escape

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それはいつもの何気ないありふれた光景。 温かい風がそよぐ育て屋さんの広いお庭で、ポケモンたちと仲良く遊ぶ日常。 あの女の子も綺麗な桃色の髪を揺らしながら、私たちと一緒に遊びを楽しむ。 その様子を微笑ましそうに見守るご主人様と育て屋のおじいさん。 芝生の上で追いかけっこ、日だまりの下で水遊び。 おばあさんがおやつを持ってきたので、みんなでワイワイしながら少し休憩。 食べ終わったらまた遊びの続き、今度はボールを一番遠くへ投げたら勝ちゲーム。 私はオクタンに変身して思いっきり発射、場外まで飛んでいって見事に優勝。 夕焼けの中でキラーンと星になったボールを見て、みんなして笑った。 「メタモンって色んなポケモンに変身出来るんだよね」 うん、すごいでしょ! 実はね、私もっともっと凄いのに変身出来るようになったんだよ。 「え、本当? 見せて見せて!」 もちろん! それじゃ、さっそく変身するね! 「あ、じゃああたし合図するね!」 オッケー! じゃあ合図をお願い。行くよー。 「メタモン、チェンジ!」 私は体をくねらせて、目の前の女の子の姿に変身する。 どう、人間の姿にもなれるようになったんだよ。  ◆ 目に映るのは一面真っ白な大地。 草木の緑も、土の茶色も、すべて白一色に染まっている。 それに対比するかの如く散らばる木々の枝が真っ黒。 そんな感じのモノクロームな光景。 写真にするとしたらカラーにする必要が無いだろう。それほどまでに色彩は皆無であった。 とはいっても、これは決して雪景色のような美しいものと一緒くたにしてはいけない。 これは全て、灰と炭によって構成された風景なのだから。 数時間前にアリスが放ったトリスアギオンは森林の一区間を骸骨の如く変えてしまった。 命の息吹や自然のエネルギーが完全に破壊の炎へと昇華し、自然環境は根こそぎ消失している。 「キャハハハ、こりゃ酷い有り様だねー」 モーショボーはその風景を眺めると、魔界で見た荒れ地の光景を彷彿した。 この惨状はどーせあの魔人がやったんだろう、と推測する。 他にこれだけの力を持つ悪魔がいないとも限らないが、そこまで考えるのは出会してからで良い。 「ガブリアスとケルベロスが、アリス倒してくれちゃえばいいんだけどなー」 あの飛び抜けた脅威さえいなければ、少なくとも早々に死ぬ危険性も減るのだが。 ……所詮それは願望でしかない。十中八九、彼らはアリスによって殺されていると思う。 ガブリアスのような戦力的に優れていて、それでいて自分に協力してくれる変わり者に出会えればいいのだが。 「……これ、生き残れるのかなー……?」 そんな都合よくそういう者に出会える可能性は限りなく低いだろう。 だいたい、ガブリアス並の強さでは結局アリスという壁の前に破れ去るのは目に見えているのだ。 少なくとも彼以上に強い者でなくては話にならない。 そういう悪魔、またはポケモンに運良く出会い、協力してもらえればいい。 そうすればモーショボーは生き残ることが出来る……。 「キャハハハハ、流石にそんな上手くいくわけないかー」 考えを巡らせるのがあまりにもバカバカしくなって、モーショボーは笑っていた。 そんな何もかもトントン拍子で物事が進むはずが無い。楽天家にも程がある。 何より、どうしてそんな淡い希望を抱く必要があったのか。 自分は何のために生き延びたいと思っていたのか……。 その疑問を抱いた時に、心の中に冷たいものが過ぎった。 「……あれ、何が楽しくて生きているんだっけ?」 自分は深く考えずにただ生き残りたい、生き残りたいと自然に考えていた気がする。 死ぬのが怖いから? 痛いのが嫌だから? いや、そんな理由で無為に生きてきたのだろうか。 ……そうだ、人間の脳みそをもっと食べたいからじゃないのか? そうじゃん! まさにそれだ。あの体の底からとろける様な甘美な味をもっと味わいたい。 そのために私は生きている、そうに違いない。いや、まさにそれだ。 ―――ということは。 ―――ここに呼ばれた時点で、もう二度と食べられないってわけだよね。 「キャハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」 あぁ、可笑しい。だったらもう生きる必要が無くなっちゃったじゃん。  ◆ ちょっと涙で視界がボヤけたかと思えば、いきなり景色が変わってて驚いた。 そりゃあ超速で移動していると、まばたき一つする間に景色は大きく変わるものではある。 でも、まさか緑から白へガラっと変わるだなんて予期出来るわけないじゃん。 そんなわけだから一旦走るのを止め、はぐれメタルは周囲をじっくりと見回す。 「……この辺一体、まるごと焼き尽くされてるのか。どんな技が使われたんだろう……」 巨大なドラゴンが灼熱の火炎を吐きながら暴れる姿を想像して身震いをする。 