勇者「美人な僧侶と魔法使いを」後編6 魔王の章


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 897:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 02:34:59.46 ID:hpeqfj4Jo
―――翌朝 

勇者「いててて……」 

僧侶「もう朝から怪我なんて何があったんですか?」ギュッ 

勇者「ぬほほぉ……いや、猛獣に殴られまして」 

僧侶「猛獣?」 

魔法使い「おはよう」 

少女「……」 

エルフ「どうしたの?機嫌悪そうだけど」 

少女「なんでもない……」 

勇者「まさか、あれほど暴れるとは思いませんでした」 

少女「……ふんっ」 

魔法使い「……ねえ?」 

勇者「なんですか?」 

魔法使い「何かあったの?」 

勇者「え?別になにもありませんが?―――ちょっとした身体検査をしただけですよ、はい」 




898:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 02:39:03.48 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「身体検査って―――」 

兵士長「勇者殿!!」 

勇者「どうしました?」 

兵士長「これを」スッ 

勇者「これは……手紙?」 

兵士長「ご武運を」 

勇者「はい」 

僧侶「誰からですか?」 

勇者「この匂いは……」クンクン 

エルフ「犬みたいなことやめなよ」 

勇者「姫様からの手紙ですね」キリッ 

僧侶「きっとラブレターですよ!!」 

勇者「ふっ。もしかしたら婚姻届かもしれませんね」 

魔法使い「アンタねえ?!一国の姫様になにしてんのよ?!」 

勇者「姫様は肉親を失った身。僕だけでも優しく包んであげないといけないでしょう?優しくしてどこに問題があると?いや、ないですよね?」 




899:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 02:44:23.45 ID:hpeqfj4Jo
少女「早く出発したほうがいいぞ?」 

勇者「ですね」 

ドラゴン「―――乗れ」 

魔法使い「……」 

僧侶「勇者様!ラブレター読んでください」 

勇者「乙女の秘密でしょうし、今は時間が惜しいです」ペラッ 

エルフ「あ、読むんだ」 

魔法使い「……」ソーッ 

ドラゴン「飛ぶぞ!!」バサッバサッ 

勇者「ふむふむ……なるほど……」 

魔法使い「なんて書いてあるのよ?」 

勇者「貴方のことを想うと股間が大洪水になります。早く、この火照った体を冷ましにきてーあっはーん―――と書いてますね」 

エルフ「へー。顔に似合わず淫乱なんだ」 

勇者「もうね、エロエロです」 

魔法使い「嘘いうな!!!あの姫様がそんなこと書くわけないでしょうがぁ!!!」 




900:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 02:50:17.76 ID:hpeqfj4Jo
勇者「僕の側室になる女性はエロくなくてはいけません」 

僧侶「そ、そうなのですか?!」 

勇者「オフコース」 

僧侶「あぁ……そ、そんなぁ……」ガタガタ 

ドラゴン「怖いならしっかり捉まっていろ」 

魔法使い「またいい加減なことを……」 

エルフ「いやらしい女じゃないとダメってこと?」 

勇者「エッチな女性って……素敵やん?」 

僧侶「あぁ……エッチな女性なんて……どうしたら……」オロオロ 

魔法使い「馬鹿じゃないの?気持ち悪いこといわないで」 

勇者「しかし、性に貪欲なほうがこっちも嬉しいですね」ニコッ 

ドラゴン「ニンゲンのオスはそういうメスが好きなのか」 

勇者「だーいすきです」 

エルフ「性欲あるほうが面倒だと思うけどなぁ」 

勇者「はぁぁぁぁ?!―――もう一度言います。はぁぁぁぁぁぁ!?」 




901:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 02:58:33.89 ID:hpeqfj4Jo
エルフ「な、なに?」 

勇者「いいですか?男女共に性欲があるとどれだけのメリットがあると思っていますか?!」 

エルフ「そ、そんなの考えたことないけど」 

勇者「バッカだなぁ!!毎日、エッチなことしか考えない恋人同士ならよぉ!!毎日がもうドキドキじゃん?」 

魔法使い「意味がわからないわよ」 

勇者「いいか?!性欲は二人の関係を冷めさせないための大事で重要で大切でしかも肝心なものなんだぜぇ?!それぐらいわかるだろう?!」 

僧侶「好きだけじゃダメですか?」 

勇者「ダメだな。エッチも好きじゃないとダメだな」 

僧侶「うぐ……」 

ドラゴン「交尾などただの作業だろうに」 

勇者「そう!!作業だ!!だが、その作業がすっごく気持ちよくて楽しくて、毎日でもやっていたいと思うのは良いことです」 

エルフ「どうして?」 

勇者「子宝に恵まれる。そして僕が嬉しい」 

僧侶「なるほど……エッチになれるようにがんばりますっ」 

魔法使い「女に囲まれながら何を口走ってるのよ、馬鹿ね……もう……ホントに……」 




902:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:04:17.13 ID:hpeqfj4Jo
勇者「貴女はもう体がスケベですけど……ぬふふ……」 

僧侶「そ、そうですか……?」 

勇者「もう……うひょー」 

魔法使い「ちょっと、この変態どうにかしてよ。今から魔王と戦いにいくっていうのに、緊張感の欠片もないじゃない」 

エルフ「緊張を解そうとしているんじゃないの?」 

魔法使い「まさか……単なる私利私欲を放出しているだけよ」 

エルフ「そうかなぁ」 

魔法使い「それに緊張を解すために選ぶ話題じゃないでしょう?」 

エルフ「それはそうかもね」 

勇者「とくにこの二の腕とか……」モミモミ 

僧侶「あんっ」 

魔法使い「ほら、離れて!!」グイッ 

勇者「なにすんだこらぁ!!!!青空の下で脱がないお前らが悪いんだろうがぁ!!」 

魔法使い「真面目にやってよ!!」 

ドラゴン「暴れて落下だけはするなよ。拾うのが面倒だからな」 




903:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:11:00.21 ID:hpeqfj4Jo
―――海上 海賊船 甲板 

キャプテン「うてぇー!!!」 

ドン!!ドン!!ドン!!」 

魔物「キキー!!!」 

キャプテン「うるさいよ!!!」ドォン!! 

魔物「ぎゃぁ?!」 

キャプテン「怯むな!!うてー!!!」 

海賊「アイアイサー!!!」 

キャプテン「さあ!!魔王の糞野郎!!さっさと追い詰められなぁ!!」 

ゴゴゴゴ……!! 

キャプテン「ん?なんだい?」 

海賊「キャプテン!!海から魔物がぁ!!!」 

キャプテン「海中からか!!そんなの想定内さ!!―――魚雷発射よーい!!!」 

メキメキメキ……!! 

キャプテン「え―――」 




904:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:16:25.54 ID:hpeqfj4Jo
船長「どうした?!」 

海賊『報告します!!第8、9、15船団が轟沈しましたぁ!!』 

船長「馬鹿な!?何があった?!」 

海賊『そ、それが海底から―――うわぁぁぁっぁぁ!!!!!!』 

船長「どうした?!応答しろ!!どうしたんだ?!」 

船長「くそ……!!キャプテンの船は無事だろうな……!!」 

ゴゴゴゴゴ……!!! 

船長「な、なんだ……!?」 

海賊「かしらぁ!!やべえよ!!前に出たクラーケン級がうじゃうじゃいやがる!!!」 

船長「なんだと?!」 

キャプテン『―――誰か!!応答しな!!』 

船長「キャプテン!!」 

キャプテン『全員撤退だ!!魔王のやつら、とんでもない兵力をもってやがった!!これじゃあ全滅になるよ!!』 

船長「しかし!!」 

キャプテン『ここはあたしが引き受ける!!逃げれる奴は全員にげなぁ!!!』 




905:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:21:31.47 ID:hpeqfj4Jo
キャプテン「いいかい!!逃げて態勢を立て直すんだ!!」 

船長『嫌です!!』 

海賊『俺たちもキャプテンと戦います!!』 

キャプテン「ばかいってんじゃないよぉ!!!死にたいのか!?」 

船長『キャプテンを見捨てて何が海賊ですかぁ!!!』 

海賊『キャプテン!!俺たちはいつも一緒ですからぁ!!』 

キャプテン「……あんたらは生きろ。これは命令だよ」 

船長『そ、そんな……』 

キャプテン「生きて勇者に伝えな。奴らの戦力は異常だってね」 

船長『キャプテン!!!』 

キャプテン「はやくいきなぁ!!!」 

船長『ア……アイアイサー……』 

キャプテン「……」 

メキメキ……!!! 

