勇者「美人な僧侶と魔法使いを」前編1 出会いの章


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 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府):2012/06/02(土) 23:30:23.40 ID:hpeqfj4Jo
傭兵登録所 

受付「え?」 

勇者「ですから、魔王を倒すためにすごく美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」 

受付「あの……魔王を倒すのにすごく美人なのは関係あるんですか?」 

勇者「あります」 

受付「どのような?」 

勇者「僕のヤル気が上がりますよね?じゃあ、魔王を倒す可能性もあがります」 

受付「……」 

勇者「この際、すごく美人な僧侶と魔法使いでも構いません」 

受付「ちょっと待っていてください」 

勇者「はっ」 

 

 

 

2:NIPPERがお送りします:2012/06/02(土) 23:33:58.71 ID:hpeqfj4Jo
受付「えーと……」キョロキョロ 

僧侶「あー!?」 

受付「お」 

魔法使い「大声出さないでよ」 

僧侶「だって、それは私が食べようと思ってたのに……」 

魔法使い「あら、ごめんなさい。お詫びにこれをあげるわ」 

僧侶「ブロッコリーは嫌いだって何度も……!!」 

受付(あの二人は……確か……) 

受付(まあ、いいか。顔はいいし) 

受付「あのー、すいません」 

僧侶「はい?」 

魔法使い「なぁに?」 

受付「勇者様がお呼びです」 

僧侶・魔法使い「「えっ!?」」ガタッ 




4:NIPPERがお送りします:2012/06/02(土) 23:36:46.14 ID:hpeqfj4Jo
受付「お待たせしました」 

勇者「いえ。待っていません」 

受付「彼女たちでよろしいでしょうか?」 

勇者「おぉ……!!」 

僧侶「あの……ご指名頂き、ありがとうございます……」 

魔法使い「よろしくぅ」 

勇者「美しい……」 

僧侶「そ、そんな……」 

魔法使い「あら、ありがとう」 

勇者「では、早速行きましょう」 

僧侶「は、はい!!」 

魔法使い「りょうか~い」 

受付「お気をつけて~」 

受付(よし、うちの不良債権が出て行った……) 




5:NIPPERがお送りします:2012/06/02(土) 23:41:12.71 ID:hpeqfj4Jo
―――街 

勇者「まずは何より支度を整えないといけませんね」 

僧侶「そ、そ、そうですね!!」 

魔法使い「うんうん」 

勇者「お二人とも、装備は……」 

僧侶「杖!!」 

魔法使い「棒」 

勇者「……」 

僧侶「だ、だめでしょうか……?」 

勇者「まあ、前衛は僕に任せてもらえればいいですけど」 

魔法使い「そうよね。勇者は戦ってなんぼだしね」 

勇者「ええ。二人を守って見せましょう」キリッ 

僧侶「さ、流石は勇者様!!かっこいいです!!」 

勇者「ふっ。当然です。勇者なのですから」 

魔法使い「おー」パチパチ 




6:NIPPERがお送りします:2012/06/02(土) 23:46:22.62 ID:hpeqfj4Jo
―――フィールド 

勇者「さて、ここから北にいくと小さな村があるみたいなのでそこを目指しましょうか」 

僧侶「さ、賛成です!!」 

魔法使い「おー」 

勇者「いや、でもお二人と出会えたことを僕は嬉しく思いますよ」 

僧侶「え?ど、どうしてでしょうか?」 

勇者「いや。まさかこんなにもお美しい人が旅を共にしてくれるなんて嬉しいじゃないですか」 

魔法使い「そうよね。貴方はラッキーよ」 

僧侶「い、いえ!わ、私はそんな……あの……」 

勇者「貴女たちを守れること……そして、貴女たちから支援をしていただけること……」 

勇者「それがとっても嬉しいのです」 

僧侶「あ、あの……」 

勇者「なんでしょうか?」 

僧侶「えっと……支援って?」 

魔法使い「もしかして手伝わなきゃダメなの?」 




7:NIPPERがお送りします:2012/06/02(土) 23:52:03.13 ID:hpeqfj4Jo
勇者「まぁ、物理的な攻撃では傷を与えにくい相手には魔法を頼らせて頂きますし」 

魔法使い「……」 

勇者「こちらが傷を負ったときは、治癒をお願いしたいのですが」 

僧侶「……」 

勇者「でも、不思議なものですね。貴女たちのような美人が二人も余っているなんて」 

勇者「貴女たちのような人は真っ先に引き抜かれると思っていたのですが」 

魔法使い「受付の人から何も聞いてないのね」 

勇者「え?」 

魔法使い「私たち、魔法は使えないわよ」 

勇者「……え?」 

魔法使い「正確には使えるけど、使えないって感じ」 

勇者「ど、どういうことですか?」 

僧侶「えっと……その……私たち、100年に一人の逸材らしいんです……」 

魔法使い「悪い意味でね」 

勇者「……」 




8:NIPPERがお送りします:2012/06/02(土) 23:54:58.90 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「だから、頼るだけ無駄だからね?」 

勇者「それは一体―――」 

ガサガサガサ……!! 

勇者「むっ!?」 

魔物「ガルルルル……!!」 

勇者「魔物か!」 

僧侶「ひっ」 

勇者「後ろに下がって!!」 

魔法使い「がんばれー」 

魔物「がぁぁぁ!!!」 

勇者「でぁ!!」ザンッ 

魔物「キャン!?」 

僧侶「強い!」 

魔法使い「わぁお。さっすが」 

勇者「この程度は―――二人とも、後ろ!!」 




9:NIPPERがお送りします:2012/06/02(土) 23:58:48.28 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「え―――」 

魔物「ガァァァ!!!」ガブッ 

僧侶「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!!」 

魔法使い「なっ!?」 

僧侶「いたい!!いたい!!いたい!!!あしっ!!あしっ!!」 

魔法使い「このぉ!!」ドガァ 

魔物「ガルルル……」 

僧侶「いたい!!いたい!!!!」 

勇者「下手に攻撃しないほうが!!」 

魔法使い「しかたない……!!」 

僧侶「たすけてぇ……」 

魔法使い「この……魔物の分際で!!!」ギュッ 

魔物「がぁ!?」 

勇者「なに魔物に抱きついて……!?」 

魔法使い「もえろぉ!!」ゴォォォ 




20:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 13:18:32.89 ID:hpeqfj4Jo
勇者「なんと……」 

魔法使い「はぁ……はぁ……」 

僧侶「あ、ありがとうございます……」 

魔法使い「世話かけないでよね」 

僧侶「ご、ごめんなさい」 

勇者「魔法使えるじゃないですか。それも結構な威力で」 

魔法使い「……ダメなの」 

勇者「え?」 

魔法使い「私は全身を使わないとまともなダメージが与えられない」 

勇者「ど、どうして?」 

魔法使い「普通は指先や手のひらを銃口の代わりして、魔法を放つわけだけど。私の場合はそれができない」 

魔法使い「今みたいに全身からしか放てないの」 

勇者「それのどこに問題が?大口径になってむしろ威力が上がるのでは?」 

魔法使い「全身が銃口ならよかったけど、銃身のほうが縦笛のように穴だらけ。遠くに放とうとしても魔力が散逸しちゃって、届かないの」 

勇者「それって、有効な射程距離がゼロに等しいってことですか?」 




21:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 13:19:03.87 ID:hpeqfj4Jo
勇者「なんと……」 