この近くにそんな恐ろしいモンスターが彷徨いているとしたら……。 「早くここから離れた方がいいかな……」 と、そそくさと惨状の中を通り過ぎようと足を進めた。 その時に視界に自分と同じような体型のモンスターの姿が映った。 ピンク色のスライムのようなモンスターが、灰の上に横たわっている。 「だ、大丈夫っ?」 はぐれメタルはすぐさま駆け寄って様子を見る。 少なくとも、これまで会ったことのない種族のスライムだった。 普通のスライムほど形がしっかりしておらず、バブルスライムほど液状でもない。 体には透明感は無く、例えるならば粘土のそれに近かった。 ドロヌーバとかジェリーマンとか、その辺りの仲間なのかもしれない。 全身は火傷したように爛れており、呼吸も苦しそうなものとなっている。 すぐにでも治療しなくてはいけない、何か薬草か何かがあれば……。 あいにく自分に支給された道具は『スリースターズ』という、魔力の消費を極端に抑えられるというアクセサリー。 使用者によっては強力であるものの、回復呪文も無く、攻撃呪文も貧弱な自分には役不足な道具であった。 「とにかく、薬草が生えてそうな場所へ連れて行かなくちゃ」 ここに置いておくよりも、連れて行って薬草を探す方が安全だろう。 そう思ってピンクのモンスターを背中に乗っけて、ササッと森林へと向かう。 「キャハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」 その時ふと、女の子の笑い声が聞こえた。 無視して森へ向かうわけにも行かず、その声の方へ進む。 そこにいたのは長い黒髪を羽ばたかせながら宙に浮かぶ着物の するとそこには、美しい黒髪を翼のように羽ばたかせて宙に浮かぶコートを纏った少女がいた。 「あ、あのー……」 「んー?」 「キミは人間っぽいけど、モンスターだよね……?」 その質問に対する返事はすぐには帰ってこなかった。 着物の少女ははぐれメタルの姿をじーっと眺め、背中にのっているピンクのモンスターを眺め、そして。 「チェンジ!」 「えっ!?」 唐突にそんなことを言われて、はぐれメタルは唖然とした。  ◆ それがきっかけとなり、不思議なことが起こる。 ピンクのモンスターが突然体をくねらせたかと思うと、その形状が、形質が、体躯すらが変貌し始めた。 そうしてはぐれメタルの上に横たわっているのは、桃色の頭髪を持った10歳くらいの少女となった。 モンスターの状態と変わらず、全身はボロボロで気絶したままだった。 それをみたモーショボーは瞳をキラキラと輝かせた。 目の前にとても新鮮な人間の少女がいるのだ。願ってもない食料。 彼女が先ほど口走った冗談半分本気半分の言葉と因果があるのかはわからない。 しかし、そんなことを考えている暇はない。とにかく食べたい、人間の脳みそ。 さぞやプリプリとして美味しい脳みそが、その綺麗な形の頭部の中に詰まっているに違いない。 ジュルリと唾液を飲み込むと、モーショボーはアクセルを全開にしてその少女へと飛びつく。 「いっただっきまーす♪」 真っ赤な唇を鋭い嘴へと変貌させ、その小さく未発達な頭蓋骨へと突き刺し、砕く。 そして顕になったピンク色の脳みそを上品に口へ運び、その濃厚で甘美な味の感想を述べ……。 ……と思ったのだが、それは水銀の悪魔によって邪魔された。 「ちょ、ちょっと待って! このモンスターは人間じゃないよ!」 「なんで邪魔するのー! モーショボーはお腹がすいてるのー!」 はぐれメタルは少女の頭に覆い被さって、モーショボーの嘴から身を守った。 思い切りつついても、その鉛のような塊には傷一つ付けられない。 それでもって、引き剥がそうと端を持ち上げようとするも、水を掴むかのように手応えが感じられない。 「少し話を聞いて! この子は多分ジェリーマンとかの仲間だと思うんだ。変身が出来……」 「いいからどいてよー!」 モーショボーは話をせき止め、一度宙へと舞い上がった。 そして呪文を詠唱、己の体を中心に魔法陣が発生、そうして黒髪の翼を思い切り羽ばたかせ、風の刃を巻き起こす。 「マハザンッ!!」 彼女は魔力には多少の自信があった。彼女にとって護身用に近いこの魔法も、それなりの威力を持っている。 いくら金属の肉体を持っていたとしても、まともに喰らえば悲鳴を上げるはずだ。 はぐれメタルはバネの形になってスプリングで飛び上がり、そこで体を大きく広げた。 それはまるでシェルターのように……いや、そのものだと言えよう。 ―――ミス! はぐれメタルにダメージをあたえられない! 次々に飛んでくる風の刃を完璧に受け止めていく。 そう、彼のメタルボディは物理攻撃以外のもの……魔法も技も何もかも、一切通用しないのだ。 マダンテだろうと、アルテマだろうと、だいばくはつであろうと、ジハードだろうと、与えられるダメージは等しくゼロ。 彼女のマハザンであろうと、当然同じ結果となる。 2回程唱えたところで無意味を悟った。 