マナミ「やはり、まだ手掛かりはないか」
龍帝キバ…いや、木場真奈美は魔王サタンの呪いの解呪方法を探していた。
自分のせいで彼は死にそうなのだ。速くしないといけない……
必死で探すがまだ見つからない。
マナミ「虱潰しに探すしかないか」
頭を片手で抑えながら、そうぼやいていた。
『~~~~~~~』
「暴風よ!大いなる我が力に従い、全てを薙ぎ払う驚異で、死神の鎌の如く、我が敵を斬り裂け!サイクロンスライサー!!」
マナミ「!?」
龍言語魔法と魔術の詠唱。
マナミが龍の翼を出し防ぐのと、黒炎の渦と暴風の凶刃がぶつかり合ったのは同時だった。
マナミ「……誰だ?」
???「やっぱりこの程度では傷一つつかないわね。わかるわ。そして、妬ましいわ」
真奈美が翼で身を固めながら、睨むようにその声の主を睨んだ。
そこには、二匹の蛇がいた。恐らくは先程の攻撃はこの蛇がやったのだろう。
だが、真奈美に一つの疑問がうかぶ。
---何故?何故コイツは龍言語魔法を使える?
だが、この蛇と言葉から正体はわからないが、誰かを理解した。
マナミ「レヴィアタンか……」
レヴィアタン「ええ、そうよ。だけど、私が誰かわからないのね」
マナミ「訳をわからないことを言うな。まるで、私がお前を知ってるみたいだな?そして、お前は私の事を知ってるみたいだな」
そう言いながら爪を具現化させ、警戒する。
恐らく、この蛇を操ってる本体がいるはずだが、その姿が見えない。
それに嫉妬を司る悪魔に龍言語魔法など使えない筈だ。そもそも龍族でない魔族には使えない筈……
レヴィアタン「わかるわ。忘れるはずもないわ!!もっとも妬ましく、憎いお前らを…貴様を……!!」
レヴィアタン「龍帝……キバ!!例え姿が変わろうが、忘れはしないわ!龍族と魔族で呪われた子と言われた私を受け入れてくれ、憧れた貴方達を。……だけど、貴様らのせいで私は……≪私≫は!!」
蛇は吠える。もっとも妬ましく憎いモノの一人!龍帝に!!
マナミ「!?……お前はまさか……」
レヴィアタン「だけど……今は貴様を殺さないわ」
思い当たる節があるのか、真奈美の顔は驚きを隠せていなかった。
思い当たる節があるのだ。昔、魔族からも龍族からも虐げられてた一人の混血を…
それと同時にドロリと二匹の蛇が溶けていく。
レヴィアタン「お前らの希望を消し、絶望に叩き込む。それが私の復讐よ。もっとも妬ましく憎い……憧れてた貴方達への…」
わ か る わ ね ?
水面に走る波紋が如く、そう言い残し、レヴィアタンの気配は完全に消えた。
マナミ「待て!くっ…気配が完全に消えた?いや、それより希望を消す?まさか……」
痕跡が完全に消えたその場所を見ながら、木場真奈美は嫌な予感をぬぐいきれなかった。
思い浮かべるは自分の我が子と友人の娘。
また少しずつ、蛇は這い寄ってくる。
終わり
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。
1文字以上入力してください
本文は少なくとも1文字以上必要です。
1文字以上入力してください。