4スレ目>>304~>>318


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 名前: ◆hCBYv06tno[saga] 投稿日:2013/07/15(月) 22:46:10.10 ID:nvdBYqNFO [4/20]
----夢を見た。

----暗い…暗い…一面真っ黒な場所。

----そこに一人の小さな女の子が泣いている。

「どうしたの?何処か痛いの?お姉ちゃんに話してみて?」

----優しく声をかけると、女の子は顔を上げて………

--------

北条加蓮は、世界を呪う存在だった。

病に侵され、周りを妬み、嫉妬にかられ、呪いを振りまく者となった。
自由も、友達も、家族も、健康も、思い出も、娯楽も、何もかも手に入らず羨んでいた。

いつも彼女はひとりぼっちだった。

けど、今は違う。

一度死に、新たな生を受け、今まで自分ができなかったこと。
ただ羨むことしかできなかったことを、自分の手で掴もうとしている。

もし、自分が≪彼女達≫に出会わなかったら、取り返しのつかない事をやらかしてしまっていたと。

だからなのか……今、彼女は……

「んっ……よく寝た」

加蓮が目覚めると、そこは自分が住んでる女子寮ではなかった。

荒れ果てた家、外は雨が降っていた。

だけど、彼女を起こしたのは、雨でも、小鳥の声でも、目覚まし時計の音でもない。

『ゼッタイニユルサナイ!ゼッタイニダ!』
『マジデムカツク!!』
『オコダヨ!』

憤怒のカース達の叫び声。

外を見ると、鳥、トカゲ、一角を生やした黒馬の姿をした黒い泥がむかってきてるのがわかる。

「起きていきなりなんだ…」

溜息を吐きながら、建物から飛び出し、背中から黒い翼を生やし、右手に黒い槍を作り飛びあがる。

どうして、彼女がここにいるのか?

憤怒の街をテレビで見た時、≪何か≫を感じていた。

その何かがわからず、いつも通りに過ごしていた。自分では何もできないと無力感にかられながら。

ある日、心配で憤怒の街の様子を見に行った時、それを感じた。

元カースドヒューマンだからこそわかる。カースドヒューマン特有の呪いを……

恐らく、憤怒の街を作り出したのはカースドヒューマンだ。
そう思うと、加蓮はいてもたってもいられなかった。

それは、過去の自分と向き合うかのように…

「もしかしたら、私がコレをやっていたのかも」

ポツリと呟くソレはどこか悲しそうだった。

場面は戻る。

「はぁぁぁぁあ!!!」
空中で、鳥の鋭い嘴を避け、背中に降り立つと、そこに槍を突き刺す。

鳥は叫び声をあげながら、暴れまわる。

その隙をついて、トカゲが建物の壁にはってきながら、飛び上がり、加蓮へとくらいかかろうとする。

「くっ……」

加蓮はとっさに背中に生えた翼を無数の蛇に変え、向かってくるトカゲを核ごと食いちぎった。

だが、翼を消した事により、暴れ疲れた鳥と共に地面に落下して行く。

『ブチコロォォォオス!!!

「あっ………」

グサッ!!!グチュッ!!グチャッ…

待ち構えていた黒馬の角が、加蓮の腹を貫いた。

ズブズブと奥へと食い込む角をつたい、血がポタポタと流れ落ち、痛みが身体中に走り出す。

作り出してた槍も蛇も全部泥となり溶けて消えて行く。

降っている雨のせいなのか体温が下がっていくのがわかる。

----私、また死んじゃうんだ……

そう思考しながら、加蓮の意識が途切れた。

----あれ?私死んだよね?ここはどこ?

『そんなのじゃ、加蓮お姉ちゃんは死なないよ?』

----え?

『だって、奈緒の一部なんだから』

----そういえばいつもの子達もいって…あ、今朝の夢の…

『よかった。お姉ちゃんは私が見えて聞こえるんだ』

----どういう事?

『けど、ここでしか会話できないんだ……』

『もう時間みたいだけど、頑張ってね!!』

『また来てね。お姉ちゃん』

『だって……』

 

 

 


ひとりぼっちはさみしいもんね

 

 

 


----

加蓮が目を覚ますと、それは自分が、ちょうど意識を手放してからまだ数秒もたっていなかった。

だからなのか、自分が意識を失っていた事にきづいてなかった。≪夢≫を見てた事もその内容も忘れている。

だけど、さっきと違い、自分の身体がまだ動けるのはわかった。

「はぁぁぁぁあ!!!」
『!?』

黒馬は驚愕した。

確かに倒したと思った女がいきなり、動きだし、腹に刺さった自分の角を、右手から新たに作り出した黒い泥で、数匹の蛇を作り出し、絡ませて、へし折ったのだ。

そして、刺さってる角を抜き、投げ捨てた。

腹の傷は血が止まり、じょじょにだが、ふさがっていった。

「お返しだよっ!」

そう言うと、一本の槍を作り出して、黒馬に投げつけた。

黒馬は避けようとするが、槍は途中で数十匹の蛇となり、黒馬に絡みついた。

暴れまわる黒馬だが蛇たちを振り払う事ができず、絡みつかれ、しめられ、噛みつかれ、食いちぎられていった。

バリンッ!

核を砕かれる音が響き、加蓮は疲れたようにその場にへたり込んだ。

「……どうして?」

自分が先程、貫かれてた場所を触るが、傷跡一つなかった。

まるで、何事もなかったかのように。

だけど、敗れた服や血の跡からして、自分が一回重傷をおっていたのがわかった。

毎回、夢で言われた事や先程の夢の事を覚えてたのなら理解するだろうが、あいにく彼女は夢の出来事を一切覚えてないのだ。

また夢に入れば思い出すのだが……

「………よくわからないけど、今は行かないと」

自分の身体に起こってる事だが、一回死んだ身としてはそのくらいでは動じないのか、はたまた考えるのが苦手な残念な子なのかわからないが。

彼女は立ち上がり、憤怒の街を進む。

自分と同じ過ちを犯してしまってる人を止めるために。

 

 

 

『加蓮お姉ちゃん』

『私の始めての友達』

『今は奈緒の一部だけど』

『奈緒には絶対あげない』


ぜ っ た い に

 

 


終わり

 


・加蓮が憤怒の街に入りました。

・加蓮の中にナニカきました。

・やったね。加蓮ちゃん!友達が増えたよ!!