「もういい! キライ!!」 純粋に食事の邪魔をするだけの存在に腹を立てて、モーショボーは踵を返す。 自分に襲いかかるでもないただの障害物、かかわり合いになるだけ無駄だろう、と思った。 「行かないで! お願いだから、話を聞いて欲しいんだよー!」 それなのに水銀野郎から呼び止めてきた。 「うるさい! 話聞きたくない!」 「お姉ちゃん、回復魔法って持ってたりする?」 「持ってるけど何?」 「あの女の子にかけてもらえないかなぁ……」 「なんでそんなことしなくちゃいけないの!?」 「……どうしてあの女の子をそんなに殺したがってるの? お姉ちゃんは、殺し合いに乗ってるの……?」 「だーかーらー! モーショボーは人間の脳みそが食べたいだけなのー!」 「だってあの女の子、人間じゃないんだもん。人間に化けれるモンスターで……」 「でも姿が人間なら、味もそうかもしれないじゃん!」 「そんなことないと思うんだけどなぁ……」 「少しでも可能性があるなら食べたいのー!」 怒鳴りつけるように主張するモーショボー。 それに対しはぐれメタルは、よくわからないと言った顔を浮かべた。 「なんていうか……どうしてもその大好物が食べれないとダメなの?」 「だってモーショボーの生き甲斐なんだもん」 「……い、生き甲斐……?」 モーショボーはそこ深く息を吐いて、少しだけ冷静さを取り戻す。 「硬くて強~い水銀君にはわからないかもしれないけどね、モーショボーたちって強くない悪魔なの。  だから魔獣に捕まって食い殺されたり、強い悪魔に襲われてひどい目に合わされたりする。  ホント、いつ自分が殺られるかって不安をずっと持ちながら生きてるの。  そんな中で、人間の脳みそを食べてる時が一番幸せで、それをまた食べたいから生きてるようなもんなの」 「そんなに不幸だったなんて……」 「ふん、まぁちょっとオーバーかもねー。でもどうせもうすぐ死ぬんなら、最後に食べたいなーって思うの。ねぇ、ダメ?」 「……で、でも……」 はぐれメタルは言葉に困った。 確かに自分も、この殺し合いで最後まで生き残れる自信があるかといえば、正直あるとは言えない。 モーショボーもきっとそうなのだろう。自分は最後まで勝ち残れないと自覚している。 だから彼女は、せめて生きている間にささやかな幸せを噛み締めたいのだと願った。 果たしてそんな願いを、僕が軽々しく止めていいというのだろうか? 「人間の脳みそそのものの味じゃなくてもいい、それに少し近ければ無理やりにでも満足するつもりだから。  だからお願い。そこからどいて、その子の脳みそを食べさせて欲しいんだけど……」 「……やっぱりダメだよ」 どうしてもこのピンクのモンスターを殺させたくなかった。 こんな惨状の中でボロボロになって生き延びたんだ。 せっかく生きていられたというのに、見殺しにするなんてあんまりじゃないか……。 「わからず屋……」 「いや、わかるよ。モーショボーさんと同じように、いつ死ぬかわからない日々を過ごしてきたから」 「ふぅん」 「僕もいつも人間たちに命を狙われてて、いつもみんなして逃げ回ってる。  もちろんたまに逃げられずに死んじゃう仲間もいる。  よっぽど運の良いはぐれメタルを除いて、ほとんどの仲間たちは誰かの経験値となって終わっちゃうと思う」 「だったらせめて生きている間に楽しい事をしたいじゃん。  辛い思いをしながら無駄に生き延びるよりも、短い間を謳歌できれば……」 「少し前まではそう思ったかもしれない。でも、今は違うんだよ。  僕は生き延びることを無駄だって思ってないんだ。生きていたいんだ」 「……どうして生きていたいの?」 「ついさっき僕が助けられなかった、コイキングさんに約束されたんだ。生きて欲しいって……」 僕は他の仲間たちみたいに、『劇的な出来事』を一度は体験したいなって思ってた。 短い一生のうちに、ドラマチックな体験を、自分が大きく変わる瞬間を味わいたいと。 「生き残って、コイキングさんがいたことをみんなに伝えて欲しいって、託されたんだ。  だから僕は死ぬつもりはないよ。例え逃げることしか出来なくても、諦めたりしない」 僕だけでも逃げれるように、自分から犠牲になる道を選んだコイキングさん。 もしも僕がコイキングさんの立場だったとしたら、あんな選択をする勇気はあっただろうか。 多分、無いと思う。だって死ぬのが怖いんだから。 でもコイキングさんは違ったんだ。出会ったばかりの僕のために命を投げ出すことが出来たんだ。 救えることが出来なかったのがすごく悲しくてすごく辛いけど、あんなにカッコイイお魚さんはきっと他にいないだろう。 あの姿を見せられて、何も変わらないわけがない。 ずっと焦がれていた、ずっと求めていた『劇的な出来事』は訪れた。 僕が死ぬ前に一度は体験したいこと、それは叶った。 でも僕はまだまだ死にたくない。 叶うと同時に、僕には『生きる目的』が出来たんだから。 だから僕はまだまだ生きていたい。 