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「嵌 め ら れ た !」
『みー!?』
魔力管理塔に飛び込むなりユズは叫びながらベッドに飛び込んだ。
その周りを使い魔が心配そうに飛び回る。それさえ気にせずユズは心の底からの一言を叫んだ。
「アタシが何したっていうのさー!!!!」
ベルフェゴールを更生施設送りにし、意気揚々と人間界に戻り、偶然近くにいたカースを倒そうとしたら何故か武装した人間達に銃を乱射されたのだ。
「死神!何が狙いだ!」
「撃て!カースを生み出す死神を殺せ!」
「誤解だよ!死神じゃないし!カースも生んでないし!」
取りあえず逃げ出し、大罪の悪魔を探そうと飛んでいたら正義のヒーローを名乗る、光を放つ少女に襲われた。
「平和を脅かす悪の死神め!ブライト・ヒカルが相手だ!」
「死神は悪い神じゃないから!それ以前になんでー!?」
その他にも様々な人間に襲われ、おかしいと気付いた。
人間に擬態し、偶然見たテレビでやっていたのは彼女に化けた何者かがカースを使役している映像。
『死神の格好をした謎の少女!強力な能力でカースを生み出し、我々を恐怖の渦へ…!彼女の目的はなんなのか!GDF、アイドルヒーロー同盟は彼女の目撃情報を…』
「…え?」
顔面蒼白になり、慌てて管理塔へ避難してきたのだ。世界の狭間にあるだけあって、到着できるのは杖の加護があるユズだけだから避難所としてはもっとも理想的だ。
…ちなみに今のところほぼ無傷である。心以外。
「絶対大罪の悪魔の仕業だ…どうしよう、サタン様に報告して一時的にでも他の死神を…駄目…普通の死神はあいつらには勝てない…」
どうしろと。頭が痛くなる。
「権力持ちの人間に取りついたのかな…?じゃあ強欲か高慢とかかな…?ああ…気付かれるなんて…ドジったぁ…」
何回も行った世界が間違っていないか確認して、やっぱり目的の人間界で。
…対処方法がないこともない。時の管理者に掛け合って時間を巻き戻してもらうとか、世界中に自分が安全であると洗脳するとか。
だが、時間を巻き戻しても犯人が分からなければまた同じことが起こるだろうし、そんな洗脳したら一気に重罪を背負うことになる。
「取りあえず姫様が無事ならまだいいや…」
半場ヤケクソ気味に呟く。
アタシじゃない。アタシじゃない。それでもアタシはやっていない。
「…人の噂も何日かで終わるんだ…よし、引きこm…隠れてよう。監視と捜索はぷちがして…」
『み!?みみー!みっみみー!』
「ちがうよ、怠惰じゃないよ。アタシはちょっと…うん、疲れたんだよ…。仕事はするから安心して。」
目が死んでる。
そもそも魔族だから長く生きているだけで精神はほぼ15歳の少女なのだ。免罪で指名手配は精神的にきつすぎる。
「…許さん…こんなことした悪魔、キヨラさんにオシオキされて一生無給料で働けぇ…うぅ…」
「…みー?」(どうしよう?)
「…みぃ」(とりあえずご主人様に頼まれたお仕事しようか。)
「みー、みみぃ!」(悪い悪魔探しと、お姫様の観察!)
『みー!』
取りあえず6体の使い魔たちは塔を飛び出した。
「…」
むくりとベッドから起き上がり、新しい使い魔を2体作ると塔の3階へ上る。
プラネタリウムのような、他の階とは違った雰囲気の部屋。
「絶対サタン様の手は借りない…なら…!」
自身の肉体に刻まれたのは今まで誰かが使ってきた魔術。同属性の複合魔術すら、歴代の管理者の誰かが使った物。
地下が過去の魔術の記録庫なら、ここは未来の魔術を生み出すための研究室。
「今のうちに…新たな魔術を作るまで…!」
自然や宇宙の理が星のように刻まれたその部屋は、新たな魔術を生み出そうとする管理人を歓迎するように煌めいた。
合体して二人のユズとなった使い魔が空を飛ぶ。
「お姫様の学校、どっち?」
「あっち!…多分!」
「あ、でもあそこにカース!」
「あはは、本当だ!倒そっか♪」
「「倒しましょったら倒しましょ♪」」
『合唱魔術の発動を宣言する!』
『大いなる我が力を用いて、星空・宇宙の理を読み解き、天空より光よふりそそげ!ヘブンズスターライト!』
合唱魔術の名に恥じない、歌うような詠唱。
それらが無慈悲にカースを破壊した。
その日から『死神は双子ではないか?』という噂が流れることになるが…それがどう世界に影響するのだろうか。
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