4スレ目>>467~>>474


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467 名前: ◆IRWVB8Juyg[saga] 投稿日:2013/07/19(金) 18:44:49.79 ID:bkZIk99wo [2/10]
ヘレン「なるほど」

パラパラと地上の新聞を読みつつ、ヘレンが呟く。
彼女はヘレン。宇宙の向こうからやってきた侵略者だ。

マシン「マム、どうしました?」

ヘレン「地上ではヒーローが多数いるらしいわ」

マシン「そうなのですか。知りませんでした」

ヘレン「仕方のないことね。励みなさい」

ポンと配下のマシンの頭をヘレンが叩く。
マシンは無機質にアイカメラのライトを点滅させた。

マシン「……多数のヒーロー、とのことですが」

ヘレン「えぇ、そう。どうやら正義感にあふれた子たちがいろいろと邪魔をしたがるみたいね……ふぅ、無駄な抵抗もまた美しいけれど」

少しの間をおいてマシンが質問を続ける。
ヘレンは演技がかった動きで憂鬱さを表現し、そのあと大きなため息を吐いた。

マシン「確かに、マムに及ぶものなどありえませんね」

ヘレン「そう。それは当たり前のこと……」

マシンはあくまでも無機質にヘレンを讃える。
ヘレンもそれが当然のことであると受け止めて答えた。

ヘレン「だけど。それならそれで面白いことを思いついたわ」

マシン「面白いもの、ですか?」

悪いことを思いついた子供のようにヘレンが笑う。
パチン、と指を鳴らすと大きなドラム式洗濯機のような機械が降って来た。

そしてマシンへと簡単に書かれた設計図と、どこからか取り出した資材を渡す。
マシンは何も言わず、ヘレンの次の言葉を待っている。

ヘレン「材料はあるわ。設計はこっち。あなたは応えられる?」

マシン「……勿論です、マム」

あくまで無機質にマシンが答えると、ヘレンは満足気にうなずいてその頭へと手をやった。
少し撫でたあと、そのまま奥の寝室へと彼女は向かう。

その後姿を見届けてから、マシンは機械を稼働させ始めた。

――翌朝

ヘレン「できたかしら?」

マシン「えぇ、完成しました。マム」

奥の寝室からやってきたヘレンが声をかけると、マシンが待っていたようにゆっくりと振り返る。
その後ろの機械は完成を示すようにピカピカとランプを光らせていた。

ヘレン「……満足できるかしら?」

マシン「全てはマムのために」

ヘレン「なら、見せてみなさい」

マシン「イエス、マム」

にぃ、とヘレンが笑い、マシンが答える。
洗濯機の蓋が開き、まばゆい光があたりを襲った。

マシン「――?」

ヘレン「………どうしたの?」

マシン「申し訳ございません、マム。どうやら失敗――」

開いた洗濯機の中からは何も這い出ては来ない。
どうやらうまくいかなかったらしく、マシンが謝罪しようと振り返るとそこにはすでにヘレンの姿はなかった。

マシン「……マム?」

ヘレン「そう……少し、お腹が減ってるみたいね」

もう一度振り返る。いつの間にやらヘレンは洗濯機の横へ立ち、中をのぞき込んでいた。
すぅ、と手を動かすともう一度機械を起動させる。

ヘレン「これでいいわ」

マシン「……マム、私は」

ヘレン「この設計図はできそこないね。あなたが完成させられないのだから」

マシンが謝罪の言葉を述べる前に、ヘレンが設計図を燃やしてしまう。
マシンはただ、燃え上がるそれを見つめていた。

ヘレン「これでいいわ。とりあえずの試作品ね」

洗濯機が改めて完成を示すランプを光らせる。
ドアが開き、長い毛を引きずって2つの影が這い出てきた。

ヘレン「……2体に分かれる。こちらの方が安定するわ」

マシン「マム、これは――」

自分の失敗だ。と続ける前にヘレンが言葉を遮る。

ヘレン「いえ、それはあり得ない……これでいいの。安心しなさい」

マシン「………イエス、マム」

ヘレン「もともと異なる2つの性質。同時に持たせるよりも別行動を行わせた方が楽しいでしょう?」

そういうヘレンの手の中には、割られた卵の殻。
どうやら合成たんぱく質のバランスを変えたらしい。

マシン「流石です、マム」

制作物をあっという間に別物へとつくりかえたへレンに対し、マシンはただ驚嘆の声を出す。
あくまでも無機質ではあったが、ヘレンはそれを聞いて満足気に笑った。

ヘレン「いきなさい……アバクーゾ、ハンテーン」

完全に姿を現した怪人2体が唸り声をあげる。
片方は長い首を持ち、全身柔らかそうな毛を纏ったつぶらな瞳の獣人。
もう片方はずんぐりとした体に短い手足を持ち、短くそろえられた茶色の毛並が美しい獣人。

アバクーゾ「あばくぞー!」

ハンテーン「はんてーん!」

どちらも凶悪な姿には見えないが、張り切った様子で降下用の装備を装着して地上へと飛び立っていった。

マシン「しかし、なぜあのような怪人を?」

怪人たちが無事に活動を開始したのを確認した後、マシンが疑問を口にする。
最初に作ろうとしていたのは『性質反転』――つまり、ヒーローを悪に落とす怪人だ。
改めて作られたあの怪人たちにそのような力があるようには見えない。

ヘレン「そうね……今の時点では満足のいくものにならなかった。私は私が満足できるものしか求めないの」

マシン「なるほど。あの2匹は実験体ですか」

ヘレン「いえ。あれは他のヒーローたちの活動を見て閃いたものよ」

マシン「……相手の精神へと感応し、意思と異なる行動を起こさせる。結果として孤立することを狙う。そういった理由でしょうか」

ヘレン「えぇ。やはりあなたは賢いわ……私が作ったのだから、当然だけど」

マシン「ありがとうございます、マム。ですがひとつ」

ヘレン「……どうしたの?」

マシン「本日のベーコンエッグのエッグが切れました。いかがしましょう?」

ヘレン「…………仕方ないわ。とってきなさい」

本日の朝食の材料を買いにマシンが地上へ降り立つ。
ヘレンはその空腹をたたえながら朝食の時を待つことを決めた。

 

 


!イベント情報

「憤怒の街」終了後の時系列の設定でドタバタ系イベント「嘘つきと本音」が開始されました
日本全国津々浦々を怪人「アバクーゾ」と「ハンテーン」が襲います。

本人たちの戦闘力は非常に低いですが、逃げ足の速さと頑丈さはピカイチです。


アバクーゾ
属性:アルパカ風獣人
ふかふかの毛におおわれた獣人。
凶悪な爪や牙といった機能がオミットされた代わりに柔軟性にすぐれ、打撃攻撃に対して非常に高い防御力をほこる。
実はふかふかの毛には大量の『本音薬』が含まれており、叩いたり近くで暴れられると思わず自分の隠し事を大声で叫んでしまう。
そのほか、本音薬を凝縮した液体を吐き出したりすることも可能。

ハンテーン
属性:カピバラ風獣人
ずんぐりとした体形につぶらな瞳がチャームポイントの獣人。
凶悪な爪や牙といった機能がオミットされた代わりに瞬時に硬質化する毛で全身を覆っているため斬撃に対して非常に高い防御力をほこる。
実はその毛には『反転薬』が塗り込まれており、刺さると性格が反転してしまう。
反転してしまうのはあくまで表面上の性格だけのため、本質は変化しない。
そのほか、毛バリを発射したりすることも可能。