
 常人なら三体ほどに見えるくらいの速度で、ものすっごく速く。
 そして、何故かサーフボードも残像が見えている。この件に関しても考えたら、負け。


「ん? なんだ、あれは……?」   

 その時、ピカチュウさんは目の前に巨大な建物があることを目視した。

「いや、もしかして……」

 そこで昔、森の仲間たちが言っていたことを少し思い出した。


 ~回想~


『知ってるかな……人間にゲットされるっていうのは呪いと同じなんだ……
 人間にゲットされた者はずっと呪われたまま…らしい』
『具体的には?』
『なにやら、酷使されるらしい……肉体がボロボロになるまで使われて……
 中には瀕死の重体になる奴もいるとかいないとか……』
『……それは酷いな』
『でもな、ポケモントレーナーにゲットされるとな、時々いいところに連れてってもらえる……らしいぜ』
『なんだって、それは本当かい?』
『どうやら、『ポケモンセンター』という場所がすごいらしい』
『ポケモンセンターか……』


 ~回想終わり~


「……恐らくはあれが噂のポケモンセンターという奴なのだろう、僕にはわかる」

 そんなわけはない。  
 あれはただの廃城である。

 そんなことも露知らず、ピカチュウさんは廃城の敷地に入っていた。

「……念のために、電磁波を使うか……」

 次の瞬間、ピカチュウさんの半径数十センチほどに電気が漂う。
 ここでいう、ピカチュウさんの電磁波は『でんじは』ではない。

「電磁波の応用技……これで僕の周り数十センチ程度なら索敵できる(というか、これが限界)」

 まるでレーダーのように電気を飛ばす。
 森で仲間を探すときに割と使う、彼が編み出した技の応用である。
 そして、ピカチュウさんは意気揚々と廃城の中を探索し始めた……勿論、最速で。

 その数分後。


「結局、木の実はなかった……とんだ無駄足じゃないか……」

 最速で廃城を駆け抜けたが、彼のお目当ての物は無かった。
 そして、ピカチュウさんはサーフボードに陸上波乗りで廃城を跡にした。


 ――ここが殺し合いの場だということを半分くらい忘れて。

【B-3/廃城近く/一日目/日中】
【ピカチュウ@ポケットモンスター】
[状態]:健康、ちょっと空腹
[装備]:サーフボード@現実
[所持]:ふくろ(中身なし)
[思考・状況]
基本:仲間の下に帰る(方法は考えていない)。
 0:迅速に木の実を探す。
 1:木の実が食べたい。
[備考]
オス。森暮らしが長い。仲間思い。一人称「僕」
『波乗り』を覚えましたが、バトルで効果があるかどうかは不明です。
※『こうそくいどう』を3回、『かげぶんしん』を6回使用しました。



※廃城はピカチュウさんが見た限り、木の実はありませんでした。
 あくまでピカチュウさん視点なので、もしかしたら何かあるかもしれませんし、ないかもしれません。


No.38:キミが死んで、僕が生まれた 投下順 No.40:バーサク状態でベヒーモスに挑んだら、カウンターでメテオ食らって死ぬに決まってるだろ!
No.22:何も無条件で海に突き落としたわけではない モリーも「このサーフボードに乗っては如何でしょうか」と事前に対策を立てている どういった行動を取るかという決定権はピカチュウさんサイドにある その上でご自分の意志で波乗りしていらっしゃるのだからすなわち責任はピカチュウさんサイドにある なぜモリーが責められなければならないのか なぜモリーがピカチュウさんに謝罪せねばならないのか むしろ殺し合いの中、安全地帯にいるピカチュウさんこそが我々に謝罪すべきではないだろうか] ピカチュウ No.45:そんなことよりきのみが食べたい