キャプテン「どうやら……あたしもここまでみたいだねえ……。ごめんよ……いい女は黙って旦那の帰りを待つもんなのに……待てなくて……ごめんよ……」 




906:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:25:57.19 ID:hpeqfj4Jo
海賊「キャプテン!!魚雷発射準備整いました!!」 

キャプテン「よし。一斉発射だ。ただでは死なないよ!!」 

海賊「「アイアイサー!!!」」 

キャプテン「地獄の果てまでついてきなぁ!!!」 

海賊「魚雷発射!!!」 

ドォォォォン!!! 

キャプテン「どうだい?!」 

メキメキメキ……!!! 

キャプテン「船が割れるよ!!!」 

ボキィ……!!! 

海賊「うわぁぁぁぁあ!!!!!キャプテェェェン!!!!」 

キャプテン「くっ……!!意味がないとは……。これまでの苦労はなんだったのかねえ……」 

ゴゴゴゴ…… 

キャプテン「情けない……結局は井の中の蛙に過ぎなかったわけだね」 

キャプテン「……愛してるって……伝えたかったなぁ……」 




907:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:30:20.90 ID:hpeqfj4Jo
ズズズズズ……!! 

キャプテン「絶対にあたしの仇……とっておくれよ……」 

―――守る!! 

キャプテン「……え?」 

ドラゴン「―――くらえぇ!!!」ゴォォォ 

クラーケン「ガァァァァ!!!!」 

キャプテン「あぁ……」 

勇者「ふっ」バッ 

キャプテン「あ……あぁ……」ウルウル 

勇者「よっと」シュタ 

キャプテン「あぁぁぁ……」ヨロヨロ 

勇者「もう大丈夫です」 

キャプテン「うぅぅ……」ギュッ 

勇者「皆さんを他の船に運んでください!!」 

ドラゴン「了解だ」バサッバサッ 




908:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:35:13.41 ID:hpeqfj4Jo
勇者「怪我は?」 

キャプテン「……っ」ゴシゴシ 

勇者「泣いて―――」 

キャプテン「泣いてない!!」 

勇者「そうですよね」 

キャプテン「わ、悪かったね……約束、守れなくて……追い詰められなかった……」 

勇者「いえ。僕も魔王軍がこれほどまでの戦力を有していたのは驚きです。これでは人間が文字通り束になっても敵いません」 

キャプテン「どうしたらいいんだい?」 

勇者「一隻だけ船を囮に使ってもいいでしょうか?」 

キャプテン「それは構わないけど……」 

勇者「ありがとうございます」 

ドラゴン「おい。生存者は皆、運べたぞ」 

勇者「分かりました。次の仕事をお願いします」 

ドラゴン「全く、人使いが荒いな」 

勇者「まあまあ、がんばってください。君にしかできないことですから」 




909:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:41:04.02 ID:hpeqfj4Jo
―――海賊船 

勇者「面舵いっぱーい!!」 

僧侶「アイアイサー」 

魔法使い「ふぅ……」 

エルフ「クラーケンは集まってきてる」 

勇者「はっ。確かに船の弱点は船底だ。だが……弱点しか狙ってこないのは馬鹿のやること」 

少女「二匹ほど張り付いた!!」 

勇者「よぉーし!!」 

魔法使い「……網に掛かったわ!!」 

勇者「お願いします!!!」 

ドラゴン「のれぇ!!」 

僧侶「うわ!うわ!!」テテテッ 

エルフ「もっと高く!!」 

勇者「―――今です!!」 

エルフ「燃えろぉぉぉ!!!」ゴォォォ 




910:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:47:21.50 ID:hpeqfj4Jo
―――ドォォォォン!!!! 

僧侶「きゃぁ?!」 

魔法使い「あつっ……!」 

勇者「どうだぁ!!一箇所にしか集まらないとこうなるんだよぉ!!あはっはー!!」 

エルフ「大量の魚雷を同時に爆発させるなんて……馬鹿しか考えないよ」 

勇者「最高の褒め言葉です」 

ドラゴン「魔物は怯んでる。クラーケンも無事ではないだろう」 

勇者「糞野郎どもぉぉぉ!!!!反撃の狼煙をあげろぉぉぉ!!!!」 

海賊「「オォォォォ!!!!!」」 

キャプテン「おまえらぁ!!!この好機をのがすんじゃないよぉ!!!」 

勇者「では、行ってきます。くれぐれも無理はしないように。頃合を見て退却してください」 

キャプテン「待っておくれ!!」 

勇者「なんですか?」 

キャプテン「あ……あ、あ……愛してるから!!!あたし、あんたが大好きだからぁ!!!」 

魔法使い「ぶふっ?!」 




911:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:52:15.05 ID:hpeqfj4Jo
海賊「「なんだとぉぉぉお!!?!?!」」 

キャプテン「はぁ……はぁ……」 

勇者「どうしてそれを今?」 

キャプテン「だ、だって……言いたかったんだから……仕方ないだろ……」 

勇者「そうですか」 

魔法使い「今、言わなくてもいいでしょう?!」 

僧侶「私も勇者様のこと大好きですよ?」ギュッ 

勇者「まいったなぁ」 

魔法使い「もうなんでみんな真面目にやらないのよぉ!!!」 

エルフ「変に固くならないだけいいんじゃない?」 

ドラゴン「いくぞ。これほどまでに力をつけているなら、魔王様も恐らく……」 

勇者「ええ。行きましょう」 

キャプテン「絶対にもどってきなよー!!ダーリーン!!!」 

勇者「分かってるよ!!ハニー!!」 

海賊「「アァァァアアアアア!!!!!!俺たちのキャプテンがぁぁぁぁ!!!!寝取られたぁぁぁぁ!!!!」」 




912:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 03:58:25.53 ID:hpeqfj4Jo
勇者「魔物に動きを察知されないようにしてください」 

ドラゴン「分かっている。俺を舐めるな」 

勇者「え?舐めてもいいんですか?」 

僧侶「ああいう告白って……いいですよねぇ……」 

エルフ「そうかな?」 

魔法使い「全然、そうは思わないわね。私だったら―――」 

勇者「愛している」ボソッ 

魔法使い「きゃぁあああ!?!」ビクッ 

勇者「耳元で囁かれるほうがいいんですよね?」 

魔法使い「ど、どうしてそのことを―――じゃなくて、気持ち悪いことしないで!!」 

勇者「好きな人に愛してるって言われるのが嫌いなのですか?んー……変なの」 

魔法使い「そういうことじゃないわよ!!馬鹿!!」 

僧侶「勇者様、私にも言ってください」 

勇者「……愛してるよ」 

僧侶「はいっ。私もです」 




913:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 04:03:55.60 ID:hpeqfj4Jo
―――魔王の城 

キマイラ「魔王様!!!」 

魔王「来たか」 

キマイラ「海上に勇者が現れたと」 

魔王「よし……好都合だ」 

キマイラ「どうされますか?」 

魔王「……手筈通りでいい」 

キマイラ「ははっ」 

魔王「くくく……ここまで我の邪魔をしてきた者は今回の勇者が始めてだな……」 

魔王「我が側近のドラゴンすら手駒にするとは驚きだが、それもここまでにしてくれる」 

キマイラ「勇者さえいなくなれば、魔王様に歯向かう愚かな人間がまた減りますね」 

魔王「それだけではない」 

キマイラ「え?」 

魔王「魔族の完全なる復活を世に見せ付けてくれる……!!!未来永劫、この我に逆らう者が現れないようになぁ!!!」 

魔王「ふふふふ……!!!!ふはははははははは!!!!!!」 




914:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 04:09:15.06 ID:hpeqfj4Jo
―――上空 