「……水銀君はいいよね、そうやって希望が持ててさー……。  どーせあの魔人にでも殺されちゃうよ、みんな。絶対勝てないと思う」 「もしかしてモーショボーさんも、誰かを殺されたんですか」 「そうだけど……。別にぃ、元々いざって時に切り捨てるつもりだったもん」 平然とした口調で言い放つモーショボーの顔は、その言葉とは裏腹に暗いものであった。 自分が生き残れるのならば他人がどうなろうと知ったことではない。 それでも、逃げることしか出来ない自分を情けなく思った。 弱肉強食の世界で強く居られない自分に嫌気がさしていた。 アリスに見つかった時の恐怖、ケルベロスに殺気をぶつけられた時の畏怖、目の前で仲間が殺される時の絶望。 「どうすればいいんだろう。どっちにしろ最初から勝目なんてない。どうせ死んじゃうな」 「だったら逃げよう!」 「どこへ?」 「この島から逃げるんだ! 勝てないならば逃げてしまえばいいんだよ!  そうすればここで戦って死ぬこともないし、モーショボーさんも生きて帰れれば本物の人間の脳みそも食べられるでしょ?」 「でも、島から逃げたら殺されるってモリーが言ってたじゃん」 「あ、そうだった……えっ、じゃあ、殺されないで済む方法を考え……」 「水銀君、今の勢いだけで言ったでしょー」 「ご、ごめん……」 勢いだけで言うもんじゃなかった、と反省した。 逃げるにしてもモリーの言う『死の呪い』をどうにかする必要がある。 いや、何よりもどうやって海を渡るべきかも考えなくてはならない。 「呪い解く方法もわかんないし、どうやって逃げればいいかわかんないしー。  そんな簡単に上手くいかないと思うよ。あんまり希望を抱きすぎると後でガッカリするよー?」 はぐれメタルがたった今巡らせた考えを見透かして、呆れ顔でため息をつく。 そうしてモーショボーは灰の上にストンと着地し、桃色の髪の少女へと近づいていく。 「ま、待って……」 「ちょっとどいて。食べないから」 モーショボーは右手を少女に突き付けて、ぶつぶつと呪文を詠唱した。 「ディアラマ」 放たれた光が、少女のボロボロになった肌が、立ちどころに修復していく。 それと同時に荒かった呼吸が整い、顔も穏やかなものへと変わっていった。 「でもきっと何も考えずに戦うよりも、生き延びられる可能性は高いかもねー」 はぐれメタルはモーショボーの行動に少しだけ驚いたが、すぐに感謝した。 「あ、ありがとう」 「キャハハハハ、それじゃあ水銀君さー。  モーショボーがちゃんとした人間の脳みそが食べられる時まで守ってほしいんだー。いいよね?」 「いいけど……僕に出来るか自信ないなぁ」 「うん、そんなに期待してないから大丈夫だよー」 「えーっ……」 【B-6/草原/一日目/午後】 【モーショボー@女神転生シリーズ】 [状態]:MP消費(小) [装備]:なし [所持]:ふくろ(中身は不明) [思考・状況] 基本:生き残る  1:はぐれメタルと行動する 【はぐれメタル@ドラゴンクエストシリーズ】 [状態]:健康 [装備]:なし [所持]:ふくろ、スリースターズ@ファイナルファンタジーⅥ [思考・状況] 基本:殺し合いには乗りたくない 1:モーショボーと行動。ピンクのモンスター(メタモン)も連れて行く  ◆ 見事に変身した私を見て、女の子は拍手をした。 他の皆もスゴイって賞賛してくれた。思わず照れる。 そうしているうちに夕日は沈んで、オレンジ色の空が薄暗くなってくる。 おうちの電気が暖かそうに灯される。女の子もおうちに帰る時間。 もっと一緒にいたいけれど、私もとっても眠くなってきた。 幸せの光に包まれて、なんだか重かった体が、ふわふわと軽くなったような気がした。 今日はとっても遊び疲れちゃった。 このままふわふわに身を預けて、寝てしまおう。 目が覚めればきっと、楽しい明日が待っているんだ……。 【メタモン@ポケットモンスターシリーズ】 [状態]:意識無し、疲労(小)、能力低下 [装備]:なし [所持]:ふくろ(中身なし) [思考・状況] 基本:みんなを笑顔にして、幸せにする  1:殺すことは仕方ないこともあるかもしれないけれど、そうでなかったら反論する  2:”ともだち”をつくる  3:アリスが気にかかる 《支給品紹介》 【スリースターズ@ファイナルファンタジーⅥ】 身につけるとあらゆる魔力の消費を「1」で抑えることが出来る道具。 多分☆が3つ並んだ見た目だと思われる。 |No.49:[[show me your brave heart]]|[[投下順]]|No.51:[[駆け抜けてBlue]]| |No.30:[[迷い生きる獣達]]|はぐれメタル|No.66:[[~チカラ~]]| |No.28:[[歪みの国のアリス]]|メタモン|No.66:[[~チカラ~]]| |No.33:[[タチムカウ-狂い咲く己の証明-]]|凶鳥モーショボー|No.66:[[~チカラ~]]|