魔法使い「はぁ……はぁ……」 

僧侶「あ、ありがとうございます……」 

魔法使い「世話かけないでよね」 

僧侶「ご、ごめんなさい」 

勇者「魔法使えるじゃないですか。それも結構な威力で」 

魔法使い「……ダメなの」 

勇者「え?」 

魔法使い「私は全身を使わないとまともなダメージが与えられない」 

勇者「ど、どうして?」 

魔法使い「普通は指先や手のひらを銃口の代わりして、魔法を放つわけだけど。私の場合はそれができない」 

魔法使い「今みたいに全身からしか放てないの」 

勇者「それのどこに問題が?大口径になってむしろ威力が上がるのでは?」 

魔法使い「全身が銃口ならよかったけど、銃身のほうが縦笛のように穴だらけ。遠くに放とうとしても魔力が散逸しちゃって、届かないの」 

勇者「それって、有効な射程距離がゼロに等しいってことですか?」 




23:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 13:35:50.33 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「そういうことね。魔法発動時は大丈夫だけど、流石に燃え始めた魔物に触れちゃうと火傷するし、爆発系なら爆風に巻き込まれる」 

魔法使い「制限が多いの、私」 

勇者「そうだったのですか。―――ひょっとして、貴女も?」 

僧侶「えっと……」 

勇者「そうだ!!足を怪我していたのでは?!」 

僧侶「それは……あの……」 

魔法使い「大丈夫よ。もう完治してるから」 

勇者「え?でも、確かに噛まれて」 

僧侶「わ、私はあの……と、止まらないんです……」 

勇者「止まらない?」 

僧侶「魔法……止められないんです……」 

勇者「ど、どういうことですか?」 

僧侶「魔力が尽きるまで勝手に治癒魔法が発動し続ける体質で……」 

僧侶「怪我をしても魔力がある限りは体が自動的に治癒させてしまうんです」 

勇者「それって……無敵ってことじゃないですか!!すごい!!」 




24:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 13:42:36.99 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「いやいや、魔力が尽きたら終わりなんだから、無敵ではないわ」 

僧侶「は、はい」 

勇者「でも……」 

僧侶「魔力は睡眠を取るなり、食事をするなりして回復しますが……私はずっと使い続けている状態なので……」 

勇者「もしかて……」 

僧侶「燃費……すごく悪いんです……」 

魔法使い「十分に回復しても1時間ぐらいで底を打っちゃうものね?」 

勇者「……」 

僧侶「ご、ごめんなさい!!一応、攻撃魔法も習得していますが……それを使うと一気に……魔力が……」 

勇者「なるほど……」 

魔法使い「私たちが売れ残った理由、わかったかしら?」 

勇者「……」 

魔法使い「ポンコツなのよ、私たち」 

僧侶「すいません……てっきり、受付の人が話してくれているものだと……」 

魔法使い「ま、いるわけないわよね。私たちをわざわざ危険な旅に同行させようなんて考える馬鹿は」 




25:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 13:47:55.17 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「あの!!今からでも遅くありません!!他の人を連れていったほうが……」 

魔法使い「私からもそれをオススメするわ」 

勇者「……」 

僧侶「やっぱり、私たちもうこういうことやめたほうがいいかもしれませんね……」 

魔法使い「そうね……。勇者様と魔王討伐……夢だったけど……」 

勇者「……」 

僧侶「で、では……これで……」 

魔法使い「ありがとう。指名してくれて。でも、残念。私たちでは貴方の寿命を短くする手助けしかできないの」 

僧侶「これからは……お花屋さんでも経営します……」 

魔法使い「いいわねー。棒も売りましょう、棒」 

僧侶「棒なんて売れないですよー」 

魔法使い「馬鹿ね。つっかえ棒とか物干し竿とか色々あるでしょ」 

僧侶「花とどんな関係が……」 

勇者「待ってください」 

魔法使い「なに?」 




26:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 13:52:44.62 ID:hpeqfj4Jo
勇者「僕が提示した条件はすごく美人で有能な僧侶と魔法使いでした」 

僧侶「……」 

魔法使い「なら、貴方の条件はまるっきり満たしていないわね」 

勇者「でも、その後すぐに訂正しました。すごく美人な僧侶と魔法使いでいいと」 

僧侶「え……」 

勇者「ですので、僕は納得して貴女たちを連れていくことに決めました」 

魔法使い「いや……」 

勇者「さあ、行きましょう」 

僧侶「ちょっと待ってください!!」 

勇者「なんでしょうか?」 

魔法使い「馬鹿なの?説明したでしょ。私たちは役立たずなのよ」 

勇者「でも、魔王討伐に行くことが夢だからこそ、あの傭兵所で声が掛かるのを待っていたんですよね?」 

僧侶「そ、そうですけど……」 

勇者「なら、僕がお二人の夢を叶えて差し上げます」 

魔法使い「何言ってるのよ!!死ぬ気!?」 




27:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 13:58:15.54 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「そ、そうです!」 

勇者「死にません。僕は王国に選ばれた勇者ですから」 

魔法使い「足を引っ張るだけよ……」 

勇者「それはまだわかりません」 

魔法使い「顔?私たちの顔が好みだから連れて行きたいわけ?」 

勇者「はい」 

僧侶「な、なにいってるんですか?!」 

魔法使い「それなら魔王倒して、名前を売ればいいじゃない。名声と富を手に入れれば、私たち以上の女だって寄ってくるわ」 

勇者「そのために屈強な男性と共に旅をしろというのですか?!ふざけんな!!」 

僧侶「ひっ」ビクッ 

魔法使い「あ、あんた……正気?!相手は魔王!!世界の3分の1を支配してる魔物の王様なのよ?!」 

勇者「そうですね」 

魔法使い「こんなダメな二人を連れて無事に済むと思ってるの?……いえ、絶対に死ぬ」 

勇者「どんなに有能な人を連れていても死ぬときは死にます。なら、僕は自分の好みに合った人を連れて行きたいです」 

僧侶「か、考えなおしてください!!」 




28:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:02:42.29 ID:hpeqfj4Jo
勇者「どんなに思考しても行き着く結論は同じです」 