ドラゴン「見えてきたぞ」 

勇者「あれが魔王の城か」 

僧侶「このときが遂に来たのですね」 

魔法使い「やっぱりここまで来ると……体が震えちゃうわね」 

勇者「それは大変だ」ギュッ 

魔法使い「……」ゴォッ 

勇者「あつっ?!」 

エルフ「このまま直接乗り込めるかな?」 

ドラゴン「厳しいだろうな……」 

僧侶「ど、どうしてですか?」 

ドラゴン「城の周辺を見ろ」 

魔物「―――グルルルル!!!」バサッバサッ 

勇者「ドラゴちゃんの迎撃部隊か」 

ドラゴン「お前たちを乗せながら戦えない。お前たちを城の近くで降ろし、俺は奴らを倒してから合流に向かう。いいな?」 




915:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 04:17:34.49 ID:hpeqfj4Jo
―――魔王の孤島 陸地 

ドラゴン「また後でな」 

勇者「いってらっしゃい。マイディアー」 

ドラゴン「はいはい」バサッバサッ 

僧侶「ご武運をー!!」 

魔法使い「じゃあ、私たちも急ぎましょう。ドラちゃんが魔王の前に着くときに私たちがいないと締まらないもの」 

勇者「ですねー。ドラゴちゃんも泣いてしまうかもしれない」 

エルフ「……」 

勇者「大丈夫ですか?」 

エルフ「うん。勿論」 

勇者「迫害されていたとはいえ、貴女は王を戦うわけですから……」 

エルフ「心配ないよ。大丈夫」 

勇者「よし。行きましょう」 

僧侶「はいっ!」 

魔法使い「故郷の仇……絶対に……倒す……」ギリッ 




916:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 04:21:47.63 ID:hpeqfj4Jo
―――魔王の城 城門前 

勇者「……」 

魔法使い「ドラちゃん……戦ってるわね」 

エルフ「一人で平気かな……?」 

僧侶「見た感じ、相手は10匹ほどいますね」 

勇者「なら、余裕でしょう。あの子は強いですし」 

魔法使い「……ええ、そうね」 

勇者「開けます」 

ギィィィィ…… 

魔法使い「……」 

エルフ「空気が重たい」 

僧侶「なんという禍々しさ……ここが魔王の根城……」 

勇者「どんな罠があるかわかりません。みなさんは僕に密着してください!」 

僧侶「は、はい!」ギュッ 

勇者「ぬふっ」 




917:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 04:28:19.61 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「こっちに階段があるわ」 

エルフ「とりあえず上を目指そうか」 

魔法使い「魔王も最上階で威張ってるのかしら?」 

エルフ「そうかもね」 

勇者「あと二名、僕に抱きついてないですな。これは命令違反だ。組織としては処罰するしかねえな」 

魔法使い「くっついてたら襲われたとき対応できないでしょ?」 

勇者「罰として上から脱いでくれます?」 

エルフ「行こう」 

魔法使い「ええ」 

勇者「おぉぉい!!本当に危険なんで固まって行動をですねえ!!!」 

僧侶「んしょ……」スルッ 

勇者「貴女は脱がなくていいですよ?」 

僧侶「え?」 

勇者「さ、緊張感を持って進みましょう!!」 

魔法使い「アンタが言うな」 




918:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 04:31:29.97 ID:hpeqfj4Jo
―――魔王の孤島 上空 

ドラゴン「オォォォォ!!!!!」ゴォォォ 

魔物「ギャァァァ―――」 

ドラゴン「ふんっ!!」バキッ 

魔物「オォォ―――」 

ドラゴン「ふん……こんなものか……」 

ドラゴン「さぁ、勇者と合流を―――」 

ドラゴン「……!!」ゾクッ 

ドラゴン「な、なんだ……?!」 

ドラゴン「はぁ……はぁ……」キョロキョロ 

ドラゴン「まさか……!!」 

魔王「―――久しいな」 

ドラゴン「ま、魔王様……?!」 

魔王「ふふふ……」 

ドラゴン「そうですか……全ての準備が……整ったのですね……」 




919:NIPPERがお送りします:2012/06/28(木) 04:40:03.80 ID:hpeqfj4Jo
魔王「そうだ」 

ドラゴン「……」 

魔王「さあ、戻って来い」 

ドラゴン「え……?」 

魔王「一時の気の迷いというのは誰にでもある。そうだな?」 

ドラゴン「魔王様……」 

魔王「お前の力が必要なのだ」 

ドラゴン「……」 

魔王「弱いニンゲンの味方をしてどうする?―――感じでいるはずだ。我の中で渦巻く魔力の奔流を」 

ドラゴン「今の魔王様が本来のお姿ということですね……」 

魔王「そうだ。もう誰も我を止めることはできない。我はニンゲンを殲滅し、この世界を手に入れる」 

ドラゴン「そうですか」 

魔王「行くぞ。我と共に栄華を―――」 

ドラゴン「魔王様……いや、魔王。俺はもう裏切り者だ。お前の傍で働く気はない。―――もう信じた人に捨てられるのは嫌だからな」 

魔王「そうか……ふはははは……残念だ……。ならば……死ね」スッ 




934:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 00:44:16.65 ID:hpeqfj4Jo
―――魔王の城 中層 

勇者「はぁぁぁ!!!」ザンッ 

魔物「グゥゥゥ……」 

勇者「はぁ……はぁ……」 

エルフ「こっちも倒したよ」 

魔法使い「怪我はない?」 

勇者「はい。なんともありません」 

僧侶「もう少しですね」 

勇者「ええ。いそぎ―――」 

ドォォォォン…… 

勇者「ん?」 

エルフ「なに?爆発?」 

魔法使い「外からね。まさか……」 

勇者「ドラゴちゃんを信じましょう。僕たちは魔王の下に」 

エルフ「うん」 




935:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 01:00:26.11 ID:hpeqfj4Jo
―――魔王の城 最上階 

勇者「……」ググッ 

ギィィィ…… 

魔法使い「……いる?」キョロキョロ 

エルフ「……」キョロキョロ 

僧侶「いませんね」 

勇者「いない……?まだ別室が―――」 

キマイラ「ここが終着点だ、ニンゲン」 

勇者「お前は……!?」 

キマイラ「よく来たな」 

僧侶「あ、あなたが……魔王?!」 

エルフ「違うよ。あれはキマイラ。魔王の側近だね」 

魔法使い「側近?魔王はどこなの?!」 

キマイラ「さあな。魔王様もお忙しい身だからなぁ」 

勇者「なんだと……?」 




936:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 01:09:55.46 ID:hpeqfj4Jo
キマイラ「まぁ、どうでもいいことだろう。お前らはここで死ぬんだからなぁ」 

勇者「……」 

エルフ「来る!」 

僧侶「きゃぁー!!」 

魔法使い「ここまで来て逃げるわけには―――」 

勇者「出ましょう」 

エルフ「え!?」 

魔法使い「な、なにいってるの?!」 

勇者「魔王はまだ魔法銃を警戒していたんです」 

僧侶「ど、どういうことですか?」 

勇者「魔王は僕たちと戦う気がないということですよ」 

エルフ「じゃあ……逃げたの?」 

勇者「でしょうね。先ほどの爆発音は恐らく、魔王によるもの」 

僧侶「ゴンちゃんが危ないです!!」 

キマイラ「貴様ら……逃げられるとでも思っているのか?」 




937:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 01:20:29.07 ID:hpeqfj4Jo
勇者「あぁ?」 

キマイラ「ここでお前らは臓物をぶちまけて死ぬんだよぉ!!!」 

勇者「行きましょう」 

エルフ「え?でも……」 

勇者「いいから」 

魔法使い「しょうがないわね」 

僧侶「ゴンちゃんが大変です!!」 

キマイラ「まてこらぁぁぁ!!!!」ダダダッ 

勇者「逃げろ!!」ダダッ 

エルフ「うわ!!」ダッ 

僧侶「ま、まってください!!」タタッ 

魔法使い「くっ……!!」タタタッ 

キマイラ「おらぁぁぁぁ!!!!」 

勇者「扉を閉めてください!!」 

キマイラ「てめ―――!?」 




938:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 01:27:27.77 ID:hpeqfj4Jo
エルフ「よいしょー!!!」グググッ 

魔法使い「ふーん!!!」グググッ 

バタンッ!! 

