最近、宇宙人やら謎の生命体やらと戦いが勃発してるらしいっス
アタシも今、大事な戦いの真っ只中っス
味方は一人もおらず、大変っスね
しかも、相手はやっかいなことに『時間』という人間じゃどうにもならないものなんス
その相手は...
締め切り
アタシが今連載している漫画の締め切りが今日の夜っス
それなのに、アシスタントは誰一人としてこないとは、もう全員首っスね、首
また新しい人探さなきゃ...
ピンポーン
も、もしかしてアシさん!?いやー、神はアタシを見捨てなかったっスねー
「はいはい、今行きまスよ」
ガチャ
「荒木先生!原稿!」
編集でした
この編集さんはいいおばさんなんスけど、ちょっとおせっかい焼きだから困るっス。集中できなくなりまス
「荒木先生、今日締め切りなんで原稿を受け取りに来ました」
しょうがない、アタシの能力を使って帰ってもらいまス
ベリッ
「 」
/ ̄ ̄ ̄\
|来原今荒|
|ま稿日木|
|しを締先 |
|た受め生|
| け切 , |
| 取り |
| り な |
| にん |
/ で /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
さて、これどうしよう...
「......ハッ!私は何しにきたんだっけ...」
「かばんを忘れたっていってとりにきたんスよ」
「そ、そうだったかしら」
「そうっス。かばんどうぞ」
「あ、ありがとうございます...それでは...?」
バタン
ふぅ、なんとかなったっスね、さっさと原稿仕上げなくちゃ
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なんとか原稿もあがって、あとからまたきた編集さんに渡して、アタシは今散歩していまス
もうすっかり外は暗いっスね
「き、君に大事な話があるんだ!」
「な、なにかしら!」
色づいてやがりまスね...相手の反応から察するにOKっスね、きっと
「なあ、そろそろ言わなくちゃいけないことがあるんだ」
「えっ...」
あっちはきっと別れ話っスね。アタシは別れ話なんか一度もされたことないっス。そもそも付き合ったことないし
...良いこと思いついちゃったっス。もてない女にはこのくらい神様も許してくれるに違いないっス
「ぼ、僕と結婚してくれ!!」
それっ!!
「もう別れないか?」
「 」
/ ̄\
|し ぼ|
|て ,|
|く 僕|
|れ と|
|!! 結|
| 婚|
/ /
 ̄ ̄ ̄
ベリッ
/ ̄\
|な も|
|い う|
|か別|
|?れ|
/ /
 ̄ ̄ ̄
「 」
「 」
もう別れないか?
えいっ!!
ぼ、僕と結婚してくれ!!
「 」
「もう別れないか? 」
ちょっとはみでたけどまあいいっス
「ぼ、僕と結婚してくれ!!」
「え...うそ...」
「えっ、い、今僕はなにを...?」
ちょっと気の毒でスかね
「うれしいっ!!ありがとう!!」
「は、え、ちょ、そんな」
さて、ネタ探しに行きまスか