魔法使い「真性の馬鹿か……」 

僧侶「勇者様……」 

勇者「とりあえず北の村に行きましょう」 

魔法使い「……」 

僧侶「……」 

勇者「どうしてもというなら構いません。無理強いはさせたくないですし」 

勇者「死ぬほど嫌なら抜けてもらってもいいですよ」 

僧侶「でも……」 

勇者「しかし、迷っているぐらいなら是非とも僕の後ろにいて頂きたいと思います」 

魔法使い「……」 

僧侶「ど、どうします?」 

魔法使い「どうするといわれても……」 

勇者「では、出発!!」 




29:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:06:55.02 ID:hpeqfj4Jo
―――村 

勇者「着きましたね」 

僧侶「そ、そうですね……」 

魔法使い「はぁ……」 

勇者「お二人は宿の確保をお願いします。僕は魔物を狩って得た物を売ってきます」 

僧侶「は、はい」 

勇者「宿屋で合流しましょう」 

魔法使い「ええ」 

勇者「それでは、行ってきます」 

僧侶「……あの」 

魔法使い「なに?」 

僧侶「ど、どこまで本気なんでしょうか……」 

魔法使い「さぁ?でも、まあ、居ないよりはマシって考えじゃない?」 

僧侶「そ、そうですね。道中、いい人が見つかるまでのサポートなら……」 

魔法使い「さ、宿に行きましょう。あんたの魔力、とっくに空でしょ?」 




30:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:11:40.56 ID:hpeqfj4Jo
―――宿屋 

勇者「ただいま戻りました!!」 

魔法使い「おかえり。アンタの部屋は向こうね」 

勇者「相部屋じゃないんですか!?」 

魔法使い「当たり前でしょ!?」 

僧侶「ご、ごめんなさい」 

勇者「ちっ」 

魔法使い「アンタ、本当に勇者?」 

勇者「まあ、いいでしょう。それよりも……」 

僧侶「な、なんですか?」 

勇者「どうぞ」スッ 

魔法使い「なにこれ?」 

勇者「杖と棒だけでは心許ないと思いまして、ナイフと剣を買ってきました」 

僧侶「わ、私たちにですか?」 

勇者「魔法が不便ならせめて自衛のための武器は必要でしょう?」 




31:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:16:49.14 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「まあ、そうね」 

僧侶「このような立派な物を……あ、ありがとうございます!!」 

勇者「いえいえ」 

魔法使い「……ねえ」 

勇者「はい?」 

魔法使い「こんな物買ってきて……私たちを戦力として見てるの?」 

勇者「当然ですよ」 

魔法使い「魔法も満足に使えないのに?」 

勇者「ですから、武器を―――」 

魔法使い「それなら強い戦士を仲間にしたらどうなの?」 

僧侶「ちょっと……」 

魔法使い「非力な私たちが武器を持ってもプラスにならないわよ?」 

勇者「筋肉質の女性はちょっと……」 

魔法使い「そういう意味じゃないの!!アンタ、どうせ私たちを捨てるつもりなんでしょう!?余計なことにお金使わないほうがいいわよ?!」 

勇者「捨てる?」 




32:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:20:31.00 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「そ、そんなこと言わなくても……」 

魔法使い「どうせ……いい人が見つかるまでの繋ぎでしょ?」 

勇者「何を言っているんですか?」 

魔法使い「下手な気遣いはいらないわよ」 

勇者「僕は貴女たちと魔王討伐をするつもりで武器を買ってきたんですよ?」 

魔法使い「嘘」 

勇者「嘘じゃないです」 

魔法使い「……」 

僧侶「あの……お、おちついて……」 

勇者「貴女たち以外と旅をするつもりは微塵もありません」 

魔法使い「……何が目的?」 

勇者「え?」 

魔法使い「私たちを同行させて……何か裏があるんでしょ?」 

僧侶「や、やめてください……」 

勇者「無論、目的はありますよ」 




33:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:24:16.43 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「ほらね。何?臓器でも売る?それとも私たちを人身売買にかけるつもり?」 

僧侶「し、失礼ですよ!!」 

魔法使い「だって……それぐらいしか……」 

勇者「体目当てです」 

魔法使い「え?」 

僧侶「か、体?」 

勇者「はい」 

魔法使い「ふん……やっぱり……そういうこと……。身売りさせるわけ?」 

勇者「いいえ。僕が貴女たちの体を狙っています」 

魔法使い「はぁ!?」 

僧侶「ど、どういうことですか?!」 

勇者「僕は貴女たちを見ているとムラムラします」 

魔法使い「何言ってるの!?馬鹿なの!?」 

勇者「勇者に向かって失敬ですね」 

僧侶「あ、あの……体って……それは……えっと……エ、エッチなこと……ですか?」 




34:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:28:13.36 ID:hpeqfj4Jo
勇者「まあ、そうです」 

僧侶「……」 

魔法使い「な、なにそれ……」 

勇者「でも、どうやら貴女たちはとてもガードが固いようですので、暫くは様子見します」 

魔法使い「連れて行く代わりにヤラせろってこと?」 

僧侶「ひっ」 

勇者「強姦などしません。飽く迄もラブラブな状態でしか体を重ねたくありませんし」 

魔法使い「……本気?」 

勇者「勿論っ」 

僧侶「目が怖いです……」 

勇者「それではお休みなさい」 

魔法使い「え、ええ……」 

勇者「安心してください。夜這いもしませんから」 

魔法使い「したらホールドファイアーしてやる」 

勇者「なるほど。それは危険ですね」 




35:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:35:27.58 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「……あの」 

魔法使い「まさかただの下心だったとはね」 

僧侶「……」 

魔法使い「どうする?帰る?」 

僧侶「い、いえ……無理矢理にしないって言ってましたし」 

魔法使い「それ信じるの?油断したときに襲われたら大変よ?」 

僧侶「まあ、でも、邪念のみで体に触れようとしてきても勇者様では私たちに勝てませんし」 

魔法使い「確かにね。私なら燃やせるし」 

僧侶「はい」 

魔法使い「あんたは危ないけどね」 

僧侶「わ、私は勇者様を信じますから」 

魔法使い「お人好しね」 

僧侶「そ、それほどでも」 

魔法使い「別に褒めてないけど」 

僧侶「と、とにかく!魔王討伐に行くことは確定なんですからがんばりましょう!!」 




36:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:39:24.23 ID:hpeqfj4Jo
―――翌日 

勇者「おはようございます!!」 

魔法使い「おはよ」 

僧侶「はい」 

勇者「では、早速出発しましょう」 

僧侶「そ、そうですね!時間が惜しいですし!!」 

魔法使い「で、今日はどこを目指すの?」 

勇者「東にある森を抜けて、隣国に入りましょう」 

僧侶「国境のある森ですね」 

勇者「森自体はそれほど歩きにくいものではないようですが、魔物もいますし、なにより道のりが長いようです」 

僧侶「そ、それはたいへんですね」 

勇者「ええ。ですが、しっかりと休憩を挟みながら進めば何も問題はないでしょう」 

魔法使い「だといいけど」 

勇者「では、出発!!」 

僧侶「は、はい!!」 




37:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:42:25.51 ID:hpeqfj4Jo
―――森 

