1スレ目>>851~>>856

世界同時多発的超常現象群によって、世界の常識は覆された。
 
世界には未知の不思議が、魔法が、神様が、悪魔が、異形が、宇宙人が溢れかえった。
 
世界中で緊急状態が発令された、世界中で銃火器の制限が少し解除された。
 
だが、思っていた以上に平穏は粘り強く、且つ丈夫に世界にへばりついていた。
 
П「特殊分類問題群が大脱走、研究事務所の核爆発によって判明」
 
茄子「あら、物騒な話ですねぇ」
 
П「お前ら神様は一体何をしてるんだ、最近は悪魔だの、ヒューマンカースだの、何かよくわからない宇宙人だとかはびこりすぎだろ」
 
茄子「そんなこと言われてましてもー、それに特殊分類問題群はアメリカの話ですから私達日本の神様には関係ありませんよ?」
 
手に持っていた神様の新聞(茄子の購読紙)を机の上に放り投げつつ、食後のお茶を啜る。
 
П「うーん、昆布茶」
 
茄子「あ、後で買い物行ってきますね?」
 
П「コンビニか」
 
茄子「勿論です」
 
茄子は何か鼻歌、それもやけにスローテンポで昔京都旅行で聞いたような、歌を歌いながら出て行った。
 
Пは苦い顔で見送った、何か最近茄子がインターネットでの買い物にハマっているらしく、外人らしき人物と謎のチャットを繰り広げて居たのがちらっと見えたからだ。
 
П(……嫌な予感しかしない)
 
 
家を出て鼻歌を歌いながら街とは逆方向のコンビニエンスストアに向かって、鼻歌を歌いながら歩いて行く。
 
ここのコンビニエンスストアは人が少なく、店員も面白い人が居るので何となく使うことにしている。
 
茄子「こんにちは!」
 
加蓮「……いらっしゃいませ~」
 
この人はどうやら、何かが体の中に入り込んで馴染んでいた人間のようです、Пさんの女子寮に寝泊まりしていると思われます。
 
どうやら日常の真っ昼間では暴れたりするようではないですし、そこまで危害性は薄いので放置します。
 
加蓮(……平日のこんな時間にこんなコンビニ使うんじゃないわよ……)
 
このようにアンニュイに、且つ明らかにイライラしているにもかかわらず、ちゃんと仕事をしているというのが哀愁を誘います。
 
私はふとこおら、ぽてちが食べたくなり、普段持たされている財布から小銭を確認しました。
 
茄子(あ、細かいのが多い)
 
ふとそう思いながら、お昼のオヤツと引き取り代金を手渡す。
 
加蓮(この中身は何なんだろう……やけに重いけど……)
 
茄子(ふふふ…それは内緒ですよー)
 
加蓮「え?」
 
茄子「3548円…ですよね?」
 
加蓮「え?あ、はい…?」
 
やけに重たい(勿論普通の人間基準ならば)1立法cmの箱に入った荷物を特殊軽量化バックに入れて、家に向かって歩く。
 
Пさんには黙っていたが、神様に各地の役割分担はあるが、必ずしも海外に知り合いの神様が居ない、とは言ってはいないのだ。
 
茄子(ふふふ…これは超全自動分解改良装置、コレでПさんの能力を使えば素敵な物ができるでしょうね)
 
 
家に到着し、Пは茄子が変な荷物を持っていることに気づき、今すぐ部屋から出て行こうか考え込んだ。
 
だが、この悪霊めいた―神様から逃れられた試しが有っただろうか?いや無い。
 
茄子「ふふふ…Пさん、今から世にも不思議な機械をご覧に入れましょう」
 
П「返して来なさい」
 
茄子「返す場所は核で吹き飛びましたよ?」
 
П「あ”!?もしかして今朝の新聞の場所か!?」
 
茄子「ふふふ…ではご紹介いたしましょう…これが超全自動分解改良装置です!」
 
そう言って居間の真ん中にダンボール状の……一見ただの普通のダンボールの蓋をとった瞬間、『中身がぐんぐんと広がり』始めたのだ!
 
