アンチリテラルの数秘術師に登場する能力。
"
災厄の数"の一つ。
有形、無形関係なく存在を奪う力。
巨大な口を創造し、その口で捕食した人間の人間関係(写像)を手に入れ、“人間関係の鎖”で操る能力。
例えば警視総監を捕食すれば警視総監の権力というスカラーを得てほぼ全ての警官が、
日本の総理大臣を捕食すれば総理大臣の権力というスカラーを得て日本国民全てが彼女の支配下に陥る。
また
電撃、爆炎などの攻撃を吸収し、反撃することや受けた弾丸を吸収し、弾丸硬度といった性質さえも吸収する。
能力についての詳細
発動時の容姿
- 赤いスカラーで出来た天使
- 全身が赤く発光し、"f"で出来た赤い翼が生えてくる。
- 全体集合"U"を表す欠けた天使の輪が頭上に浮かぶ。
来栖の背中から──赤い翼が生え出たように視えたのだ。
赤い翼は、アルファベットのfを重ねて並べた形をしている。
- 後頭部から赤い鎖の束が生える
- 鎖は物質を透過する。
- 鎖は操作されている人間に繋がっている。
来栖の後頭部から生えていた赤い鎖の束。その中の数本が虚空へと浮かび上がる。
浮かび上がった数本の鎖は、屋敷の壁を透過してどこかへ繋がっているようだ。
基本性能
射程(口) |
不明 |
射程(鎖) |
作中に出ている最大射程では日本全土 |
威力(口) |
人体ならば問題なく咀嚼できる。 2ギガジュールの炎、電子雪崩などと言った非物質も捕食可能。 |
効力(鎖) |
ボロボロ:人間を犬のような四足歩行でしか操れない 通常の鎖:人間を武装させて組織的に襲わせる事ができる |
速度(口) |
ベレッタM93R
の銃弾が飛来するより早く口を展開して飲み込める |
速度(鎖) |
常時発動(災厄の数に変異していなくても発動している) |
存在捕食
- 捕食時には頭上のUの字の輪が巨大な口に変化する
- 捕食口は実体化しているため、一般人にも視覚できる。
- 食われたものは虚空で消える。
直後──来栖の頭上に漂っていたU字のスカラーが、スライスされたように裂ける。
まるで、Oの字が折れてお辞儀をしているような形状になった。巨大な唇と化したそれは、来
栖に向けて飛来してきた銃弾を虚空で喰らってしまう。
存在吸収
- 捕食することで『権力』や『能力』というスカラーを手に入れる
- 物理的な質量やエネルギー、人間関係全てを吸収する。
「権力や能力は形は、形はなくても大きさを持ったスカラー。それを奪い、私という集合の器に入
れる事で、他人のモノを自分のモノにする事が出来ます──私は"Φの器"ですから」
+
|
人間関係の鎖 |
人間関係の数値 |
鎖が付いていたもの |
鎖の様子 |
1~540 |
犬男 |
鎖が千切れており、輪もボロボロとなっている |
510~898 |
聖アルナス学園の生徒 |
赤い鎖 |
- 支配下に置かれた人間には“人間関係の鎖”が生成され、操られる
- 首筋に赤い楔が打ち込まれ楔の端から使用者へ赤い鎖が伸びる。
- 楔の打ち込まれている首筋には影響力の数値が表示され、影響力が高いほど鎖は頑丈になる。
「…………おそらく、来栖さんが写像の人々に及ぼす影響力が数値化されたものだと思う。数
値の大きさが、来栖さんがその人へ影響する力の大きさなんだよ。元々他人が持っていた影響
力を、来栖さんが無理矢理自分のモノとして使っているから、傷付いた赤のスカラーになって
いるんじゃないかな」
|
物質吸収
「私の力は、有形や無形に関係なく"他から奪う力"です。人体とは肉塊。他人を喰らえば、
私は大量のそれを得る事が出来ます。得た肉塊を粘土細工の材料のようにして使えば、自身の
身体の形状さえ自由自在に変えられるんですよ。便利でしょう」
一刀両断にされる来栖の身体。
(中略)
しかし──来栖の切り離された肉体は、断面から伸びた肉の触手によって繋ぎ止められ
る。肉の触手は切り離された身体の上下をお互いに手繰り寄せ、再び結合して元通りの無傷
に戻った。来栖の変幻自在の肉体は、切断や破損では致命傷になどならないようだ
特性・能力の吸収
- 硬度などの性質を吸収し、自身の肉体に付与させて発射させることも可能。
「明津さんの銃弾から得たものは、エネルギーだけではありません。銃弾の硬質さという“性
質”もそうです。硬質な肉の銃弾としてお返ししましょう。……今度こそ確実に殺します」
弱点
- 吸収できる器の許容量に限界がある
- 許容量以上の攻撃を受けると器が耐え切れず崩壊する。
- この吸収限界は指摘されるまで能力者本人は気づいていない。
- 作中では対消滅刃に耐えきれず崩壊した。
- 反物質1gで約90兆ジュールなのでナイフから受けたジュール数は推定で90兆×10㎏前後。
気のせいか。
今一瞬、来栖の眼前に漂う2ギガジュールの数値の下に、分数で言う分母のような数が、ノ
イズがかかって視えた。
欠点
- 写像の支配は抗うことが出来る
- 持っているのが権力や影響力であって、絶対命令権ではない。
- 支配されている人間が“従うことをやめる”と、支配から外れる。
来栖の写像として操られている警官。
その首筋の傍に漂っていた赤い数値が、次々とカウントダウンを始めていく。
数値は次々と0に変わり──来栖に繋がれていた赤い鎖にはヒビが入り始める。
やがて鎖は、木っ端微塵に砕けて崩壊した。
それは、命令に“従う事をやめた”警官達が、来栖の写像関係から解放された瞬間だった。
「彼女は自らの器の中に、他人から奪ったものをたくさん詰め込んだ。けれどそうする事によ
って、器の中に占める本来の来栖さん自身の割合は薄まっていくばかり。他人の存在を自らの
中に取り込む度に、来栖さんの存在は、器の中に限りなく0に近づくはず。だから来栖さんは、
もうすぐわからなくなるはずだよ。何が自分で、何が自分自身でないのか。(以下略)」
使用者との関連性
来栖 真意の場合
- Φの器
- 使用者が己を空っぽの器φだと認識したことで"集合"の能力になったと思われる。
- 未完成
- 器の許容量の弱点についても"災厄の数"として成長途中であったため生じたと説明されており、完全に成長しきったときは許容限界が無くなる可能性がある。
元ネタ
ニコラ・ブルバキ(仏: Nicolas Bourbaki)
架空の数学者であり、主にフランスの若手の数学者集団のペンネームである。
数学者集団は秘密結社として活動し、ブルバキを一個人として活動させ続けた。
数学における集合
数学における集合とは、大雑把に言えばいくつかの「もの」からなる「集まり」である。
集合を構成する個々の「もの」のことを元(げん、element; 要素)という。
関連項目
"集合"の能力および種族分類。
関連タグ
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最終更新:2020年07月30日 15:22