三眼魔闘記 2

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(あの悪魔は・・・・) 実は俺は、悪魔についての知識がほかより多い。 半魔である親父からたくさん話を聞かされたからだ。 あの悪魔は、グールピッグ。豚のゾンビだ。再生能力が以上に高く、火炎系の攻撃で燃やしつくすしか殺す方法は無い。 つまり、かなりの強敵だ。 「「「キャーーー」」」 突然の乱入者に体育館内の人々は、パニックに陥っている。 我先に逃げようとした人で出入り口は詰まっている。 悲鳴が体育館を揺らす。 一方豚ゾンビは悠然と歩いていき、唖然として涙も流さずただ立っている男の子を捕まえた。 首を持って体を持ち上げ、黄色い唾液が滴る口に押し込んだ。 吹き出す血、男の子の恐怖の顔、目に焼きついて離れない。 ―――そのときだった。
(あの悪魔は・・・・) 実は俺は、悪魔についての知識がほかより多い。 半魔である親父からたくさん話を聞かされたからだ。 あの悪魔は、グールピッグ。豚のゾンビだ。再生能力が以上に高く、火炎系の攻撃で燃やしつくすしか殺す方法は無い。 つまり、かなりの強敵だ。 「「「キャーーー」」」 突然の乱入者に体育館内の人々は、パニックに陥っている。 我先に逃げようとした人で出入り口は詰まっている。 悲鳴が体育館を揺らす。 一方豚ゾンビは悠然と歩いていき、唖然として涙も流さずただ立っている男の子を捕まえた。 首を持って体を持ち上げ、黄色い唾液が滴る口に押し込んだ。 吹き出す血、男の子の恐怖の顔、目に焼きついて離れない。 当の俺は・・・あの男の子と同じように立ち尽くしていた。 運が良かったのか豚ゾンビは俺とは反対の方向に進んでいる。 出入り口は、と首を動かしてみると、何とか大半の人が脱出に成功したようだ。あと1分足らずで全員が脱出するだろう。 しかし、なぜ俺は逃げ出さないのか。訳を説明しよう。 それは、初めて本物の悪魔と会ったせいか、まがい物の紅眼が疼き始めて、思うように手足が動かせないからだ。 体に微量ながら魔力が流れる。 息が荒くなって体が痙攣を起こす。 極限状態のなか、もう一度豚ゾンビを見ると・・・ しまった。眼があってしまった。どうやらやつは、男の子をたっぷりと味わって、さて次の獲物は、と 辺りを見回したところだったらしい。 ゆっくりとこっちに向かってくる。もう一度周りを見回すと、もう誰もこの体育館にはいなかった。 「グルルル・・・グルラァッ!」 次の獲物を見つけた勝利の叫びだ。汚い唾液が飛び散る。 俺は無駄だとわかっていても、叫ばずにはいられない。 「助けてくれぇぇぇぇ。死にたくないんだぁぁぁぁぁぁぁ。」 やつはどんどん近づく。あと10mをきった。 間近で見ると恐怖が増す。 ついに目の前まで来た。やつはニッと笑うと、俺の首に手を伸ばす。俺は声も出せなかった。

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