ハイパーディシディア

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**[[ファイナルファンタジーサードストライククロノファンタズマイグゼグスシャープリローデット>ハイパーディシディア]] **[[アルティメットマッチファイナルエディションラブマックス!!!!!!>ハイパーディシディア]] 「なーんで、あんなコトしたんやろ……」 後悔をしながら、タコは野を駆ける。 いや、タコがなんで野を駆けられるんだっていうのはこの際突っ込まないでいただきたい。 世の中にはオペラ劇場で何tもする重りを落とそうとするも失敗するタコや、似顔絵を描かれただけで逃げ出すタコだって居るのだ。 いや、彼は関係ないのだが。 ともかく、陸を走るタコくらい、珍しいものでもない。 特にFFDQ板では、日常茶飯事だ。 さて、彼は今逃げている。 何から、と言えばどこから説明すればいいのか分かったものではないが。 現実、恐怖、責任、惨劇、そして、死。 その全てから、逃げているのだ。 ただただ、彼は生きたかっただけなのだ。 殺し合いだとか、そういう野蛮なことに興味はない。 海で暮らして、たまにはかわいい子をナンパして、ゆったりと暮らす。 そんな人生、いや蛸生でよかったというのに。 「なんで、こんなことになってんねやろな……」 自分の不運を、呪い始める。 何の変哲もないただのタコである自分が、こんなコトに巻き込まれているのだ。 そうだ、罪もないタコを、こんなことに巻き込むサイドさんに問題があるのだ。 自分は悪くないし、誰も悪くない。 こんなことを考えついた、連中が悪いのだから。 だからさっきの惨劇も、誰が悪いというわけではない。 悪いのは、奴らなのだから。 「なんや、考えてきたら腹立ってきたで」 足を走らせながら、怒りを募らせていく。 考えれば考えるほど、誰も悪くないと言うことに気づく。 どうして、どうして気づけなかったのだろう。 いや、気づいていたけれど、無視していただけか。 生き残ることに夢中になりすぎて、疎かにしていただけか。 忘れていたはずの怒りは、思い出した途端にふつふつとわき上がる。 「なんやムカついてきたわ! やっぱ、あのハゲ頭ぶっとばしたろか!!」 燃え上がる怒りに、タコの声も勇ましくなる。 そうだ、何をしていたのだろう。 不条理なことにただ屈しているだけではいけない。 やるべきことが、あるのだ。 「っしゃー!! そうと決めたら、やるでぇぇぇーー!!」 タコは新たな決意と共に、叫ぶ。 この理不尽な状況を覆すと、誓うために。 そんな、新しく生まれ変わろうとする一匹のタコに。 運命は残酷なプレゼントを与えた。 「ヒっ……」 思わず、声が漏れる。 頭のてっぺんから触手の先っぽまで、ベロリと舐められたような感覚が襲う。 彼は女の子にヌメヌメするのは好きだが、自分がヌメヌメされるのは嫌いだ。 だが、そんな不快な感触に対して、表情を作ることはできない。 いや、そんなことは許されていなかったからだ。 巨大な杭が触手に打ち込まれているかと錯覚するほど、体がピクリとも動かない、動けない。 圧倒される、とはこういうことを言うのだろうか。 だが、逃げねば、逃げねば、逃げねば――――。 「んがッ」 逃げようとするオルトロスに、空に飛び上がっていたAKUMAは、足をナイフのようにとがらせ、急降下する。 体を地面に縫いつけたところで、胴体にめがけて力強い拳を放つ。 そこから流れるように相手の体は宙に浮いて螺旋を描き始め、体の回転を生かした蹴りがオルトロスを襲う。 ふわりと宙に浮いたオルトロスの体に、AKUMAは容赦の欠片もなく、昇る竜の如し拳を、その顎に叩きつける。 初撃から隙を生まぬ連撃-コンボ-に、オルトロスはダメージを負っていた。 アッパーを食らい、木々を枕にして倒れ込むオルトロス。 心が弱っていた彼には、今の基礎的な連撃だけでも十分な致命傷だ。 