4スレ目>>224~>>231


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 名前: ◆UCaKi7reYU[sage] 投稿日:2013/07/14(日) 19:16:11.02 ID:0mDWRzEW0 [2/11]

「むふふ……皆さん頑張ってますねぇ♪」

未だ混迷を極める憤怒の街、その中の一角に日菜子の姿はあった。

各組織とカースの攻防戦は時間が経つとともに激しさを増し、一向に解決への糸口を掴むことはできないでいた。

だが、ただ待つばかりではないのがヒーロー達だ。

 

 


例えば、黒い噂が絶えず衰退への道を辿るかと思われた櫻井財閥が決死の調査で作り上げたという『地図』。

例えば、大自然の使者達がやり遂げた『救出』。

例えば、稀代の魔法使い達が作り上げた『防壁』。

例えば、気迫とともに舞い込んできた『烈風』。

例えば、新たな絆を胸に秘めた『草花』。

例えば、友に支えられた『降雨』

少しずつ、けど確実に希望という名の可能性は芽生えてきた。

 

 


――――――しかし。

むしろ本番はこれからだと日菜子は思っていた。

地下から強引に突破してきた日菜子と愛梨の二人だが、既に突入していた者達を影から支援するために二手に分かれて動くことにした。

愛梨の方は今頃は街の各所を飛び回っているだろう。

対して日菜子はフラフラと街中にいくつか点在する強い力を感じる場所を回っていた。

そして、その途中でいくつかの『異常』を確認したのだ。

「………むふふ、癒しの雨で弱いのはきえましたが……少しだけ遅かったみたいですねぇ」

「グガ…グギギギギギギ」

小さな通りの中、数体のカースが不気味に体を震わせていた。

まるで―――その内側から何かが飛び出そうとしているように。

「それに……どうやらも来ているようですよぉ?」

ちらりと背後を見れば、アスファルトからにじむように、突き破るように『呪いに覆われた蛇龍』が姿を現していた。

「前には呪い、後ろにも呪いですかぁ……むふふ」

普通に考えれば、絶望的な状況だ。

「……仕方ないですねぇ、本当に皆さん頑張ってますから―――」

しかしそれでも日菜子はいつもどおり仮面を片手に佇み、口角をつり上げ本当に楽しそうに嗤う。

「―――日菜子も、しっかりお手伝いしますねぇ♪」

 

瞬間、数体のカースから孵化するようにその内側から『新たなカース』が生まれる。

―――一つの鋭角を掲げた黒馬に、

―――二つの大翼を持った黒鳥に、

―――三つの尻尾を生やした黒蜥蜴に、

―――四つの尖牙を見せつける黒狼に。

同時に、背後から日菜子を飲み込まんと蛇龍が迫るが空から降ってきた5本の剣に阻まれる。

「……さぁ王子様、久しぶりのデートですよデート♪」

ずるりと、蛇龍が3体に分裂し三方向から飛び掛かって来るのを剣を壁のように並べて防ぐ。

「ジャマナンダヨオオ!!」

そこに額の角を突きだしながら突進してくる黒馬をひらりと避けると、分身一体ともつれるように激突した。

「メザワリイイイイイイ!」

「オマエタチガアアアアア!!」

「むふ、激しいんですねぇ♪」

続いて狼が牙を剥きながら飛びかかり、更にその後ろから蜥蜴が尾を振り回して迫るがそのどちらも日菜子の服にさえ触れない。

「オレハワルクネエエ!!」

「あぁ、そんな人前で激しいのはこまりますぅ♪」

くるりくるりとステップを刻み、足元に滑り込んできた小さな蛇は宙に少し浮かせた剣を足場にして避け、急降下してくる黒鳥に対しては剣のカーテンで目くらましをして攻撃範囲から悠々と逃れる。

「王子様は相変わらずダンスがお上手ですねぇ……むふ♪」

 

蛇が、馬が、狼が、蜥蜴が、鳥があるときは正面から、あるときは死角から、あるときはなだれ込むように襲いかかるがその全てを避け続ける。

「ならもっともっと踊りませんかぁ?…むふふ♪」

そして、最初からそうなるように打ち合わせてあったかのように五体のカースが一箇所に固まり、日菜子はその輪の外に出ていた。

「さぁ王子様、前戯はここまでですよぉ♪」

くるくると仮面を手で弄び、どこまでも余裕を崩すことなくカースに背を向ける。

刹那の膠着、そして怒涛の勢いで五体のカースが日菜子を飲み込もうとして―――

「32の英雄に告げる、その刃を以て姫君を守護せよ……なぁんて、むふふ♪」

その直前に、カースに対して全方位から剣が突進………その数、32本。

馬を切り裂き、鳥を突き刺し、蜥蜴を断ち切り、狼を撥ね飛ばす。

「これで終わりなんてつまらないですよねぇ♪」

しかし、その中を蛇龍だけが離散集合を繰り返し生き残っていた。

「やっぱりですかぁ……さぁどうしましょうか、王子様?」

言うほど困った様子は無く、地を這いずりながら暴威を振るう蛇の猛攻をひらひらと避け続けながら日菜子は思案する。

「こういうの、実は日菜子ちょっと苦手なんですよねぇ…」

状況は互角、というよりもキリがないと言ったほうが正しい。

切っても突いても叩いても潰しても、生半可な物理攻撃では蛇龍にはダメージと成りえない。

逆に、蛇龍が幾ら分裂を繰り返そうが日菜子の手数は尽きることがない。

 

