獣谷本郷駅
昭和初期、初代の獣谷本郷駅駅舎が火事により焼失してしまった為に建てられた二代目の駅舎である。
当時、麻知に住んでいた黒猫建築士により設計された、獣谷地区では初めての鉄筋コンクリート建築である。シンプルなモダニズム建築ながら、獣耳をあしらったペディメントや、ステンドグラスの嵌ったアーチ状の飾り窓、床の市松模様のタイルなどが特徴的。
一階は駅務室や待合室として使われており、向かって右側の平屋部分に喫茶ミミが入っている。二階は出入り口の直上のみ吹き抜けとなっており、ステンドグラスを通じて陽光を取り込めるようになっているが、駅務室や待合室、改札の上の部分には部屋があり、そこは獣谷鉄道本社事務所として使われている。
構内
上図は獣谷本郷駅連動図表より引用
モダンな駅舎を潜り抜けると、獣谷鉄道の拠点となる広々とした構内が目に入る。
構内左手奥(図面右下)には獣谷鉄道の車庫があり、手前から機関車検修庫、ディーゼルカー検修庫、貨客車検修庫と並ぶ。側線も5本(内1本は機回し線)と多く、旅客施設も2面3線、しかも島式ホームは広く、短いながらも屋根がついている。
また、本郷地区の中心部へ500mほど燃料輸送用引込み線が延びており、その分岐が奥平方にある。
獣谷は自動車で谷の外へ出るのが非常に不便で、旅客も貨物も、輸送に関しては列車がまだまだ主役である。特に、農作物や森林資源の輸送の繁忙期には旅客列車と同じか、それよりももっと多くの貨物列車が運転される。
広く屋根のある旅客ホームはそうした時期に貨物の積み込みをするためでもあるようだ
最終更新:2013年07月20日 19:19