もう、起きあがれないだろう。 そう思ったのか、どうなのか。 AKUMAは、その場から立ち去ろうとした。 「ナメんなや……」 ガラリ、と何かか崩れる音とともに聞こえた声。 それは、タコのモノであり、タコのモノではない。 「じっとしよったら何やキレられるし、  ほんでもって動いたら動いたら動いたで自分が悪いみたいになるし、  逃げた先には問答無用でボコってくるオッサンやろ?」 今のタコは、怒りに打ち震える"キレタコ"なのだ。 その身は真っ赤で、触れるもの全てに火傷を負わせるほど。 続きに続いた理不尽と理不尽と理不尽が――――   「タコを舐めんのもええかげんにせえよーーーーーー!!」 ――――彼を怒りの頂点に連れて行く!! . 「こちとら! 生まれはFFDQ板じゃ! パロロワに関しちゃアーケード板とも交流があった!  OPパクられたとかあったけど! ロワを飛び越えたネタなんかで、仲良うしとったんじゃ!  格闘ゲーム……いや、アーケードゲームのコトなら大抵のコトは知っとる!  せやからな! 今みたいなっしょーーーーもない基礎コンボ、屁でもないんじゃ!!」 心の中からあふれ出す言葉を、タコはAKUMAにぶつけていく。 AKUMAはもちろん動じない、いや、動じる心を既に持っていない。 「FFDQ板でもな、語れる格ゲーはあんねん」 それを分かった上で、オルトロスは言葉を続けていく。 メタメタにメタ視点、ド終盤でやれば怒られることも、元々のタコ達の偉業と、同じ出身の仲間が作ってくれた土俵を使えば、できる。 何だったら明らかに格ゲーキャラの相手のように、"キレたから分かる"という設定でゴリ押す事もできるだろう。 「"ディシディア"って、聞いたことあるか?  歴代ファイナルファンタジーのメーンキャラクター達が、一同に会してドンパチドンパチやるんじゃ。  せやけどな、その作品に自分は……」 そこで一息、わざとらしく息を吸い込む。 「呼ばれんかったんじゃーーーー!! なんでや! タコやからか!?  だから、呼ばれんかった分も、ここで"格闘ゲーム"して発散したる!!」 八つ当たりに近い怒りの力を解放し、オルトロスは一気に攻めにかかる。ディシディアに出るため、どんな事だって練習してきた。 水の中だけじゃダメだって、分かった。 だから陸に上がり、空を飛び、毎日毎日トレーニングした。 その気になれば、ヘイストのかかったトレジャーハンターより早く動ける。 その気になれば、空を駆ける白い翼よりも早く飛べる。 その気になれば、海を束ねる召喚獣より早く泳げる。 格闘ゲームだと聞いたから、格闘ゲームの基礎も全て学んだ。 格闘ゲームにおける基本的な三竦み、打撃、防禦、投げも学んだ。 ガードの種類、上中下段の違いも学んだ。 差し合いの重要性を学んだ、ライン上げの重要性を学んだ、起き攻めのいろはを学んだ。 立ち回りだけでは勝てない、コンボだけでも勝てない、だから両方を磨いた。 触手を毎日1mmでも長くのばし、リーチを鍛えた。 触手を毎日1mmでも広く動かせるようにし、判定を鍛えた。 触手の戻りを1F(1/60秒)でも早くし、硬直を和らげた。 連携だってお手の物だ、いわゆる"小足から減る"も習得した。 各種キャンセル、空中ダッシュ、ブロッキング、ロマンキャンセル……RPGでは一生聞かないような言葉達を学んだ! だから、中途半端に"殺意の波動"なんて言葉に突き動かされるヤツに! ましてや! 万年微妙キャラの称号としてふさわしい"殺意の波動"を手にしたヤツに! "暴走"しているこのタコが! 負ける訳には行かないのだ! オルトロスの鍛えた触手が伸びる! リーチ! 判定! 戻り! 全て絶好調! 反撃を与えるどころか、自分の状況を"有利"にし、攻めを続ける! 終わらない高速中下択を迫り、相手の守りを崩していく! そしてついに! 相手の虚を突くことに成功する! 