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『ウフフフフフ・・・アッハハハハハハハ!!』
「・・・っ、ダメ・・・核まで、攻撃が届かない・・・!」
夕飯の買い物に出かけた帰り、たまたまカースと遭遇してしまったエンジェリックカインドこと三船美優は、『色欲』のカースを相手に苦戦していた。
いくら必殺の矢を放っても、無数の触手が絡み合い盾となって、核への攻撃を防いでしまうのだ。
ならば接近戦を、と距離を詰めようと動くカインド。
『アハッ・・・アハハハハハハッ!!』
「っ、やあっ・・・!?」
そこへカースが一斉に触手を伸ばし、カインドの腕を脚を、がんじがらめに縛りつけてしまった!
抵抗する腕を頭の上へ、足は軽く開いた状態で、体の自由を奪われてしまうカインド。じつにけしからんはなしである。
「っく、このっ・・・離しな、さいッ」
必死に身をよじって呪縛から逃れようとするも、もがけばもがくほど触手はギチギチと縛る力を強めるばかり。
それどころか、いつの間にか増えた触手がカインドのお腹や腿の周りを這いまわっている。まったくもってけしからんこうけいである。
「ゃ、いやっ、そんなところ、ぁっ!!?」
カインド、いろんな意味で絶対絶命のピンチ。その時である!!
「ハートアップ!リライザブル!」
掛け声とともに、カースの後方から眩い光が立ちのぼる。
「っ、今の、声は・・・!」
聞き覚えのある、しかし『今となっては聞くはずのない声』に目を見開くカインド。
すわ新手か、と振り返ったカースの目の前にいたのは、カインドと同じ系統のデザインの服装で、たおやかな髪をポニーテールに纏めた、
「魔法少女、エンジェリックグレイス!!・・・うふっ☆」
どことなくセクシーな決めポーズにさほど違和感のない、カインドと同じ年のころの『魔法少女』の姿だった。
「グレイス!あなた、どうして・・・?」
「細かい話は後にしましょ。今のあなた、ちょっと子供に見せられない感じ、よっ!」
不意を突いて伸ばされたカースの触手をかわし、一足飛びにカースへ詰め寄るグレイス。
「グレイスフル、ソードッ!!」
かざした右手から光とともに生み出した剣が、カインドを拘束する触手を断ち切る!
力を失った触手を振りほどき、グレイスとともに再び距離をとるカインド。
その間にも、カースは失った触手を再び生やし、その数はグレイスにやられる前よりも更に増えていた。
「うーわー、あこまで増えるともう言葉も出てこないわね・・・カインド、久々に『アレ』、やるわよ」
「えぇ、一気にやっつけちゃいましょう、グレイス!」
二人の魔法少女は手をつなぐと、その手を天にかざし、聖なる呪文を高らかに唱える。
「「聖なる絆よ、悪を清める力となれ!エンジェル・ハウリング!!」」
かざした手からひときわ眩しい閃光がまたたくと、カインドの手に大きな光の弓が現れる。
弦に手を添え引き絞ると、まばゆい光を放つ矢が生まれ、周囲からさらに光が収束してゆく。
「ハウリング・・・・・・アローッ!!」
目も開けていられないほどの光と共に、放たれた矢はカースへと一直線に突き進む!!
『アハハハッ・・・!?ハハッ、アッ、アアアアアアアアァァァァァ・・・!!!』
再び触手の盾で防御の構えを取るカースだが、迸る光の奔流はその盾ごとカースの身体を浄化してゆく!
みるみるうちに泥のような身体が溶けて消えてゆき、最後に残った核も、一拍遅れてひび割れると、粉々に砕け散った。
「ん、一件落着っと。お疲れさま、美優」
ぽん、とカインド――美優の肩を叩いて、グレイスは変身を解く。
「・・・確か、もうすでに力を失ったはずじゃ・・・」
「そのことも含めて、あなたや背広マスクさんなら何か知ってるんじゃないかと思って来たんだけど・・・その様子じゃ、何も知らないみたいね」
「・・・店長、いまは『シビルマスク』、って名乗ってます」
「ん、そうだっけ?どうしても昔のクセが抜け無くって困るわ・・・ま、積もる話もあるし、とりあえず店長さんにも会いに行きましょ?」
そう行って彼女はすたすたと歩き出してしまう。
「あ、待って下さい、お夕飯の買い物置きっぱなしで・・・もう、待って下さいってば、レナっ!!」
彼女の名前は兵藤レナ。またの名を、かつて美優と共に悪と戦った魔法少女たちの一人、『エンジェリックグレイス』と言った。
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