キマイラ『ギャァァ―――』 

ゴォォン!!! 

勇者「よし」 

僧侶「お間抜けさんで助かりましたね」 

エルフ「うん」 

魔法使い「と言ってもすぐに追いかけてくるわよ?」 

勇者「どうでもいいです。一刻も早くドラゴちゃんの安否確認をしなくてはなりません」 

僧侶「ですね!!」 

勇者「それに僕らだけでは到底敵う相手ではありませんでしたし」 

エルフ「そっか……」 

勇者「とっとと城を出ます!!」 

僧侶「おーっ」 




939:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 01:34:54.18 ID:hpeqfj4Jo
―――魔王の城 城門 

勇者「はぁ……はぁ……!!ドラゴちゃぁぁん!!!」 

魔法使い「あそこ!!」 

僧侶「あぁ!!」 

少女「う……ぅぅ……」 

勇者「どうしたんですかぁ?!」 

少女「まお……う……さま……が……」 

エルフ「今、治癒するから」パァァ 

勇者「大丈夫か?」 

少女「ああ……この姿になって身を隠した……からな……」 

魔法使い「魔王はどこに向かったの?」 

少女「恐らく海賊船団のところだろう。魔王様はきっと……最終段階に入っている……」 

勇者「力を取り戻すのか」 

少女「海賊たちの命を吸収するつもりなのだろうな」 

僧侶「そんな……!!私たちの目の届く場所でそんなことをさせるわけには……!!」 




940:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 01:47:29.59 ID:hpeqfj4Jo
少女「もうよい……十分だ」 

エルフ「でも」 

ドラゴン「―――乗れ。時間がないぞ」 

魔法使い「よっと。ほら、早く乗って」 

僧侶「は、はい」 

エルフ「ほっ。―――いつでもいいよ!!」 

ドラゴン「これが最終決戦になるだろう。心の準備はできているか?」 

魔法使い「そんなのいつだって出来てたわ」 

僧侶「す、少しこわ、こわいですけど……私も故郷のことがありますから……!!」 

エルフ「エルフ族を喰うつもりなら、なんとしても止めたい。ボクらはただ平穏に暮らせればいいんだ」 

勇者「とりあえず綺麗なお嫁さんと側室10人をはべらせるまでは死ねません。さくっと魔王を倒して報奨金をせしめて、風呂入って、歯を磨いて、寝る!!」 

ドラゴン「急ごう」 

勇者「いくぞぉ!!僕の可愛い側室ちゃんたちぃ!!!」 

魔法使い・エルフ・僧侶「「おぉー!!」」 

魔法使い「―――いや!!側室じゃないわよ?!」 




941:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 01:52:37.11 ID:hpeqfj4Jo
―――海上 海賊船 甲板 

キャプテン「ドンドン撃ちなぁ!!!弾が尽きてもぶっ放すんだよぉ!!!」 

ドン!!ドン!!ドン!!! 

海賊「キャプテン!!11時の方角からなんかくる!!!」 

キャプテン「あぁ?!なんだい!?」 

魔王「くっくっくっくっく……!!」 

キャプテン「ありゃあ……魔王か……?」 

海賊「ひぃぃぃ!?あれがぁ?!」 

キャプテン「ひるむんじゃないよぉ!!!うてうてー!!!」 

ドン!!ドン!!ドン!! 

魔王「群小なる人間に我を止められるはずがないだろう……」 

キャプテン「砲撃が効いてないのかい?!」 

魔王「ハァァァァ!!!!」ゴォォォ 

ドォォォォォン!!!!! 

キャプテン「嘘だろ……船が……一撃で沈没……!?」 




942:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 01:58:50.06 ID:hpeqfj4Jo
魔王「ふはははは……!!よし……勝てる……これなら……!!!」 

海賊「やばい!!逃げる暇のないですよー!!!」 

キャプテン「うろたえるな!!おい!!キラちゃんはどこにいるんだい?!」 

海賊「後方の第19船に積んでます!!」 

キャプテン「その船は真っ先に戦闘海域から離脱させな!!その後、順次離脱するよ!!」 

海賊「アイアイサー!!!」 

魔王「ほう……逃げ出すか。魔法銃が一丁しかないというのは本当らしいな」 

キャプテン「あたしのダーリンは絶対にきてくれる!!!それまで耐えるんだ!!いいねぇ!?」 

海賊「「あいあいさぁ……」」 

キャプテン「やる気だしなぁ!!!このボンクラどもぉぉ!!!」 

魔王「―――どうやら、貴様が指揮官のようだな」 

キャプテン「なっ……?!」 

魔王「まずは兵隊の士気と指揮系統を壊すとするか」 

キャプテン「にゃろ……!!人間様を舐めるんじゃないよぉ!!」チャカ 

魔王「遅い!!!」ザンッ!! 




943:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 02:07:28.58 ID:hpeqfj4Jo
キャプテン「あ―――ぎゃぁぁああああああ!!!!!」 

海賊「キャプテン!!!」 

魔王「ふははははは!!!!やるなぁ!!!咄嗟に後ろに飛んだか!!!」 

キャプテン「うぅぅ……ぁぁぁ……!!」 

魔王「片目が潰れただけで済んだか……。だが、次は避けられまい」 

キャプテン「あぁぁ……!!!おぉぉぅぅぅううぃぃ!!!!」 

魔王「ふはははははは!!!!」 

海賊「キャプテンを守れぇぇぇ!!!」ダダダッ 

「ウオォォォ!!!」 

魔王「劣弱な愚民が……霧散に消えろ!!」ゴォォォ 

海賊「うあぁあああ!!!!!」 

キャプテン「やめ……ろぉぉ……」 

魔王「はーっはっはっはっはっはっ!!!!!安心するがいい!!全員が殺さん!!」 

キャプテン「あ……?」 

魔王「3割ほどは生かしておいてやろう……くっくっくっくっく……」 




944:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 02:11:58.18 ID:hpeqfj4Jo
魔王「その他は殺せ」 

魔物「「ギャギャギャギャギャ!!!!」」バサッバサッ 

「た、戦え!!!」 

「うぉぉぉぉ!!!」 

魔王「はーっはっはっはっはっは!!!」 

キャプテン「く……」チャカ 

魔王「ん?」 

キャプテン「くら……え……!!」バァァン 

魔王「ふん」キュィィン 

キャプテン「はぁ……ぁ……」 

魔王「無駄だ。ニンゲンの火器では我が魔力の壁は突破できん」 

キャプテン「へへ……ば……カ……だ、ねぇ……」 

魔王「なに……?」 

キャプテン「あたしのやることはね……旦那のお膳立て……なのさ……」 

魔王「むっ?!―――後ろか?!」バッ 




945:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 02:16:11.17 ID:hpeqfj4Jo
勇者「オォォォォォ!!!!」ダダダッ 

魔王「勇者か!!」 

勇者「はぁ!!!」ギィィン 

魔王「ふん!!」ギィン 

勇者「おうわぁ!?」 

魔王「非力だな、ニンゲンの英雄にしては」 

勇者「うわぁぁぁぁ」ゴロゴロゴロゴロ 

勇者「―――酷いことに」 

キャプテン「なぁに。目ん玉は……もう一個あるよ……。ダーリンの顔が見れるだけでも……あたしは嬉しいね……」 

勇者「よく戦ってくれましたね、感謝しています」 

キャプテン「また……強く抱いておくれよ……」 

勇者「はい」ギュッ 

キャプテン「あぁ……やっと……あん、し……ん……して……ねむ、れ……る……」 

勇者「―――魔王、いい加減にしろよ」 

魔王「何のことだ?」 




946:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 02:22:12.45 ID:hpeqfj4Jo
勇者「俺の女に手を出したな……それも二度もぉぉ!!!」 

魔王「知らんなぁ」 

勇者「絶対に許さん……てめえだけは許さん……たとえ、お前の正体が超美少女だったとしても許さん!!!」 

魔王「はっ。我の姿はこれ一つだ。申し訳ないな」 

勇者「よーし。これで俺の憂いは消え去った。迷うことなくお前を斬れる」 

魔王「出来るものなら―――」 

ドラゴン「オォォォォォ!!!!」ゴォォォォ 

魔王「ぬっ!!」バッ 

魔法使い「くらえぇ!!!」シュバ 

魔王「そのような鞭でぇ!!!」バシッ 

エルフ「燃えろぉぉ!!!」ゴォォォ 

魔王「無駄だぁ!!」キュィィン 

ドラゴン「ドラゴニックキック!!!」 

魔王「ふんっ!!!」ドゴォ 

勇者「隙ありぃぃぃ!!!!」ダダダッ 




948:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 02:29:57.79 ID:hpeqfj4Jo
魔王「うっとうしいわ!!!!」ゴォッ!! 