それはいつもの何気ないありふれた光景。 温かい風がそよぐ育て屋さんの広いお庭で、ポケモンたちと仲良く遊ぶ日常。 あの女の子も綺麗な桃色の髪を揺らしながら、私たちと一緒に遊びを楽しむ。 その様子を微笑ましそうに見守るご主人様と育て屋のおじいさん。 芝生の上で追いかけっこ、日だまりの下で水遊び。 おばあさんがおやつを持ってきたので、みんなでワイワイしながら少し休憩。 食べ終わったらまた遊びの続き、今度はボールを一番遠くへ投げたら勝ちゲーム。 私はオクタンに変身して思いっきり発射、場外まで飛んでいって見事に優勝。 夕焼けの中でキラーンと星になったボールを見て、みんなして笑った。 「メタモンって色んなポケモンに変身出来るんだよね」 うん、すごいでしょ! 実はね、私もっともっと凄いのに変身出来るようになったんだよ。 「え、本当? 見せて見せて!」 もちろん! それじゃ、さっそく変身するね! 「あ、じゃああたし合図するね!」 オッケー! じゃあ合図をお願い。行くよー。 「メタモン、チェンジ!」 私は体をくねらせて、目の前の女の子の姿に変身する。 どう、人間の姿にもなれるようになったんだよ。  ◆ 目に映るのは一面真っ白な大地。 草木の緑も、土の茶色も、すべて白一色に染まっている。 それに対比するかの如く散らばる木々の枝が真っ黒。 そんな感じのモノクロームな光景。 写真にするとしたらカラーにする必要が無いだろう。それほどまでに色彩は皆無であった。 とはいっても、これは決して雪景色のような美しいものと一緒くたにしてはいけない。 これは全て、灰と炭によって構成された風景なのだから。 数時間前にアリスが放ったトリスアギオンは森林の一区間を骸骨の如く変えてしまった。 命の息吹や自然のエネルギーが完全に破壊の炎へと昇華し、自然環境は根こそぎ消失している。 「キャハハハ、こりゃ酷い有り様だねー」 モーショボーはその風景を眺めると、魔界で見た荒れ地の光景を彷彿した。 この惨状はどーせあの魔人がやったんだろう、と推測する。 他にこれだけの力を持つ悪魔がいないとも限らないが、そこまで考えるのは出会してからで良い。 「ガブリアスとケルベロスが、アリス倒してくれちゃえばいいんだけどなー」 あの飛び抜けた脅威さえいなければ、少なくとも早々に死ぬ危険性も減るのだが。 ……所詮それは願望でしかない。十中八九、彼らはアリスによって殺されていると思う。 ガブリアスのような戦力的に優れていて、それでいて自分に協力してくれる変わり者に出会えればいいのだが。 「……これ、生き残れるのかなー……?」 そんな都合よくそういう者に出会える可能性は限りなく低いだろう。 だいたい、ガブリアス並の強さでは結局アリスという壁の前に破れ去るのは目に見えているのだ。 少なくとも彼以上に強い者でなくては話にならない。 そういう悪魔、またはポケモンに運良く出会い、協力してもらえればいい。 そうすればモーショボーは生き残ることが出来る……。 「キャハハハハ、流石にそんな上手くいくわけないかー」 考えを巡らせるのがあまりにもバカバカしくなって、モーショボーは笑っていた。 そんな何もかもトントン拍子で物事が進むはずが無い。楽天家にも程がある。 何より、どうしてそんな淡い希望を抱く必要があったのか。 自分は何のために生き延びたいと思っていたのか……。 その疑問を抱いた時に、心の中に冷たいものが過ぎった。 「……あれ、何が楽しくて生きているんだっけ?」 自分は深く考えずにただ生き残りたい、生き残りたいと自然に考えていた気がする。 死ぬのが怖いから? 痛いのが嫌だから? いや、そんな理由で無為に生きてきたのだろうか。 ……そうだ、人間の脳みそをもっと食べたいからじゃないのか? そうじゃん! まさにそれだ。あの体の底からとろける様な甘美な味をもっと味わいたい。 そのために私は生きている、そうに違いない。いや、まさにそれだ。 ―――ということは。 ―――ここに呼ばれた時点で、もう二度と食べられないってわけだよね。 「キャハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」 あぁ、可笑しい。だったらもう生きる必要が無くなっちゃったじゃん。  ◆ ちょっと涙で視界がボヤけたかと思えば、いきなり景色が変わってて驚いた。 そりゃあ超速で移動していると、まばたき一つする間に景色は大きく変わるものではある。 でも、まさか緑から白へガラっと変わるだなんて予期出来るわけないじゃん。 そんなわけだから一旦走るのを止め、はぐれメタルは周囲をじっくりと見回す。 「……この辺一体、まるごと焼き尽くされてるのか。どんな技が使われたんだろう……」 巨大なドラゴンが灼熱の火炎を吐きながら暴れる姿を想像して身震いをする。 この近くにそんな恐ろしいモンスターが彷徨いているとしたら……。 「早くここから離れた方がいいかな……」 と、そそくさと惨状の中を通り過ぎようと足を進めた。 