無数の小さな蛇が足元を狙う、数多の剣が全て切り裂く。

蛇の胴体を複数の剣が断ち切る、二つに分かれた体がそれぞれ動き出す。

「キリがないですねぇ………むふふ、なら少し趣向を変えてみましょうかぁ♪」

直後、今まで無数にあった剣が消失し代わりに赤青緑黄の4色の剣がそれぞれ日菜子の周囲に現れる。

「物語を盛り上げるには、不思議な道具も必要ですからねぇ…」

いつの間にか片手でもっていた仮面が消えていた日菜子は、しかし気にすることはなく緩やかな動きで赤い剣を手に取り、両手で振り下ろす。

「………例えば、聖剣とか魔剣と言ったものはどうでしょうかぁ…むふふ♪」

「!!?!」

振り下ろすと同時に、その直線上が全て激しい炎に包まれ片方の分裂体もろとも焼き尽くす。

「久しぶりに使うとちょっと疲れますねぇ、王子様?」

振り下ろした隙を突こうとするもう片方の分裂体に黄色と青色の剣が盾になり防ぐ。

更に、すっと赤い剣を手放した日菜子が今度は緑の剣を手に取り腰だめに突き出すと強力な突風が巻き起こり吹き飛ばす。

続いて青い剣を手に取り地面に突き刺すと日菜子を中心に氷の障壁が出来上がり先ほど炎に飲まれたはずの分裂体が地面から飛び出して来て激突する。

「むふ♪これでチェックメイトですよ!」

最後に残った黄色の剣を手に取り、氷の壁をなぎ払うように一閃。

同時に閃光とともに扇状に広がった雷撃が分裂体の両方を貫き、飲み込んだ。

 

「………あぁ、これは厄介ですねぇ」

四色の剣を展開しながら、日菜子は倒れ伏した蛇龍を見る。

正確には、その中心部、核がであろう繭の中身を。

―――その中には、何も入っていなかった。

「…さぁ皆さん、これからが本番みたいですよぉ?」

ズルズルと、大きな何かが這いずる音が地面から聞こえた。

同時に、何か鳥が羽ばたくような音が空から聞こえる。

「………むふふ♪不謹慎ですけど、王子様はやっぱりこういった混沌としたことが好きなんですねぇ♪」

――――――オオオオォォォォ……

ふっと、巨大な影が空を覆った。

「…さぁ、行きましょうか王子様♪」

一度空を見上げた後、日菜子は再び正面を見据える

―――その視線の先では、ドロリと、『2体の蛇龍』が地面から現れる所だった。

「この様子だと『親』は地下のようですねぇ……ですけど、アレも放っておけませんし……困りますねぇ」

もう一度、日菜子は空を見上げる。

―――そこには、後に『憤怒の翼竜(ラース・ワイバーン)』と呼ばれる強大なカースが羽ばたく姿があった。


続く?

 

 


『同時刻』

―――憤怒の街への道路。

「はぁ、まったく酷い話だにゃ!」

「……ええ」

「だいたい水臭いにゃ、せめて一言くらいは欲しいにゃあ」

「…そうね」

「ま、ちゃっちゃと見つけてパパッと終わらせて帰るにゃ、帰って焼肉にするにゃ!!」

「今日は鯖の塩や「アーアーキコエナイニャアア」」

「…ま、バカやってないでそろそろ行こうかにゃあ、嫌な予感がビンビンするけど放っておくってのは無理な話にゃ」

 


「その通りね……準備はいいかしら?………みく」

「バッチリ完璧だにゃ!―――のあチャン!」


憤怒の街に、新たな新たな役者が加わる。


 

 

 

・『憤怒の翼竜(ラース・ワイバーン)』
→一旦は沈静化するかと思われた憤怒の街に現れた巨大な翼を持った大型カース。姿は俗に言うワイバーンそのもの。
上空から憤怒の街を旋回し人の姿を発見しては攻撃を仕掛けてくる。
また、生半可な攻撃ではダメージを与えられず更に口からカース弾を吐き出してくる強力な存在。
しかし、その大きさ故に小回りがきかず、一旦地に引きずり下ろす事ができれば勝機は見えてくる。

・『嫉妬の蛇龍・量産型』
→多少弱体化した代わりにわらわらと地面から現れる嫉妬の蛇龍の量産型。
弱点であるところの繭はオリジナルと違い何も入って無い。
憤怒の街のどこかに生み出しているオリジナルが居るため、一定時間が過ぎると増える。

・『獣型カース』
→憤怒の街に出現するのはユニコーン、蜥蜴、鳥、狼の四種類。
それぞれが普通のカースよりは強いが雨のおかげで多少は弱体化している。

・『日菜子の能力・補足1』
→いつもはなんの特殊能力のない剣を幾つも作り出し戦っているが、風や炎に氷と雷等など特殊な武器も作り出せる。
ただし、その場合は多く作り出すことができず、更に自分の手で振るわなければ能力を使うことができない。

イベント情報
1・ボスカース、憤怒の翼竜があらわれました!
2・嫉妬の蛇龍が多数現れました!
3・愛梨・日菜子が憤怒の街を徘徊しています
4・のあ、みくが憤怒の街に現れました。