勇者「うわっ?!」 

エルフ「突風!?」 

ドラゴン「俺の後ろに!!」 

魔法使い「うっ……」 

ドラゴン「はぁぁぁ!!」バサッバサッ!! 

魔王「くくく……よくもう一度来れたな……」 

ドラゴン「今の目的は魔王を倒すことだからな。死なない限りは何度でも戦う」 

魔王「目を覚ますと思ったが……ダメだったか……。ならば、今度こそ殺してやるぞ」 

勇者「そこの人」 

「は、はい?」 

勇者「キラちゃんはどこに?」 

「そ、それなら後方の船だ……第19船……」 

勇者「案内しろ!!」 

「そ、そんな無茶な?!状況わかってんのか?!」 




949:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 02:35:33.32 ID:hpeqfj4Jo
勇者「あの子がいないと勝てない!!」 

「で、でも……どうやって……」 

勇者「近くの船を寄せろ。それで俺が船伝いにキラちゃんを向かえにいく」 

「ええ?!」 

魔王「なにやら奇策珍策を練っているようだなぁ」 

ドラゴン「……」 

魔王「何の真似だ?」 

ドラゴン「勇者の邪魔はさせない。まずは俺を倒してからにしてもらおう」 

魔王「ふふふ……くくく……ふはははははは!!!!!」 

魔法使い「……」 

魔王「吼えたな!!!その驕り、万死に値するぞぉぉ!!」 

ドラゴン「お前も勇者と共にいけ」 

魔法使い「馬鹿ね。二人のほうが時間稼ぎできるでしょ?」 

ドラゴン「ちゃんと役に立ってくれよ?」 

魔法使い「分かってるわよ」 




950:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 02:40:47.10 ID:hpeqfj4Jo
魔王「くたばれぇぇ!!!」ゴォォォォ 

ドラゴン「あぁぁぁぁぁ!!!!」ゴォォォォ 

魔王「ふんっ。灼熱の息吹は流石だな」 

ドラゴン「……」 

魔王「冷気はどうだぁぁ!!!」コォォォ 

ドラゴン「くっ!」 

魔法使い「もえろぉぉぉ!!!!」ゴォォォォ 

魔王「な……」 

魔法使い「はぁ……はぁ……ふ……ふふ……魔王の魔法も……た、大したこと……ないわね……」 

魔王「随分と苦しそうだな」 

魔法使い「はぁ……アンタの目……お、かしいんじゃない……?」 

魔王「ニンゲンにしては中々の使い手だ。しかし、情報通りではなぁ……」バリバリバリ 

魔法使い「電撃……!?」 

ドラゴン「下がれ」 

魔王「焦土と化せ!!!」バチバチバチ!!! 




951:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 02:47:23.66 ID:hpeqfj4Jo
ドラゴン「グァァァァァ!!!!!」 

魔法使い「……!!」 

魔王「ふははははははは!!!!!!」 

ドラゴン「……」 

魔王「ニンゲンを庇い、深手を負うか」 

魔法使い「……」 

魔王「劣等種を救ってなんの意味がある?種から劣っている者など消えて当然だぁ!!!」 

魔法使い「なんですって……」 

魔王「力に溺れ、欲に塗れ、他人から奪うことでしかそれを満たせぬ愚かな存在!!それがニンゲンだぁ!!!」 

魔王「そのような生物に価値などあるはずがない」 

ドラゴン「お、とって……いれば……死んで……も……い、いと……?」 

魔王「より優れた種族が繁栄したほうが世界のためだろう?」 

ドラゴン「そして……お前は部下を何百、何千、何万と……切り捨ててきたのか……ゴミのように……」 

魔王「何が悪い?」 

ドラゴン「―――魔王ぉぉぉ!!!!」ダダダッ 




952:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 02:52:55.18 ID:hpeqfj4Jo
魔王「馬鹿な……!!動けるはずが?!」 

ドラゴン「オォォォォォォ!!!!」ドゴォ!! 

魔王「うお?!」 

僧侶「きゃぁ?!」 

ドラゴン「ふー……ふー……そして俺も……同じように……!!」 

魔王「お前は違う……。お前はただ、戦略的に仕方なかった」 

ドラゴン「そんな陳腐な理由で、何の躊躇いもなく……俺を切り捨てたのか……」 

魔王「我がニンゲンに勝利するためだ」 

ドラゴン「……」 

僧侶「ゴンちゃん……」ギュッ 

ドラゴン「(しっかり背中につかまっていろ)」 

僧侶「……はい」ギュゥゥ 

魔王(にしても今の攻撃で……どうして動けた……?傷も殆ど治癒している……) 

魔王(まるで傷ついた瞬間に癒えているような……) 

ドラゴン「魔王。お前の考えにはやはりついていけない。盲目的に信じていた俺が馬鹿だったな」 




953:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 03:09:38.41 ID:hpeqfj4Jo
魔王「……」 

ドラゴン「こい。貴様は魔族にとって害でしかない」 

魔王「今まで魔族が巧く繁栄してこれたのは誰のお陰だ?」 

ドラゴン「……」 

魔王「完璧な存在など居はしないぞ」 

ドラゴン「そうだな」 

魔王「多少の不満も飲み込めない下民がそうやってクーデターを起こすと、王は大変困る」 

魔法使い「多少ですって?!」 

魔王「戦に犠牲は付き物だ。無血で終わる戦争などない」 

ドラゴン「……」 

魔王「兵士は死ぬ。その死ぬ兵士たちを次の戦で役立てる。何が問題だ?」 

ドラゴン「ああ、そうだ。お前はそうやって勝ち続けてきた……」 

魔王「そして魔族も力をつけた」 

ドラゴン「お前のやり方はきっと正しいんだろう……でも……」 

ドラゴン「それを隠してこそ王だろうが!!開き直って自分の主張を臆面もなく翳すな!!!」 




954:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 03:21:45.97 ID:hpeqfj4Jo
魔王「何も分かっていないな」 

ドラゴン「なんだと?」 

魔王「体裁を気にし、上辺の言葉で飾る。これこそ不満の種になろう」 

魔法使い「……」 

魔王「我の行動と偽りの慰めが矛盾したとき、積もる怏怏は計り知れない」 

魔王「それならば初めからこうして曝け出しているほうがよかろう?」 

ドラゴン「お前……」 

魔王「貴様のような離反者もいる。だが、どうだ?お前に味方かいたか?」 

ドラゴン「……っ」 

魔王「我のやり方に異を唱える者は、我が魔王となったときに離れているか、遥か昔に暴動を起こしていることだろう」 

魔王「しかし、それはなかった。誰も我のやり方に疑問は覚えなかったわけだ」 

ドラゴン「違う……それはお前が……」 

魔王「いい加減、気づけ。お前だけが異常ということにな」 

魔法使い「―――バッカじゃないの?」 

魔王「……ほう?」 




955:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 03:31:29.75 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「旅をしてきて思ったけど、アンタに賛同していない魔族もいたわよ?」 