その時に視界に自分と同じような体型のモンスターの姿が映った。 ピンク色のスライムのようなモンスターが、灰の上に横たわっている。 「だ、大丈夫っ?」 はぐれメタルはすぐさま駆け寄って様子を見る。 少なくとも、これまで会ったことのない種族のスライムだった。 普通のスライムほど形がしっかりしておらず、バブルスライムほど液状でもない。 体には透明感は無く、例えるならば粘土のそれに近かった。 ドロヌーバとかジェリーマンとか、その辺りの仲間なのかもしれない。 全身は火傷したように爛れており、呼吸も苦しそうなものとなっている。 すぐにでも治療しなくてはいけない、何か薬草か何かがあれば……。 あいにく自分に支給された道具は『スリースターズ』という、魔力の消費を極端に抑えられるというアクセサリー。 使用者によっては強力であるものの、回復呪文も無く、攻撃呪文も貧弱な自分には役不足な道具であった。 「とにかく、薬草が生えてそうな場所へ連れて行かなくちゃ」 ここに置いておくよりも、連れて行って薬草を探す方が安全だろう。 そう思ってピンクのモンスターを背中に乗っけて、ササッと森林へと向かう。 「キャハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」 その時ふと、女の子の笑い声が聞こえた。 無視して森へ向かうわけにも行かず、その声の方へ進む。 そこにいたのは長い黒髪を羽ばたかせながら宙に浮かぶ着物の するとそこには、美しい黒髪を翼のように羽ばたかせて宙に浮かぶコートを纏った少女がいた。 「あ、あのー……」 「んー?」 「キミは人間っぽいけど、モンスターだよね……?」 その質問に対する返事はすぐには帰ってこなかった。 着物の少女ははぐれメタルの姿をじーっと眺め、背中にのっているピンクのモンスターを眺め、そして。 「チェンジ!」 「えっ!?」 唐突にそんなことを言われて、はぐれメタルは唖然とした。  ◆ それがきっかけとなり、不思議なことが起こる。 ピンクのモンスターが突然体をくねらせたかと思うと、その形状が、形質が、体躯すらが変貌し始めた。 そうしてはぐれメタルの上に横たわっているのは、桃色の頭髪を持った10歳くらいの少女となった。 モンスターの状態と変わらず、全身はボロボロで気絶したままだった。 それをみたモーショボーは瞳をキラキラと輝かせた。 目の前にとても新鮮な人間の少女がいるのだ。願ってもない食料。 彼女が先ほど口走った冗談半分本気半分の言葉と因果があるのかはわからない。 しかし、そんなことを考えている暇はない。とにかく食べたい、人間の脳みそ。 さぞやプリプリとして美味しい脳みそが、その綺麗な形の頭部の中に詰まっているに違いない。 ジュルリと唾液を飲み込むと、モーショボーはアクセルを全開にしてその少女へと飛びつく。 「いっただっきまーす♪」 真っ赤な唇を鋭い嘴へと変貌させ、その小さく未発達な頭蓋骨へと突き刺し、砕く。 そして顕になったピンク色の脳みそを上品に口へ運び、その濃厚で甘美な味の感想を述べ……。 ……と思ったのだが、それは水銀の悪魔によって邪魔された。 「ちょ、ちょっと待って! このモンスターは人間じゃないよ!」 「なんで邪魔するのー! モーショボーはお腹がすいてるのー!」 はぐれメタルは少女の頭に覆い被さって、モーショボーの嘴から身を守った。 思い切りつついても、その鉛のような塊には傷一つ付けられない。 それでもって、引き剥がそうと端を持ち上げようとするも、水を掴むかのように手応えが感じられない。 「少し話を聞いて! この子は多分ジェリーマンとかの仲間だと思うんだ。変身が出来……」 「いいからどいてよー!」 モーショボーは話をせき止め、一度宙へと舞い上がった。 そして呪文を詠唱、己の体を中心に魔法陣が発生、そうして黒髪の翼を思い切り羽ばたかせ、風の刃を巻き起こす。 「マハザンッ!!」 彼女は魔力には多少の自信があった。彼女にとって護身用に近いこの魔法も、それなりの威力を持っている。 いくら金属の肉体を持っていたとしても、まともに喰らえば悲鳴を上げるはずだ。 はぐれメタルはバネの形になってスプリングで飛び上がり、そこで体を大きく広げた。 それはまるでシェルターのように……いや、そのものだと言えよう。 ―――ミス! はぐれメタルにダメージをあたえられない! 次々に飛んでくる風の刃を完璧に受け止めていく。 そう、彼のメタルボディは物理攻撃以外のもの……魔法も技も何もかも、一切通用しないのだ。 マダンテだろうと、アルテマだろうと、だいばくはつであろうと、ジハードだろうと、与えられるダメージは等しくゼロ。 彼女のマハザンであろうと、当然同じ結果となる。 2回程唱えたところで無意味を悟った。 「もういい! キライ!!」 純粋に食事の邪魔をするだけの存在に腹を立てて、モーショボーは踵を返す。 自分に襲いかかるでもないただの障害物、かかわり合いになるだけ無駄だろう、と思った。 