心蝕

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敵を引き離したことを確認すると、ガルルモンは山へと登った。 キラーパンサーの体からは完全に熱が失われた、二度と甘えられることもない。 背中から優しくキラーパンサーを降ろし、新たに得た強靭な爪で穴を掘る。 少しでも天国に近いところへ埋葬してやりたいと思った。 穴を掘り終えてしまうと、限界だったのかガルルモンの姿はガブモンに戻っていた。 ガブモンの体とは、こんなにも小さかったのか。 先程まで背に乗せていたキラーパンサーを必死で担ぎながら、そのようなことを思う。 キラーパンサーの死体を穴の中に入れ、再び土を被せる。 墓の代わりに出来るものは無かったので、からっぽのふくろを埋まった穴の上に置いた。 埋められてしまえば、もう誰にもその存在はわからない。 風が吹けば飛んでいくようなふくろだけが、キラーパンサーの存在の証だった。 「…………」 キラーパンサーの埋葬を終え、ただ呆然とガブモンは立ち尽くした。 動くだけの気力が無かった。 話す相手も今となってはいない。 かと言って、哀しみに打ちひしがれるわけでもなかった。 キラーパンサーの死を哀しむには、思い出が少なすぎた。 自分が失ったものは過去ではない。 共に歩めた未来なのだ。 許してくれ、とそう言いたかった。 もしも、もう少し自分の進化が早ければ、きっとキラーパンサーは助かったはずなのだ。 だが、許しを請おうにもその相手は既に死んでしまっていた。 この罪が永遠に許されることはない。 「すまぬ、もう行く……」 だが、いつまでも立ち止まってはいられなかった。 何もしなければ、その分だけ誰かが殺される。 心を蝕む暗黒を無理矢理に心の奥底に沈め、立ち上がる。 義務感染みている、そう己を嗤った。 行先もわからず、キラーパンサーの墓を背に進む。 風が吹き、ふくろがどこかへと消えた。 どうしようもなく陰鬱な気分だった。 【E-6/山/一日目/夕方】 【ガブモン@デジタルモンスターシリーズ】 [状態]:ダメージ(中)、疲労(大) 陰鬱 [装備]:マガタマ(ワダツミ) [所持]:ふくろ(空) [思考・状況] 基本:殺し合いからの脱出 [備考] できるだけ早く進化したいと思っている。なぜか侍口調で話す。一人称は「拙者」。 ワダツミを装備することで、ガルルモンへの進化が可能となりました。 《支給品紹介》 【ワダツミ@真・女神転生Ⅲ】 マガタマの一種、氷の力を持つ。 氷結無効/電撃弱点 |No.62:[[勝者なき戦い]]|[[投下順]]|No.64:[[不定形の王道]]| |No.38:[[キミが死んで、僕が生まれた]]|ガブモン|No.71:[[その心まで何マイル?]]|
敵を引き離したことを確認すると、ガルルモンは山へと登った。 キラーパンサーの体からは完全に熱が失われた、二度と甘えられることもない。 背中から優しくキラーパンサーを降ろし、新たに得た強靭な爪で穴を掘る。 少しでも天国に近いところへ埋葬してやりたいと思った。 穴を掘り終えてしまうと、限界だったのかガルルモンの姿はガブモンに戻っていた。 ガブモンの体とは、こんなにも小さかったのか。 先程まで背に乗せていたキラーパンサーを必死で担ぎながら、そのようなことを思う。 キラーパンサーの死体を穴の中に入れ、再び土を被せる。 墓の代わりに出来るものは無かったので、からっぽのふくろを埋まった穴の上に置いた。 埋められてしまえば、もう誰にもその存在はわからない。 風が吹けば飛んでいくようなふくろだけが、キラーパンサーの存在の証だった。 「…………」 キラーパンサーの埋葬を終え、ただ呆然とガブモンは立ち尽くした。 動くだけの気力が無かった。 話す相手も今となってはいない。 かと言って、哀しみに打ちひしがれるわけでもなかった。 キラーパンサーの死を哀しむには、思い出が少なすぎた。 自分が失ったものは過去ではない。 共に歩めた未来なのだ。 許してくれ、とそう言いたかった。 もしも、もう少し自分の進化が早ければ、きっとキラーパンサーは助かったはずなのだ。 だが、許しを請おうにもその相手は既に死んでしまっていた。 この罪が永遠に許されることはない。 「すまぬ、もう行く……」 だが、いつまでも立ち止まってはいられなかった。 何もしなければ、その分だけ誰かが殺される。 心を蝕む暗黒を無理矢理に心の奥底に沈め、立ち上がる。 義務感染みている、そう己を嗤った。 行先もわからず、キラーパンサーの墓を背に進む。 風が吹き、ふくろがどこかへと消えた。 どうしようもなく陰鬱な気分だった。 【E-6/山/一日目/夕方】 【ガブモン@デジタルモンスターシリーズ】 [状態]:ダメージ(中)、疲労(大) 陰鬱 [装備]:マガタマ(ワダツミ) [所持]:ふくろ(空) [思考・状況] 基本:殺し合いからの脱出 [備考] できるだけ早く進化したいと思っている。なぜか侍口調で話す。一人称は「拙者」。 ワダツミを装備することで、ガルルモンへの進化が可能となりました。 《支給品紹介》 【ワダツミ@真・女神転生Ⅲ】 マガタマの一種、氷の力を持つ。 氷結無効/電撃弱点 |No.62:[[勝者なき戦い]]|[[時系列順]]|No.64:[[不定形の王道]]| |No.62:[[勝者なき戦い]]|[[投下順]]|No.64:[[不定形の王道]]| |No.38:[[キミが死んで、僕が生まれた]]|ガブモン|No.71:[[その心まで何マイル?]]|

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