眠りに落ち、夢を通じてその深奥へとただ降りていく。
邯鄲の法とは、己の軛から解き放たれた状態で経験を重ね、そしてそこに存
在するであろう神の力を得ることが最終目的とされていた。
邯鄲の夢を操る基本において、複数の夢を掛け合わせて使用す
れば効果が上がる。しかしそれは、得意な夢同士という倍に限
るもの。
どちらか一方、あるいはすべて、不得手なマイナスが入り込め
ば法はあっけなく乱れ始める。
具体的に言うなら反転、暴走、または不発。
夢の種類 | 効果 | |
戟法 (アタック) |
剛 | 身体能力強化。主に腕力、膂力等の攻撃力を強化する。 現実のスペックに影響されやすい。 |
迅 | 身体能力強化。主に脚力、敏捷等の機動力を強化する。 現実のスペックに影響されやすい。 | |
楯法 (ディフェンス) |
堅 | 身体能力強化。身体強度などの防御力を強化する。 現実のスペックに影響されやすい。 |
活 | 身体能力強化。身体の活性化、治癒促進などの再生力を強化する。 現実のスペックに影響されやすい。 | |
咒法 (マジック) |
射 | 点を精密に狙う射撃。 |
散 | 面で爆発させる爆撃。 | |
創法 (クリエイト) |
形 | 物質生成。武器、防具、道具等の物体を生成する。 武器などは生成すれば、他の夢に変えても消滅しないため、武器を持ったまま他の夢を使える。 |
界 | 環境の創造。 天候、時刻を創造する。形よりも難易度が高い。 | |
解法 (キャンセル) |
崩 | 他者の夢を解析し強制解除する。 物理的エネルギーや物質を分散させられる。 |
透 | 他者から認識されなくする。 物体やエネルギーの透過も可能。 |
「イメージが足りないのよ。食べたことないもの出しても、味は再現しようがない
でしょう?」
一度創形した物はその時点で独立した物体となり、術者が自由に消せるような物で
はなくなる。流石に永久持続するわけではないものの、この瞬間に自然消滅するわけ
がないのだけは確かだろう。
解法の透を用いることで一時的に距離を無視し、地脈や気脈を伝導させるという神
業。
馬鹿馬鹿しい突っ込みを一蹴しつつ、俺は世良に意識を傾けてその存在を見通しに掛
かった。