魔王「……」 

魔法使い「でも、革命を起こそうとはしない。魔王が怖いから」 

ドラゴン「……」 

僧侶「エルフ族ですか?」 

魔法使い「単なる恐怖政治じゃない。まるで賢王みたいな言い草だけど、全然違うでしょ」 

魔王「ニンゲン……我を侮辱するか?」 

魔法使い「アンタは愚王よ。部下のことなんて何も考えない、自分の身が一番大好きなね」 

魔王「おのれ……!!」 

魔法使い「アンタなんかより立派な王は人間にいっぱいいるわ。戦争で勝ってこれたのも戦略が巧かったからじゃない」 

魔王「……っ」 

魔法使い「戦力が大きかったからに過ぎない。その証拠に、アンタはたった一人の勇者に翻弄されてきたんだから」 

魔王「翻弄……?ふはははははは!!!!何を抜かすかぁ!!!我の手の平で踊るだけのニンゲンがぁ!!!」 

魔法使い「私たちのリーダーはアンタの幼稚で愚昧で浅はかな考えなんてぜーんぶお見通しだったわよぉ?」 

魔王「きさまぁぁ……!!」 




960:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:06:36.14 ID:hpeqfj4Jo
ドラゴン「その辺にしておけ」 

魔法使い「え?」 

ドラゴン「船を壊されたらどうする?」 

魔法使い「そうね……」 

魔王「我を罵った罪は重いぞ……ニンゲン……!!」 

魔法使い「やば」 

ドラゴン「俺の後ろにつけ」 

魔法使い「そうするわ」 

魔王「いくぞぉぉぉぉ!!!!」ゴォォォ 

ドラゴン「ぐっ?!」 

魔王「ふん!!!」ザンッ 

ドラゴン「―――はぁぁぁ!!!」ドゴォ 

魔王「ぬぅ?!」 

魔王(やはり……何かがおかしい。もしや……) 

僧侶「(私がくっついていること……バレませんように……勇者様……早く戻ってきてください……)」ギュゥゥ 




961:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:18:33.42 ID:hpeqfj4Jo
―――海賊船 甲板 

勇者「早く!!」 

エルフ「待って!!」 

勇者「キラちゃんを目覚めさせないと……!!」 

エルフ「でも、ガーちゃんを起動させるって急すぎるよ!!」 

勇者「仕方ないじゃないですか!!僕だってまだ先だと思っていました!!」 

エルフ「どういうこと?」 

勇者「魔王が引き篭もっている限りはドラちゃんと貴女さえ居ればなんとかなる予定だったんです」 

エルフ「ど、どうして?」 

勇者「魔王が慎重だったのは、こちらの戦力を恐れていたから。それは対抗するだけの手段がなかったからでしょう」 

エルフ「でも、出てきた……」 

勇者「そう。つまり僕たちに勝てるだけの用意ができたということです」 

エルフ「だけど、魔王は魔法銃を敬遠してこっちに来たんじゃ」 

勇者「それなら僕が到着したときにどこかに行くはずです。魔王が先に海賊団を襲ったのは単にリスクの問題でしょう」 

エルフ「リスクって、ニンゲンの反撃?」 




962:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:22:55.90 ID:hpeqfj4Jo
勇者「そうです。今、表立って魔王と戦っているのは飽く迄も海賊船団。魔法銃を有する僕らよりも負けるリスクは少なく、また全人類の士気を大幅に削ぐことができる」 

エルフ「じゃあ、合流したボクたちって……」 

勇者「魔王にとっては手間が省けたというだけでしょうね」 

エルフ「そんな」 

勇者「だからこそ、魔王にとってのイレギュラーが必要なのです」 

エルフ「それが、ガーちゃん」 

勇者「その通り」 

エルフ「ガーちゃん、ボクたちの記憶を持っているか怪しいよ?」 

勇者「言ったでしょう?―――もう一度、ボクに恋をさせると」 

エルフ「……うん」 

勇者「さぁ!!急ぎましょう!!!」ダダダッ 

エルフ「大丈夫かな……」ダダダッ 

海賊「おーい!!こっちだぁ!!!」 

勇者「え?」 

海賊「キラーちゃん、運んできたぜー!!」 




963:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:26:56.80 ID:hpeqfj4Jo
勇者「てめぇぇ!!!なにやってんだぁぁ!!!」 

海賊「はぁ?!」 

勇者「俺の娘にさわるんじゃねえ!!!」 

海賊「わ、わりぃ……」 

エルフ「今は非常時だよ!!お礼!!」 

勇者「……ご協力感謝します」 

海賊「……大事な仲間なんだな」 

勇者「とうぜんだろぉ!!」 

エルフ「エネルギー……どうしよう……」 

勇者「魔力でなんとかなりませんか?」 

エルフ「ボクの全魔力を注げば、起動ぐらいはするだろうけど、すぐに止まると思うよ?」 

勇者「そんな!!」 

エルフ「どうする?」 

勇者「乳頭を押せば、恥らって目を覚ますとは?!」 

エルフ「ないよ」 




964:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:31:24.54 ID:hpeqfj4Jo
魔王「ふんっ!!!」ザンッ 

ドラゴン「オォォォォォォ!!!!!!」 

魔王「……」 

ドラゴン「オォォォォォ!!!!!」ゴォォォ 

魔王「……っ」バッ 

魔法使い「やぁぁぁぁ!!!」ゴォォォ 

魔王「なに!?」 

魔法使い「マグマ……パーンチ!!!」ドゴォ 

魔王「―――所詮は魔法か。少し魔力を流すだけで簡単に相殺できるな」 

魔法使い「ウソ……」 

ドラゴン「下がれ!!!」 

魔王「逃がさん!!!」 

魔法使い「ひっ……!?」 

ドラゴン「―――ドラゴンテール!!!」パシンッ 

魔王「ぬお!?」 




965:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:35:26.13 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「(その尻尾、武器にもなるんですね)」 

ドラゴン「普通はしない」 

魔王「……」 

魔法使い「た、助かったわ」 

ドラゴン「余計なことはするな」 

魔法使い「できると思ったのよ……」 

ドラゴン「考えなしに行動するところ、勇者に注意されたことはないのか?」 

魔法使い「う……」 

魔王「ハァァァァ!!!!」ゴォォォ 

ドラゴン「ふんっ!!」 

魔王「……どうやら、お前は無敵のようだな」 

ドラゴン「……」 

魔王「その背中に出来損ないの術士がいるな?」 

ドラゴン「だったら、どうする?」 

魔王「そやつから先に―――殺す!!」シュッ 




966:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:40:02.77 ID:hpeqfj4Jo
ドラゴン「離れろ!!!」 

僧侶「わぁ!!」バッ 

魔王「―――やはり貴様かぁ!!!」 

僧侶「うぁ―――」 

ドラゴン「させるかぁぁぁぁ!!!!」ドゴォ 

魔王「力比べか……!!完全復活を遂げた我に勝てるとでも……思っているのかぁ!!」ググッ 

ドラゴン「そんなこと微塵も思わないな。貴方は……魔族の王……最強でなければならない……!!!」ググッ 

魔王「分かっているようだな……ならば……」スッ 

魔法使い「危ない!!」 

僧侶「ゴンちゃぁん!!」 

魔王「―――弾け飛べぇぇぇ!!!!」 

ドラゴン「しまっ―――」 

ドォォォォォン!!!!! 

魔法使い「くっ……!!」 

僧侶「きゃぁぁ!!!」 




967:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:45:14.19 ID:hpeqfj4Jo
勇者「爆発……!!」 

エルフ「でかい……」 

勇者「急いで戻りましょう!!」 

エルフ「うん!!」 

勇者「にしてもキラちゃん、キスしたら目覚めませんか?」 

エルフ「だから、そんな機能無いってば。一番いいのは一時的に起動させて、ガーちゃん本人に適当な生命体を殺させることなんだけど」 

勇者「周囲には腐るほどいますが」 

エルフ「弱ってないとダメだよ。戦っている最中にエネルギーが切れちゃったら洒落にならないし」 

勇者「どっちにしても危機であることは間違いないですね」 

エルフ「うん」 

勇者「キラちゃん……俺の愛情で奇跡的な起動とか……」 

キラーマジンガ「……」 

勇者「ないかぁ!!」 

エルフ「ガーちゃんは機械兵士なんだから、ちゃんとした手順を踏まないとどうやっても動かないってば」 

勇者「くそぉ!!目覚めのキッスはいらんのかぁ?!」 




968:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:49:19.41 ID:hpeqfj4Jo
エルフ「だからぁ」 

勇者「……」ピタッ 

エルフ「ど、どうしたの?」 

勇者「……」 

エルフ「え……?―――ドラゴン様!?」 

魔王「ふふふふ……ふはははははは!!!!!」 

僧侶「ゴンちゃん!!」ダッ 

魔法使い「ダメ!!」ガシッ 

魔王「―――砕けろぉ!!」 

ドォォォン!!! 