勇者「魔力は大丈夫ですか?」 

僧侶「まだ、いけます」 

魔法使い「もうギリギリでしょう?」 

僧侶「そ、そうですけど……」 

勇者「まあまあ、薬草も十二分にありますし。気にしないでください」 

魔法使い(いつの間に……) 

僧侶「さ、流石は勇者様!!」 

勇者「いやぁ」 

ガサガサガサ…… 

勇者「むっ!?」 

魔物「ウゥゥゥゥゥ……!!!」 

魔法使い「魔物……!!」 

勇者「ふっ。掛かって来い!!!」 

魔物「ガァァァ!!!!」ダダッ 




38:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:45:36.95 ID:hpeqfj4Jo
勇者「せぇぇい!!」ザンッ 

魔物「グァ!?」 

勇者「もう一撃!!」 

魔物「グアァ!!!」ガブッ 

勇者「つっ?!」 

僧侶「勇者様ぁ!!」 

魔法使い「……っ」 

勇者「―――はぁぁぁ!!!」ザンッ 

魔物「ゥガ……」 

勇者「勝った」 

僧侶「勇者様!!大丈夫ですか!?」 

勇者「ええ」 

魔法使い「腕から出血してるわよ?」 

僧侶「い、今、魔法で……」 

勇者「いや、必要ありません」 




39:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:49:11.55 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「どうしてですか!?」 

勇者「それは……」 

魔法使い「それは?」 

勇者「こうするからです」ムニュ 

僧侶「へっ……!?」 

魔法使い「なっ……?!」 

勇者「素晴らしい弾力ですね」ムニュムニュ 

僧侶「い……いやぁぁぁぁ!!!!」 

魔法使い「な、なに堂々と胸を揉んでるのよぉ!!!」 

勇者「でも、傷は癒えました」 

魔法使い「ちょっと……!?」 

勇者「思ったとおり、貴女の体に触れると治癒の効果が得られるのですね。いや、なるほど」 

僧侶「うぅぅ……」 

魔法使い「いい加減にしなさいよ!!あんたぁ!!」 

勇者「魔力が垂れ流し状態なら、こうやって活用したほうがいいはず」 




40:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:53:24.66 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「そりゃ……そうだけど……」 

勇者「うん。仕方ありませんね」 

僧侶「ぐすっ……」 

魔法使い「でも、胸じゃなくてもいいでしょうが!!手を繋ぐとかでも!!」 

勇者「それは盲点でした」 

魔法使い「野郎……」 

僧侶「……」 

勇者「すいません。僕の思慮が足りないばかりに」 

僧侶「い、いえ……わ、私もびっくりしてしまって……」 

勇者「これからは手を繋ぎます」 

僧侶「そ、そうしてください……」 

勇者「よし。それではもう少し先に進んで休憩にしましょうか」 

僧侶「は、はい」 

魔法使い「わざとでしょ……?」 

勇者「いや、僕の浅はかさが露呈してしまっただけです。本当に面目ありません」 




42:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 14:58:16.26 ID:hpeqfj4Jo
―――川辺 

勇者「ここなら安全そうですね。休憩にしましょう」 

僧侶「はぁ……疲れた」 

魔法使い「日没までには抜けられそうね」 

勇者「抜ければすぐに城下町が見えるはずです。がんばりましょう」 

僧侶「はいっ」 

勇者「あの」 

魔法使い「なに?」 

勇者「パンを焼いてもらえますか?」 

魔法使い「はいはい。―――よっと」ボッ 

勇者「……」 

僧侶「ここの川、すごく綺麗ですよ!」 

勇者「魚でも捕りましょうか」 

僧侶「できるんですか?!」 

勇者「ふっ。僕に不可能はありません」 




43:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 15:05:02.88 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「すごい!すごい!大量です!」 

勇者「はっはっはっは」 

魔法使い「いや……そんなに食べられないでしょうが」 

勇者「そうですね。キャッチアンドリリース」 

魔法使い「火を起こすわ」 

僧侶「あ、私も手伝います」 

魔法使い「うん」 

僧侶「できました」 

魔法使い「ありがとう。ほい」ジジジジッ 

勇者「なるほど。それぐらいの炎なら手のひらからでも出せるわけですね」 

魔法使い「距離も近いからね。5メートル以上だと枯葉すら燃やせない。若干温かくなるぐらいね」 

勇者「そうですか」 

僧侶「さあ、いっぱい食べて魔力を回復させないと」 

魔法使い「大変ね」 

勇者「……」 




44:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 15:08:59.34 ID:hpeqfj4Jo
―――森 

勇者「段差になっているので足下に注意してください」 

僧侶「は、はい」 

勇者「よし」 

魔法使い「……」 

ガサガサガサ…… 

勇者「ん?」 

僧侶「え……ま、まさか……」 

魔物「オォォォォォォ!!!!!!」 

勇者「今度のはでかいな」 

僧侶「ひぃぃ!?」 

魔法使い「剣を構えて!!周りにも魔物がいるわ!!」 

僧侶「そ、そんな?!」 

勇者「森の主といったところか」 

魔物「オォォォォ……!!」 




45:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 15:15:50.36 ID:hpeqfj4Jo
勇者「いいだろう!!掛かってくるがいい!!」 

魔物「オォォォォ!!!!」バキィ 

勇者「がはぁ?!」 

魔法使い「馬鹿!!」 

僧侶「勇者様!!」 

勇者「くっ……なんてパワーだ……」 

魔物「オォォォ」 

勇者「でぁ!!!」ザンッ 

魔物「オォォォ!!!!」ブゥン 

ドゴォ!! 

勇者「ずっ!?」 

僧侶「あぁ?!」 

魔法使い「強い……」 

魔物「オォォォ!!!!」 

勇者「ちっ……」 




46:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 15:22:00.84 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「勇者様……!!」 

勇者「こうなったら……」 

魔法使い「どうするの?!」 

勇者「耳を貸してください」 

魔法使い「え?」 

勇者「―――できますよね?」 

魔法使い「いや……やったことないけど……」 

勇者「お願いします」 

魔法使い「でも……」 

勇者「貴女ならできる」 

魔法使い「……わかったわ」タタタッ 

僧侶「わ、私は何をしたら……」オロオロ 

勇者「そうですね。結構、至る所に傷を負ってしまったので、全身を癒してくれますか?」 

僧侶「えっと……ど、どうやって……?」 

勇者「無論、全身を癒すためには全身を使って頂かないと」 




47:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 15:26:02.82 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「そ、それって……抱きつくってことですか!?」 

勇者「さあ!!早く!!生死を分ける瞬間なのですから!!」 

僧侶「そ、そうですね……ここで躊躇していては……!!」 

僧侶「勇者様!!今、癒します!!」ムギュゥ 

勇者「よっしゃぁ!!!」 

僧侶「も、もういいですか?」 

勇者「もっと!!もっと強く!!」 

僧侶「は、はい!!」ギュゥゥゥ 

勇者「ぬほほぉ」 

魔物「オォォォォォ!!!!!!」 

僧侶「きゃぁ!?勇者様ぁ!!!」 

勇者「まだまだぁ!!」 

僧侶「えぇ!?」 

メキメキメキ…… 

僧侶「え?何の音……?」 




48:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 15:33:07.43 ID:hpeqfj4Jo
魔物「オォォォ!!!!」 

メキメキメキ……!! 

