1スレ目>>561~>>565


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私が自分の能力に気がついたのはつい最近のことでした。
 
一週間前、教会に来ていた女性のグラスを割ってしまったのです。
 
しかもそのグラスは、女性の今は亡き大切な子の形見だったのです。
 
さらに、その女性はかなりヒステリックで、私も覚悟しました。
 
 
しかし、私は許されました。
 
 
以前から、私は怒られることがないな、と思っていました。
 
自分が良い子だから、とも思いましたが、あまりにも怒られませんでした。
 
しかし、この一件でわかりました。私には能力があると。
 
最近、特別な能力を持った人が増えてきているようですし、私もかもしれません。
 
 
『神の名の下に、なにをしても許される』
 
 
たぶん、これが私の能力
 
まだきちんとは試していません。
 
 
「ごちそうさまでした」
 
 
「おい、休んでないで食器運べ」
 
 
この方は神父様。小さいときから私とこの教会に通っていました。去年、神父様になりました。
 
この教会はきっちりしたものではなく、日曜日に集まって歌を歌いおしゃべりをするだけの自由なところです。
 
自由すぎてお金に困り、私はインディーズのアイドルとしてCDも出しました。自由ですよね。事務所は教会です。
 
 
「ほら、早く持って来い」
 
「神父様、今日の予定は何ですか?」
 
「そうだなぁ、買い物にいくぞ」
 
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そろそろ私の能力を試さなくてはいけませんね。
 
ちょうど手元に神父様から貰ったお茶のペットボトルがあります。
 
これを、そこにある交番に投げ込んでみましょう。われながらとんでもないことを思いついたものです。
 
あ、大事なことを忘れていました。
 
 
「お巡りさん、貴方は神を信じていますか?」
 
「えっ?えっと...信じていますけど」
 
 
一応確認です。神様を信じている人ならきっと大丈夫です。
 
 
ポイッ
 
 
「どうかされましたか?」
 
「い、いえ」
 
 
どうやら能力は本当みたいです。
 
...拾わなくちゃ
 
 
「ご、ごめんなさい」
 
「いえいえー」
 
 
「こら!なにやってんだクラリス!」
 
 
神父様には効果がないのでしょうか。
 
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買い物は順調に終わりました。
 
最近、いろいろと物騒なことが起こっているので心配でしたが、なにもなくてよかったです。
 
 
「神父様、そろそろ昼食の時間ですよ」
 
「お、そうか。じゃあどっかで食べるかな...牛丼にするか」
 
「牛丼...初めてです」
 
「え、うそっ」
 
「本当です」
 
 
世間知らずじゃないですよ、決して。
 
 
店内は良い匂いでいっぱいです。お腹が空いてきます。
 
食券を買って、席につくと、すぐに運ばれてきました。
 
...これは、なんでしょうか。
 
紅しょうが、と書いてありますね
 
...決して駄洒落ではありませんが...これは私の能力を試す良い機会のようです。
 
 
「うわっ、クラリス、そんなに紅しょうがのせるのか」
 
 
きっと、これだけの量を乗せれば高いに違いありません。
 
...もしもお金が足りなかったら...でも、今更紅しょうがを戻すわけにはいきません。
 
今は食べることに集中しましょう。
 
 
 
 
辛っ
 
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さて、審判の時間がきました。
 
神父様が会計に向かいます。あ、その前に...
 
 
「貴方は神を信じますか?」
 
「え?まあ、はい」
 
 
これで大丈夫なはずです。
 
 
「あ、会計お願いします」
 
「━━━━━円になります」
 
「あ、はいじゃあこれで━━━━━」
 
 
あ、どうやら終わったみたいですね...いったいいくらになったのでしょうか。
 
 
「よし、いくぞクラリス」
 
 
あれ、なにも言われません。
 
 
牛丼
   大盛 440円
   並盛 280円
 
 
 
 
 
   紅しょうが(いっぱい)  0円