僧侶「きゃぁ?!」 

魔法使い「危ないでしょう?!」 

魔王「さぁ、どうする?お前たちの主力が倒れたぞ?」 

僧侶「ゴンちゃん……ゴンちゃぁぁぁん!!!」 

ドラゴン「ぅ……ぉ……」 




969:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 10:54:12.32 ID:hpeqfj4Jo
勇者「キラーマジンガの起動、お願いします」 

エルフ「でも……魔物が……」 

勇者「……」 

エルフ「待って。ドラゴン様を……?」 

勇者「……」 

エルフ「嘘だよね?」 

勇者「時間がないのです」 

エルフ「嫌だ!!」 

勇者「しかし!!他に方法がない!!!」 

エルフ「そんなの魔王と一緒だよ」 

勇者「……っ」 

エルフ「ボクは反対だよ、そんなの。―――そんなことするなら、軽蔑する。ボクの好きな勇者じゃないもん」 

勇者「じゃあ、どうしたら……」 

エルフ「それは……」 

勇者「とにかく、ドラゴンをあのままにはできません。治癒をお願いします。僕がなんとか魔王の気を逸らしますから」 




970:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:01:33.05 ID:hpeqfj4Jo
勇者「魔王!!!」 

魔王「……来たか」 

僧侶「勇者様!!ゴンちゃんが!!」 

勇者「いい加減にしろよ……!!俺の女に何度手を出すつもりだぁぁぁぁぁ!!!!!」 

魔法使い「もっと言ってやって!!」 

魔王「ふん……我に歯向かうものは全て処刑だ」 

勇者「貴様にそんな権利なんてないだろうがぁ!!!」 

魔王「我は魔族の王!!!世界を統べる王だ!!!兎の毛ほどの小国で満足するようなニンゲンとは違う!!」 

勇者「そんな人間相手に熱くなってる時点で器が知れるな」 

魔王「……」 

勇者「お前なんか足下が見えていない、独活の大木だぜ」 

魔王「……ふふ……くくく……」 

勇者「なんだ……」 

魔王「安い挑発だな。―――何をしようとしているのか、手に取るようにわかるわぁ!!!」バッ 

エルフ「なっ?!」 




971:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:07:26.53 ID:hpeqfj4Jo
魔王「ドラゴンの治癒など……させるかぁぁぁ!!!!」ゴォォォォ 

エルフ「壁よ!!」キュゥィィン 

魔王「ふははははは!!!耐えられるのかぁ!!!」 

エルフ「がっ……!?無理……かも……」 

勇者「それ以上はぁぁぁぁ!!!!」ダダダッ 

魔王「ふん」ブゥン 

勇者「つっ!?」 

魔王「貴様らでは我には勝てない。何故、それが分からん」 

エルフ「うぐぐぐ……!!!」 

魔法使い「助けなきゃ!!」 

魔王「できるのか?」ゴォォォォ 

魔法使い「まじぃ?!」コォォォ 

魔王「我の炎すらも受け止めるか……実に面白いニンゲンだな……」 

魔法使い「まりょ……く、がぁ……!!」 

僧侶「……ここは……私が……」 




972:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:10:36.67 ID:hpeqfj4Jo
勇者「やめろ!!!」 

僧侶「……っ」ビクッ 

魔王「……」 

勇者「魔王……これがなにか分かるな……」チャカ 

魔王「魔法銃か……」 

エルフ「あっ……はぁ……はぁ……」 

魔法使い「し、死ぬかと思ったわ……」 

僧侶「ゴンちゃんの治癒を!!」 

エルフ「分かってるよ!!」 

勇者「これで終わりにしてやる」 

魔王「ぬ……」 

勇者「……」 

魔王「……」 

勇者「くらえぇぇぇ!!!!」グッ 

魔王「今の我ならば受け止められる!!―――壁よ!!!」 




973:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:14:37.76 ID:hpeqfj4Jo
カチンッ 

勇者「……」 

魔王「……」 

勇者「……」カチッカチッ 

魔王「……ほう?」 

勇者(やっぱり弾切れだったか……) 

魔王「どうやらこれで我の勝利はより確実なものとなったな」 

勇者「みたいだな」 

魔王「覚悟は……できたな?」 

勇者「みなさん!!カバーを!!!」 

僧侶「は、はい!!」 

魔法使い「作戦は?!」 

勇者「えーと……特にありません」 

魔法使い「ちょっと……!?」 

勇者「もう……勝機は殆どありませんから……」 




974:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:20:16.26 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「勇者様……」 

魔法使い「……」 

勇者「やはり……人間では魔王になど勝てなかったのです……」 

魔法使い「殆どっていったわね?」 

勇者「……」 

魔法使い「まだあるんでしょ?勝つ方法が!!それを試しなさいよ!!」 

僧侶「勇者様!!私たちはどんなに無茶なことでもやりますから!!」 

勇者「キラちゃんが目覚めれば……あるいは……」 

魔法使い「どうすればいいの?」 

勇者「起動させるためには大量の魔力が必要です。その後で生命エネルギーもいります」 

僧侶「魔力は?」 

魔法使い「私のはもうスッカラカンよ?」 

僧侶「私は抱きつけば魔力を送ることもできますが、少しずつなので時間がかかるかと……」 

勇者「だから……絶望的なんです……」 

魔法使い「ごめんなさい……最後まで役立たずで……」 




975:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:24:38.71 ID:hpeqfj4Jo
勇者「とりあえず両名とも僕に抱きついてくれますか?」 

僧侶「え?」 

魔法使い「こんなときに何言ってるのよ!?」 

勇者「最後のお願いです」 

魔法使い「もう……」ギュッ 

僧侶「勇者様……」ギュッ 

勇者「ぬほほぉ……これが……最後に味わう抱擁……」 

魔王「終わりだ……!!」 

勇者「好きにしろ」 

魔法使い「……っ」ギュゥゥ 

僧侶「うぅぅ……」ギュゥゥ 

勇者「む……そんなに胸を押し付けて、興奮するじゃないですか。貴女もお尻がたまりませんなぁ」ゴソゴソ 

魔法使い「きゃぁ?!どこ触ってるのよ!!」 

勇者「……大事にしてくれて、感謝します」 

魔法使い「え?」 




976:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:29:47.18 ID:hpeqfj4Jo
エルフ「まずい……治癒が追いつかない……」パァァ 

ドラゴン「もういい」 

エルフ「でも!!ドラゴン様!!」 

ドラゴン「もう……俺は駄目だ……それよりも……人形をもってこい……」 

エルフ「ドラゴン様……」 

ドラゴン「俺の命だ……好きなようにさせろ……」 

エルフ「……」 

ドラゴン「あの人形は俺のために働いた……その褒美はいるだろう……」 

エルフ「……わかりました」 

ドラゴン「はやくしろ……勇者が……」 

エルフ「ガーちゃん……いくよ……んっ……!!!」 

ドラゴン「はぁ……はぁ……」 

キラーマジンガ「―――おはようございます」 

ドラゴン「おお……」 

キラーマジンガ「マスター……代理ですね。どうしたのですか?酷い外傷です。早急な治療を推奨いたします」 




977:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:36:00.86 ID:hpeqfj4Jo
エルフ「ガーちゃん……良く聞いて……」 