魔法使い「よけて!!!」 

勇者「とう!!」バッ 

僧侶「きゃぁ?!」 

魔物「……!?」 

メキメキメキ……バキィ!! 

魔法使い「喰らいなさい。大木ハンマァ」 

ゴォォォン!! 

魔物「オォ……ォォォ……ォ……」ズゥゥゥン 

僧侶「魔物が大木の下敷きに……」 

勇者「ふー。流石です。―――周りを取り囲んでいた魔物も主を失って逃げ出したみたいですね。よかった」 

魔法使い「なんで私が木に抱きつかなきゃいけないのよ……」 

勇者「火力を自由にコントロールできる貴女なら火事にならないように木を折ることだって出来る」 

勇者「パンを上手く焼けるぐらい精密な火加減を可能にできる貴女なら、そう難しいことでもなかったでしょう?」 




50:NIPPERがお送りします(関西・北陸):2012/06/03(日) 15:37:15.18 ID:oyXDtoDAO
僧侶の万力で勇者がメキメキィかと思いますた 




51:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 15:39:08.53 ID:WoFZ094do
それで「何の音?」とか鬼畜の所業だろ 




52:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 15:41:30.96 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「……まぁね」 

勇者「さて、進みましょう。もうすぐ森を抜けられるはずです」 

僧侶「は、はい!!」 

勇者「魔力は?」 

僧侶「余力はあります!魔法は一切使ってませんし」 

勇者「なるほど。垂れ流しているだけだから、消費量はいつもと変わらないわけですね」 

僧侶「は、はい……すごく燃費はダメダメですけど」 

勇者「いやいや、便利ですよ」 

僧侶「そ、そうですか……?」 

勇者「ええ。だって一定量の魔力で全快になるんですから」 

僧侶「そ、そういってくださると……嬉しいです……」モジモジ 

勇者「ハッハッハッハ」 

魔法使い「ちょっと……私もがんばったんだけど」 

勇者「大木ハンマー。また、使いましょうね」 

魔法使い「い、いやよ!!」 




53:NIPPERがお送りします:2012/06/03(日) 15:54:10.85 ID:hpeqfj4Jo
―――城下町 

勇者「はぁ……もう夜になってしまいましたね」 

魔法使い「森から結構な距離があったわよ……嘘つき」 

勇者「地図って難しいですね。ほらほら」 

僧侶「本当ですね。地図上ではたった数センチなのに……」 

魔法使い「馬鹿……。もういいわ。早く休みましょう」 

勇者「では、僕は魔物から得た戦利品を売って来ます」 

僧侶「わかりました」 

魔法使い「じゃあ、私たちは宿をとっておくわね」 

勇者「お願いします」 

僧侶「勇者様、後ほど」 

勇者「はっ」 

魔法使い「……」 

僧侶「どうしたんですか?」 

魔法使い「別に。いきましょう」 




56:NIPPERがお送りします(岡山県):2012/06/04(月) 18:59:29.79 ID:K1zQ3n7yo
木に抱きついた魔法使いと勇者に抱きついた僧侶 
どこで差がついたのか 




57:NIPPERがお送りします:2012/06/04(月) 19:15:27.00 ID:i5ClRSbIO
おっつん 
慢心、努力の差 




61:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 16:25:14.14 ID:hpeqfj4Jo
―――宿屋 

店主「では、二部屋ということで」 

僧侶「はい。ありがとうございます」 

魔法使い「早く横になりたいわね」 

僧侶「そうですね」 

店主「ちょっといいですか」 

僧侶「は、はい?」 

店主「こちらを持っていってください」 

魔法使い「なぁに、これ?」 

店主「今、冒険者の方たちにお配りしているんです。ここより北へは行かないようにと」 

僧侶「北……ですか?」 

店主「魔王の軍勢が侵攻してきているようで」 

魔法使い「もうこんなところまで……。止められないの?」 

店主「ええ。各国から選出された勇者様も悉く命を落としている現状では……。この国の兵力も長年の戦で疲弊してますし」 

僧侶「そうですか……」 




62:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 16:29:01.07 ID:hpeqfj4Jo
―――寝室 

魔法使い「どの国の勇者もダメだったのね」 

僧侶「そういえば最近、勇者様のお話って耳にしませんでしたね」 

魔法使い「このままじゃ世界は……」 

僧侶「……」 

ガチャ 

勇者「ただいま戻りました」 

魔法使い「ノックぐらいしないさいよ!!」 

勇者「どうして着替え中じゃないんですか!!!」 

魔法使い「なんで怒ってるわけぇ!?」 

勇者「ガード固いな!!全く!!!」 

魔法使い「アンタ、本当に勇者なの!?」 

僧侶「まぁ、まぁ」 

魔法使い「あんたも怒りなさいよ!!馬鹿っ!!」 

勇者「これからは常に着替え中でいてくださいよ、ホントに」 




63:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 16:33:57.08 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「意味わかんないこといってんじゃないわよ!!」 

勇者「それはさておき、これを」スッ 

魔法使い「え?私に?」 

勇者「はい。路銀も増えたので新しい武器を購入してきました」 

魔法使い「なによ……」ガサゴソ 

僧侶「あの……勇者様?私には……?」 

勇者「申し訳ありません。一つしか買えなくて」 

僧侶「あ、い、いえ!!ごめんなさい!!」 

魔法使い「……鞭?」 

勇者「はい。似合いますよ」 

魔法使い「そう?」パシンッ 

勇者「最高です」 

魔法使い「でも、どうして鞭なの?」 

勇者「なんか……そそるじゃないですか」 

魔法使い「目がいやらしいわよ?」 




64:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 16:40:35.21 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「……まあ、いいけど」パシンッ 

勇者「お二人は何を?」 

僧侶「あ、実はこれを」スッ 

勇者「これは……なるほど……」 

僧侶「どうしますか?北は危ないとのことですし、ここは……」 

勇者「北に行きましょう」 

魔法使い「え!?」 

僧侶「勇者様!?でも、危ないって……!!」 

勇者「危なくなれば逃げればいいだけです」 

魔法使い「アンタねえ!!正気なの!?」 

勇者「どうしてですか?僕は勇者。いつかは魔王と戦う身。ならば、魔王の軍勢とも戦うべきかと」 

魔法使い「私たちを連れて?」 

勇者「勿論です」 

僧侶「勇者様……」 

魔法使い「無理よ……。死ぬわ。絶対」 




65:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 16:50:52.39 ID:hpeqfj4Jo
勇者「死にませんよ。僕がいるのですから」 