崩れた守りを逃さない、逃すわけがない! この日のために、何万回連携を練習したと思っているのか!! 始動からしっかり地上連携をこなす! 触手が伸びる! 触手が伸びる! 触手が伸びる! その一撃一撃が重く、AKUMAの体力を削り取る! そして大降りの一撃を跳躍でキャンセルし、低空を――――いや、最低空を走る! ジャンプ攻撃から再び違うルートへ! 空へ舞い上がったAKUMAへと連撃に次ぐ連撃を叩き込む! ヒットカウントがあればもうカウントストップしているであろう、それでもオルトロスは攻めの手をやめない! 「終いじゃあああああああああああああ!!」 連撃の終わり、もっとも有利な手を打ち、〆とする。 見える、見える、相手が"ヒヨっていること"が! スタン値のたまるルートを模索した、どうすれば"気絶"させられるかを一生懸命探した! それが今! 実を結び! AKUMAの気絶を招いた!! すかさずここ一番の大技、「"必"ず"殺"す"技"を"超"えていく"技"」を構える!! この一撃、もはやガードなど不可能! 束ねられた触手が、ハンマーのように相手へと襲いかかる! 起き攻め、判定はぴったりと重なっている!! 「ぬぅうんりゃあああああ「滅ッ」ああああああ!!」 土煙が、舞う。 . 「クソ、ったれ……ボス仕様かよ……」 ドテッ腹に大きな穴を開けられながらも、オルトロスは悪態をつく。 ボス仕様――――所謂"ラスボス"は、気絶値が貯まって気絶しても、瞬時にその状態から戻ることができる。 AKUMA――――ルカリオにとってもそれは同じ。 気絶している暇など、あるわけもないのだ。 オルトロスの敗因は、殺意の波動というたった一つの単語から、彼を格ゲーキャラに落とし込んだこと。 そして、"ここは別に格闘ゲームではない"という重要な一点を欠いていたこと。 「スパ2X豪鬼は、禊使われへんわ、ボケ……」 最後の最後に、メタ全開な発言を残し、彼は逝く。 彼がどれだけ努力しても、"ディシディアファイナルファンタジー"には出られなかったであろうという事。 そして何より、"ディシディアファイナルファンタジー"は世間一般の格闘ゲームとは大きく違うという事。 その二つの事実を知らぬまま、彼は眠る。 &color(red){【オルトロス@ファイナルファンタジー 死亡】} 「ウ、オオ、オオオオオオオ!」 ルカリオは吼える。 その身に宿した"殺意の波動"。 彼の体を芯から動かし、そして支配され、蝕まれていく。 心は、少しずつ奪われていく。 「FF……DQ……イタ……」 だが、脳に焼き付いた"親友"の言葉は、微かに残っている。 奇しくも今し方相手にしたタコも、同じ言葉を言っていた。 「FFDQ板」という言葉を、誰が言っていたか、どこで言っていたか。 「ボ……ナ……オオッ、オッ、チカラ、チカラァアアアアア!!」 頭に、うっすら、ぼんやりと残っている"それ"。 "それ"を思い出せるかどうかは、まだ分からない。 殺意の波動に呑まれたまま、彼は足を進める。 滅びの、道へと。 【F-3/海岸/一日目/深夜】 【ルカリオ@ポケットモンスター】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、殺意の波動、迷い [装備]:イービルスパイラル@デジタルモンスターシリーズ [所持]:ふくろ [思考・状況] 基本:参加モンスターを抹殺する  0:参加モンスターを抹殺する  1:その後は……その後は……  2:クーフーリン、ボナコン?このノイズは…… |No.75:[[brave heart]]|[[投下順]]|No.77:[[Reckless Fire]]| |No.75:[[brave heart]]|ルカリオ|No.90:[[剣に勇気を、胸に怒りを]]| |No.69:[[黒く蝕み心を染めん]]|オルトロス|&color(red){死亡}|