キラーマジンガ「なんでしょうか?」ズイッ 

エルフ「ちかい……」 

ドラゴン「俺を殺せ。木偶人形」 

キラーマジンガ「……殺す?何故ですか?理由がありません」 

ドラゴン「後ろを見ろ」 

キラーマジンガ「……状況、把握しました」 

ドラゴン「俺を殺し、お前の力に変えろ。そして、勇者と共に魔王を……討て……」 

キラーマジンガ「マスター代行とはいえ、私がマスターを手に掛けることは許されません」 

ドラゴン「やれ……」 

キラーマジンガ「できません」 

エルフ「そ、そんな……でも、今のままじゃあ、ガーちゃんはすぐに機能停止になっちゃうよ?!」 

キラーマジンガ「これは私の意志です。できません」 

ドラゴン「―――俺はもう死ぬ……だがな……無駄死にだけはしたくない……。俺が死ぬことで勇者を守れるのなら……そう死なせてくれ……」 

キラーマジンガ「……」 




978:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:40:47.66 ID:hpeqfj4Jo
魔王「勇者ぁ!!!貴様が消えれば……我の天下となるのだぁぁぁぁぁ!!!!!」ブゥン 

勇者「二人ともはなれて!!」ドンッ 

僧侶「わっ?!」 

魔法使い「ちょっと!!無茶よ!!!」 

魔王「ハァァァァ!!!」 

勇者「なんのぉ!!!」ギィィン 

魔王「そのような鈍らで何ができる!!!」ボキィ 

勇者「ふっ!!」バッ 

魔王「燃え盛れ!!!」ゴォォォ 

勇者「―――甘い!!」ズバッ 

魔王「つっ!?」 

勇者「剣はもう一本あるんだよ!!」 

僧侶「あ、私の……いつのまに?!」 

魔王「非力よな……ふんっ!!」ボキィ 

勇者「よくも……!」 




979:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:48:36.61 ID:hpeqfj4Jo
魔王「これで―――」 

勇者「―――おわりだぁぁぁぁ!!!」ギラッ 

魔王「貴様!?」 

勇者「突き刺されぇぇぇぇぇ!!!!」 

グサッ!! 

魔王「ガァァァァァアアアアアァァァァァア!!!!!!」 

勇者「キャプテンと同じ痛みを思い知れ!!!」 

魔王「おの……れぇぇぇ……我の目を……そのような玩具でぇぇ……!!!」 

魔法使い「あれは……私のナイフ……」 

勇者「はぁ……はぁ……」 

魔法使い「……」 

僧侶「勇者様!!」 

魔王「ぐ……ふふ……これが……精一杯なのだろう……!!!」 

勇者「はぁ……はぁ……はぁ……まだ……立つのか……」 

魔王「―――この程度で図に乗るなぁぁ!!!」ザンッ!!! 




980:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:52:33.18 ID:hpeqfj4Jo
勇者「がぁ……」 

魔王「ふふふ……ふはははは……!!」 

僧侶「勇者様ぁ!!!」 

魔法使い「いや……」 

勇者「あ……ぁ……」ヨロッ 

勇者(傷が……深すぎる……) 

僧侶「勇者さ―――」 

魔王「お前も……目障りだ!!!」ゴォォォォ 

魔法使い「どいて!!」ドンッ 

僧侶「え―――」 

魔法使い「アァァァァァ―――!!!!!」 

勇者「やめろぉぉ!!!」 

僧侶「きゃぁぁぁ!!!!」 

魔王「ふははは……ここまでやるとはな……驚いたぞ。だが……万策尽きな……」 

勇者「かっ……ぁ……くそっ……」 




981:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 11:57:15.67 ID:hpeqfj4Jo
魔王「ドラゴン……」 

ドラゴン「……」 

エルフ「はぁ……はぁ……」 

魔王「ふん……治癒が間に合わなかったか……」 

エルフ「……」 

勇者(意識が……) 

魔王「ここで終幕だな。楽しかったぞ……ふはははは……」 

勇者「まて……」 

僧侶「いやです!!私のせいで……こんな……こんなぁ……!!」ギュゥゥ 

魔法使い「ぅ……」 

魔王「仲良く海の底で戯れていろぉ!!!」 

キラーマジンガ「―――錆びるのでお断りさせていただきます」 

魔王「!?」 

キラーマジンガ「最終目標補足。魔王……私は貴方を倒すために生まれた機械兵士」シャキン 

魔王「貴様は……魔道士の……」 




982:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 12:03:46.87 ID:hpeqfj4Jo
キラーマジンガ「はぁ!!!」ザンッ 

魔王「ぐぉ!?」 

キラーマジンガ「……」 

魔王「あやつめ……我を暗殺し、魔王の座を狙っていたというのは本当だったか……」 

キラーマジンガ「覚悟して頂きます」 

魔王「それはできんな!!!」バッ 

キラーマジンガ「あ……」 

魔王「一先ず退くとしよう……!!」 

勇者「それは……ぁ……!!」 

エルフ「ここで逃げられたら……終わる……!!」 

魔王「我は負けん……負けるわけにはいかぬ!!!」 

キラーマジンガ「逃がしません」バッ 

魔王「くるなぁ!!化け物めぇぇ!!」ゴォォォ 

キラーマジンガ「―――はぁぁぁぁ!!!」ギラッ 

魔王「なんだと―――!!」 




984:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 12:07:30.18 ID:hpeqfj4Jo
キラーマジンガ「成敗」ザンッ 

魔王「がはっ……?!」 

勇者「……」 

僧侶「ジーちゃん……」 

エルフ「やった……?」 

魔法使い「うぅ……っ……」 

魔王「おのれぇ……オノレェェェ……!!!」 

勇者「もう一撃だぁ……!」 

キラーマジンガ「了解」 

魔王「―――遅いわぁ!!!」スッ 

キラーマジンガ「!?」 

ドォォォォン!!!! 

エルフ「ガーちゃぁん!!!」 

魔王「機械兵士までいるとはな……ふふふふ……態勢を立て直すしかあるまい……」 

勇者「まて……に、げるなぁ……」 




985:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 12:14:08.81 ID:hpeqfj4Jo
魔王「ここまでの深手を負わされるとは……あやつの機械兵士……侮れぬ……な……」 

エルフ「魔王……まて……」 

勇者「くそ……」 

魔王「ふふふ……また相手になってやろう……今度会うときは更なるエネルギーを蓄えて……」 

勇者「まてぇ……!!」 

ドラゴン「―――魔王」 

魔王「なに……」 

ドラゴン「往生際が悪いな……」 

魔王「死にぞこないがぁぁ!!!!」 

ドラゴン「逃がしはしない!!!」ガシッ 

魔王「ぬぉ!?」 

ドラゴン「勇者よ!!キラーマジンガはもう限界だ!!!お前が立ち上がらせろ!!」 

勇者「俺も限界だけど……」 

僧侶「勇者様!!手を!!」 

勇者「あ……あぁ……」ギュッ 




986:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 12:19:36.63 ID:hpeqfj4Jo
勇者「よし……これで少しは動ける……」グッ 

僧侶「勇者様、急いでください!!」 

勇者「ああ……わかってるよ」 

勇者「キラーマジンガ!!」グイッ 

キラーマジンガ「パパ……お腹が空きました」 

勇者「あそこに飯があるぞ」 

キラーマジンガ「……」 

魔王「おのれぇぇ!!!」ガッ 

ドラゴン「勇者よ!!早くしろ!!!」 

キラーマジンガ「パパ……」 

勇者「走れるか?」 

キラーマジンガ「無理です」 

勇者「じゃあ、早く乗れ!!」 

キラーマジンガ「よっと。―――合体!!勇者マジンガ!!」 

勇者「ネーミングセンスねえな!!―――いくぞぉぉ!!」ダダダッ 




987:NIPPERがお送りします:2012/06/29(金) 12:24:31.28 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「おぶって……つっこむき……?」 

僧侶「いけー!!」 

勇者「アァァァァァ!!!!」ダダダッ 

キラーマジンガ「エネルギー値限界です」 

勇者「気合で我慢だ!!!」 

キラーマジンガ「スパルタパパ……好きじゃない……」 

魔王「くぅぅぅ!!!!」 

ドラゴン「最後だ……魔王……!!!」 

魔王「なぜだぁぁ!!!何故ニンゲンに加担する!!!」 

ドラゴン「俺はニンゲンに手を貸した覚えはない!!」 

魔王「我が……我が死んでもぉぉぉ―――!!!」 

勇者「やれぇぇ!!!」 

キラーマジンガ「一刀両断っ」 

魔王「オォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」 

―――ザンッ!!! 

 

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