僧侶「でも……!!」 

勇者「なんですか?」 

僧侶「森のときみたいに、上手くいくとは限りません」 

魔法使い「そうよ。いい?私のこの子も、広範囲に魔法は使えない。集団で襲われたら終わりよ?」 

勇者「ええ。そうでしょうね」 

魔法使い「なら、魔王の軍勢に立ち向かうなんて無謀だわ。勇気と無茶を履き違えないで」 

勇者「物量で勝てるのは恐らく、大国の軍隊だけですよ?」 

僧侶「え……」 

勇者「魔王の軍勢と張り合うだけの兵力なんてどこにもありませんよ」 

魔法使い「そうよ。だから、戦うなんて馬鹿でしょ」 

勇者「ええ。でも、僕は馬鹿ですから」 

僧侶「ゆ、勇者さま?!」 

魔法使い「なっ……!?」 

勇者「魔王を倒すのであれば、その軍勢ぐらい圧倒できなくてどうするんだ!!って考えに至るんですよね。馬鹿だから」 




66:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 16:57:55.62 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「ちょっと……死ぬ気なの?」 

僧侶「勇者様、危険すぎます!!」 

勇者「僕は死ぬ気なんて更々ありません。僕の夢は魔王を討伐し、国から莫大な報奨金を得て、豪遊しながら老衰死することなんで!!」 

魔法使い「だから!!その下らない煩悩だらけの夢が夢のままで終わるって言ってるでしょ?!」 

勇者「綺麗なお嫁さんをもらって、尚且つ、10人の側室を得るまでは死にません!!」 

魔法使い「軍勢に突っ込んでいってどうやって生き延びるっていうのよ!!馬鹿っ!!アホっ!!」 

僧侶「そ、それは言いすぎですよ……」オロオロ 

勇者「アホ?!アホとはなんだ!!!失礼な!!!」 

魔法使い「怒るポイントがよくわかんないのよ!!!」 

勇者「とにかく。明日は北に向かいます!!」 

魔法使い「私は嫌!!断固拒否!!」 

勇者「分かりました」 

魔法使い「え……?」 

勇者「では、ここで僕の帰りを待っていてくれますか?」 

僧侶「な、何を言っているんですか……?」 




67:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:04:40.00 ID:hpeqfj4Jo
勇者「だってほら、未来の側室候補が死んでしまっては本末転倒ですし」 

魔法使い「だれが側室よ!!だれが!!」 

勇者「貴女たちに決まってるだろうが!!」 

僧侶「側室……」 

魔法使い「せめて嫁候補っていいなさいよ!!」 

勇者「まだお互いを知っていないのに、嫁ですが?え?いいんですか?やったー」 

魔法使い「一人で盛り上がらないで!!!誰がアンタの嫁になるか!!」 

勇者「まあ、ともかく。お二人ともここに居てください。僕が軍勢をなぎ倒して、歩きやすくしてきますから」 

僧侶「そんな……!!勇者様、駄目です!!やめてください!!」 

勇者「僕は勇者ですから。大丈夫です」 

魔法使い「その自信はどこから来るわけ……」 

勇者「知りたいのであれば、今夜僕と一緒にベッドで……寝ます?」 

魔法使い「去れ!!」 

勇者「おっと。失言でしたね。今夜は諦めましょう。それでは、おやすみなさい」 

僧侶「勇者様!!まだお話は―――!!」 




68:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:09:52.92 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「何よ……あいつ……訳わかんないわ……」 

僧侶「本気なのでしょうか……」 

魔法使い「本気だったら……どうするの?」 

僧侶「……」 

魔法使い「……私は同行しないから」 

僧侶「え?」 

魔法使い「もし本気で行くなら……私は足手まといでしかない……」 

僧侶「そうですね……私も……すぐ魔力が空っぽになっちゃいますし……」 

魔法使い「私だって、魔法の効果範囲が零距離だし……」 

僧侶「私たち……」 

魔法使い「……ホント、ダメね」 

僧侶「はぁ……」 

魔法使い「……もう寝ましょう?」 

僧侶「はい」 

魔法使い「アイツもきっと……冗談だろうし……」 




69:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:13:41.18 ID:hpeqfj4Jo
―――深夜 

僧侶「ん……」ムクッ 

魔法使い「すぅ……すぅ……」 

僧侶(お手洗い……)モジモジ 

僧侶「……」ガチャ 

僧侶(確か……この廊下の突き当たりでしたね……)スタスタ 

勇者「……」 

僧侶「あ……」 

勇者「ん?」 

僧侶「勇者様……どうしたのですか?」 

勇者「いや。催してしまって」 

僧侶「そうですか」 

勇者「貴女も?」 

僧侶「ど、どうしてそんなこときくんですかぁ!!!」 

勇者「おっとっと。深夜だからと許されるものではありませんでしたか。反省します」 




70:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:19:40.09 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「何をされていたんですか?」 

勇者「僕の部屋からだと月が見えなくて。今日は綺麗な満月ですよ」 

僧侶「そうですね」 

勇者「実に美しい」 

僧侶「……」 

勇者「なにか?」 

僧侶「もしかして……今から出発を?」 

勇者「……多勢と戦う場合、奇襲は常套的な戦術です」 

僧侶「勇者様……」 

勇者「では。行ってきます」 

僧侶「……」 

勇者「……」スタスタ 

僧侶「―――待ってください!!」 

勇者「なんですか?まさか……粗相をご披露してくれると?なんてこった……」 

僧侶「ち、ちがいます!!―――行かないでください!!って言おうとしたんです!!」 




71:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:28:05.84 ID:hpeqfj4Jo
勇者「何故ですか?」 

僧侶「も、もし……勇者様が帰ってこなかったら……私たちはどうしたらいいんですか?!」 

勇者「それはありえませんが……。まあ、そうなったら諦めて元の傭兵所に戻って頂くしか……」 

僧侶「む、無責任ですっ!!」 

勇者「え?」 

僧侶「余り物の私たちを拾っておいて、勝手なこと言わないでくださいっ!!」 

勇者「……」 

僧侶「さ、最後まで面倒見てください……。それに……私たちの夢も叶えてくれるって言ったじゃないですか……」 

勇者「あぁ……そうでしたね」 

僧侶「それとも……私たちの夢を……約束を反故にするのですか?」 

勇者「何を馬鹿な。守りますよ。勿論」 

僧侶「なら……行かないでください……」 

勇者「僕は死にません」 

僧侶「まだ、出会って日が浅いのに信じられません!!勇者様のお言葉には根拠もありません!!」 

勇者「え?勇者ってことが証明にならないんですか?びっくり」 




72:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:33:24.01 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「各国の勇者様だって何名も命を落としていますから」 