**[[ファイナルファンタジーサードストライククロノファンタズマイグゼグスシャープリローデット>ハイパーディシディア]] **[[アルティメットマッチファイナルエディションラブマックス!!!!!!>ハイパーディシディア]] 「なーんで、あんなコトしたんやろ……」 後悔をしながら、タコは野を駆ける。 いや、タコがなんで野を駆けられるんだっていうのはこの際突っ込まないでいただきたい。 世の中にはオペラ劇場で何tもする重りを落とそうとするも失敗するタコや、似顔絵を描かれただけで逃げ出すタコだって居るのだ。 いや、彼は関係ないのだが。 ともかく、陸を走るタコくらい、珍しいものでもない。 特にFFDQ板では、日常茶飯事だ。 さて、彼は今逃げている。 何から、と言えばどこから説明すればいいのか分かったものではないが。 現実、恐怖、責任、惨劇、そして、死。 その全てから、逃げているのだ。 ただただ、彼は生きたかっただけなのだ。 殺し合いだとか、そういう野蛮なことに興味はない。 海で暮らして、たまにはかわいい子をナンパして、ゆったりと暮らす。 そんな人生、いや蛸生でよかったというのに。 「なんで、こんなことになってんねやろな……」 自分の不運を、呪い始める。 何の変哲もないただのタコである自分が、こんなコトに巻き込まれているのだ。 そうだ、罪もないタコを、こんなことに巻き込むサイドさんに問題があるのだ。 自分は悪くないし、誰も悪くない。 こんなことを考えついた、連中が悪いのだから。 だからさっきの惨劇も、誰が悪いというわけではない。 悪いのは、奴らなのだから。 「なんや、考えてきたら腹立ってきたで」 足を走らせながら、怒りを募らせていく。 考えれば考えるほど、誰も悪くないと言うことに気づく。 どうして、どうして気づけなかったのだろう。 いや、気づいていたけれど、無視していただけか。 生き残ることに夢中になりすぎて、疎かにしていただけか。 忘れていたはずの怒りは、思い出した途端にふつふつとわき上がる。 「なんやムカついてきたわ! やっぱ、あのハゲ頭ぶっとばしたろか!!」 燃え上がる怒りに、タコの声も勇ましくなる。 そうだ、何をしていたのだろう。 不条理なことにただ屈しているだけではいけない。 やるべきことが、あるのだ。 「っしゃー!! そうと決めたら、やるでぇぇぇーー!!」 タコは新たな決意と共に、叫ぶ。 この理不尽な状況を覆すと、誓うために。 そんな、新しく生まれ変わろうとする一匹のタコに。 運命は残酷なプレゼントを与えた。 「ヒっ……」 思わず、声が漏れる。 頭のてっぺんから触手の先っぽまで、ベロリと舐められたような感覚が襲う。 彼は女の子にヌメヌメするのは好きだが、自分がヌメヌメされるのは嫌いだ。 だが、そんな不快な感触に対して、表情を作ることはできない。 いや、そんなことは許されていなかったからだ。 巨大な杭が触手に打ち込まれているかと錯覚するほど、体がピクリとも動かない、動けない。 圧倒される、とはこういうことを言うのだろうか。 だが、逃げねば、逃げねば、逃げねば――――。 「んがッ」 逃げようとするオルトロスに、空に飛び上がっていたAKUMAは、足をナイフのようにとがらせ、急降下する。 体を地面に縫いつけたところで、胴体にめがけて力強い拳を放つ。 そこから流れるように相手の体は宙に浮いて螺旋を描き始め、体の回転を生かした蹴りがオルトロスを襲う。 ふわりと宙に浮いたオルトロスの体に、AKUMAは容赦の欠片もなく、昇る竜の如し拳を、その顎に叩きつける。 初撃から隙を生まぬ連撃-コンボ-に、オルトロスはダメージを負っていた。 アッパーを食らい、木々を枕にして倒れ込むオルトロス。 心が弱っていた彼には、今の基礎的な連撃だけでも十分な致命傷だ。 もう、起きあがれないだろう。 そう思ったのか、どうなのか。 AKUMAは、その場から立ち去ろうとした。 「ナメんなや……」 ガラリ、と何かか崩れる音とともに聞こえた声。 