4スレ目>>979~>>985


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名前: ◆yIMyWm13ls[saga] 投稿日:2013/07/27(土) 02:08:46.37 ID:Awc/TySc0 [2/10]
『氷よ!大いなる我が力に従い、全てを覆い隠せ!アイシクルケージ!』


裕美の前にかろうじて一人覆えるサイズの氷の檻が現れ狼のカースを閉じ込める。

裕美「…このくらいのサイズの檻なら一人でもなんとかなるんだけどな」

魔力自体が足りないのは分かっていた。

なにせ下級魔術ひとつ使うだけでも裕美にとってはかなりの量の魔力が持っていかれてしまう。

合唱魔術ではイヴの魔力をあてにして自分は制御に回れば良かったが一人となると話が変わる。

裕美「…まぁ、いいかな?」

無いものは仕方ない。持ってる物だけで戦うだけだ。

裕美は師匠に似て楽観的だった。

『氷よ!寄り集まりて針と化せ!』

イヴ「裕美ちゃん行きますよぉ~♪」

裕美「あ、はい!」

裕美が去った後には檻の中で無数の氷柱に核ごと貫かれた狼のカースが横たわっていた。

『冷気よ、大いなる我が力に従い、慈悲なきその力を宿せ~♪』

イヴが冷気の宿った箒で払うと端からカースが氷の彫像と化していく。

裕美「イヴさん今日は魔術使うんだ?」

イヴ「あんまり派手なのって目立つから苦手なんですけど…」

イヴ「やっぱり長年染み付いた習慣って残っちゃいますよねぇ~♪」

裕美「あはは、私そもそも魔術殆ど使えないし…」

イヴ「使わなくて済むくらい平和ならそのほうがいいんですけどねぇ~…」

イヴが嘆息する。

裕美「そういえば今日はなんで外に出たの?」

裕美「檻の修復もまだ余裕があったような…」

イヴ「…いえ、今日はちょっと調べなくちゃいけないことが…」

裕美「調べなくちゃいけないこと?」

イヴ「カースが減ってないんですよぉ~!」

イヴ「それどころか時々何か変な翼竜とかも飛んでるし動物を象ったカースとかも増えて動物園状態じゃないですかぁ~…」

裕美「そういえばさっきも狼の形のカースが居たよ?」


『むぅぅ…本当に困っちゃいますよねぇ!』

『さ、さくらちゃん!人が話してる所にいきなり割り込んじゃ駄目ですよ!』


裕美「…えと…どなたでしょうか?」

目の前には木製の大きな杖を持った少女とそれをしたためる女性。

さくら「よくぞ聞いてくれましたぁ!私は櫻井財閥からサポートに来た村松さくらでぇすっ!」

芽衣子「同じく財閥から来た並木芽衣子だよ」

紗南「……」

裕美「えっと、その子目が死んでないですか…?」

芽衣子「あはは…紗南ちゃん見たくないものを何度も見ちゃったから…」

裕美「…仕方ないですよね……」

この街の現状は酷いの一言に尽きたから芽衣子の言葉に裕美は心から納得した。

芽衣子「お二人は初期にこの街に突入したとのことですから多分これを持っていないんじゃないかと思ったので♪」

芽衣子は懐から一枚の地図を取り出し、イヴに手渡す。

イヴ「えっと…この印とバツ印はなんでしょう~?」

芽衣子「この街のカースの発生源です」

裕美「四ヶ所……?」

裕美「でも一箇所のバツ印は……?」

さくら「サナちゃんが調べたけど一箇所は誰かが潰しちゃったみたいでぇす!」

裕美「そうなんですか…あれ、その杖……?」

さくら「ふふふ、私はお二人と同じですが一流の魔法使いですよぉ!」

イヴ「村松さくら…あれ、『村松家』って外に出たんですかぁ…?」

裕美「『村松家』って?」

イヴ「かなり大きな魔法の名家なんですけどまだ表に出たって話は聞いてないですねぇ~」

イヴ「そもそも魔法使いって横の繋がりがもはや繋がってるのが奇跡くらいにしか繋がってないですけどねぇ…」

裕美「…連帯感ゼロだね…」

イヴ「…そもそも外出ないから連帯する意味も無いですからねぇ~…」

裕美「…そうだね…」

裕美 イヴ『……はぁ…』

さくら「私を無視してネガティブな話続けないでくださいよぉ!」

さくら「それに、今の私は『村松』だけど『村松』じゃないんですよぉ!」

裕美「……家出かな?」

さくら「もうちょっとオブラートに包んでくださいよぉ!」

芽衣子「若いのに大変ですよねぇ~♪」

さくら「なんで芽衣子さんもそっちサイド着いてるんですかぁ!?」

芽衣子「右、左、右、左♪」シュンシュン

裕美「わっ、凄い、これどうなってるんですか?」パチパチ

さくら「無駄に力使わないでくださいよぉ!」

さくら「なんだか話をしてただけなのに凄く疲れましたぁ…」

紗南「うん、分かる…振り回されるのって辛いよね……」ポン

さくら「なんで私こんなに同情されてるのかなぁ…」

さくら「ま、まぁこのまま行けば財閥の信頼回復もすぐですねぇ!」

イヴ「…財閥の信頼回復ですかぁ~」

ニコニコと笑っていたイヴの表情に影が差す。

裕美「……イヴさん…」

裕美が心配そうな目でイヴを見る。

イヴ「『ルシファー』の件で財閥も大変でしたよねぇ~♪」

さくら「でも私たちの手に掛かればあっという間に……」

『冷気よ、大いなる我が力に従い、慈悲なきその力を開放せよ♪』

箒に込められた付与魔術が開放されさくらたちの背後を異常な冷気が通り過ぎる。

冷気の通り道に居た何体ものカース凍てつき、限界を超えた冷気に核ごと砕ける。

イヴ「元『ルシファー』の女の子って今私が預かってるんですけど…」

イヴ「沢山の撮影クルーに変身が解けて落下する時に撮られちゃって凄く大変だったんですよねぇ~♪」

イヴ「外に堂々と出られるようになったのも最近ですからぁ~」

イヴ「あんなに沢山の撮影クルーを集めてくれたのは一体誰なんでしょうねぇ~♪」

イヴ「あっ、地図ありがとうございましたぁ~♪」

そう言ってイヴは病院の場所に向かって帰っていく。

裕美「ちょ、師匠待ってよっ!」

イヴ「……イヴですっ♪」コツン

裕美「痛っ!」