勇者「なるほど。他の勇者が僕の信頼度を落としたわけですね。ゆ、ゆるせん!!」 

僧侶「ですから……」 

勇者「……でも、行かないと」 

僧侶「どうしてですか!!」 

勇者「だって、このまま魔王の軍勢を放っておいたら、僕の帰ってくるところが無くなりますからね」 

僧侶「あ……」 

勇者「故郷で超絶美人のお嫁さんと10人の側近をはべらせて老衰死するという目的が達成できないので」 

僧侶「……」 

勇者「だから、止めないと」 

僧侶「……分かりました」 

勇者「ご理解いただけましたか」 

僧侶「わ、私も行きます!!」 

勇者「え?」 

僧侶「あ、足手まといかもしれませんが……それでも勇者様を癒すことは……できますから……」 




73:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:39:07.47 ID:hpeqfj4Jo
勇者「いや、こう体を反らしてくれるだけで目は癒されますけどねぇ」 

僧侶「勇者様!!私は真剣なんです!!」 

勇者「付いて来てくれるのは嬉しいですが……いいのですか?」 

僧侶「わ、私は勇者様のお供ですから!!」 

勇者「ふっ……。40秒で支度しなっ!!」 

僧侶「え!?あ、いや!!あの!!お手洗いにも行きたいので……!!」モジモジ 

勇者「じゃあ……400秒まで待ちましょう!!」 

僧侶「あ、ありがとうございます!」タタタッ 

勇者「……」 

僧侶「あの!!勝手に出発しないでくださいね!!」 

勇者「しませんよ。ここで貴女が奏でる水の音に耳を傾けてますから」 

僧侶「や、やめてください!!!」 

勇者「さあ、あと375秒ですよ!!」 

僧侶「あああ!!!」タタタッ 

勇者「……」 




74:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:43:44.62 ID:hpeqfj4Jo
―――寝室 

僧侶「起きてください!!」ユサユサ 

魔法使い「ん……?なに?まだ夜じゃないの」 

僧侶「あと250秒しかありません!!」 

魔法使い「え?なんの話?」 

僧侶「今から魔王の軍勢と戦いに行くんです!!」 

魔法使い「はぁ!?なんで?!どうしてよ!?」 

僧侶「ダメ……ですか?」 

魔法使い「いや……なんでそうなったか説明してくれないと……」 

僧侶「勇者様は本気でした。故郷を守るために……戦おうとしているんです」 

魔法使い「故郷を……?」 

僧侶「はい」 

魔法使い「……私でも役に立てると思う?」 

僧侶「勇者様は出来れば私たちにも力を貸して欲しいって言っています」 

魔法使い「そう……そうなの……」 




75:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:50:31.94 ID:hpeqfj4Jo
―――宿屋 入り口 

魔法使い「……おはよ」 

僧侶「お待たせしました」 

勇者「ありがとうございます」 

魔法使い「……ちゃんと守ってくれるの?」 

勇者「もちろん。傷一つつけないようにしますよ。それが勇者の役目です」 

魔法使い「ふん……。早死にするわね」 

勇者「いえ。90歳までは生きます。魂だけでも現世に噛り付く勢いで」 

魔法使い「そこまで行ったら潔くくたばりなさいよ!!」 

勇者「生きるっ!!!」 

魔法使い「もういいわ……。出発前から疲れる……」 

僧侶「そ、それより……勇者様?奇襲をかけるといっても……夜ですし、魔物のほうが有利じゃないでしょうか?」 

勇者「夜行性の魔物も配備されているみたいですが、地図を見る限り、山の裏側に回り込めば十分に奇襲はかけることはできます」 

魔法使い(こいつ……いつからそんな下調べを……?) 

勇者「では!出発!!」 




76:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 17:57:12.26 ID:hpeqfj4Jo
―――北の山 

魔物「……」キョロキョロ 

魔物「……」ウロウロ 


魔法使い「……すごい数……」 

僧侶「こわい……」ブルブル 

勇者「この軍勢を束ねているのは魔王の側近の一人であるトロルみたいですね」 

魔法使い「そうなの?」 

勇者「はい」 

魔法使い「どうしてそのことを知ってるわけ?」 

勇者「人の話を繋げて得た情報です。まあ、100%の保障はないですけど」 

魔法使い「……」 

僧侶「でも、魔王の側近となると……森の主よりも強いってことですよね?」 

勇者「でしょうね。まあ、でもこっちは三人もいますし、作戦通りにいけば余裕でしょう」 

魔法使い「その自信はどこから……」 

勇者「では、作戦開始で」 




77:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:02:26.89 ID:hpeqfj4Jo
―――山道 

魔物「グルル……」ピクッ 

魔物「グルル……?」 

勇者「ふっ!!」ザンッ 

魔物「ガッ!?」 

勇者「よし、行きましょう」 

僧侶「は、はい!!」 

魔法使い「はぁ……はぁ……」 

勇者「少し休憩しますか?」 

魔法使い「大丈夫。先に進みましょう……」 

勇者「裏側の道なので荒れていますし、無理をすることは……」 

僧侶「でも、時間をかければ魔物たちが異変に気づいてしまいますし」 

勇者「そうですね。行きましょう」 

僧侶(できるだけ魔力を残しておかないと……!) 

魔法使い(本当にこんなことで勝てるの……?) 




78:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:07:46.79 ID:hpeqfj4Jo
―――山頂 

勇者「―――ここですね」 

トロル「待っていたぜ?」 

勇者「!?」 

魔法使い「え……!?」 

僧侶「そ、そんな……」 

魔物「グルルル……!!」 

魔物「ギギギ……!!!」 

勇者「待ち伏せされていたとは」 

トロル「馬鹿が!!人間の臭いは熟睡してても飛び起きるぐらいにおうんだよぉ!!」 

勇者「なるほど」 

トロル「やれぇ!!」 

魔物「「ガァァァァ!!!」」ダダダッ 

勇者「退却!!!」ダダダッ 

トロル「追え!!逃がすな!!!」 




79:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:14:05.26 ID:hpeqfj4Jo
トロル「グフフフ……!!たった三匹で勝てるものか……!!!」 

トロル「さぁて……もう死んでるころかな……。様子でも見てくるか」ズンズン 

トロル「……おい!!人間はどうなったぁ!!!」 

トロル「……」 

トロル「おーい!!!誰かこたえろぉ!!!」 

「―――まさか一斉に嗾けてくれるとは、ありがとうございます」 

トロル「ん!?」 

勇者「……」 

トロル「貴様……!?」 

勇者「とりあえず、増援が来る前に終わらせるか」 

トロル「俺様の部下は……!?」 

勇者「埋めてやった」 

トロル「はぁ!?」 

勇者「さあ、三対一だ!!覚悟しろよ!!」 

トロル「何をした!!貴様ぁ!!!」 




80:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:20:28.62 ID:hpeqfj4Jo
―――山道 