それは、タコのモノであり、タコのモノではない。 「じっとしよったら何やキレられるし、  ほんでもって動いたら動いたら動いたで自分が悪いみたいになるし、  逃げた先には問答無用でボコってくるオッサンやろ?」 今のタコは、怒りに打ち震える"キレタコ"なのだ。 その身は真っ赤で、触れるもの全てに火傷を負わせるほど。 続きに続いた理不尽と理不尽と理不尽が――――   「タコを舐めんのもええかげんにせえよーーーーーー!!」 ――――彼を怒りの頂点に連れて行く!! . 「こちとら! 生まれはFFDQ板じゃ! パロロワに関しちゃアーケード板とも交流があった!  OPパクられたとかあったけど! ロワを飛び越えたネタなんかで、仲良うしとったんじゃ!  格闘ゲーム……いや、アーケードゲームのコトなら大抵のコトは知っとる!  せやからな! 今みたいなっしょーーーーもない基礎コンボ、屁でもないんじゃ!!」 心の中からあふれ出す言葉を、タコはAKUMAにぶつけていく。 AKUMAはもちろん動じない、いや、動じる心を既に持っていない。 「FFDQ板でもな、語れる格ゲーはあんねん」 それを分かった上で、オルトロスは言葉を続けていく。 メタメタにメタ視点、ド終盤でやれば怒られることも、元々のタコ達の偉業と、同じ出身の仲間が作ってくれた土俵を使えば、できる。 何だったら明らかに格ゲーキャラの相手のように、"キレたから分かる"という設定でゴリ押す事もできるだろう。 「"ディシディア"って、聞いたことあるか?  歴代ファイナルファンタジーのメーンキャラクター達が、一同に会してドンパチドンパチやるんじゃ。  せやけどな、その作品に自分は……」 そこで一息、わざとらしく息を吸い込む。 「呼ばれんかったんじゃーーーー!! なんでや! タコやからか!?  だから、呼ばれんかった分も、ここで"格闘ゲーム"して発散したる!!」 八つ当たりに近い怒りの力を解放し、オルトロスは一気に攻めにかかる。ディシディアに出るため、どんな事だって練習してきた。 水の中だけじゃダメだって、分かった。 だから陸に上がり、空を飛び、毎日毎日トレーニングした。 その気になれば、ヘイストのかかったトレジャーハンターより早く動ける。 その気になれば、空を駆ける白い翼よりも早く飛べる。 その気になれば、海を束ねる召喚獣より早く泳げる。 格闘ゲームだと聞いたから、格闘ゲームの基礎も全て学んだ。 格闘ゲームにおける基本的な三竦み、打撃、防禦、投げも学んだ。 ガードの種類、上中下段の違いも学んだ。 差し合いの重要性を学んだ、ライン上げの重要性を学んだ、起き攻めのいろはを学んだ。 立ち回りだけでは勝てない、コンボだけでも勝てない、だから両方を磨いた。 触手を毎日1mmでも長くのばし、リーチを鍛えた。 触手を毎日1mmでも広く動かせるようにし、判定を鍛えた。 触手の戻りを1F(1/60秒)でも早くし、硬直を和らげた。 連携だってお手の物だ、いわゆる"小足から減る"も習得した。 各種キャンセル、空中ダッシュ、ブロッキング、ロマンキャンセル……RPGでは一生聞かないような言葉達を学んだ! だから、中途半端に"殺意の波動"なんて言葉に突き動かされるヤツに! ましてや! 万年微妙キャラの称号としてふさわしい"殺意の波動"を手にしたヤツに! "暴走"しているこのタコが! 負ける訳には行かないのだ! オルトロスの鍛えた触手が伸びる! リーチ! 判定! 戻り! 全て絶好調! 反撃を与えるどころか、自分の状況を"有利"にし、攻めを続ける! 終わらない高速中下択を迫り、相手の守りを崩していく! そしてついに! 相手の虚を突くことに成功する! 崩れた守りを逃さない、逃すわけがない! この日のために、何万回連携を練習したと思っているのか!! 始動からしっかり地上連携をこなす! 触手が伸びる! 触手が伸びる! 