「行かないで! お願いだから、話を聞いて欲しいんだよー!」 それなのに水銀野郎から呼び止めてきた。 「うるさい! 話聞きたくない!」 「お姉ちゃん、回復魔法って持ってたりする?」 「持ってるけど何?」 「あの女の子にかけてもらえないかなぁ……」 「なんでそんなことしなくちゃいけないの!?」 「……どうしてあの女の子をそんなに殺したがってるの? お姉ちゃんは、殺し合いに乗ってるの……?」 「だーかーらー! モーショボーは人間の脳みそが食べたいだけなのー!」 「だってあの女の子、人間じゃないんだもん。人間に化けれるモンスターで……」 「でも姿が人間なら、味もそうかもしれないじゃん!」 「そんなことないと思うんだけどなぁ……」 「少しでも可能性があるなら食べたいのー!」 怒鳴りつけるように主張するモーショボー。 それに対しはぐれメタルは、よくわからないと言った顔を浮かべた。 「なんていうか……どうしてもその大好物が食べれないとダメなの?」 「だってモーショボーの生き甲斐なんだもん」 「……い、生き甲斐……?」 モーショボーはそこ深く息を吐いて、少しだけ冷静さを取り戻す。 「硬くて強~い水銀君にはわからないかもしれないけどね、モーショボーたちって強くない悪魔なの。  だから魔獣に捕まって食い殺されたり、強い悪魔に襲われてひどい目に合わされたりする。  ホント、いつ自分が殺られるかって不安をずっと持ちながら生きてるの。  そんな中で、人間の脳みそを食べてる時が一番幸せで、それをまた食べたいから生きてるようなもんなの」 「そんなに不幸だったなんて……」 「ふん、まぁちょっとオーバーかもねー。でもどうせもうすぐ死ぬんなら、最後に食べたいなーって思うの。ねぇ、ダメ?」 「……で、でも……」 はぐれメタルは言葉に困った。 確かに自分も、この殺し合いで最後まで生き残れる自信があるかといえば、正直あるとは言えない。 モーショボーもきっとそうなのだろう。自分は最後まで勝ち残れないと自覚している。 だから彼女は、せめて生きている間にささやかな幸せを噛み締めたいのだと願った。 果たしてそんな願いを、僕が軽々しく止めていいというのだろうか? 「人間の脳みそそのものの味じゃなくてもいい、それに少し近ければ無理やりにでも満足するつもりだから。  だからお願い。そこからどいて、その子の脳みそを食べさせて欲しいんだけど……」 「……やっぱりダメだよ」 どうしてもこのピンクのモンスターを殺させたくなかった。 こんな惨状の中でボロボロになって生き延びたんだ。 せっかく生きていられたというのに、見殺しにするなんてあんまりじゃないか……。 「わからず屋……」 「いや、わかるよ。モーショボーさんと同じように、いつ死ぬかわからない日々を過ごしてきたから」 「ふぅん」 「僕もいつも人間たちに命を狙われてて、いつもみんなして逃げ回ってる。  もちろんたまに逃げられずに死んじゃう仲間もいる。  よっぽど運の良いはぐれメタルを除いて、ほとんどの仲間たちは誰かの経験値となって終わっちゃうと思う」 「だったらせめて生きている間に楽しい事をしたいじゃん。  辛い思いをしながら無駄に生き延びるよりも、短い間を謳歌できれば……」 「少し前まではそう思ったかもしれない。でも、今は違うんだよ。  僕は生き延びることを無駄だって思ってないんだ。生きていたいんだ」 「……どうして生きていたいの?」 「ついさっき僕が助けられなかった、コイキングさんに約束されたんだ。生きて欲しいって……」 僕は他の仲間たちみたいに、『劇的な出来事』を一度は体験したいなって思ってた。 短い一生のうちに、ドラマチックな体験を、自分が大きく変わる瞬間を味わいたいと。 「生き残って、コイキングさんがいたことをみんなに伝えて欲しいって、託されたんだ。  だから僕は死ぬつもりはないよ。例え逃げることしか出来なくても、諦めたりしない」 僕だけでも逃げれるように、自分から犠牲になる道を選んだコイキングさん。 もしも僕がコイキングさんの立場だったとしたら、あんな選択をする勇気はあっただろうか。 多分、無いと思う。だって死ぬのが怖いんだから。 でもコイキングさんは違ったんだ。出会ったばかりの僕のために命を投げ出すことが出来たんだ。 救えることが出来なかったのがすごく悲しくてすごく辛いけど、あんなにカッコイイお魚さんはきっと他にいないだろう。 あの姿を見せられて、何も変わらないわけがない。 ずっと焦がれていた、ずっと求めていた『劇的な出来事』は訪れた。 僕が死ぬ前に一度は体験したいこと、それは叶った。 でも僕はまだまだ死にたくない。 叶うと同時に、僕には『生きる目的』が出来たんだから。 だから僕はまだまだ生きていたい。 「……水銀君はいいよね、そうやって希望が持ててさー……。  どーせあの魔人にでも殺されちゃうよ、みんな。絶対勝てないと思う」 「もしかしてモーショボーさんも、誰かを殺されたんですか」 「そうだけど……。