僧侶「さあ、早く勇者様を追いましょう!!」 

魔法使い「ええ!」 

僧侶「でも、まさかこんなにも上手く行くなんて」 

魔法使い「落とし穴なんて古典的な罠だったのに……」 


勇者『いいですか?今から落とし穴を作ります』 

魔法使い『落とし穴?今から?!』 

僧侶『そんなことできませんよ!!道具もないですし!!』 

勇者『道具は鞭だけで十分です』 

魔法使い『これ?』 

勇者『今から貴女に巨大な穴を掘っていただきます。魔物を一網打尽にするために』 

魔法使い『ど、どうやって?!』 

勇者『全身ファイヤーで地面を溶かせてください』 

魔法使い『馬鹿か!?そんなことできるわけ……!!!』 

勇者『出来なければ他の方法を考えますけど、土を融解させるぐらい訳ないでしょう?』 




81:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:26:49.63 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い『できなくても文句言わないでよ……』 

僧侶『が、がんばってください!!』 

魔法使い『うおぉぉ……!!!』ジジジジ 

勇者『おぉ……すごいすごい。溶けてる溶けてる』 

魔法使い『んぐぐ……!!!』ジジジジ 

僧侶『人間マグマ……』 

魔法使い『で、これどうやって外に出るわけ!?』 

勇者『鞭を使います。ひっぱり上げますから』 

魔法使い『護身用じゃなかったのね……』 

勇者『兼用ですよ』 

魔法使い『あー!!もう!!魔力がぁ!!!たりないわよぉ!!!!』ジジジジッ 

勇者『チョコ要ります?』 


魔法使い「―――魔力が枯渇したわ……全く……」 

僧侶「私の魔力も時間的に余裕はありませんし……急がないと……」 

魔法使い「アイツ……私がついてこなかったらどうするつもりだったのかしら……」 




82:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:33:58.27 ID:hpeqfj4Jo
―――山頂付近 

トロル「おぉぉぉ!!!」ガキィン 

勇者「ずっ……!?」 

トロル「はんっ!!部下を排除したところで人間一匹に後れを取るわけないけどなぁ!!!」 

勇者「ふっ!!」ザンッ 

トロル「きくかぁ!!」ドゴォ 

勇者「がっ!?」 

僧侶「―――勇者様!!」 

勇者「あ。首尾は?」 

魔法使い「大丈夫。すぐにはあがってこれないから」 

僧侶「壁が恐ろしいほど湾曲するようしてますからね……」 

勇者「よし……。さあ、トロル。今のうちに降伏するんだ」 

トロル「誰がするかぁ!!」 

勇者「回復を!!」 

僧侶「は、はい!!」ギュゥゥ 




83:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:38:20.43 ID:hpeqfj4Jo
勇者「ぬほほぉ」 

魔法使い「なんで抱きつくわけ!?」 

僧侶「え?」 

トロル「余裕だなぁ!!きさまらぁ!!!」 

僧侶「きゃぁ!!!」 

ギィィン!!! 

トロル「ぐぅ!?」 

勇者「らぁ!!!」ザンッ 

トロル「ぬぅ?!」 

魔法使い「私だって……!!」バッ 

トロル「なに!?」 

魔法使い「はぁぁぁ!!」ゴォォォ 

トロル(な……!?発動前からこの熱気……!?なんて魔力だ!!) 

魔法使い「でぁぁぁ!!!」 

トロル「しまっ―――」 




84:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:42:21.29 ID:hpeqfj4Jo
トロル「……あれ?」 

魔法使い「……」 

勇者「隙ありぃ!!!」 

トロル「魔法はどうなったんだぁ!?」 

勇者「彼女は火の玉一つ飛ばせないんだよ!!!」 

トロル「えー!?」 

勇者「今の熱気が全力の火炎放射だ、バカ野郎!!」 

トロル「そんなポンコツ術士がいるのか!?」 

勇者「僕にとっては有能な魔法使いだ!!」 

魔法使い「……!!」 

トロル「小癪ぅ!!!」 

勇者「はぁぁぁぁ!!!!」 

ザンッ!!! 

トロル「くそ……こ、こんなやつらに……ぐぁ……ぁ……」 

勇者「ふぅー……よし。作戦完了」 




85:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:47:33.16 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「す、すごい!!勝ちました!!勝ちましたよぉ!!!」 

魔法使い「え……ええ。そうね……」 

勇者「さあ、早く退散しましょう。雑魚が群がってきては流石に困るので」 

僧侶「あ、そ、そうですね!!」 

魔法使い「でも、いいの?軍勢はそのままってことになるけど」 

勇者「指揮系統が乱れた軍団など小国の兵力でも十分に勝てます」 

僧侶「じゃあ、町に帰って王様に報告をするのですね?」 

勇者「はい。三人でできるのはこれが限界ですから」 

魔法使い「……」 

勇者「なにか?」 

魔法使い「いえ。そういうことなら早く行きましょう」 

勇者「はっ」 

僧侶「勇者様、お体は大丈夫ですか?」 

勇者「そうですね。若干、痛いので手を握ってください」ギュッ 

僧侶「あ……そ、そんな急に握ってこないでください……」 




86:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 18:54:18.21 ID:hpeqfj4Jo
―――城下町 宿屋 入り口 

僧侶「夜が明けましたね……」 

魔法使い「疲れた……これは……だめ……ね……」 

勇者「では、僕は王に謁見してきます」 

僧侶「少し休まれてからでも」 

勇者「このタイミングで軍に動いてもらわないと。新しい指揮官が到着したら苦労が水の泡ですから」 

僧侶「そ、そうですか」 

勇者「では」 

僧侶「……」 

魔法使い「さ、お言葉に甘えて私たちは休みましょう。流石にきつい……」 

僧侶「そ、そうですね。私も魔力が完全になくなりましたし……」 

魔法使い「まさかこの私に全力を出させる奴がいるなんて思わなかったわ……」 

僧侶「あはは」 

魔法使い「もうだめ……倒れる……」 

僧侶「が、がんばってください……もうすぐですから……」 




87:NIPPERがお送りします:2012/06/05(火) 19:05:01.95 ID:hpeqfj4Jo
―――寝室 

魔法使い「つかれたー!!」ドサッ 

僧侶「はい……」 

魔法使い「にしても……よく私に穴を掘らせる……正確には溶かしたわけだけど、あんな方法を思いついたわね」 

僧侶「普通の魔法使いだと継続して高温の魔法を放ち続けるのは至難の業ですからね」 

魔法使い「零距離で効果が切れる私のダメダメ体質を逆手に取ったのよね……アイツ……」 

僧侶「旅立ってすぐ魔物に襲われたとき、魔物を抱きしめたじゃないですか」 

魔法使い「まさか、あのときに思いついてたの……?」 

僧侶「結構豪快に魔物を炎上させてましたからね。土を融解させるほどの温度を出せるかどうかは分かってなかったと思いますけど」 

魔法使い「……」 

僧侶「これでこの地域も平和になってくれるといいんですけど」 

魔法使い「ホントね」 

僧侶「……ところで、お腹すいてませんか?」 

魔法使い「ペコペコ」 

僧侶「勇者様が戻られたら、何か食べましょうね」 

 

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