П「お、おぉおああ!?」
 
茄子「じゃじゃーん!」
 
そうして目の前に現れたのは、人一人入れそうな公衆電話ボックスめいた箱が両脇についた、中心に5つの手動変更メモリのついた機械(?)だった。
 
П「バカヤロー!部屋を壊す気か!」
 
運動不足が祟って大した威力のない蹴りが、茄子のお尻に当たりベシッと地味に痛そうな音を出す。
 
茄子「あう、イタタ…後で移動しますから大丈夫ですよ…気を取り直して、まずここにぽてちが一袋あります!それを左側のボックスに入れます」
 
П「……おい、コレ爆発しないだろうな?」
 
茄子「勿論そんなはずは……無いですよ?そして真ん中のメモリをVery Fineに設定……と」
 
П「おいなんだそのメモ書き、ほんとうに大丈夫だろうな」
 
茄子「……スイッチオーン!」
 
П「おい聞けよ!」
 
 
薄汚れたような、機械が奇妙な歯車を回す音を立てて始動し始める。
 
何となく不安にかられ、一応脳内で対策を考えていると所謂歯車がゴリゴリ音を鳴らす音が止み始め……
 
П「……これは」
 
茄子「ふふふ…75gの『普通の』ぽてちが、75gの『リッチコンソメ』ポテチに早変わり!」
 
П「なんだこの、スゴイような凄くないような装置」
 
茄子「うーん、これだけでは凄さが少しわかりづらいですねー」
 
と、悩んでいる所に台所からガサゴソという変な異音が聞こえる。
 
ロボ『ふふふ…この家の食料の一部を玉ねぎに変えてやる…』ピッピッ
 
П『あのクソロボットを撃ちぬいて機能停止させろ』
 
次の瞬間手元からパシュンという乾いた音が響き、台所のよくわからないロボットの恐らく頭部、と思われる所に銃弾が突き刺さる。
 
ロボ『アガガ…ガガ…ガッピー!!』プスン
 
П「…なんだこのロボ」
 
茄子「うーん…ロボット?…あ、そうだПさん、この機械を使いましょう!」
 
П「……ほんとに大丈夫だろうな?」
 
手に持てる…驚くべき軽さのロボを挿入ボックスに投げ込み、メモリを回そうとして考えこむ。
 
П「Very Fineじゃなくて、COARSEでやってみるか」
 
茄子「あ、1:1以下のメモリは……」
 
メモリを回して機械を起動する、よく見ると機械の下部の無数の歯車が不審な起動音を立てて回っているのが見える。
 
茄子「あー……」
 
П「え?」
 
 
歯車の回転が止まり、中からはバラバラに成ったよくわからない機械部品の山が出てきた。
 
П「…え?」
 
茄子「まったくもー人の話を聞かないんですから」
 
П「え?俺が悪いの?……しょうがねぇな」
 
ロボだったものをもう一度ちり取りで掃き取り、挿入箱に投げ込む。
 
П「設定は…Very Fineでいいか」
 
茄子「じゃあ、私は向こうでぽてちを食べてますねー」
 
П(まさか壊したから賠償とかはないだろうな……)
 
メモリを回してスイッチを入れ起動する、中からギゴゴゴと歯車の音がし起動し、徐々に音が小さくなっていく。
 
П「…『最低限、元のロボの形をして動くようになれ』」
 
段々と歯車の回転音が消え、ドアが開くと……
 
П「…あれ?何もないぞ?」
 
妙なことに素材ごと中身が消えており、排出ボックスからは何も見つけ出せなかったのだった。
 
П「……見なかった事にしよう」
 
何となく気味が悪くなり、自宅の女子寮の掃除に出かけたのだった。
 
 
晶葉「…?ロボの電波はあるのに、姿が何処に」
 
シュウゥウゥゥ…クロークモード、オフという合成音声が流れ、見た目は自分が作った筈の、ロボットが姿を表した。
 
ロボ『只今帰還致しました!次のご命令を!』ピピピッ
 
晶葉「うわぁっ!?」
 
ロボ『映像記録になります!』ピピッ
 
次の瞬間、ロボの目から投影映像が壁に映し出される。
 
晶葉「ろ、ロボ!?」
 
明らかに自分の手入れした範疇を越して帰ってきたことに驚愕し、その映像の中に謎の家の映像を見つけるのだった。
 
晶葉(……能力者…?いや、だが発動の片鱗が見えない……第一映像の機械は何だ?)
 
その日晶葉は明らかに改造されたロボ(大体が改良だったが)を一度調査し、謎の家が気がかりになるのだった。
 
晶葉「……なんだこの規格」
 
勿論未知の、よくわからない規格も多数散見され、コレもまた晶葉の頭を悩ます原因となるのだった。

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最終更新:2013年06月26日 19:29