別にぃ、元々いざって時に切り捨てるつもりだったもん」 平然とした口調で言い放つモーショボーの顔は、その言葉とは裏腹に暗いものであった。 自分が生き残れるのならば他人がどうなろうと知ったことではない。 それでも、逃げることしか出来ない自分を情けなく思った。 弱肉強食の世界で強く居られない自分に嫌気がさしていた。 アリスに見つかった時の恐怖、ケルベロスに殺気をぶつけられた時の畏怖、目の前で仲間が殺される時の絶望。 「どうすればいいんだろう。どっちにしろ最初から勝目なんてない。どうせ死んじゃうな」 「だったら逃げよう!」 「どこへ?」 「この島から逃げるんだ! 勝てないならば逃げてしまえばいいんだよ!  そうすればここで戦って死ぬこともないし、モーショボーさんも生きて帰れれば本物の人間の脳みそも食べられるでしょ?」 「でも、島から逃げたら殺されるってモリーが言ってたじゃん」 「あ、そうだった……えっ、じゃあ、殺されないで済む方法を考え……」 「水銀君、今の勢いだけで言ったでしょー」 「ご、ごめん……」 勢いだけで言うもんじゃなかった、と反省した。 逃げるにしてもモリーの言う『死の呪い』をどうにかする必要がある。 いや、何よりもどうやって海を渡るべきかも考えなくてはならない。 「呪い解く方法もわかんないし、どうやって逃げればいいかわかんないしー。  そんな簡単に上手くいかないと思うよ。あんまり希望を抱きすぎると後でガッカリするよー?」 はぐれメタルがたった今巡らせた考えを見透かして、呆れ顔でため息をつく。 そうしてモーショボーは灰の上にストンと着地し、桃色の髪の少女へと近づいていく。 「ま、待って……」 「ちょっとどいて。食べないから」 モーショボーは右手を少女に突き付けて、ぶつぶつと呪文を詠唱した。 「ディアラマ」 放たれた光が、少女のボロボロになった肌が、立ちどころに修復していく。 それと同時に荒かった呼吸が整い、顔も穏やかなものへと変わっていった。 「でもきっと何も考えずに戦うよりも、生き延びられる可能性は高いかもねー」 はぐれメタルはモーショボーの行動に少しだけ驚いたが、すぐに感謝した。 「あ、ありがとう」 「キャハハハハ、それじゃあ水銀君さー。  モーショボーがちゃんとした人間の脳みそが食べられる時まで守ってほしいんだー。いいよね?」 「いいけど……僕に出来るか自信ないなぁ」 「うん、そんなに期待してないから大丈夫だよー」 「えーっ……」 【B-6/草原/一日目/午後】 【モーショボー@女神転生シリーズ】 [状態]:MP消費(小) [装備]:なし [所持]:ふくろ(中身は不明) [思考・状況] 基本:生き残る  1:はぐれメタルと行動する 【はぐれメタル@ドラゴンクエストシリーズ】 [状態]:健康 [装備]:なし [所持]:ふくろ、スリースターズ@ファイナルファンタジーⅥ [思考・状況] 基本:殺し合いには乗りたくない 1:モーショボーと行動。ピンクのモンスター(メタモン)も連れて行く  ◆ 見事に変身した私を見て、女の子は拍手をした。 他の皆もスゴイって賞賛してくれた。思わず照れる。 そうしているうちに夕日は沈んで、オレンジ色の空が薄暗くなってくる。 おうちの電気が暖かそうに灯される。女の子もおうちに帰る時間。 もっと一緒にいたいけれど、私もとっても眠くなってきた。 幸せの光に包まれて、なんだか重かった体が、ふわふわと軽くなったような気がした。 今日はとっても遊び疲れちゃった。 このままふわふわに身を預けて、寝てしまおう。 目が覚めればきっと、楽しい明日が待っているんだ……。 【メタモン@ポケットモンスターシリーズ】 [状態]:意識無し、疲労(小)、能力低下 [装備]:なし [所持]:ふくろ(中身なし) [思考・状況] 基本:みんなを笑顔にして、幸せにする  1:殺すことは仕方ないこともあるかもしれないけれど、そうでなかったら反論する  2:”ともだち”をつくる  3:アリスが気にかかる 《支給品紹介》 【スリースターズ@ファイナルファンタジーⅥ】 身につけるとあらゆる魔力の消費を「1」で抑えることが出来る道具。 多分☆が3つ並んだ見た目だと思われる。 |No.48:[[無色透明の]]|[[時系列順]]|No.52:[[そんなものはない]]| |No.49:[[show me your brave heart]]|[[投下順]]|No.51:[[駆け抜けてBlue]]| |No.30:[[迷い生きる獣達]]|はぐれメタル|No.66:[[~チカラ~]]| |No.28:[[歪みの国のアリス]]|メタモン|No.66:[[~チカラ~]]| |No.33:[[タチムカウ-狂い咲く己の証明-]]|凶鳥モーショボー|No.66:[[~チカラ~]]|

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