触手が伸びる! その一撃一撃が重く、AKUMAの体力を削り取る! そして大降りの一撃を跳躍でキャンセルし、低空を――――いや、最低空を走る! ジャンプ攻撃から再び違うルートへ! 空へ舞い上がったAKUMAへと連撃に次ぐ連撃を叩き込む! ヒットカウントがあればもうカウントストップしているであろう、それでもオルトロスは攻めの手をやめない! 「終いじゃあああああああああああああ!!」 連撃の終わり、もっとも有利な手を打ち、〆とする。 見える、見える、相手が"ヒヨっていること"が! スタン値のたまるルートを模索した、どうすれば"気絶"させられるかを一生懸命探した! それが今! 実を結び! AKUMAの気絶を招いた!! すかさずここ一番の大技、「"必"ず"殺"す"技"を"超"えていく"技"」を構える!! この一撃、もはやガードなど不可能! 束ねられた触手が、ハンマーのように相手へと襲いかかる! 起き攻め、判定はぴったりと重なっている!! 「ぬぅうんりゃあああああ「滅ッ」ああああああ!!」 土煙が、舞う。 . 「クソ、ったれ……ボス仕様かよ……」 ドテッ腹に大きな穴を開けられながらも、オルトロスは悪態をつく。 ボス仕様――――所謂"ラスボス"は、気絶値が貯まって気絶しても、瞬時にその状態から戻ることができる。 AKUMA――――ルカリオにとってもそれは同じ。 気絶している暇など、あるわけもないのだ。 オルトロスの敗因は、殺意の波動というたった一つの単語から、彼を格ゲーキャラに落とし込んだこと。 そして、"ここは別に格闘ゲームではない"という重要な一点を欠いていたこと。 「スパ2X豪鬼は、禊使われへんわ、ボケ……」 最後の最後に、メタ全開な発言を残し、彼は逝く。 彼がどれだけ努力しても、"ディシディアファイナルファンタジー"には出られなかったであろうという事。 そして何より、"ディシディアファイナルファンタジー"は世間一般の格闘ゲームとは大きく違うという事。 その二つの事実を知らぬまま、彼は眠る。 &color(red){【オルトロス@ファイナルファンタジー 死亡】} 「ウ、オオ、オオオオオオオ!」 ルカリオは吼える。 その身に宿した"殺意の波動"。 彼の体を芯から動かし、そして支配され、蝕まれていく。 心は、少しずつ奪われていく。 「FF……DQ……イタ……」 だが、脳に焼き付いた"親友"の言葉は、微かに残っている。 奇しくも今し方相手にしたタコも、同じ言葉を言っていた。 「FFDQ板」という言葉を、誰が言っていたか、どこで言っていたか。 「ボ……ナ……オオッ、オッ、チカラ、チカラァアアアアア!!」 頭に、うっすら、ぼんやりと残っている"それ"。 "それ"を思い出せるかどうかは、まだ分からない。 殺意の波動に呑まれたまま、彼は足を進める。 滅びの、道へと。 【F-3/海岸/一日目/深夜】 【ルカリオ@ポケットモンスター】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、殺意の波動、迷い [装備]:イービルスパイラル@デジタルモンスターシリーズ [所持]:ふくろ [思考・状況] 基本:参加モンスターを抹殺する  0:参加モンスターを抹殺する  1:その後は……その後は……  2:クーフーリン、ボナコン?このノイズは…… |No.75:[[brave heart]]|[[時系列順]]|No.77:[[Reckless Fire]]| |No.75:[[brave heart]]|[[投下順]]|No.77:[[Reckless Fire]]| |No.75:[[brave heart]]|ルカリオ|No.90:[[剣に勇気を、胸に怒りを]]| |No.69:[[黒く蝕み心を染めん]]|オルトロス|&color(red){死亡}|

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