ぐんぽうじよう・きんうぎょくとしゃかまんだら
作品名:相州戦神館學園 八命陣
使用者:壇 狩摩
相州戦神館學園シリーズに登場する能力。
邯鄲法における
五常楽の急段。
対象の集団を駒と棋手に分けてゲームを行う異界を創造する。
掛け金は命であり、敗北者とその駒は
逆転しないかぎり死亡する。
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詠唱 |
三 国 相 伝 陰 陽 輨 轄 簠 簋 内 伝
急段・顕象――
軍法持用・金烏玉兎釈迦ノ掌
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能力についての詳細
発動時の形容
- ゲーム盤の創界
- 盤面と盤面外の区切られた異界を創造する。
- 盤面の種類はゲームに依る。
創造されていく狩摩の世界。上空に瞬く軌跡はまるで何かの形状を描いているよう
であり、それは例えるならば将棋の盤面のようにも見受けられる。
九×九で均等に区切られた、夢界とは異なる理を掲げたこれぞ盲打ちのテリト
リー
発動条件
- ゲームの対局であることに合意する
- 頭脳明晰な人物ほどよく嵌まる。
- 猪突猛進な人物にはまず使えない。
一人では指せない。
必ず対局相手が必要とされることこそが、狩摩の世界における第一の特質であっ
た。
(中略)
たとえれば百鬼空亡、それにキーラ・グルジェワなら嵌まらない。奴らはこれが将棋
であるなどと理解できないし、盤を持ち出してもそんなものは知らんと殴りかかる輩
だからだ。
対して他の賢しき者なら、覿面にかかる。それは取りも直さず利口がゆえに。
対局であるという解に至った時点で、もう脱出不可能なのだ。
- 壇狩摩がただの対局をするはずがないと思い込んでいること
壇狩摩がこんなことをするはずがない。そう思わせたうえでの対局は、すなわち彼が
将棋の勝負などするはずがないという双方の了解、合意……だからこそ、ちゃぶ台返
しが当たり前に起こる。
盤面化
- 相手集団を対局者と駒にする
- 駒になった人物はなった駒に相応しい動作の認識範囲を得る。
- 本来ならば可能な動作や認識が不可能になったり、その逆も起こる。
未だ全容は見えないこの空間の仕組み。自分の身体が動かないのみならず、まるで何
か別の身体器官が増えたかのような感覚があるのだ。
つまり、ただ単にハンディキャップを負っているだけではなく、これまでにはなかった
アドバンテージも同時に付与されている。
己の力が具現できない、まるで身体の奥にある回路が断線したかのようだ。
いや、おそらくは塗り替えられたのだろう。釈迦の掌に相応しい猿として。
- 対局を行わないように細工ができない
- いかに抵抗しようが、その抵抗に見あったルールになる。
たとえ迷宮の壁をぶち破って進もうが仲間同士で殺し合いを始めようが、そういう
ルールの創界になるだけ。狩摩の夢は将棋だけに非ず、協力強制で紡ぐ以上、本人に
さえ分からない千変万化を起こすのだ。
対局
- 対局を行い敗者は死亡する
- 指している人間が死亡すれば敗北となり、連座で駒も死亡する。
「あなたの急段は、対局の合意を得ることで敵を将棋の世界に落とし込む。そしてそ
この勝負に負ければ、ルールに則り命を落とす」
- 誰がどの駒に該当するかわからない
- 将棋というゲームの特性上、駒を犠牲にする必要が出てくるため、途中で人が死ぬ可能性が出てくる。
全体を見回し、戦況を判断した上ですべてを同時に動かし立ち回る。そして、誰がど
の駒に該当しているかはこちらからじゃ分からない。
これが駒としての加速、一手を指すということか。
(中略)
通常の倍にも等しい速さ。それはおそらく、俺が歩美の指す一手通りに動いているか
らなのだろう——自分にはない発想であり、こんな動きを自らの意志で取ったことは
初めてだ。
存在する空間 |
盤面外 |
盤面上 |
役割 |
打ち手(盤面上では王将にあたる) |
駒 |
勝敗条件 |
相手を死亡させること |
王将を獲ること |
必要とされる能力 |
戦況の把握、高等演算、指し続けるための精神力 |
相手の駒に獲られないだけの戦闘能力 |
勝敗逆転
- 対局の勝敗が決定した瞬間に世界の力が総て敗者へ流れ込む
- 敗者が敗北を認めていれば世界の力に喰われて死ぬ。
- 敗者が敗北を認めていなければ、その力を総て思い通りに使用できる。
- 対局相手をその場で殺し、盤面外で勝利することができる。
将棋という勝負が決着した瞬間だけ、その世界を維持していたすべての力が敗者側へ
と雪崩れ込むのだ。ゆえに心が負けを認めればその力が敗者の命を喰らい尽くすが、
認めなければプラスに転じる。
使用者との関連性
囚われない思想
- 常識やひとつの概念に囚われずに生きようとする人間
- 将棋や対局という形式に馬鹿正直に嵌まる人間を嘲笑うような夢。
元ネタ
軍法侍用集
鎌倉時代より軍略をまとめた実用書。
簠簋内伝
安倍晴明が編纂したと伝承される占術の専門書。
「簠簋」とは、古代中国で用いられた祭器の名称。
正式名称は「三国相伝陰陽輨轄簠簋内伝金烏玉兎集」といい、「金烏玉兎集」とも略称される。
金烏は太陽に棲むとも太陽の化身とも言われる三本足の金の烏であり、太陽を象徴する霊鳥である。
玉兎は月に棲むとも言われるウサギで、月を象徴する。
金烏玉兎集という名は気の循環と日月の運行によって占う陰陽師の秘伝書であることを象徴しているのである。
後年には読みやすくした「簠簋抄」というものも出版された。
関連項目
軍法持用・金烏玉兎釈迦ノ掌の能力分類。
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最終更新:2015年02月05日 22:56